mqの観てきた!クチコミ一覧

101-120件 / 123件中
桜×心中

桜×心中

BLACK★TIGHTS

世界館(大阪府)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

豪華で贅沢な時間
とにもかくにも、衣装・ヘアメイク・映像・歌・ダンス、どれもが見応えあり、これからお時間のある方にはぜひ検討いただきたい公演。殺陣は詳しくないので何とも言えないのですが、アクロバットが加わると素人目にも華やかで気分が盛り上がります。
話はシンプルな筋に肉付けをしてあるという印象。一度見るともう一度最初から見たくなる、最初と最後を締める野村侑志さんの演技が素晴らしいです。最初のシーンの笑顔の意味が、全部を観たあとに突き刺さる。もうあと4公演しかありませんが、ぜひ。ただし上演時間は3時間強です(休憩あり)。

全曲オリジナルの歌はどれも良く、一度はCDを購入しなかったものの、結局購入しました。すでに何度も繰り返し再生しています。

オープニングがテンションの上がる非常に素晴らしいものだけに、その後すぐナマのお芝居に行かない点が残念です。映像はうまい使い方ですが、時に冗長さも生んでしまうのかなあと思います。背景に使われる際は実に見事でした。

総じて手間のかけられた公演にじっくりとひたる時間は贅沢。これだけ手間をかけてこのお値段だったのか、とすこしびっくりする感じです。
是非。

星5つはダンス、歌、衣装と、豪華な出演者の中でも特に素晴らしい演技を披露してくれている野村侑志さん、テノヒラサイズのお三方、帯金ゆかりさんへ。

ウチの親父が最強

ウチの親父が最強

梅棒

HEP HALL(大阪府)

2014/02/06 (木) ~ 2014/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★

さすがの安定感
「スタンス」を見ていたので、新作ということで楽しみにしていた公演。
梅棒への信頼を揺るがすことの無い、力強さと安定感に満ちた公演でした。

観客をステージにいざなうバーテンダーのパントマイムからして安定感があり、期待が高まる。そして開演してからしばらくしてのオープニングが圧巻。
大阪公演では梅棒メンバーが全員揃ってのオープニングであり、とても贅沢!
開始10分ほどで汗だくになりながら力強く踊っている姿を見られただけでもかなりの満足感。
そこからはJ-POPに乗って話が進んでいく。いくつもつらなるエピソードの中のどれか一つは、観客が経験したことがあるだろう光景と重なる。台詞は無いが、それゆえに視覚から思い出に直結して心を揺さぶる。テンポ良く進むステージ、あっという間の終演、エンディングを締めるダンスで終わり。

今人さんの、シンプルかつ力強くわかりやすい振付にひきつけられる90分。
あと日曜日の2ステージを残すのみ。おすすめ。

ネタバレBOX

初見のキャストさんの中で美優さんとIGさんのすごさは目を見張るものがあった。
ポールダンス、初めて生で見ましたがすさまじかったです。すごかった!
月雪の娘

月雪の娘

ムーンビームマシン

ABCホール (大阪府)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★

スタイルを崩さずに、和。
開演前から会場に和な感じの音楽が流れ、舞台美術も竹を模したものに障子、と雰囲気が素晴らしい。

ムーンビームマシンさんのスタイルは変えず、せつない恋愛の様相を交えながら、まるでずっと和モノをやってきたかのように素晴らしい世界観を展開。
Sarahさんは言わずもがな、主演にあたる河口仁さんと、浜口望海さんが大変素晴らしかった。特に浜口望海さんは所作が美しく見応えあり。

2ステージしか見られない自分が何を言ってもどうしようもないのだが、全4ステージは少々寂しい。もっと見たい公演。

ネタバレBOX

Sarahさんの才能はいったいどれほどなのか。
これだけの世界観を構築し、演技、歌、殺陣までこなす。魅力的なキャストを配してなお、Sarahさんの魅力がひきたつ公演であった。

ダンス、歌、ショー。ファンタジー、恋愛、復讐。常連のダンサーさん、役者さん。いつものムーンビームマシンさんなのに、和。不思議な感覚になりつつ楽しませていただいた。

