捨て犬の報酬 終演しました!どうもありがとうございます!
おぼりん
pit北/区域(東京都)
2014/11/16 (日) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
楽しませていただきました
りんぺいさんの「捨て犬の報酬」感動して涙が出ました。「捨て犬」が舞台上にいる。さっきまで入り口で人間(当たり前)だった役者が、芝居によって犬になり、セットもない舞台を物語世界に塗り替えていく。声の鍛錬が素晴らしい。元々ミュージカルにも出ていらしただけのことはあって、役者の根幹たる「声」、十二分に堪能させて頂きました。
イエドロの落語 其の弐9月 目白 古民家ゆうど公演
イエロー・ドロップス
ゆうど(東京都)
2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
人間を描けてこそ
間近で拝見し、素晴らしい演技力に感嘆いたしました。目の前なので、ちょっとした切りかえのアラなども見えてしまう距離でしたが、全く違和感なくとりつかれた役者はとりつかれた者として、死神は死神として見えました。落語のうすら怖さは、化け物怪奇の怖さと言うより、人間の心の奥底の醜さの怖さを描くところにポイントがあると思います。そのためには、人間と言う曖昧な存在を余すところなく演じ切る役者の技量が必要なのです(若手の落語家さんでも、人間が演じられてない方は、やはり噺が浅いのです。)
林さんのコーディネーターぶりも素晴らしかったです。相変わらず良い声の役者さんです。演者として更に円熟味を増され、この独特の催しに相応しい存在感を放っておられたと思います。
無伴奏ソナタ
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2014/09/26 (金) ~ 2014/10/01 (水)公演終了
満足度★★★★
演劇とはこういうもの
いつもながら演出・脚本の力が素晴らしい。タイトルがまさに作品を表象しており、ストーリーとの絡め方が秀逸なのです。冒頭からあまりに美しい音と光の洪水。
役者の声がまた良い。表現に必要な豊かな声量、微細な声色のコントロール、全てが訓練された役者のそれでした。
ピアノのシーンは涙をとどめることが出来ませんでした。
ひとは何を糧に生きるのか、追い求めるのか、久しぶりに心に迫る作品でした。
ジルゼの事情
劇団鹿殺し
サンシャイン劇場(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★
安定の一作
久々の鹿殺しは、すっかり商業の劇団として洗練されましたね、と言う印象でした。観に行ってがっかりさせられることは無いと言う安心感。
楽曲もダンスも全てに安定感があり安心して観られました。
ただ後一押し足りない。6000円を超えるチケット代を考えると、もう一つ、芝居を観た、エンタメを観た、と言う充足感が必要な気がするのです。
非常の階段
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2014/09/12 (金) ~ 2014/09/21 (日)公演終了
乗り切れず
群舞の美しさや、盛り上がりのパワーは最近のアマヤドリ作品で一番良かったと思います。他方、ところどころ説明過多で冗長なのは相変わらず。言わずもがな、も芝居の魅力のうちと思うのですが。視覚聴覚に対して大変論理的なのですが、客に対する余白が少ないのがいつも気になります。作風と言ってしまえば、それまでなのですが。
もしも、もう一つの人生を見られたら
Unit Blueju
座・高円寺2(東京都)
2014/09/19 (金) ~ 2014/09/22 (月)公演終了
満足度★★★
☆三つ
ミュージカルとしては、やや及第点を下回る出来、ただダンスなど見所も沢山あり、価格と合わせて☆三つと言う印象です。
お話がうまくない印象があります。うまくないと言うのは、エピソードが話の盛り上がりに向かって整理されていないと言う意味です。
小俣さんは先日観た公演でも一人だけ目立って良い女優だと思いましたが、今回も期待は裏切られませんでした。
赤い下着、覗くその向こう側、赤の歪み
キ上の空論
新宿眼科画廊(東京都)
2014/05/09 (金) ~ 2014/05/21 (水)公演終了
満足度★★
既視感既視感
最初は傑作か、と思ったのですが、これ岸田賞候補になったいくつかの戯曲をつなぎ合わせたような内容ですね。この戯曲とこの戯曲と・・と頭の中でつながるにつれ、醒めていきました。よく纏まっているし面白いと思うし毒の入れ方などはセンスを感じます。ですが、こういう小さく纏まった作品は結局「野田秀樹・廉価版」とか「蓬莱竜太・廉価版」とか「本谷有希子・廉価版」以上の価値を個人的には見いだせないです。小綺麗にまとまった作品だからこそ、演劇(商業ですが)に関わる人間の端くれとして、小劇場のこういう現状は残念だと思わされる作品でした。
少年十字軍
Studio Life(スタジオライフ)
シアターサンモール(東京都)
2014/02/08 (土) ~ 2014/03/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
悲しくて、美しい夢
Fluctusで観劇いたしました。劇場をフルに使った演出に、作品世界と調和した衣装、美術、そして照明音響の技術の素晴らしさもあいまって、あり合わせが横行する小劇場で何もかも一際美しいです。観ているだけで美しく、さらに耽美で巧い役者様達に酔い、ああこれが演劇だと、夢だと毎回感嘆する次第です。
話の骨格を見るならば前半はやや冗長。ですが後半は泣いてしまいました。少年版ひめゆりの塔ともいえる本作。原作・脚本の素晴らしさも胸を打ちます。
「r 」
日本演劇連盟
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2014/02/15 (土) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★
スタンス次第?
