満足度★★★★★
「人と人とのつながり」その本来の姿。
青☆組を初めて観たのは、たぶん10年近く前になる。
アトリエ春風舎での公演『雨と猫といくつかの嘘』だ。
そのときに「上品だ」と感じて、そう感想にも書いたと思う。
そして、その「品の良さ」は今もずっと続いている。
こんなに品の良い作品を生み出している劇団は、ありそうでない。
さらに最近はそれに「風格」も加わった。
それはここまで続けてきたことの、自信なのかもしれない。
(以下はネタバレboxへ)
満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/20 (月) 19:00
座席B列8番
古くて新しい温故知新的作品。映画やドラマでかつて観た昭和の物語をかつて観たものとは違う形で見せる、謂わば交響曲のリ・アレンジのような。
あの頃はそうだった、な時代性に戦争批判も加えてユーモア、ペーソス、優しさで仕上げました、なのがまた素敵。
また、いくつかの伏線とその回収もイイ。σ(^-^)的にはすき焼き、月、手紙がツボ。
あと、2本の映画を思い出したし、部分的に井上ひさし作品も連想。
満足度★★★★★
舞台スペースを広く高く使ったセット。この造りだけでも圧倒される。しかし、そこにあるのは大仰なものではなく、懐かしい昭和の匂いのする家。開演前からこの家の娘らしき女性があちこちをゆっくり眺めながら思い出にふけっている。実は同じ体験をしているものとして、このシーンだけでもじんわりと涙が浮かんできた。それを感じさせる自然な演技とセットの風情がまず素晴らしかった。そして、家族というもの、働くという事、終わってもなお傷跡を残す戦争のことなど、いろいろな要素がじんわりと心に染みる作品であった。今後も奇をてらうことなく、こういう日常のささやかな想いを表現し続けて頂きたいと切に思った。良い作品と出会えて感謝です。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/27 (月) 15:00
泣かされました。
戦後・高度成長期の日本と現代の精神世界はこんなに違っていた。時代に交わった一人として、改めて実感。
アメリカに席巻される以前の日本の家族の姿。父親、母親、祖父、祖母、子供、使用人達。
戦後を生きた市井の人びとの日常で紡がれていくストーリーが、心に迫ってきた。
舞台には和室、ちゃぶ台、そして、洋室、応接セット、ピアノの音色。
従属関係でありながら、安寧な男女。互いの思い。
親と子の立場をわきまえた愛し方・愛され方。
戦争の名残。
若い世代には実感できない事ばかりかも。
先日観にいった商業演劇(「京の蛍火」 黒木瞳主演)では、高齢者が明治座を満席にしていました。
明治・大正生まれの人がほとんどいない今、舞台にかけるのは、戦後を真摯に描いたこんな作品もいいのでは。
満足度★★★★★
東京タワー建設中のちょっと戦争の影を引きずる昭和時代。自分が生まれる少し前の話ですが、懐かしさを感じますね。切なくて、優しい世界に引き込まれてしまいました。
満足度★★★★★
「雨と猫といくつかの嘘」の時同様、本公演でも観劇後は雨が降り出した。太宰治の小説「富嶽百景」に 「富士には、月見草がよく似合う」の一句があるが、吉田小夏女史の世界は雨が似合うのかも知れない。その”しっとり”感は情緒豊かで観終わった後の余韻が実に心地良い。
ちなみに、物語には「月」も出て来るし、「月見草」は竹取物語を表現していると云われ、その意味では宇宙も登場する。しかし、言葉のイメージが持つ浮遊感はなく、どちらかと言えば地に足が着いた物語である。
(上演時間2時間15分 途中休憩なし)
満足度★★★★★
135分とやや長尺ながら、それを感じさせない。特に終盤のある一日、あれを描く為にもこの時間は必要だったように感じる。何ら事件らしきものも起きず、ただ日常の風景が綴られるこの舞台。上っ面の「刺激」的事象や演出などなくとも、私には充分刺激的だった。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/22 (水) 19:30
座席H列
19:30の回(小雨)
19:10会場着、受付(全席指定)。
「パール食堂のマリア(2011/7@三鷹)」からでとびとびながら5作目。
会場に入れば吉田さんが客席の誘導、隅々まで気を配りお客さんを席までご案内し、前説ではよく通る声で諸注意を。
上下をつかった構成、後方列でもとても観やすかった。
小さいころ、まだ田んぼがあり、道路は舗装されておらず、TVには色がなく、自分の視界だけが、歩いて行けるところまでが世界であったころ。
灰色に近いイメージの時代、禁煙などなく、まだまだ父権が強かった時代、それでもアメリカはアポロ11号を宇宙空間へ、月世界へ送った。
何もない真空の世界のその向こうに何が見えるのか。今では重力波でさえ感じる世界になった。
きれぎれながら憶えていること、あとで知ったこと、戦争、被ばく、大地に沁みこんだものはけっして乾くことがない。
それは常にすぐ後ろに迫っている怖れ。
自分のあのころを重ねながら観ている自分に気がつく。大人になって...など考えもせず、今だけを感じていたころ。
大家族、大人数があたりまえ、子供は親の言うことをきくことがあたりまえ、長男は...。
時間は音もなくながれ、木々は色づき世界は拡がる、未来への希望と不安。太陽系を超えて飛び、深海まで行く。
そして家族はどこへ。
いろいろ感じながらの2時間強、とてもいい時間を過ごすことができました。
今泉さんはてがみ座の公演(2011/4~)で、また@ゆうどの青空文庫や「砂利塚アンリミテッド(2015/5@駅前)」「さよなら、三上くん(2015/4@APOC)」
「青(2016/9@OFFOFF)」への客演。どの作品でも芯の強い役を演じていらっしゃいましたが、本作ではまた違った面をみることができました。
ランドセルが似合う、というと失礼かもしれませんがとても懐かしいものを感じました。
石田迪子さん「短篇集:ノスタルジア(2014/7@APOC)」「わたしたちのからだは星でできている(2016/7@青少年センター)」。
小瀧万梨子さん「小瀧ソロ(2011/5@gallery Bauhaus)」が初めて、いろいろ観ていて最近では「夏の夜の夢(2017/3@サンモールS)」。
