鍋田(仮)の観てきた!クチコミ一覧

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ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

演出の力。
一日で2バージョン拝見しました。同じ脚本で、演出・キャストを変えての
新たな試みを、楽しく鑑賞しました。
ストーリーが同じでも、かなり印象の違う作品になっていたと思います。
バカ版では、まず衣装・そしてキャスティングから既にバカを演出して
いる事に感心しました。出演者もノリと演技に対する反射神経の良い
方が多かったと思います。
ただ、カプセル兵団らしい懐かしいアニメや漫画・ゲームのマニアックな
ネタを組み込むシーンが多かったので、分からない人には不親切かも、と
感じました。あと女性的には、下ネタも笑えると云うよりは苦笑気味に。

ノーマルはいつものカプセルらしい感じで、適度にネタや笑いも入れつつ、
最後にはそれぞれの伏線が綺麗に回収されて、ちょっぴり感動も出来る
良い作品だったと思います。役者さんは若手の方が多かったのか、
少しこなれていない(特に台詞)部分が目立ちました。
2バージョン観ると、演出によってここまで違う作品に感じられるのだと
「演劇」の面白さを改めて実感出来る、意義のある試みだと思いました。

虚言の城の王子

虚言の城の王子

空想組曲

吉祥寺シアター(東京都)

2013/03/03 (日) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

丁寧に。
丁寧に作られた舞台だと感じました。まだ公演中なので、一応、ネタバレで。

ネタバレBOX

ダークファンタジー、との事でしたが最後に残ったのは温かな気持ちと希望でした。すり鉢状の奥行と高低のある劇場なので、舞台美術もそれを活かした美しいものでした。特に始まる前に階段の隙間から漏れる光がとても素敵でした。衣装もシンプルながらも現実と虚構を上手く現しているセンスの良いものでした。ストーリー的には、登場人物達の想いは、誰しもどこかで感じた事のある感情に触れるのでは無いかと思います。ただ、個人的には感情移入出来る人物が居なかった為に、役や演技に心を揺さぶられる感動よりも、素晴らしい舞台に出会ったと云う感動の方が大きかったです。主役・脇役を問わず技量のある役者さん達がキチンと脚本・演出を理解して丁寧に演じていたのが素晴らしかったと思います。
変則短篇集 組曲『空想』

変則短篇集 組曲『空想』

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

美味しいレストラン。
遅くなりましたが、短く感想を。
美味しいレストランで、バラエティに富んだお料理を堪能できるような
舞台でした。現実にありそうな、そして虚構が混ざりこんだような、
独特の世界観。「人が、ただ一生懸命に料理を食べている」シーンで
あんなに感動したのは初めてです。素敵な作品でした。

オペラ座の怪人

オペラ座の怪人

劇団四季

電通四季劇場[海](東京都)

2011/10/01 (土) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

安定した舞台。
高井怪人・高木クリス、鈴木ラウルで拝見しました。
歌声は少しお疲れ気味な感じがしましたが、その分、演技に感情が乗っていて
安定感のある素晴らしい舞台でした。
特にラストシーンの緊迫感のある空気がとても良かった。
アンサンブルの方々も、概ね好演。
オーケストラも最初は打楽器の音が大きいように感じましたが、直ぐに
修正されて気持ちよく聴いていられました。

ネバーランド☆A GO! GO!

ネバーランド☆A GO! GO!

bpm

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2014/08/21 (木) ~ 2014/08/25 (月)公演終了

満足度★★★★

アミューズメント・ショウ。
誰にも言っちゃ、だめだよ。と云うことでネタバレ無しの方向で感想を書くと、
今回の作品はbpmらしいシチュエーションコメディ+ホラーな作品。
過去にあった事件と、その舞台となった屋敷へ来た人々の話の二重構造に
なっていました。前半にはちょいちょい笑える会話があって、後半のホラー
部分との落差が激しく、まさにジェットコースターに乗っているような気分を
体験出来ました。
キャラクターと、それぞれの衣装の色の合わせなども工夫されていました。
出演されている役者陣も、基本的にレベルが高かったです。
全体的にテンポが良く、ホラーが苦手な私でもハンカチ握りしめながら
面白く拝見しました。ただ、bpmの作品はラストの終わり方が個人的には
ちょっと蛇足感があるように思います。

