満足度★★★★
経験と実績を積んだ若い演劇人が修行のために門を叩く青年団併設無隣館。ハイバイ川面千晶の名を見てオヤと思ったが、確かハイバイで川面作品をやった何か公演があった(未見だが)。骨のある俳優というイメージは滲み出る人柄だろうか、狭いアトリエ春風舎とはいえ早々に完売なのには驚いた。
この企画は菊池明明と二人で立ち上げたという。パンフの協力者欄には豪華な演劇人の名前が並び、一体何の協力を?と興味が湧く。
舞台「4 a.m.」は2時間に及ぶケラ作品。(先般モメラスが上演した同名の短編ではなかった。)成長株山田由梨の演出も見ものだったが、初めて目にするケラでない演出によるケラ作品舞台には様々発見があり、芝居としても(春風舎だと忘れる程。失礼)面白かった。
川に沿った国境を南から北へ移って来たある夫婦の家のお話。屋根は持ち得ているが食糧難、政情不安定。場所(国)、時代とも、どこかに重なりそうで重ならず(虎が出てくる等着想は北朝鮮に違いないが)、荒唐無稽だが一定のリアルを保ち、信憑性あるドタバタ故に深刻になる暇がない、ケラ流ディストピア劇をが現出していた。
役者も大奮闘、また「奇妙な現象」を起こす舞台上の仕掛けたち、とりわけ赤いアレを作った小道具に拍手。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/08/12 (月)
今も変わることなく北だ南だがあるし、宗教もいろいろと…。ケラさんの作品だ!ってわかるところも面白い。現実にありそうになって来てなおさら恐い~~
満足度★★★★
川面企画「4 A.M.」@アトリエ春風舎
全公演完売でしたが千穐楽の当日券抽選でなんとか。
20数年前の作品をイマ上演する事の意義とか深さとか、面白みが感じられえた。当時は地球の裏側や遠い東欧圏が思い浮かべられたのだろうが、令和の今日では近隣…否、🇯🇵だな…
しかし、演者陣の突き抜け感や狂気・打算 etcには感服。2時間短かった!
満足度★★★★
■約120分■
山田由梨というアーティスト色の強い劇作家・演出家が、元戯曲の要である“笑い”を殺さぬよう、細やかに、手堅く、職人的にケラリーノ・サンドロヴィッチ作品を演出。みずからの作家性を打ち出しにくいこういう仕事は、作家性の強い演劇人には窮屈に感じられたかもしれないが、ストイックな演出が実を結び、何よりコメディとして楽しめる仕上がりになっていた。とりわけ、ドタバタ味が強いシーンの演出が冴えわたっている。
菊池明明の狂女役が光っているのも、演じ手が手練れであるのはもちろんのこと、そこには演出の力も大きく寄与していると感じた次第。