満足度★★★★★
物語にドラマチックな展開があったりすることはないのですが、心に残る本作。
その時代の世相や光と影をさりげなく描き出し、惹き付けて離さない脚本力は本当に素晴らしく吉田小夏さんの才能を改めて感じた作品です。
満足度★★★★★
青☆組は今回初見です。
1960年代生まれの自分にとっては親の代くらいの物語か。
戦後から高度成長期へ向かうなか、比較的裕福なほうであろう一家を中心に描きながらも戦争の影もそれぞれにまだ残っていたり。
細かいエピソードがチクチク刺さりました。
悪い人も出てこないし、想定外のどんでん返しもないけれど、
それでいて135分があっという間なのは初めての経験かも。
もっとそれぞれの登場人物のエピソードを見ていたかったです、現代が違うとは言わないけれど皆が一生懸命に生きていた感じが伝わってきました。
主義主張を押し付けがましく訴えてはいないのだけれど、でも最後には観る者の心に何かを残してくれたような。
そんな気持ちのいい作品でした。
観る年代で感想も異なるのかもしれませんが、若い方が見てもきっと何かを感じ取れる内容だったと思うし、是非そんな方にも観劇をおススメしたい作品でした。
満足度★★★★
東京タワーが建設中だった頃、私は、あまり覚えていません。そして思い出すのは、映画『三丁目の夕日』。その時代は同じです。ともえが祖父から望遠鏡を買ってもらった。この家族の方がはるかに豊か。特に大きな事件が起こるわけでもありませんが、その時代の人たちの様々な想いを描いています。「良い芝居だ」というイメージなのですが、『三丁目の夕日』同様、やはり「きれい」過ぎる。一部の実業家や商人は別ですが、全体としては、もっと貧しい雰囲気があっても良かったのでは無いかと思いました。
満足度★★★★
青☆組は本作で三度目-
今回は自分にとって、物語の吸引力も弱く緩すぎたかな。
その人となり、精神性がノスタルジーでなく、時折古臭く平板に感じてしまった。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/20 (月) 19:00
事件といったら夫婦喧嘩くらいしかない、何気ない日常を淡々と綴っただけなのに、なぜかステージにグイグイ引きつけられました。本当に良いものを見ました。戦争を直接経験した人がまだたくさんいて、彼らが敗戦と戦後の復興にどう向き合ってい、どう心の中で折り合いをつけてきたか、東京タワーが完成してから生まれた私も少しは覚えています。そこから今を考えると、戦争を知らない子供たちがあれこれねじ曲げて、世の中を変にしちゃってる感が半端ないです。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/18 (土) 19:30
懐かしい芝居だった。昭和44年、祖父母の家が取り壊されるということで久々に訪ねた母娘達が、一緒に暮らしていた昭和33年を回想する。ボイラー会社を経営する三世代の家族と、従業員やら居候やら女中やらの群像劇だが、当時7歳だった長女(今泉舞)をヒロインのように描くのは、青☆組では珍しい。東京タワーが建っていくのに連れて、物語は進み、余韻を残して昭和44年に戻って終わる。135分という上演時間も本劇団にしては長いが、それが意味を持つ長さになっている。私自身が、同じような三世代が同居した家に育ち、東京タワーの完成を見ているので、何だか懐かしい感触にとらわれた。しかし、そうでない世代が見ても、人間を暖かい視線で見る同劇団の本作品は、暖かい気持ちになれるだろう。
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@papas0929 いつも応援いただき、本当にありがとうございます!!鼻濁音っっー!苦手な所であります。お言葉とてもありがたいです。精進いたします。これからも青☆組をよろしくお願いいたします!
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『グランパと赤い塔』から『ルルコのおはなし』へ。 先輩女中の次は、8才の女の子です。旅から旅へ。
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@coconuts_blue いえいえ、こちらこそご挨拶出来ずに申し訳ありませんでした。 初めて青☆組拝見しました。素晴らしかったです。小夏さんの描く世界は繊細であり、志高いものでした。 でも、小夏さんの世界に対してああ自分は… https://t.co/fp5PZLtCSy
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【おしらせ】発表!! ツアー型スイッチ「秘密の夜の学校見学会〜あなたの知らないアンスティチュ・フランセ〜」契約所員情報第一弾!! 有吉宣人(青☆組) 日坂春奈 細谷貴宏(ばけもの) 間野律子(東京デスロック) 常連契約所員ズ!… https://t.co/rDjiyb96OW
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3年前、吉祥寺シアターでの初公演『星の結び目』が、青☆組初観劇だったトルティ。そのあと、ENBUゼミで私が講師を担当した時期に出会い、入団し、『グランパと赤い塔』では同じ吉祥寺シアターのセンターに立ってモノローグを言うという成長っ… https://t.co/m2BjMGy13s
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約7年前
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約7年前
吉祥寺シアターへ青☆組の「グランパと赤い塔」千秋楽に行って来ました! 丁寧に作りあげていた舞台でまるで私小説を読んでいるような雰囲気があり、戦後の日本を支えていたのは作中に出ていた人達がいたからなんだと思いました!… https://t.co/GwASHMwUus
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