タケミンの観てきた!クチコミ一覧

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「星の塵屑(ごみくず)ペラゴロリ」

「星の塵屑(ごみくず)ペラゴロリ」

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

生きる力に満ち溢れ
暗い時代背景の中でみんな生きる力に満ち溢れている。それでも容赦ない運命もある。それも受け入れてまた小屋の再興に力を合わせる姿に感動がこみ上げてくる。登場人物ひとりひとりにしっかりした個性と役割を持たせ、組み上げられた物語は観応えがあった。歌と踊りも素晴らしかった。

劇王 天下統一大会2015

劇王 天下統一大会2015

劇王 天下統一大会2015運営委員会

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2015/02/27 (金) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

長く続けてほしい企画
3月1日の決勝戦を観劇。予選を通過した3劇団の審査結果は自分が採点したのと逆の結果になった。優勝した「不思議少年」には心から拍手を送りたいが、場面がくるくる転換し、踊りや笑いもあれば深刻な場面もあり、20分という短時間にしてはいろんな要素を詰め込み過ぎて少し散漫な印象を受けた。「もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡」は未来の娘を登場させるユニークな設定といくつもの鞄による仕掛けも使って都会の女性の孤独感をうまく描いていたし、「東海連合」は水泳の授業を休んだ学生を男子と女子、プールの内と外、過去と現在などいろんな対比の中で思春期の心情を描いていて、自分ではこの2劇団を優勝作品よりも上位に評価した。
終了後の審査員の講評もいろんな視点が紹介され、どこに視点を置くかでそれぞれ評価が分かれるようでとても興味深く面白く聞けた。長く続けてほしい企画である。

必要とされている、と思う病気

必要とされている、と思う病気

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2015/02/14 (土) ~ 2015/02/23 (月)公演終了

満足度★★★★

いろんな要素がちりばめられて
正常な意識なのに長期に渡って隔離病棟に閉じ込められたとしたら・・・。時間を持て余す状況もあり些細なことが気になり、自身の存在意義も考え始める。自分は本当に必要とされていたのか?、それはそのまま看護師への問いにもなる。自分がいなくても新たなスタイルで世界は回り始める。それを知った時の失望と、しかしそれでも自分を必要とする人もいるという現実。リアリティ溢れる舞台セットの中で、いろんな要素がちりばめられて興味深い作品だった。

丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

見応えがあった
冒頭から重苦しい雰囲気で息の詰まる会話が続く。この極めて特異な状況下でそれぞれがどう考えどう行動するか、観客としても一緒に考えながら濃厚な時間が過ごせた。ストーリーをやや作り過ぎている点は観ている間は気にならなかった。役者はそれぞれの配役を見事に演じきっていて見応えがあった。

蛍の頃

蛍の頃

ペテカン

あうるすぽっと(東京都)

2015/02/06 (金) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

寒い夜にはぴったり
忘れかけていた古き良き昭和、そこではみんな明るく懸命に生きていた。ライトに可笑しくて悲しい。寒い夜にはぴったりのハートウォーミングな舞台だった。

完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

シェイクスピアがこの舞台を観たら・・・
 シェイクスピアが現代にタイムスリップしてこの舞台を観たら腰を抜かすだろう、「これはおれの戯曲ではない」と。 しかし「これもありかな?」とも言うかも知れない。 私にとっても初めての"女体シェイクスピア"は新鮮だった。 何よりも女優陣(と言っても男優はいないが)が全員魅力的で素晴らしい。 女性全員がナイスバディという演劇も初めて観た。 濃密なストーリーをスピード展開させながらしかも分かりやすい、というのも良い。
 ただし、次回作品が同スタイルのままであれば同程度の面白さだったとしても、★は確実に1つ減るだろう。

夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

明治のリアリティ
事実に忠実に漱石が描かれているようで、気難しい性格ということもあり一見かなり地味な印象の舞台になった。しかし、全体的に暗いトーンと当時そのままの衣装が明治のリアリティを強く感じさせ、役者陣の抑揚を抑えた質の高い演技も光っていた。
障子と襖を利用してセットを作り、組み換えて転換させ(室内と室外の逆転も)、さらに障子に映す影で演技を見せるなどの工夫は見事だった(過去に類似の技法を観たことがあるがここまでのものは無かった)。

ネタバレBOX

それにしてもやたらと猫が多い。しかも役者が操るのだから賑やかだ。その場面の全体の静かなトーンとのアンマッチが少し気になった。
猫の賑やかさが漱石の「さみしさ」を余計に際立たせる、ということ?
「蛍よ……妖しの海を翔べ」