千雪だけが伝統的な着物を纏い舞台にあることで、その心根までもを表現する。
ラストシーンでは着物をかえて登場。着替えおつかれさまです。。

悲恋で終わるのかと思いきやのハッピーエンド(たぶん)、とてもほっこりしました。

劇中やや、若いキャストさんの緊張が見て取れる初日でしたが、
今日からはきっと大丈夫でしょう。がんばってください!
Dear friends (大阪)

Dear friends (大阪)

劇団6番シード

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2014/01/23 (木) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

事件の無い日常
東京公演は未見ながら、友人たちの好評とこりっち舞台アワードランクインの事実が否が応でも期待を高めさせる作品。
実際に見て、とても好みでした。事件は無くとも、日常だけで楽しい芝居ができることを証明してくれています。もちろんだらだらとした話にはできないわけで、そこには工夫がこらされている。なにより、この話をほぼ劇団員のかただけで構成していることに、劇団結成20年の思い入れや愛着を感じます。

優しい気持ちになる芝居。大阪に持ってきてくださって、ありがとうございました!

サヨナラの物語 大阪公演

サヨナラの物語 大阪公演

劇団PEOPLE PURPLE

HEP HALL(大阪府)

2013/12/13 (金) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★

ものたりない
ものすごくきれいなお話でした。
家族を持つ全ての人が、胸をしめつけられることでしょう。

そして、舞台装置が素敵でした。

以下ネタバレにて。

ネタバレBOX

しかし、現実のストレスをお話に持ち込まれてしまって、個人的には満ちたりたお芝居とはいきませんでした。

このお芝居にはつきぬけた笑いや現実に起こりえない恐怖は無く、現実にこの時代に起こりえるものを軸に、ふんわりとファンタジーが織り込まれています。ちょっとした癒やしはあるものの、最終的に癒やされて終わるわけではありません。
合う合わないで言えば好みに沿うものだったのですが、残念ながらちょっと自分のタイミングと合わなかったようです…。
Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

東京移転第一弾の意気込み
大阪本拠最終公演で見せた「新しいバンタム」とはまた異質の「新しいバンタム」を見せてくれたと思う。
細川さんの引き出しの多さに感嘆すると同時に、これまでのバンタムもまた見たい、そんな思いを抱いた。次回公演は再演なのでとても楽しみ。今は、息の詰まるバンタムクラスステージのらしさを早く味わいたいと欲している。(公演が終わったばかりなのに!)
今公演も息の詰まる瞬間が幾度もあった。舞台の上を走る緊張が客席のすみずみにまで届いていた。その緊張の和らげ方が様々で、時に笑わせられ、時に涙を誘い。クライマックス近くはあっという間。やりきれない思いで舞台を見つめることになる。
お話が良いだけでなく、実にこだわった見せ方を作り上げてくれるので、いつどこを切り取っても美しい舞台になるバンタムさん。今公演も同じくでした。素敵な公演でした。満足度を最初は4にしてましたが、やっぱり5です。アンサンブル無し・全員がなにかしら印象の残る役だったり、音楽によるテンションの変化や語気を変えることで起こる笑いなどなど、脚本演出の細川さん、本当におつかれさまでした!


内容が良いだけに、受付対応や列対応などもう少しやりようがあったかなという点は次回以降の宿題かなと思います。贔屓目で甘くなってしまうのですけれど。制作陣の皆様、がんばってください。。

ネタバレBOX

シアターKASSAIの舞台に浮かび上がったのは男ばかりの家族の物語。物言わぬ父親、年の離れた弟の無垢を守ろうとする長男、父と兄に育てられたためか二人との隔たりを感じはやく“二人に認められる大人になりたい”と願う次男。隔たりは確実に存在する、それを観客にゆっくりと丁寧に悟らせる手腕はさすがです。なんとなく予想のつくそれが明らかになるのは終盤で、そこからはあっという間。三者の思いは崩れる。しかし長男のもとには新しい家族があり、次男もまた気持ちの整理をつけてのラスト。美しい舞台でした。

本編は暗転せずに始まるので最初はびっくりしましたが、それもまた挑戦であり効果。死体が歩いてはけるのはどうか、というコメントを見ましたがわたしは好きです、良い効果だと思いました。一度目は主人公がどう受け止めたかというシーンかなと感じ、二度目は殺したほう殺されたほうどちらの感情もよくあらわしているような。ほんの10秒にも満たない視線の絡みが見ているほうにもたらす感情というのがあったと思います。