注目しているレビュワー様が揃って「観たい」を投稿されていた本団体。団体ネーミングの妙。作者の評価の落差の激しさ(9人が☆5を付けた同作演出の昨年末舞台(別団体)と、同人物が昨年初めに手がけた日本演劇連盟第一回公演の☆平均1)、新しいスタイルとしての「コント演劇」等、関心を誘うに十分であったと思います。
拝見して「笑い」そのものは上手いと思いました。所謂「変人に挾まれて困惑する人」「突っ込む人」は間を外さず、よくお稽古されているのだと思います。ファンの方、何回も観ていらっしゃる方のコメントを見る限り、私とほぼ同じ感想ですし、他の作品だったら、私もその方同様☆を5つつけるほど面白いものがあるのかもしれません。光る部分はあったように思うのです。
しかし申し訳ないのですが、椅子はパイプ、一人一人のスペースも狭い小劇場で、コントだけを90分観ることは出来ません。起承転結がきちんと無いストーリー、コントが断続的に連続するような無意味な展開を見続けるのは苦しかったです。休憩があってほっとしました。
芸術性を追求する作品に似て、観客が劇場で何を楽しみに短くない上演時間を過ごすのか、という視点が弱い作品だったのかと思います。好みでは無かったと言えばそれまでなのですが・・。
燃ゆる
ノアノオモチャバコ
「劇」小劇場(東京都)
2014/02/15 (土) ~ 2014/02/23 (日)公演終了
満足度★★
表層的
「血の呪縛と伝統」「科学技術の進歩」と言った面白くなりそうな破片は沢山あるのです。でも断片は断片として提示されるだけで話が拡散して終わってしまいます。客にゆだねる趣旨だとしても、あまりにも詰め込みすぎというか、テーマが拡散しすぎておもしろみに欠けました。
群舞的というか、キャラクターの心情や人間関係が全然掘り起こされていないので、何も胸に迫ってこないのです。原子力発電所の事故を扱いたいのでしょうが、事故が起きた現在、科学技術と人間の幸福、伝統がまさに火花を散らす被災地が存在している以上、人間不在のきれい事は大変空虚です。
LILIES
Studio Life(スタジオライフ)
シアターサンモール(東京都)
2013/11/20 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
進化
2009年の版とかなり異なる演出でしたか楽しめました。ライフの美しく緻密な世界は毎回良い意味で期待を裏切ってくれます。青木さんは素晴らしい役者さんですね。女性の心理をあんなに上手く表現出来るとは・・
【追記予定】
アクアリウム
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了
呼吸
白米少女
小劇場 楽園(東京都)
2013/12/26 (木) ~ 2013/12/30 (月)公演終了
満足度★★★★
続きが気になる
見終わった後に、登場人物達のその後を知りたくなる、幸せになったことを願わずにはいられない、そんな芝居でした。説明し過ぎないことで、観客に想像の隙間を与え、小劇場の灯りで写し出される登場人物達の表情や会話の呼吸を感じさせる、小さな劇場ならではの秀作だと思いました。
ただし、シーンごとに良い役者が偏り過ぎな気もしました。全部を本当に上手い役者でやったら、凄い傑作になるんじゃないかな。
コンテンポラリーダンスは、演者間のレベル差が大きすぎますね。。でも照明音響がすごく良かった。
西遊記R
山下幼稚宴
相鉄本多劇場(神奈川県)
2013/12/12 (木) ~ 2013/12/17 (火)公演終了
満足度★
レベル高めなお遊戯会
山下、久しぶりに拝見しました。Aキャストの回を観ました。
一言で言うと、「音大生のお遊戯会」になり果てていたと思います。
歌の実力にばらつきがあります。
弥勒菩薩とオレンジの服の女性の家来役は、カラオケレベルの技術だと感じました。高音は細く、発生も安定せず、ここで盛り下がってしまいました。
お話自体は、非常にチープで単純、ご都合主義な内容でした。西遊記の原作を読まず、一般に伝えられているあらすじをもとにアレンジしたような底の浅いものでした。一般にミュージカルは単純化されていても、下敷きになってる小説やオペラ作品の深い理解が下敷きにあります。
翻訳劇に慣れすぎている日本のミュージカル界の問題点が、こんな小劇場にまで出てきているとは・・と危機感すら覚えて観劇しました。
ミュージカルだから良いんだと押し切るのであれば、全員の歌唱レベルを揃えて欲しいところです。
