満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/18 (土) 19:30
懐かしい芝居だった。昭和44年、祖父母の家が取り壊されるということで久々に訪ねた母娘達が、一緒に暮らしていた昭和33年を回想する。ボイラー会社を経営する三世代の家族と、従業員やら居候やら女中やらの群像劇だが、当時7歳だった長女(今泉舞)をヒロインのように描くのは、青☆組では珍しい。東京タワーが建っていくのに連れて、物語は進み、余韻を残して昭和44年に戻って終わる。135分という上演時間も本劇団にしては長いが、それが意味を持つ長さになっている。私自身が、同じような三世代が同居した家に育ち、東京タワーの完成を見ているので、何だか懐かしい感触にとらわれた。しかし、そうでない世代が見ても、人間を暖かい視線で見る同劇団の本作品は、暖かい気持ちになれるだろう。