バルブはFB認証者優遇に反対!!の観てきた!クチコミ一覧

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光の祭典

光の祭典

少女都市

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/08/21 (水) ~ 2019/08/27 (火)公演終了

満足度★★★

■120分弱■
テーマを詰め込みすぎて互いが互いを霞ませてしまい、どのテーマももうひとつ迫ってこない。若手らしく熱を打ち出すのみならず、とても丁寧に作られていて、その点には好感。

ネタバレBOX

あの青年が元カノの盗撮映像を素材に映画を作った動機が、私にはよくわからなかった。
工場

工場

青年団リンク 世田谷シルク

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/08/13 (火) ~ 2019/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

■105分弱■
今の日本の労働問題を描くにあたり、ブラックコメディの手法が有効なのか、疑問。これを観て身につまされる人がいるだろうか? 話を収斂させず、すべてをうやむやにするようなラストにも感心できず。

4 A.M.

4 A.M.

青年団若手自主企画 川面企画

アトリエ春風舎(東京都)

2019/08/08 (木) ~ 2019/08/12 (月)公演終了

満足度★★★★

■約120分■
山田由梨というアーティスト色の強い劇作家・演出家が、元戯曲の要である“笑い”を殺さぬよう、細やかに、手堅く、職人的にケラリーノ・サンドロヴィッチ作品を演出。みずからの作家性を打ち出しにくいこういう仕事は、作家性の強い演劇人には窮屈に感じられたかもしれないが、ストイックな演出が実を結び、何よりコメディとして楽しめる仕上がりになっていた。とりわけ、ドタバタ味が強いシーンの演出が冴えわたっている。
菊池明明の狂女役が光っているのも、演じ手が手練れであるのはもちろんのこと、そこには演出の力も大きく寄与していると感じた次第。

『怪人二十面相』

『怪人二十面相』

サファリ・P

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/08/01 (木) ~ 2019/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

役者の身体、テキスト、美術、音楽…。その配合が相変わらず素晴らしく、五感がざわめく舞台でした。ただ、テキストのレシはもっと丁寧に。要所が省かれていて話が分かりづらい。

涙目コント

涙目コント

MONO

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2019/08/01 (木) ~ 2019/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

■約90分■
舞台上には特定の場所を表現したセットが組まれ、その縛りの中ですべてのコントを展開するのは大変なのでは?と感じたのが最初の印象。“ある傾向”の作品が目立つのはその“場所”の特性からして致し方ないのだろうが、ベクトルを異にする作品も少なくなく、全体を通じて面白く観た。
外部脚本家三氏によるコントの中では、前川知大作品を最も堪能。追い詰められた若い女と、冷めた態度で女を遇する男二人。二陣営が繰り広げるシーソーゲーム的ストーリーがグイグイ惹きつける。
合間を埋める土田英生脚本のコントは、MONOの演劇作品に見られる笑いとはまた別種の笑いを打ち出していて、新鮮味が感じられた。笑いのみを追求できるコントにおいて、土田英生はシュール志向になるのだな。
最後まで、涙目にはならなかった。

ネタバレBOX

土田英生作のコントの一つは、他人に「坂本」姓を期待する妙な女の話。若手時代のよゐこがやりそうなネタで、意外性を感じた。
『仮面夫婦の鑑』『リボン・ルーム』

『仮面夫婦の鑑』『リボン・ルーム』

吉田見本市

新宿眼科画廊(東京都)

2019/07/26 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了

満足度★★★★

■約65分■
何度も再演を重ねて内容も固まっている劇にこんな苦言を呈しても今さら変えようがないし、無意味なのかもしれないが、『仮面夫婦の鏡』について、あえて。“外見/内面”論をもっと深められないものか?

偉大なる生活の冒険

偉大なる生活の冒険

五反田団

アトリエヘリコプター(東京都)

2019/07/27 (土) ~ 2019/08/05 (月)公演終了

満足度★★★★

「最近の高齢者は元気だから」とおだて上げて70歳まで働かせようとする社会って、やっぱ異常だわ。元カノの家に居座り続けてほとんど仕事をしない主人公の40男はまだ高齢者じゃないけれど、労働というものについて考えさせられた。

『その森の奥』『カガクするココロ』『北限の猿』

『その森の奥』『カガクするココロ』『北限の猿』

青年団国際演劇交流プロジェクト

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/07/05 (金) ~ 2019/07/28 (日)公演終了

満足度★★★

■『その森の奥』鑑賞/約95分■
『カガクするココロ』からさほど進展してない印象。インターナショナルな座組は壮観だったが。

命、ギガ長ス

命、ギガ長ス

東京成人演劇部

ザ・スズナリ(東京都)