東京福袋

東京福袋

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2012/09/02 (日) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

競演/狂宴。
9/7に拝見しました。サスペンデッズ、ジエン社、DAZZLE、はえぎわの
4団体。DAZZLE以外は初見の団体でした。
だいぶ個性的な集団が詰まった福袋だと思いました。それぞれの団体の
カラーは短い時間の中でも感じられたので、面白い企画だと思います。
劇場はロビーなども含めて、落ち着いた雰囲気になっていました。
大好きな団体もあれば、意外な団体、肌に合わないと感じるものもありの
まさに「福袋」なお得感のある企画で今後もあれば良いのにと思いました。
以下、それぞれの団体のザックリとした感想です。

ネタバレBOX

DAZZLEは「君と僕の星」を、ダンスナンバーを短縮しての上演。
今回は照明のタイミングが合わずに、紙で書かれたタイトルを掲げる前に
暗転してしまったり、音楽のタイミングとズレたりと、少し消化不良な出来に
思えました。DAZZLEはダンス作品ならではの「音楽」との兼ね合いで、
照明プランも秒単位で計算され緻密に作られているのですが、残念ながら
それが上手く機能していなかったように思います。
でも、作品の完成度と質の高さ、ダンサーさんの熱量は流石でした。
それと身体表現のダンスカンパニーであるDAZZLEが、他団体に比べて
セットや小道具を多く使っていたのも面白かったです。

はえぎわ、はパフォーマンスと演劇が混ざったような印象でした。
最初の二本は既存作品の抜粋で、最後は次回の予告編でしょうか。
役者さんの演技や台詞には笑えるものも多く、肩の力を抜いて観ていると
突然、シリアスが突きつけられたり、またそれが崩れたり。話の繋がりも
脈絡が無かったりで、シュールな夢を見ているような感じでした。

ジエン社は、面白い脚本を書かれるのだなぁ、と思いました。今回の
福袋に合わせた新作でしょうか。きちんと「福袋」の話題が台詞の中に
入って、きっちりと話に組み込まれていました。
過去現在未来が交錯する感覚は新しいけれど、複数の場面が同時に
進行していくので台詞の聞き取りは難しかったです。主役の男性一人に
女性が4人。この人数で30分の芝居を組み立てるそれぞれの役者さんの
技量は凄いと思いました。舞台の使い方も面白かった。
ラストシーンが鮮烈に印象に残る舞台でした。

サスペンデッズは最初のシーンをどう受け取って良いのか戸惑いました。
が、観てゆくうちに「あぁ、こういう事か…」と納得。役者さんがなんとも
自然な感じで演技をしているというか、空気感みたいなものが良かった。
内容的にも一本の話として纏まっていて、個人的には好きなお芝居を
される団体さんでした。
DUST SHOOTERS~ダストシューターズ~【金曜マチネ完売しました】

DUST SHOOTERS~ダストシューターズ~【金曜マチネ完売しました】

カプセル兵団

笹塚ファクトリー(東京都)

2013/02/28 (木) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★

10年。
10年前に拝見しているのですが、その歳月はすっかり私の記憶を洗い流して「面白かった」と云う感覚しか覚えていなかったので新鮮な気持ちで楽しめました。やはり演出面での進化が一番感じられました。最初のシーンでの音響の使い方は、まさに「飛び出す演劇」を体感出来ます。ストーリー的にも難しい事は考えずに、圧倒的な世界観とパワーを感じられる作品で楽しかったです。欲を言えば役者さんの技量にバラつきがあった事と、時折挟まれる懐かしの漫画ネタのギャグがマニアック過ぎるので、もう少し一般的にも通るネタだったらな…と思うのですが、それはもうカプセル兵団では無いのかも知れない。(笑)主演の長沢美樹さんの格好良い美しさと台詞の通りの良さは流石でした!