知っていたけれど、あらためて。場面を美しく作ってもらえるととってもひきこまれるなと感じました。
Evergreen Online/EDIT

Evergreen Online/EDIT

ALTERNAIT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2013/07/05 (金) ~ 2013/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★

現実とゲーム内のメリハリが素晴らしい
 ストーリー自体はあまり好みではなかったと言ってしまいますが…(ゲーム廃人になりはてた姿、リアルでした)

 いやとにかく。ゲームキャラクター達の衣装がとんでもなかったです(衣装:植田昇明さん)。緞帳のような重みのある別珍に石がいっぱいついたファンタジアのマントを間近で見させていただきました。いやあ、あれは、すごかったです。
 で、その、衣装にいっぱい縫い付けられた石がですね、見たこと無いほど豊富な種類の照明できらきらきらきらするわけです(照明:奥村誠志郎さん)。ゲームの世界にある程度説明は必要ですが、あの衣装とそのきらきらだけでもう、視覚からイメージに直結です。
 そして、現実世界にいる人と、その人のゲーム内でのキャラクターとを別の役者さんが演じてくれるというの、よかったです。もちろん、同じ人がやってしまうと衣装の着替えなんてできないっていうのもあるでしょうけれど。
 役者さんたちがまたじわじわ面白く演じてくださっているのです。そのあたりの、演出もされた須川さんのさじ加減が素晴らしく。大変満足の行く序盤~中盤でした。

 多少のもやっとは本当に、終盤、ストーリーのちょっとした、好みに合わないところだけでした。満足度は5か4か…迷って4。すみません。
 DVDの発売などはあるのでしょうか。気になります。あれば購入したいです。それくらい、あの衣装と照明は良かったです。

Jerk!!

Jerk!!

匿名劇壇

カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

自分のダメさを隠さない
 「嘘の限界」鑑賞。まさにフラッシュ公演でした。

 衣装はステージ横にかけてあり、衣装の靴も床に並べられ、役者さんが出番じゃ無いときに飲むペットボトルなんかも普通に床に置いてある。舞台袖という空間はほぼ無いに等しい状態。次から次へと短い芝居があるので、ほぼほぼ生着替えでした。そういうのも試みの1つだったのでしょうか。なかなか見られない形式だと思います、とてもいろんなものを興味深く見させていただきました。

 会場に入ったらもう舞台に役者さんたちがいました。福谷さんが終演後に「楽屋なんて概念は無いのですぐ次の準備します」とおっしゃってましたがその通り、開演前、あの場所は舞台であり楽屋だったのですね。

 内容はといえば。「嘘の限界」というタイトルが秀逸な屋台骨と、短い話がいくつもいくつも。最初から最後まで芝居のはずなのに、そうじゃない、本当にあったことなんだろうかと思い始める。頭をチクチクと刺すものが現れる。意味の分からない話から、ついニヤリとしてしまうものまでありました。

 舞台横で出番じゃない役者さんがすごく笑ってたりしてらしたのをこちらもニコニコ眺めたり、いろいろな見方のできる一時間でした。
 一時間だけれど、すごくしんどかったです。笑
 役者の皆さんも福谷さんもお疲れさまでした。楽しかったといえば楽しかったですし、疲れたといえば疲れました。翌日は観劇に行く気にならなかったです。

【終了!!】毒入りのマカロン【ご来場ありがとうございました!!】

【終了!!】毒入りのマカロン【ご来場ありがとうございました!!】

ミジンコターボ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2013/11/08 (金) ~ 2013/11/11 (月)公演終了

満足度★★★★

芝居巧者のホラーオムニバス
ホラーオムニバスと言えどもそんなにこわくないだろうとタカをくくって行きましたが、お話とはあまり関係無く貞子風の女の子が歩くシーンがありちょっとこわかったです。笑

短編がいくつか上演される形で、多くが日本式ホラーの形式。2秒の間に起こる心霊現象を舞台上の運転手さんが語りに語るお話は正統派のように感じました。舞台だからこそできる「手」の表現。ホラーです。
こっくりさんもまたよくある題材。「生贄」というタイトルにぞくりとなったあと、狂気の女子高生の台詞にぞくりとなり、「もうやめてーっ」という感覚に陥ります。
屋台骨になる「寄ってくる」というタイトルがつけられたお話も日本式ホラーながら、恐がりの登場人物が発する最後の言葉に会場の緊張感がほぐれました。