2019/07/04 (木) ~ 2019/07/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

■約100分■
ひっっっっっさしぶりに観た松尾スズキ作演作品。
若手劇団が人の死ばっかりを描くなか、松尾スズキは相変わらず人間のしぶとさを笑い、讃え、寿ぐ。素晴らしい。

「滅ぼし系女子が来る」

「滅ぼし系女子が来る」

江古田ぐるぐる

新宿眼科画廊(東京都)

2019/07/12 (金) ~ 2019/07/16 (火)公演終了

満足度★★★★

■約105分■
いかにもショートコント風の始まり方をして、そういうものだと思って観始めたら、まさかの一本モノ、しかも途中から割とガチな人間ドラマになってきて、どう受け止めてよいのか戸惑いながら最後まで鑑賞したけど、女の綾、人間の機微、そこから派生する笑いがめいっぱい詰まっていて、観ている間、心が小さく、時に大きく、波打ちっぱなしでした。
あるポストをめぐる話が、あそこまでふくらむとは……。
全体の印象としては、人間ドラマ色を強めたあひるなんちゃらという印象。
役者陣のうち、私的MVPは鶴町憲さん。役者としての、とりわけコメディアンとしての才を感じた。

ネタバレBOX

いつもケーキの箱を持って団地内をうろつき、しまいに都市伝説にまでされてしまう女性住人がツボでした。
煙を抱く

煙を抱く

ピンク・リバティ

シアター711(東京都)

2019/07/09 (火) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

満足度★★★★

■約110分■
つげ義治の漫画作品を彷彿させる不思議な話で、面白かった。あくまで個人の感想ですが。それこそ煙のようなフワフワとして地に足のつかない作風の割に、メッセージ(?)は強く心に残りました。

ネタバレBOX

妻に失踪された男が妻の郷里を訪ね、同じ女優の演じる“妻に瓜二つの女”と遭遇して二人で妻探しをするというお話。妻の生き写しのようなその女さえいなくなってしまうという衝撃の結末は、忘れようにも忘れられない。
身近にいる“大切な人”は、その近さゆえにその尊さに気づきづらい。軽んじて去られることのないように!
そんなメッセージを勝手に受け取りました。
ビビを見た!

ビビを見た!

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2019/07/04 (木) ~ 2019/07/15 (月)公演終了

満足度★★★

■約105分■
「敵」とやらの正体が何なのか、期待値MAXで観始めたが……

ノーカントリーフォーヤングメン

ノーカントリーフォーヤングメン

コンプソンズ

シアター711(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

■約130分■
若手劇団には、承認欲求を扱う話が多いなあ。こういうのにはやや食傷。せめて笑いに爆発力があれば…。
笑いに重きを置いた荒唐無稽な作風は、同じく若手劇団である中野坂上デーモンズの憂鬱や地蔵中毒に通じるものを感じた。

ジャン×Keitaの隊長退屈男

ジャン×Keitaの隊長退屈男

青年団国際演劇交流プロジェクト

アトリエ春風舎(東京都)

2019/06/22 (土) ~ 2019/06/26 (水)公演終了

満足度★★★

一人芝居というより、三島景太ワンマンバラエティショーの趣。芸人さながらにおどけて盛り上げたかと思えば、長ゼリフをスラスラと雄弁にまくしたてたりもして、演者としての技量をこれでもかと思い知らされたが、その長ゼリフがいかんせん文学的すぎて、スッと頭に入ってこない。ジャン・ランベール=ヴィルド氏は言葉を繰りすぎでは?

ネタバレBOX

それでも、隊長が死ぬくだりは力強く胸に迫った。
すべては原子で満満ちている

すべては原子で満満ちている

小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/06/14 (金) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

■約75分■
●どうせ前衛気取りの、思わせぶりなだけで実(み)のない演劇だろう、と意地悪な気持ちで観始めたが、生に否応なくまつわりついてくる感覚を丁寧に拾い上げたテキストはこちらの共感を強く誘って、惹きつけられた。また、発声や人物の位置関係に重きを置いた演出はテキストを分厚く肉付けして、見応えを倍加。食わず嫌いのまま遠ざけようかとも思ったが、観てみるもんだ。

SoloxSolo3

SoloxSolo3

teamSoloxSolo

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2019/06/14 (金) ~ 2019/06/17 (月)公演終了

満足度★★★

■110分弱■
笑いがちまちまとして小さい。短編集全体から放たれる、もっと大きな笑いが欲しかったところ。男女が交互に一人芝居をする構成をもっと生かした作りにできないものか、とも。たとえば、互いが互いの返歌になっているとか、最後の一編では共演する、とかね。

ブランデー!恋を語ろう

ブランデー!恋を語ろう

動物電気

駅前劇場(東京都)