bpm本公演「不如帰」

bpm本公演「不如帰」

bpm

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2014/04/17 (木) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

テッペンカケタカ
数年ぶりのbpm本公演。相変わらずのハイパーエンタメな舞台に仕上がっていました。笑いも多めですが、締めるところはしっかりと。出演されている役者陣が芸達者だからこそ、とも思います。アクションと映像の融合も迫力がありました。脚本的には、幕末から戦国(本編)へ、そして幕末の流れが少し違和感がありました。本編だけでも充分に物語として面白く成立するので、蛇足に感じられてしまった。あと、お話の流れが一瞬止まったように感じる場面が一箇所だけありました。後から考えると、その場面を印象付ける為の演出なのだろうと思うのですが、観ていた時にはちょっと不自然にも感じてしまった。でも、全体的には質が高く纏まっていて本当に楽しかったです。個人的に服部半蔵役のNAO‐Gさんがオモシロ可愛くてアクションが格好良くて見惚れました!

Hiroshige Blue(ヒロシゲブルー)

Hiroshige Blue(ヒロシゲブルー)

ミヤタユーヤ

高田馬場ラビネスト(東京都)

2015/01/02 (金) ~ 2015/01/04 (日)公演終了

満足度★★★★

『アイ』の物語
冒頭と再後の名乗りで、安藤重衛門が歌川広重のなるまでの物語を
彼の家族や師、北斎などの人物によって再構築されてゆきました。

白木を組み合わせた舞台美術が美しく、面白く利用されていました。
台詞、照明、音楽のズレが、稽古・準備の時間の不足を感じさせて
少々残念でした。

ラストのダンスシーンは、「絵を描く」=「踊る」=「筆は踊る」
この言葉をギュッと詰め込んだような時間だったと思います。

己を表現する、と云う欲求のようなもの、気迫、それが上手く登場人物と
演者にリンクした濃密な時間だったと思いました。

脚本的にはもっと両親の死と云う「哀」の部分をもっと深く描いた方が
家族や師との「愛」の部分とのバランスがとれて、「藍」を巡る物語に
深みが出たのではないかと思いました。

ただ、お正月のおめでたい独特の中で観るのには、あたたかな「愛」の
物語の方が似合うのかな、とも思えました。

今後のミヤタユーヤさんの創られる表現世界も楽しみにしております。

ミュージカル ドリームハイ

ミュージカル ドリームハイ

TBS

新国立劇場 中劇場(東京都)

2012/07/03 (火) ~ 2012/07/20 (金)公演終了

満足度★★★★

楽しめました。
原作もキャストも、ほぼ知識のない状態で観劇しました。
全体的に、青春群像劇としてショウに近いノリのミュージカルとして
楽しい作品になっていたと思います。(以下はネタバレにて)

ネタバレBOX

まず奥行のある大掛かりなセットに驚きました。芸能系の学校を舞台と
しているだけあって、本格的な歌やダンスのシーンが多いのもライブな
感じがあって、派手で楽しかったです。

主演級のキャストも役柄に合っていて、一生懸命に演じている様子が
微笑ましくも爽やかでした。歌・ダンス共にレベルが高くて感心。
「役」と「生身の役者」上手くリンクしているように感じました。
若い出演者達の中で、演技力のある先生役の方々が舞台を引き締めて
上手く纏めてくれていたように思いました。

ただ、長時間の上演時間の割には、ストーリーがやや在り来りな印象。
三人の特待生が何故選ばれたのか、と云う理由や理事長の存在は
謎のままで、少し疑問が残りました。
この手の説明不足は、ドラマを舞台化した時によくあるのでしょうか?
時間の流れが少し分かりにくかったのと、暗転が多いのは気になりました。

ラストシーンのライブ、ダンスシーンは圧巻だったと思います。
パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