また演技の技術として、口が回っておらず、何を言っているのか分からない役者が数人いました。
片鱗
イキウメ
青山円形劇場(東京都)
2013/11/08 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい。
話のすじはありふれた感じがしました。でもベタをきっちり押さえた上でキャラが精密に描かれ、作り込まれた感情表現があれば、一流の作品です。SF的な、今現在は起こりえないのだけど、近い未来に起こったらと想像出来るくらいのリアリティがある。絶妙だと思いました。
ニューシネマパラダイちゅ
株式会社ウェーブモーション
高田馬場ラビネスト(東京都)
2013/11/06 (水) ~ 2013/11/10 (日)公演終了
満足度★★★
ひっかかってしまった
B観劇。笑どころは多いけれど、笑いがストーリー上浮いてる印象を受けました。それを感じてから、あんまり笑えなくなってしまいました。おぼんろの高橋さん、おぼんろの時と全然印象が違ってびっくりしました。これぞ役者ですね!
♪ご来場ありがとうございました♪ トラブルショー
ミュージカル座
光が丘IMAホール(東京都)
2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
申し分なし!
歌やダンスでミュージカルとして楽しめるだけではなく、随所に笑ってしまう仕掛けが工夫されていて、サービス精神に溢れた舞台だったと思います。詳しいことは他の方が書いておられますので割愛しますが、とにかく二本分観た価値があると思います。おすすめします。
Mr. Fujino
世田谷シルク
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★
呆然
魯迅が日本に留学してから学校を辞めるまでの物語。でした。そして、何があらすじにあった「革命」なのか分かりませんでした。淡々と魯迅と周りの医学生や学校の事務員らとの日常が描かれ、いい加減退屈し始めた頃に、、突如魯迅が「I quit the school」と語り、作品がぶつっと切れるのです。
魯迅が学校を辞めるに至った、それまでの人生をひっくり返すようなカタストロフィがどこにも無いまま、です。作品世界の焦点がぼけているので、間に挟まれる身体表現が浮いています。思い返しても、場転を格好良くやった以上にどんな意味があるのでしょうか・・。役者のレベルは総じて高く、白と赤の衣装も雰囲気にあっており、身体表現も美しかったです。
魯迅役は一体どうしたんでしょうか?初舞台の方・・?こう言っては失礼ですが、素人にありがちな「手持ち無沙汰感」がセリフがないところで酷く感じられました。
檻の中にいるのはお前の方/机の上ではこちらが有利/随分と線引きの甘い地図
電動夏子安置システム
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了
満足度★★★
一本だけ観て楽しめる作品を
企画の斬新さは良いのですが、3つの劇場で起きるお話全てがみたいでしょ、だからチケットを全部買ってね!というあざとさを感じてしまいました。
本来セットでやるなら、1本1本ではそれなりに完結しつつ、オプションで見たければ他のも是非・・という趣向であるべきです。1本しか観ない人もちゃんとチケットを買っているのですから、消化不良が残るような書きぶりにするのは如何なものでしょうか。
緻密な脚本だと感じましたし、役者さんも上手い方ばかりだったので、それが本当に残念でした。
BINGO
Rising Tiptoe
ザ・スズナリ(東京都)
2013/10/29 (火) ~ 2013/11/03 (日)公演終了
満足度★★
視覚的な舞台
初日を拝見しました。
スズナリという劇場、舞台美術、照明、音響の総合力でエンタメとして仕上がっていると思います。ただ観劇して気になったのが、役者の能力にばらつきがあること。キャラ重視でおそらく採用しているのか、破綻はないのですが、ちょっとした体の使い方、セリフの言い方、あるいはそれらを総合した「演技力」に疑問符のつくキャストが居ます。出来の良い学生演劇のような雰囲気でした。別組もあるようなので、何とも言えないところなのですが・・。台詞量に両組通して出演しているメインキャストが負けてしまって、棒読み口調なのは残念です。
とはいえ、視覚的に楽しむ作風だと思いますし、細かいことは捨象してとにかく楽しめば良いのではないかと思います。個人的な感想としてはそんなところです。