満足度★★★★
■約120分■山田由梨というアーティスト色の強い劇作家・演出家が、元戯曲の要である“笑い”を殺さぬよう、細やかに、手堅く、職人的にケラリーノ・サンドロヴィッチ作品を演出。みずからの作家性を打ち出しにくいこういう仕事は、作家性の強い演劇人には窮屈に感じられたかもしれないが、ストイックな演出が実を結び、何よりコメディとして楽しめる仕上がりになっていた。とりわけ、ドタバタ味が強いシーンの演出が冴えわたっている。菊池明明の狂女役が光っているのも、演じ手が手練れであるのはもちろんのこと、そこには演出の力も大きく寄与していると感じた次第。
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2019/08/11 13:33
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