おぼんろ

ワーサルシアター(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★

一筋の。
ラストシーンでの一筋の光が美しかったです。物語の筋道がシンプルな分、今回はキャラクターの心情の変化に比重が置かれているように感じました。
おぼんろの役者さん達の技量で魅せる芝居だったと思います。
全国での公演が控えていますが、体調に気をつけて頑張って頂きたいと思います。ネタバレに舞台外で気になった事を書きます。

ネタバレBOX

上演時間は90分となっていましたが、実際には+αを含め150分程あったと思います。観劇後に予定を入れていたのですが、舞台と席の関係上、途中退席するのが躊躇われ、とても困りました。せめて、毎回行われる始まる前の口上や講演後の挨拶はもっと短くかトータルの時間を事前にアナウンスして頂きたいです。

それから、常連と思しきの方の上演中の態度が気になりました。
参加型のお芝居と云えど、俳優が一時的に客席に降りて客を楽しませようとするからこそ、演出や芝居として成り立つのであって、観客が自分が楽しむ為に舞台に上がろうとするのは迷惑行為なのでは無いかと思いました。
彼らを応援する心が真ならば、慎むと云うのも愛情であると考えます。
どのような作品であれ、舞台と云うものは観客が入って初めて成立するものです。観客は「作品」を作る為の大切な一部なのだと、心に止めて置いて頂きたいと思いました。
ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」

ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」

ホチキス

サンモールスタジオ(東京都)

2013/11/23 (土) ~ 2013/12/04 (水)公演終了

満足度★★★★

爽快。
とにかく、何も難しい事は考えずに舞台上で起こる出来事を受け入れて、
笑って、楽しんで、ちょっぴり感動して、最後には清々しい気分で劇場を
後にする。そんな芝居だと思います。

役者さんひとりひとりのポテンシャルが高い。テンションも高い。(笑)
これだけ全編通してギャグコメディな作風だと、下手な人がいたら、
もうそれだけで笑えなくなってしまう。
そう云う意味でも一見の価値のある作品だと思いました。
お目当ての小玉さんのコメディエンヌぶりも突き抜けていて、本当に
素晴らしかったです。

ミュージカル『ドラキュラ』オーストリア・グラーツ版

ミュージカル『ドラキュラ』オーストリア・グラーツ版

フジテレビジョン

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

研ぎ澄ます。
まだ公演中なので、ネタバレにて。

ネタバレBOX

再演と云うこともあり、初演キャスト・特に主役のドラキュラ伯爵の和央さんや、ヘルシング教授の鈴木さんの存在感が更に深くなっていたと感じました。
外見上のデコラティヴな部分をシンプルにした分、より内面が伝わりやすくなった気がします。

初演ではルーシーを演じたヒロイン・ミーナの安倍なつみさんの歌声には、彼女の揺れる複雑な女心を観客に届けるだけの表現力があり、ラストシーンのちょっと残念な脚本自体は変わっていないのですが、再演の方がこの物語に説得力があったようにお思いました。

個人的にお目当てだったヴァンパイアのダンスは、妖しく、美しく、危険な獣のようでいて品があり、「ヴァンパイア」と云う「生き物」としての存在感が圧倒的でした。不穏な風のような人とは思えないキレのある動き、空間に留まる時には彫像のようなポーズを取る独特な振り付けやダンスでの身体表現は、まさに長谷川達也さんの真骨頂だと思います。
DAZZLEとはまた違った一面が発見出来て、こんなにも相性の良いハイクオリティな作品で長谷川さんのダンスが再び拝見出来て眼福でした。
Lost in the pages

Lost in the pages

DAZZLE

ABAB UENO 2階(東京都台東区上野4丁目8−4/上野徒歩5分 上野広小路徒歩2分)(東京都)

2023/04/28 (金) ~ 2024/06/30 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