2019/06/01 (土) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

■約120分■
一部シーンのセットは書割、小道具に盥、「演技」にかこつけたセクハラまがいや体を張ったギャグが目白押しと、昭和の公開バラエティ番組さながらの泥臭い作風は相変わらず。しかしながら、大勢のキャストがせまい舞台をドタバタと駆けずり回ってバカ騒ぎをやらかす様は理屈抜きに楽しく、今回もその多幸感にドップリと。今作はふんだんなオカルト要素がバカバカしさとドタバタ味を助長して、いつも以上の面白さ。王道的なギャグの合間に散りばめられた想像の斜め上いくシュールなギャグも毎度ながらに堪能しました♪ 合唱曲のチョイスもナイス。
私の記憶違いかもしれませんが、タイトルにある「ブランデー」はどこにも出てこなかった気が……

ネタバレBOX

元歌手で歌謡教室を開いている美人奥さん(宮下今日子)と、高校の現国教師の夫(森戸宏明)。夫妻の新築一軒家を舞台に、美人先生目当てに歌謡教室に通ってくるオッサンだらけの生徒たち、夫の教え子の女生徒たち、家に住みつく氏神様、歌謡教室の生徒の霊媒師の母(政岡泰志)、占い師の妹(新谷真弓)らが夫妻を巻き込み、大騒動を繰り広げる。
何よりも笑ったのは、霊媒師の母と占い師の妹を持つくだんの生徒(小林健一)が、恋い慕う歌謡教室唯一の若い女生徒・ミサキ(帯金ゆかり)について言うセリフ、「あの安っぽいイヤらしさ、どストライクだ!」。
言われた帯金さんは堪ったもんじゃないだろうが、なんとなく感じてたことをコバケンが代弁してくれてスッとしたのか、男性客がドッとウケてた。
「大事な話があるんだ」夫が妻に言って歌謡教室用の小部屋に入り、ラッパをひと吹き。出てきた夫に妻が冷静な口調で放つ一言にも笑った。「あなたがラッパを吹くなんて、よっぽど大事な話なのね」
すごいセンス……
らぶゆ

らぶゆ

KAKUTA

本多劇場(東京都)

2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

■約180分(途中休憩込み)■
この劇が別の地域を舞台に展開していたら…。観たあと、そのことばかり考えてしまった。

ネタバレBOX

可能性を提示するのがフィクションの役割の一つなのだとするなら、あの地から遠く離れた農村を舞台に据え、ム所暮らしを共にした前科者集団が農業をきっかけに再生を果たす物語として、大団円で終わってもよかったのではないか? どんなに嘘臭かろうとも、そうしたことが可能性として示されるのは演劇において許されるはず。
夕夕方暮れる

夕夕方暮れる

立ツ鳥会議

萬劇場(東京都)

2019/05/31 (金) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

■120分強■
依存‐被依存の関係にあり、時にそれを逆転させたりしながら付き合いを続ける数組の人々。さびれた公園で交わされる、誰もが大なり小なり人生につまずいている彼らのやり取りを描く。互いが互いに向ける愛情は噛み合わず、良かれと思って差し出し合う手と手の行き違いに時として笑い、時にやるせない思いにさせられた約2時間。
基底に悲観的な人間観を持ちながらも、人間を、世界をあきらめきれずにいる作者のスタンスがいい。そのアンビバレンスがひしひしと伝わってきた。
こりっち舞台芸術祭りで最終選考に残った10組のうち、ニットキャップシアター、ブルドッキングヘッドロックなどたまたま鑑賞した数組の劇のなかでは、この作品に最も心が動いた。

vol.22『野性の恋』/ vol.23『暴動のあと、さみしいポップニューワールド』

vol.22『野性の恋』/ vol.23『暴動のあと、さみしいポップニューワールド』

悪い芝居

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/05/24 (金) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

■『野性の恋』鑑賞/約115分■
とある大人の男女の関係が微笑ましくて、終始温かい気持ちで鑑賞。タイムトラベルがからんできたりで話もすこぶる面白く、物語の妙味はもとより、恋の綾、人間の綾を2時間たっぷり味わい尽くした。
今回は二作交互上演ということで、主宰はそれぞれ毛色の違うものに仕上げようと腐心したそうだが、ギャグ満載のアチラに対し、コチラはほとんどギャグがなく、劇団の持ち味である悪ふざけをここまで抑制したのは多分、二作の違いを際立たせようとしたがため。結果、夾雑物がなくなって、胸に響く一作に仕上がった。二作交互上演の相乗効果が生み出した、巧まざる傑作と言えるだろう。
玉田企画『かえるバード』ともども、本作も今年の岸田戯曲賞候補に選ばれるべき一作。
ワケのわからん前衛読み物に受賞させても演劇の間口が狭まるばかりで、百害あって一利なし。そろそろこういうものに与えましょうや。

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