そしてなんといってもオープニングアクト。出色の出来でした。あれを見るためにもう一度行きたかったくらいです。素敵でした。

Cinema de STAR☆JACKS

Cinema de STAR☆JACKS

STAR☆JACKS

劇団そとばこまちアトリエ 十三 BlackBoxx(大阪府)

2013/11/07 (木) ~ 2013/11/10 (日)公演終了

満足度★★★★

音と場が重要
「おぼろ」は他の方も書かれているとおり、ハイビジョンカメラだし8台もあるしでものすごく良い映像になっていました。特にキネスタエディションは力が入ってます。あるシーンでは映像を半分に切って並べてあったりもしましたよ!やりすぎでしょ、と内心やや笑いながらもかっこいい映像に目は釘付けでした。
ただ、「おぼろ」以外は画質も劣りますし映像の切り替えがそんなにあるわけではありません。それでも上映終了後に静かな感動がおとずれる。きっと、お話の出来が良いこと・劇場という場で見ていること・音響が良いこと それらによる作用だったのでしょう。家のテレビやパソコンでDVDを見るのとは明らかに違います。

おそらく演劇関係者の方、この催しのことを聞いたときにわたしと同様「えっ?」と思われたはず。実際に会場へ足を運び映像を見た方、どう思われましたか? 思ったより良かったと感じたのではないでしょうか。
キネスタを開催するにあたり、正装で迎える、だとか、飲食可にする、だとか、いろいろな工夫をしてくださったSTAR☆JACKSの皆様に感謝。
そういった事前の工夫の上、当日ぎゃんぎゃん騒ぐ観客に丁寧に対応くださり、楽しませてくださったことに重ねて感謝です。ありがとうございました!

不老不死セレブレイション

不老不死セレブレイション

テノヒラサイズ

世界館(大阪府)

2013/11/15 (金) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★

どこからどこまでが
最初の最初こそぎこちない感じがしたものの、ものの数分かからずにお芝居にひきこまれました。
「サプライズ」というそのたった一語、たった五文字のカタカナ語がこんなに有効に使われるなんて。もうだれもこの単語をお芝居で使えないのではと思うほどに、わたしの中では非常に強烈な単語になりました。

ネタバレBOX

「どこからどこまでがサプライズなのかわからない」
ほんとうにうまく日常と非日常が組み込まれたお話でした。
不老不死の薬と暴力団が取引するクスリとをうまく観客の意識の中にはいりこませ、不老不死の薬を飲んだ人が誰かをミスリードさせることで三者の関係の行く末に固唾をのませる。

終わってみれば全てが日常で、これからはSFの日々の始まり。
でも、きっとうまくいく。
そう思わせる間の取り方。

脚本演出、お見事でした!
落下のエデン

落下のエデン

Micro To Macro

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★

実に素直なアプローチ
Micro To Macroさん初観劇でした。
フライヤーのデザインを引き継いだような舞台美術にまず目をひかれます。
全くなんの予備知識も入れずに行ったので、フライヤーで見てわかっていたはずなのにドラムセットが置いてあることにもびっくりしました。
始まる前にスタッフさんがちょくちょく物音を立てられていたのが残念、と感じつつ、ちょっとばかりの物音でもそう思うなんて、観客とは傲慢な立ち位置だなあと思ってみたり。

お話は王道。お芝居はしっかりしている。突然振り切れる感情のバロメータ。やや置いてけぼりをくらいつつも、しっかり泣いちゃいました。
音楽からのアプローチ、も、よかったです。お歌をしっかり歌われる方がお二方。もうそれだけで華やか。

ネタバレBOX

だんだんとつながる夢と現実、ついに夢に踏み込む、などなど、
表現の難しそうなところが多々ありましたがわかりやすくまとめられていたと思います。
上田泰三さんの、しっかりとした父親のたたずまいが素敵でした。
JFK

JFK

製作委員会

心光寺(大阪府)

2013/10/19 (土) ~ 2013/10/26 (土)公演終了

満足度★★★★

トンデモ展開ながら、
非常にすかっとするお芝居でした。
トンデモ展開に至った理由もきちんと劇中で教えてもらえてすっきり。
何度も見たくなるお芝居でした。

しかしまあ、應典院さんの南にずっとお寺さんが続いているのは知っていましたが、こちらもとっても立派なお堂です。開演前は屏風と天井画に目が釘付けでした。天井画、ちょっと傷んでいましたが、迫力は満点です。まだ天井画を楽しんでいたいタイミングでお芝居が始まってしまったので、終演後もしばらく天井画を眺めてしまいました。

