死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜 公演情報 世の中と演劇するオフィスプロジェクトM「死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    本当にそうだろうか?
    普段はほとんど取り上げられることのない執行人の心情や苦悩を描いた点で目新しさと意欲は買えるが、現代の執行人の心情はもっとドライなものではないか? 実際には何人かの執行団で心理的負担が分配される訳だし、名前が公開される訳でもないし、大臣の執行決定に従って任務を全うしているだけなのだから。仕事や任務ということになると人間的な感情が抑えられることは理解できる方も多いはずです(「屠殺」がその一例)。

    それよりは死刑をジャッジした裁判官や裁判員、執行を指示した法務大臣、死刑囚の被害者遺族などの心情の方がもっと重く複雑ではないだろうか。むしろそちらを主題にストーリーを組み立てていただいた方が死刑という問題をもっと深く見つめることができたと思う。

    さらに昔の執行人に関して言えば、武士や騎士など戦いを生業に「死」に隣接して生きている人々であり、また罪人に対する恨み憎しみに加え、生きるのに精いっぱいという時代背景も重なって、執行にあたっての苦悩や心理的重圧はそれほどでもないのでは?と考えてしまった。少なくともそのような重圧を感じない人が執行を引き受けたはずだ。

    相当綿密に調べ尽くされた上で作り込まれたようなので、このような観方は正しくないのかも知れないが、自分の尺度では疑問に思うところも多く、描かれる世界にどっぷり浸ることができなかった。

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    2015/01/22 22:55

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