満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/27 (月) 15:00
泣かされました。
戦後・高度成長期の日本と現代の精神世界はこんなに違っていた。時代に交わった一人として、改めて実感。
アメリカに席巻される以前の日本の家族の姿。父親、母親、祖父、祖母、子供、使用人達。
戦後を生きた市井の人びとの日常で紡がれていくストーリーが、心に迫ってきた。
舞台には和室、ちゃぶ台、そして、洋室、応接セット、ピアノの音色。
従属関係でありながら、安寧な男女。互いの思い。
親と子の立場をわきまえた愛し方・愛され方。
戦争の名残。
若い世代には実感できない事ばかりかも。
先日観にいった商業演劇(「京の蛍火」 黒木瞳主演)では、高齢者が明治座を満席にしていました。
明治・大正生まれの人がほとんどいない今、舞台にかけるのは、戦後を真摯に描いたこんな作品もいいのでは。