DAZZLE二作目の常設のイマーシブシアター。

上野という場所に相応しい文豪、文学をテーマに様々な作品を再構築して、鮮やかに物語をダンスで綴っていく。

魅力的なキャラクターと、文豪が筆を取っていた当時の香りのする物語、そして唯一無二の美しく魅力的なダンス。

会場の内装も素敵で非日常感を味わえます。ぜひ暗色のドレスコードでおめかしして参加してみて下さい。(自分のテンションが上がるため)

願わくば多くの方に、この作品に気付いて貰えますように。

個人的には、会場の狭さから別のシーンの台詞が聞こえてしまい脳が情報を拾って混乱してしまうので、音響の調節を見直して頂ければ嬉しいです。
(そこが★マイナスの理由です)

それから内容的にやや刺激的な部分もあるので、お子様にはちょっとオススメしづらいです。笑

長井古種 日月

長井古種 日月

あやめ十八番

d-倉庫(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/14 (火)公演終了

満足度★★★

傍観者。
母親役の花村雅子さんの佇まい、存在感がとても素敵でした。
まだ公演中なので内容はネタバレで。

ネタバレBOX

ストーリーはSFと云うよりはホラーに近いように感じました。

現実世界の物語は何とも不可思議で、その主軸に、映像の虚構世界と
宇宙からの傍観者が絡んでくるので、一見、複雑な様相を呈しています。
でも、物語自体はシンプルな内容だと思いました。

個人的に「家族」と云うコミュニティの愛情故の崩壊と、「村」と云うそれを
囲むコミュニティの導く人間の臆病さ故の崩壊の物語なのだと感じて、
救いが無く、終演後にもスッキリしない靄のようなものが残りました。
個人的に共感を覚える登場人物が居なかったので、なかなか物語に
入り込めないまま、ただ傍観者として眺めて終わってしまった。
原色のウサギのようには、なれなかった。

生演奏の音楽が使われていて、それ自体は贅沢さがあって良かったです。
でも、演奏者も演者として登場しますが、この物語と活かす場面として
必要な演出なのか疑問に感じました。
少々、騒がしく思って意識が離れてしまった。

台詞回し、言葉の選び方に特徴がある脚本だと思いました。「戯曲」と云う
イメージの言葉たち。やけに古めかしく、少しの違和感を持ちます。
構成として、ジグソーパズルのようにピースが揃う終盤にならないと作品の
全体像が見えてこないので、やや好き嫌いの別れる団体だと思いました。

役者、スタッフの質は高かったと感じました。当日は電車のトラブルが
ありましたが、メールで案内があり、上演開始が遅れる旨のアナウンスが
主宰さんから説明され、制作さんの対応の良さ等は好感が持てました。

個人的にお目当てだった振付けは、最初の全体で踊る時のダンスの
音を細かく捉えた振付けが宮田さんらしくて、格好良くて好きでした。
遠ざかるネバーランド

遠ざかるネバーランド

る・ひまわり

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

ネバーランド。
脚本は途中で先が読めてしまいましたが、良く考えれていると思いました。
それぞれの役者さんの技量も安定していて、楽しめました。
が、物語の主軸であるヒロイン像がどうしても共感出来ずに終わって
しまいました。つまるところ、子供、なのだと思います。
大人になってしまうと、思い出せなくなってしまう子供の感情の物語。
それが遠ざかってしまったので、どうしてもこの物語を観る自分の目が
ダダを捏ねる子供を見る大人、の視点になってしまった。
芝居を見るのに必ずしも共感する必要は無いのですが。

ラストシーンの二人の伸ばされる手が触れる前に照明が落とされた
あの「希望」を感じさせるタイミングは見事でした。

クロス ジンジャー ハリケーン

クロス ジンジャー ハリケーン

梅棒

俳優座劇場(東京都)

2015/08/20 (木) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

楽しかった!
ひと夏の物語。色々な要素がギュッと詰まった舞台でした。
大阪公演もあるのでネタバレはしない方向で。
ちょっと改善した方が良い気になった点もありましたが、きっと大阪で
進化していると思います。
個人的に、遠藤誠さんが格好良かったー!野田さん可愛かったー!!

