「カワサキさん家のかたち」
お芝居空間イスモナティ
ART THEATER かもめ座(東京都)
2018/04/26 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
いいものを魅せて、もらいました。
後半、それぞれの家族の想いが渦のように押し寄せ、心が巻き込まれていく・・・
不覚にも、目頭が熱くなってしまいした。
顔見知りの俳優達が、それぞれのスタイルは残しながら違う色に染まっている。
小劇場ならではの息遣いを感じる臨場感。
その後も、観みたくなる芝居でした。
チラシの絵、そういうことだったんですね
ジハード ―Djihad―
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場・NINAGAWA STUDIO(大稽古場)(埼玉県)
2018/06/23 (土) ~ 2018/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
蜷川さんが鍛えたプロの役者が演じる 瀬戸山美咲 演出「ジハード」見応えがありました。
とにかく熱い舞台でした。役者と気持ちがシンクしてしまったのか、銃声に思わず体が反応してしまい、自分でもビックリ、引き込まれてしまいました、
人々の複雑な思いが役者の身体を通して流れ込み、ラストでは鳥肌が立ち、涙と震えが止まりませんでした。
瀬戸山美咲さんの、観客と役者の心を地続きでつなげる、とてつもない力、凄すぎます。実績のあるシンプルな舞台は邪念を消すのに役立ちました。
移民、宗教、人種、戦争、そして、
デリケートで、日本人には判り難い話がビンビンに伝わってくるのは役者が脚本を昇華し、そこに生きているからなんでしょうね。外国人労働者受入れを議論している今こそ目を逸らさず、向き合わなくてはならないテーマのように思いました。
埼玉までいった甲斐がありました。
Butterflies in my stomach
ENBUゼミナール
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2013/11/06 (水) ~ 2013/11/07 (木)公演終了
満足度★★★★★
吉田小夏の世界
頭の中がぐるぐるしていて、まだ整理できていない。エンディングで目頭が熱くなったのは確かだ。
役も性別も入れ替わりながら、7人の役者が演じる ひとりの女 ななこの7歳から77歳までの人生、それを取り巻く人々。舞台装置はたった7脚の椅子。先日、東京芸術劇場という豪華なホールでNODA MAPの"MIWA"(美輪明宏の半生)を観た。主演が宮沢りえ、男女裏キャラは古田新太、恋人役は若手の演技派 瑛太。豪華な配役陣で演じた芝居より、心に響いたのはなんでだろう。
7人の役者が10年ごとに演じ分けていたななこは、声も姿も動きも美しい宮沢りえより存在感を感じた。左高博海が演じた女ななこのケレン味のない素直な爽やかさは、古田新太では絶対に出せない味。聞けば、ようやく訛りを克服したばかりの18歳。平田理奈が演じた恋人役 ナナセ君は瑛太より魅力的だった。宝塚の男役のようなカッコ良さ。ビジュアルも含めて期待大。
基礎訓練を始めたばかりの発展途上の役者でも、これほど魅せる舞台を構成できるとは。吉田小夏の力に感服。彼女のキラキラした清涼感のある舞台大好きです。真っ白は何色にも染まる。確かに。恐れ入りました。Fly me to the moonがオープニングでしたね。そしてエンディングは。楽しみました。
Butterflies in my stomach
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了
満足度★★★★★
見事な舞台をみせていただきました。
沢山の人達が目頭を熱くしていました。ブラッシュバックでさらに、心に染み渡っていきました。美しい動きにも見惚れてしまいました。
違和感なく、同じ人間の感情が目まぐるしく移り変わり、そのうえ、役も入れ替わっていく
男にも女にも、おばあさんにも子供にも。変幻自在。
役者達の力量に驚きました。
4年前の学生たちの公演のフレッシュさも素敵でしたが、
今回のプロの役者での公演は、この吉田小夏作品の凄さを改めて教えてくれました。
福寿奈央さん、大西玲子さん、土屋杏文さん、東澤有香さん、今泉舞さん、石田迪子さん、清水ゆりさん
みんな素敵でした。
人魚の夜
青☆組
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/01/10 (金) ~ 2014/01/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
大人の寓話 (シリーズ化への挑戦)
人魚は、買ったり、釣ったり、拾ったりするもんなんですね。
少年を誘う、恐ろしいほど妖艶なシーンが一日経った今も忘れられません。
ナマならではの趣向を凝らした、2つの時間軸を自在に遷移する緻密に組み立てられた舞台を時間を忘れて楽しみました。
タイム・トラベラーが最年長の藤川修二ってところが憎い演出ですね。
「ペーター・ストックマン」~「人民の敵」より
名取事務所
吉祥寺シアター(東京都)
2022/02/19 (土) ~ 2022/02/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
洗練されて、かつ我が身に刀を入れられたような痛みを感じた舞台でした。
西尾友樹さんの生身さと森尾舞さんの狡猾なエナジーが襲いかかり客席が共鳴。初体験です。
野坂弘さんの正義を振りかざす滑稽さは身につまされました。
水質汚染の話かと思ったら。。。やられました~。
もしかしたら、トマスがエリートに支配されているロシアで、ペーターがアメリカが率いる西側諸国なんて物騒な妄想も掻き立てられた作品でした。
見ごたえがありました! 空間を前後左右・上下 目一杯使った舞台装置も素晴らしい!