「蛍よ……妖しの海を翔べ」

劇団ギルド

座・高円寺1(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★

義経の悲劇を昭和に投影
義経の悲劇を昭和テイストの表現で構成し、最後に学生運動の悲劇と重ねたのは現代へのメッセージを加えて舞台に厚みを持たせるという狙いであると理解した。確かに単に史実を描くだけではもの足りないが、今回は昭和の世界に投影したことにやや無理強いが感じられ、今一つピンとこなかった。映像を中心とした背景というのも好みではない。
一方、取り巻く女性たちとのからみ、影武者や家来との心理戦はいずれも興味深く描かれていて、十分楽しめた。

夜と森のミュンヒハウゼン

夜と森のミュンヒハウゼン

サスペンデッズ

吉祥寺シアター(東京都)

2015/01/24 (土) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

やさしさ溢れる癒しの物語
森の包容力とそこの住人達のやさしさ溢れる癒しの物語だった。ショッキングな場面は後方カーテンの後ろに移すなどの配慮も良かった。舞台セットも音響も照明もすべて的確で効果的。役作りもしっかり作り込まれていて、全体的に完成度の高さを感じた。

死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜

死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

座・高円寺1(東京都)

2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★

本当にそうだろうか?
普段はほとんど取り上げられることのない執行人の心情や苦悩を描いた点で目新しさと意欲は買えるが、現代の執行人の心情はもっとドライなものではないか? 実際には何人かの執行団で心理的負担が分配される訳だし、名前が公開される訳でもないし、大臣の執行決定に従って任務を全うしているだけなのだから。仕事や任務ということになると人間的な感情が抑えられることは理解できる方も多いはずです(「屠殺」がその一例)。

それよりは死刑をジャッジした裁判官や裁判員、執行を指示した法務大臣、死刑囚の被害者遺族などの心情の方がもっと重く複雑ではないだろうか。むしろそちらを主題にストーリーを組み立てていただいた方が死刑という問題をもっと深く見つめることができたと思う。

さらに昔の執行人に関して言えば、武士や騎士など戦いを生業に「死」に隣接して生きている人々であり、また罪人に対する恨み憎しみに加え、生きるのに精いっぱいという時代背景も重なって、執行にあたっての苦悩や心理的重圧はそれほどでもないのでは?と考えてしまった。少なくともそのような重圧を感じない人が執行を引き受けたはずだ。

相当綿密に調べ尽くされた上で作り込まれたようなので、このような観方は正しくないのかも知れないが、自分の尺度では疑問に思うところも多く、描かれる世界にどっぷり浸ることができなかった。

Sの悲劇【全日程終了致しました。ご来場有難うございました!】

Sの悲劇【全日程終了致しました。ご来場有難うございました!】

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2015/01/07 (水) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

予想できない結末に脱帽
開演前に観客に対して謎解きへの挑戦のアナウンスがあったので気合を入れて観ていたつもりですが、全く予想できませんでした。
エラリークイーンも驚くであろう結末に脱帽です。
今年初めての観劇は素晴らしい公演でのスタートとなりました。

シカク

シカク

企画演劇集団ボクラ団義

サンモールスタジオ(東京都)

2014/12/18 (木) ~ 2014/12/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

静けさの中にもスリルとパワー
とにかく会話劇でありながら静けさの中にもスリルとパワーを感じる舞台だった。これだけのセリフ量がありながら出演者が毎回入れ替わるというからさらに驚きだ。作品の構成も大胆でありながら緻密で、役者も力量と個性を兼ね備えておりエネルギッシュだ。筋書きに無理があるとか、セリフを噛む箇所が多いとかは些細なこととして忘れさせてくれる。この劇団としては本作はいつもと違う異色作とのこと。今後の作品を注目していきたい。

体夢-TIME

体夢-TIME

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2014/12/11 (木) ~ 2014/12/23 (火)公演終了

満足度★★★★

賛否両論、さまざまな意見を見て
観てからかなり日数が経ってしまいましたが、「今までとはひと味違う桟敷童子の世界」に賛否両論、さまざまな意見があるようなので、コメントすることにしました。桟敷童子は「風撃ち」以降、毎回観ている思い入れのある大好きな劇団です。しかし、これまで観た3本の本公演はどれも同じ作風、同じテイストの作品に感じられ、正直言って前回の「海猫街」では、「海」がテーマになっている点が同じということもあって、最初に「風撃ち」で受けたほどの面白さと感動を感じませんでした。作品としては「海猫街」の方が上だったようにも思いますが、初めて観た時ほどの新鮮さを感じなかったのが理由かもしれません。
そして今回の「体夢」ですが、作品自体は楽しめたし、「ひと味違う」点の興味も満たされましたが、「桟敷童子らしさ」が少なかった点が残念に思いました。作風とテイストの違う作品は番外公演でも観ていますが、その時でも「らしさ」は満載でした。それが今回はちょっと違いました。劇団の持っている個性と作品のマッチングに少し違和感を覚えました。それは創る側演じる側の問題というよりは観る側の問題(劇団に対して先入観を持って観てしまった)かも知れません。しかし、これまでの路線を続けていたら、新たな観客を獲得できても、古い観客は少しづつ離れていくかも知れません。その意味で今回の作品が劇団としての幅を広げ今後さらに飛躍するための1ステップとなることを切に願います。
「劇団の個性と新たな進化の両立」は老舗劇団に共通の難しい課題だと思います。差し出がましいようですが、演じる側に立った経験のない私が敢えて言わせていただくと、「桟敷童子の劇団員さんが演じて楽しい」作品が「観て楽しい」作品になるという気がします。ぜひその方向に向かうことを願って今後の公演を楽しみにしたいと思います。