ゴベリンドン

ゴベリンドン

おぼんろ

吉祥寺シアター(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/06/07 (日)公演終了

良かった。
初演が廃工場と云う特殊な環境だったので、インパクトが絶大だった。
それを「劇場」で再現する事は、おそらく不可能です。
けれど、シアターコクーンを目指すと公言しているのならば、「劇場」を
使いこなして「物語」を紡がなければならない。

「初演」は「再演」にとって乗り越えなければ成らない壁です。

ゴベリンドン初演の壁は、きっと、とてもとても高かったと思います。
でも、おぼんろにはきっとそれが出来ると信じての観劇でした。

だから、ちゃんとしたシアターで「演劇」をしている彼らの姿を観られて、
この不幸せかも分からない物語にまた参加出来て、幸せだと感じられ
た事が嬉しくて、本当に行って良かったです。

正直、今までのおぼんろの遣り方には危うさを感じるところがあって、
それは彼らの魅力の一部ではあるけれど、心配もしてました。
今回、個人的に上演中の写真撮影・録画が不可になった(あえて
OKの話をしなかった?)のが良かったです。どうしても物語の中に
入り込むのに、音や光で気が散ってしまっていたので。


それと上演時間が120分以上になっていたと思うのですが、
観客の中には次の予定がある人もいます。途中退席するのが
難しい上演スタイルなので、対策を事前に決めて、前説で観客に
アナウンスした方が良いのでは無いかと思いました。
(退席したい人は手を上げて、芝居の邪魔にならないような
タイミングでスタッフがスムーズに誘導するなど)
あの物語を最期まで見届けられずに退席するのは可哀想です。
予定された時間内に物語を語り終える、と云うのもプロならば必要では
無いでしょうか。共に物語を作る観客(参加者)の為にも。

それと前説で、上演時間・休憩の有無を言って頂けると観客にとって
親切だと思います。

残り一週間。どうぞ怪我の無いように楽日を迎えられますように。
またゴベリンドン未体験の方は、一度、遊びに行ってみて下さい。

Touch the Dark(タッチ・ザ・ダーク)【観客体験型作品(日本初・本格的イマーシブシアター)】

Touch the Dark(タッチ・ザ・ダーク)【観客体験型作品(日本初・本格的イマーシブシアター)】

DAZZLE

TtD特設会場/新宿に近い渋谷区(非公開)(東京都)

2017/08/25 (金) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

「あの舞台、映画、小説の中に通行人で良いから入ってみたいな」と一度でも思った事があるなら、行くべき作品です。
舞台とかお芝居とかダンスとか、そんな固定観念が砕け散る。
相も変わらずDAZZLE は衝撃的だった。
DAZZLE に気付けた幸運に、感謝します。

鱗人輪舞(リンド・ロンド)

鱗人輪舞(リンド・ロンド)

DAZZLE

あうるすぽっと(東京都)

2016/10/14 (金) ~ 2016/10/23 (日)公演終了

全てのカテゴリーに属し、属さない、曖昧な眩さ。
DAZZLE の公演は、どれだけ期待値を高めても、それをヒラリと舞うように越えてゆく。
今回の作品も衝撃だった。
全ての瞬間、瞬間、が尋常ではない緻密さと儚く退廃的で、そして決して折れない美しさの連続だった。
二十周年記念公演と云う事で、彼らの培ってきた全てが凝縮された作品だった。
マルチエンディングでは観客が舞台上の世界の行く末を決める。その時に、本当に手が震えた。
彼らはDAZZLE と云うダンスに人生を捧げ、命懸けで踊っている。命懸け、が比喩ではないとあの舞台に触れれば理解出来ると思う。
そして触れてしまえば、渇いた世界での水を求めるように、彼らのパフォーマンスを求める。
まだDAZZLE を知らない、観たことが無いと云う人がいたら、今、この時、DAZZLE に気づいて欲しいと願ってやまない。

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