かもめ
Art-Loving
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
三宅 弘朗
初っぱなから、光と音でもっていかれました。
見ごたえのある作品でした。
吉永小百合さんと人気を二分した俳優座の栗原小巻さんもニーナを演じていました。
瑞生桜子さんには、彼女のような妖精オーラがありましたね。
異彩で場を創り出す梶原航さん、美魔女の魔力を振りまく鳥越さやかさん、繊細な青年を指先でも表現してくれた佐山尚さん、皆さん、皆さん、素敵でした。
パール食堂のマリア
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2016/11/01 (火) ~ 2016/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
いいもんを観た!
再演だとそうですが、初回も見たかった。4回も不覚を取ってしまいました。
今回も、そこは吉田小夏さんの世界。ビー玉をひっくり返したようなキラキラした色彩感や、舞台ならではの独特の演出。2つのシーンが同時進行で重なり、当たり前のように展開する。
食堂でテーブルを囲む場面は、瀬戸山美咲さんの「彼らの敵」の喫茶店のシーンと裏表のようで、ひとりニヤニヤしてました。
けとば -語り継がれる言の葉-
劇団いまそかり。
シアター711(東京都)
2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
楽しみました
初めて観ました。スピード感に溢れる展開と動きに、上品なマンガから切りとったシーンをつなげて観ているような気分になりました。
どの役者さんも魅力的でした。タップもカッコ良かった。殺陣のシーンには、つい目をつぶってしまいましたが。
丁寧に制作された小道具や舞台美術がまた素敵で世界観が広がりました。ぬえの鳴き声が今も頭の中に響いています。”ぬえ~”
星の結び目
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2014/07/04 (金) ~ 2014/07/09 (水)公演終了
満足度★★★★★
着実にステップアップ
いつも通り、美しい作品でした。今回は役者の力量にも魅せられました。
大胆さと透明感を兼ね備えた福寿奈央。
現在から過去を行きつ戻りつ、波瀾万丈な人生を表現した渋谷はるか(文学座)、早変わりも見ものです。
大西玲子の演じた幼女・生娘も秀逸です。もちろん男優陣も。
劇場が大きくなった分、芝居全体もスケールアップした感じです。
キュンとなりながら、ホームドラマを観ているように面白く、堪能しました。
御ゑん祭
バンダ・ラ・コンチャン
青山円形劇場(東京都)
2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了
満足度★★★★★
あっと言う間の
甘酸っぱい余韻が残った ぬいぐるみハンター
魂で演じ、そして、美しく妖艶だった 青☆組
身体を張った ナカゴー
私事で語った オールド
妙にリアリティのあった Mrs.fictions
楽しませてもらいました。あと3回。お勧めです。
近藤芳正さんの年齢不詳のキャラは日本の宝ですね。
ビブロスもありました~世代より。
みえない雲
ミナモザ
シアタートラム(東京都)
2014/12/10 (水) ~ 2014/12/16 (火)公演終了
満足度★★★★★
忘れないで欲しい
泣かされました。原発事故、重いテーマでしたが、瀬戸山美咲(ミナモザ)独特の芝居を真実にする数々のトラップ、斬新な表現に心をもっていかれました。マリオネット、帯、拳、スコップ....
上白石萌音さん、さすが東宝シンデレラ。看板通りキラキラ光り輝く宝石のような存在でした。繊細で必然を体現したリアリティは秀逸。大先輩 大森美紀子さんとのやりとりも見もの。アカペラでの魅惑的な歌声。いっぺんでファンになりました。
マクベス
エイチ・アンド・ビースタッフ
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2015/09/30 (水) ~ 2015/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
やっぱりシェークスピアはいい
やっぱりシェークスピアはいいですね。堪能しました。
言葉遊びのワクワク感、言葉の厚みが違います。独特の溜めるセリフ回しが、現代的に処理されているのはとても新鮮でした。
後半に向けて、テンポアップしていくスピード感が心地よく、つい引き込まれてしまいました。
彼らの敵
ミナモザ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/07/25 (土) ~ 2015/08/04 (火)公演終了
満足度★★★★★
ドキュメンタリー演劇っていい!