花と魚(劇作家協会プログラム)

花と魚(劇作家協会プログラム)

十七戦地

座・高円寺1(東京都)

2014/12/12 (金) ~ 2014/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

奥深い世界に引き込まれました
おとなしいタイトルと過疎化の進む小さな漁村という舞台設定からはおよそ想像もつかない奥深い世界に引き込まれました。奇怪な生物の保護か駆除かで村を2分する対立も、やがて事件の真相が明らかになったその時、村人はもっと大きな運命に飲み込まれ埋没していく。そこには自然への畏怖や抗い難い宿命の前での人間の無力さを表しているように思えました。謎解きの要素もあり物語としてもとても面白いのですが、現在のいろんな社会状況を投影させているのも明らかです。が、そこにもっと普遍的な意味で人間の営みの儚さを感じずにはいられませんでした。本当に素晴らしい舞台でした。

【追伸】今、TVでは本日の衆議院選挙の結果に候補者の一喜一憂が映し出されていますが、全くスケールが小さい、小さい

未開の議場

未開の議場

カムヰヤッセン

王子小劇場(東京都)

2014/10/22 (水) ~ 2014/10/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

印象深い議会劇
今日、TVで「海外に進出するサービス業に立ちはだかる国民性・習慣の壁」というような内容の番組をやっていた。これを見ていて、2週間前に観たこの議会劇を思い出した。世界と町内という舞台の違いはあるが、異民族とうまく付き合っていくことの難しさという点では同じテーマだ。むしろ町内の方が生活の接点が多い分、切実な問題のようにも思う。これからもこの問題に触れる度に急傾斜の座席から見下ろすように観たこの印象深い議会劇を思い出すに違いない。

愛フォンブース

愛フォンブース

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2014/10/29 (水) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★

テレフォンを巡る人間模様
iphoneとりんごマークを信奉する人々の人間模様を面白おかしく描いて秀逸。そこには失なう愛あり、新たに生まれる愛もあり悲喜こもごもでした。電話ボックスまで発売してしまうところに皮肉がたっぷり。しかし発売の何日も前から並ぶ人の気持ちはやっぱり理解できない。

シャワー

シャワー

アトリエ・センターフォワード

シアター風姿花伝(東京都)

2014/10/20 (月) ~ 2014/10/25 (土)公演終了

満足度★★★★★

今の社会への警鐘
時代設定は未来となっているが、これは今の社会への警鐘ではないか。進化を追及するあまり一番大切なものを見失いかけているというメッセージを感じた。素晴らしい舞台だったがその奥にあるテーマは重く切ない。

Re・BIRTH-南総里見八犬伝異聞-

Re・BIRTH-南総里見八犬伝異聞-

super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船

ブディストホール(東京都)

2014/10/19 (日) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

時間を忘れて楽しめた
役者間の技量にややばらつきがあるように感じたが、中心となる役者はみな素晴らしく全体を締まったものにしていた。八犬伝はストーリーを知っているので「異聞」の部分もすぐわかったが、犬塚信乃役の役者のために付け足したのではないかと思った。とにかくあっという間の3時間で、時間を忘れて没頭して楽しめた。

Master Plan ~W~

Master Plan ~W~

劇団スクランブル

神奈川県立青少年センター(神奈川県)

2014/10/24 (金) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

愉快で笑える
この物語に登場する男はこの上なくうらやましい状況にあった。男なら一度でもそういう環境に置かれてみたい。しかしそれが長く許されるはずもなく、後半、男が次第に窮地に追い込まれて苦しみもがく状況がおかしい。しかしそれは自業自得、同情の余地はない。言い訳も尽きて諦めに至るその様子が愉快で笑える。
このあたりのシチュエーションは良く計算されていると感じた。女優陣もそれぞれ2面性をうまく演じて好演だった。

HOTEL CALL AT

HOTEL CALL AT

メガバックスコレクション

南大塚ホール(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★

開演前からの雰囲気作り
開演前からの雰囲気作り、役者の衣装と舞台セットも凝っていて盛り上げ方が素晴らしい。開演してすぐ明らかになる謎めいた状況にも期待が高まる。途中ユーモアのある場面も交えて、心温まるラストまでの展開は十分楽しめたが、意外性という点でやや物足りない気がした。
ホールだったせいか役者の声量にばらつきが大きかった点も気になった。

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