エリマキトカゲ心中

エリマキトカゲ心中

超人予備校

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2013/10/31 (木) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★

余計なものが集まったっていい
お子様にも安心安全超人予備校さん。今回ちょっと、「あれっ、大丈夫ですか?」っていうダンスシーンもありましたが(笑)、個人的にはとても楽しみました。蛇さんたち美しかったです。
お話の本筋が見えないままかなりの時間を過ごした気がしますが、終演後はそんなのどうだっていいことだと思えます。わたし達はながーい道を歩いているし、気がつけば変なことになってる、と思えば引き返したっていいのです。ほっこりして帰路につきました。

正義の人びと

正義の人びと

コロブチカ

自由表現空間 シアターカフェNyan(大阪府)

2013/10/18 (金) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

感情、情熱、熱量、哲学
会場の入り口から、演技がおこなわれるスペースを通って客席へ。
席につけば目に飛び込む鮮烈な赤。シンプルながら、目をひきつける赤い布の湾曲が美しく、静かに流れるピアノ曲(クラシック/不勉強で作曲家はわかりませんでしたが、おそらくロシアの作曲家なのでしょう)と共に会場の空気を醸成している。美術は非常にシンプルで、不可解な木組みの部品は天井から垂れ下がっている…。

その不可解な部品は当然ながらうまく使われていました。開演前にそれをどうやって使うか、予想するのも楽しみの一つですよね。

椅子は小さいのにつめつめで置かれていて、たしかにちょっと不便でした。おとなりの方と必然的にお話しすることになるので、それはそれで嫌いではありません。

出演者の方はほとんどが初見の方。最初からエネルギー量多くテンション高く始まるお芝居で、あまり得意なパターンではなかったんですが、じわじわしっかりと芝居へ引き込んでもらいました。
感情が根源にある哲学的な長いセリフが多くて、役者さんは大変だったろうなと思います。とはいえ、すでに宇都宮と東京での公演を終えて大阪に来られていたわけで、かなり練り上げられている印象を受けました。
主宰のコロさんはさすがの存在感。素晴らしい色香と、狂いとを味わうことができました。コロさん演じる大公妃がいるあいだは、会場がものすごく緊張感ある空気でした。あと、いい香りがしました笑。客席と役者さんが至近距離に存在するゆえに味わえることでした。

終演後、しずかに余韻を感じたくなるお芝居でした。
そして、小難しい岩波文庫を手に取りたいと、そう思ってしまうくらい、しばらく影響をひきずりました。ありがとうございました。

6人の悩める観客

6人の悩める観客

壱劇屋

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★

革新と突破口を求める若さの集約
再演とのことですが当日の案内には「書き直ししすぎて結局新作のようになってしまった」との趣旨の文章が。笑 おつかれさまでした。

我々観客が、普段とは逆、舞台上に組まれた客席に座り、普段客席になっている側の「客席という舞台」を眺めるという趣向。
我々が入場してチラシを見たりしている間に、向かいにも「観客」が登場。開演15分前くらいにようやくそれに気付いて、「観客」を眺めてしまいました。

見終わっての印象としては、新しいことをしたいという意欲と、未完成で荒削り、良くも悪くも若さが前面に出たものだったかなという気がします。そして、演者の皆様、体の使い方がすごい。
2年前の作品の再演だったわけですが、前回のを見た方はこの再演を見てどう感じられたのか、知りたいです。

ネタバレBOX

小劇場ネタにあふれた公演。
開演前の観客の所作から、観客席での関係者どうしの挨拶、小劇場初心者への観劇おすすめなどなど、いろんな「あるある」が盛り込まれていてどこかで思わず笑ってしまう。劇団の名称を言いまくるシーンなどもうっかりクスッとしてしまった。

パントマイム的な動きは壱劇屋さんのウリらしい。たしかに見応えがあった。あの振りを体に覚え込ませるのは相当大変そう。最初のほうに、無音の中で動きを揃えたシーンもあり、おおっ、と心の中で拍手。