物事にはいくつもの真実がある。
リアル過ぎます。目前で、その事件がおこっていると錯覚してしまうような臨場感。客席から立ち上がって、違うんだ、おかしいだろ、なにやってんだ と飛び込んていきたくなる、そんな舞台でした。
みんなそこに生きている。こんな劇空間ってみたことない。
アイスコーヒーも蕎麦もすべて本物、観客を芝居の世界と冷めさせることのない仕掛け。
TV、映画では決して味わえない、今起こっている出来事を隠れて見ているようなワクワク感。汁をすする音も汗も飛んできました。
そこに存在している一人の人間として苦しみを共有し、胸が熱くなりました。
2年経っても色褪せないテーマ。再演でも役者の鮮度も落ちない、名作・名舞台でした。
彼らの敵
ミナモザ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/07/24 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
アゴラ劇場の床は大丈夫か!
私の観た回は超満員。補助椅子も階段も埋め尽くされていました。
【ポスト・トーク】
ポスト・トークの谷岡教授の突っ込みで、服部さんと瀬戸山さんの雑誌社時代の話が飛び出し、さらにリアリティーが増しました。
重なりはなかったようですが、同じ仕事をしていたからそこわかる阿吽の呼吸もあってこそのシナリオだったのかもしれませんね。
ドキュメンタリー演劇は、今後も、解説ではなく、想像をさらに掻き立てる楽しみを残してくれる、こんなポスト・トークあると、さらに楽しくなる気がします。
彼らの敵
ミナモザ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/07/24 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
ドキュメンタリー演劇の訴求力
冒頭から、西尾友樹の演じる坂本の感性豊かな演技に引き込まれ、劇空間にもかかわらず、リアルに涙し、憤り、やるせなくなりました。身体が震えました。他人を断罪するという恥ずかしさ。まだ江戸時代の5人組制度のような小コミュニティーで相互に監視する習慣が残っているのでしょうか。同じ大学出身ということだけで。心に刺さりました。あっという間の2時間でした。
取材した記事を確認できないことで、齟齬が発生するのは珍しいことではないのでしょうが、これをTVや映画で表現していたら、これほど共感できなかったと思います。汗、唾が飛び散る生身の人間が演じる空間だったからこそ、伝わった苦悩と恐怖、そして、今、生きていくための矛盾を 肌感覚で捉えることができたのだと思います。
マスコミに翻弄されたあの嵐から、22年経ち、風化した事件を、再び演劇というメディアを通して、自らの真実を社会に問いかけることを了解された服部さんの勇気に乾杯。演劇は観客によって評価される客観的な芸術。観客に身をゆだねる。。。私は味方です。
西尾さん、あれだけどつかれて、楽日まで持つか心配です。
ハムレット
ラゾーナ川崎プラザソル
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2017/01/25 (水) ~ 2017/02/01 (水)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/01/28 (土)
ハムレットがオフェーリアを失って嘆くシーンは、古典を越えて、現代劇をみているような感覚で、言葉が心に刺さりました。清らかなオフェーリアが狂気に落ちていく姿には驚愕しました。歌は生ですよね。この世のものとは思えない、澄んだ歌声、別世界へ引き込まれそうになりました。プロジェクターと芝居がシンクした舞台は見応えがありました。シェークスピアには笑えるセリフも満載ですが、反応する暇がなかった。年寄りには早いテンポが辛かった。
夜への長い旅路
CEDAR
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2017/03/01 (水) ~ 2017/03/05 (日)公演終了
UndergroundStates
EgofiLter
シアター711(東京都)
2012/09/13 (木) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
あっという間に
不正(的)生活保護受給をネタにした作品。
帰るところがないものと、住むところがあるのにわざわざ外からこの町にやってくるものが織り成す人間模様が面白い。
前半は、背中の演技が多く、我慢させられた分、後半の見せ場がスッと入ってきた。劇場を出た後、下北沢の雑踏が心地よく、芝居と同じ匂いを感じたのは何故だろう。この街もドヤ?
グランパと赤い塔
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2017/11/18 (土) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/27 (月) 15:00
泣かされました。
戦後・高度成長期の日本と現代の精神世界はこんなに違っていた。時代に交わった一人として、改めて実感。
アメリカに席巻される以前の日本の家族の姿。父親、母親、祖父、祖母、子供、使用人達。
戦後を生きた市井の人びとの日常で紡がれていくストーリーが、心に迫ってきた。
舞台には和室、ちゃぶ台、そして、洋室、応接セット、ピアノの音色。
従属関係でありながら、安寧な男女。互いの思い。
親と子の立場をわきまえた愛し方・愛され方。
戦争の名残。
若い世代には実感できない事ばかりかも。
先日観にいった商業演劇(「京の蛍火」 黒木瞳主演)では、高齢者が明治座を満席にしていました。
明治・大正生まれの人がほとんどいない今、舞台にかけるのは、戦後を真摯に描いたこんな作品もいいのでは。