満足度★★★★★
■120分強■
依存‐被依存の関係にあり、時にそれを逆転させたりしながら付き合いを続ける数組の人々。さびれた公園で交わされる、誰もが大なり小なり人生につまずいている彼らのやり取りを描く。互いが互いに向ける愛情は噛み合わず、良かれと思って差し出し合う手と手の行き違いに時として笑い、時にやるせない思いにさせられた約2時間。
基底に悲観的な人間観を持ちながらも、人間を、世界をあきらめきれずにいる作者のスタンスがいい。そのアンビバレンスがひしひしと伝わってきた。
こりっち舞台芸術祭りで最終選考に残った10組のうち、ニットキャップシアター、ブルドッキングヘッドロックなどたまたま鑑賞した数組の劇のなかでは、この作品に最も心が動いた。