筋があるようで無いようで。お芝居に必ずしもしっかりとした話は必要ないと思うが、個人的には、演者さんへの拍手はしっかりさせてほしかった。それができないとこうしてなんだか消化不良のままのような気持ちになってしまう。
Short Act Battle Vol.2 決勝ラウンド

Short Act Battle Vol.2 決勝ラウンド

演劇集団ザ・ブロードキャストショウ(SABカンパニー)

Live Space B.SQUARE(大阪府)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/05 (土)公演終了

満足度★★★

グループEのみ鑑賞
残念ながらグループEのみの鑑賞。(どうやら点数(観客の満足度)としてはグループFのほうが良かったようです。)

5団体20分間ずつというのは初体験。こうやって並べられると各団体の個性、どこに力を入れているか、何をしたいか、が色々と見えてくる。そして、自分の感じ方や好みを整理するような感覚にも陥った。興味深い体験であった。
決勝ラウンドということで5団体いずれも、たしかな力を感じた。

優勝された団体さんは名前だけは存じていて今回ようやく「ホーム」のお芝居を拝見できたオパンポン創造社さん。
20分の間に場面転換がほとんど無いしゃべり倒しの芝居を持ってくることで、グループEの他4団体とは異なる濃密さを実現していた。

こういう類いの企画については賛否両論あるものと思うが、単なる一観客としてはなかなかに面白いものだった。

ネタバレBOX

個人的な好みの話で恐縮ですが、
オパンポン創造社さんの「失敗してもまたやりなおせばいい、やりなおしがきく」というラストはとても心地良いものでした。
七味のサムライ2~琉球編~

七味のサムライ2~琉球編~

Rooter

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2013/09/27 (金) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

the live
おふざけ満載身内ネタ満載、歌とダンスと殺陣とお芝居。
楽しみました。

で、いま説明を読みましたけど、悪の帝王…って
そんなお話でしたっけ?笑

まあ、きっと、そういうことはどうでもいいのです。きっと。(関係者の皆様ごめんなさい笑。楽しかったです!)

フォアローゼス

フォアローゼス

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/09/12 (木) ~ 2013/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★

ゲキバカノワール
暗く重いテーマをずしりと効かせつつ、軽くてチャラいところも織り交ぜつつのゲキバカノワール。
ヤクザの皆さんのやりとりがかっこよかったですし、オープニングダンスはかわらずのかっこよさ。ロビーに掲出された写真もとてもよかったです。
時に不要なのではと感じてしまう幕間や、観客を笑わせるためだけに出てくる人などあり、それで口直しをできるか興ざめしてしまうかは観る人により変わってしまうのかなと思います。わたしは、観ているそのときは楽しみましたが、後から思い返してみると多少ちぐはぐだったかなと。そう感じています。
話の筋とは関係無く、ゲキバカ所属俳優さん、客演の方、皆様とても素敵でかっこよかったです。気になる方がまた増えてしまいました。

おぼろ

おぼろ

STAR☆JACKS

江坂スペース・シアター(大阪府)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/17 (月)公演終了

満足度★★★★

ゲキバカにプラスS☆J風味
前説、ダンス、観客いじりなど、ゲキバカのエッセンスが入りまくっているステージ。STAR☆JACKSさんのこれまでの公演を見ていないので、ゲキバカをそのままやっているのかな、という印象。
導入からラストまで、拍手のしどころを教えてくれるような安心できるガイドさんがついてくれるのは有り難い。
ダンスも素晴らしい。エネルギッシュ、と最初書こうとしましたが、それじゃ足りない。エネルギーが暴れ回ってる感じ。

肝心の「話」は、さらりと淡泊に流れていく。山場があって、幕引きがあって。その流れは非常に安定しているけれど、細々とつっこみたいところはあります。

「話」が淡泊でも、演者さんたちの動き、声、そういったものに引き込まれる素敵な時間を過ごしました。
それでも、ちょっと長いかな。
最後の殺陣は大盤振る舞い。これでもかこれでもかと繰り出されて豪華なのは間違い無いけれど、だんだん見ていて冷静になってきて、演者さんが心配になり始めたり。

とまあ、マイナス点ばっかり書いてしまいましたが、総じて満足です。☆4つ。
ダンスはもう一度見たい!
そして、紙テープ投げたりかけ声出したりしたい!と、思います。

このページのQRコードです。

拡大