なしかの観てきた!クチコミ一覧

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TOU-JYUKAI-DEN-□

TOU-JYUKAI-DEN-□

はっぴぃはっぴぃどりーみんぐ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2017/01/29 (日) ~ 2017/02/07 (火)公演終了

満足度★★★

おじさんキャスト(ツイッターでご本人達がそう呟かれていたので)に惹かれ見に行くが、これが俗にいう2.5次元舞台というのだろうか?判断がよくわからない。
よくよく見たらシリーズものだったらしく、テーマは壮大だけど、ありきたりな結末にやや拍子抜け。一部、映像で見せる手法よりも舞台上でなんらかの形で見せて欲しかったが、ストーリーテラーにあたる人物もいない演出のため、ああするしかなかったのかな。

4〜5に分布された相関図があったが、そのグループが出ては次のグループが出てきてと、話の流れを掴むのにやや時間がかかり、やっと盛り上がる場面になったと思った矢先に、またトーンダウンして、と雑誌のページをめくるたび全く違う場面になっていた、というような感覚が付きまとった。
2人もしくは3人の場面が多かったように思えたが、各々の殺陣場面は見応えはあったが、最近の殺陣は舞うように戦うのが流行りなんだろうか。

自分の認識不足ゆえ、表記されても即答出来ない個人名で、どちらが役名なのかと戸惑うような初めて見る役者さんも多く、また出演者同士の力量の差も目立つ。さすがにベテラン陣は安定していたが。
終演後、ほぼ?毎回アフタートークをやっているようだったが、舞台公演として宣伝不足な気もした。

マクベス

マクベス

Theatre Company カクシンハン/株式会社トゥービー

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/01/26 (木) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/29 (日)

タイトル通りのマクベスなんだけど、なんだか名門男子校演劇部が集まって名工の銘品を一度壊して、上手に金繕いして景色を変え、マクベス夫妻しか存在しない現代アートに転成したかのような舞台だった。
マクベスの舞台は幾つか見たことはあったが、ヘテロの登場は珍しく、ほとんど初めて見たかもしれない。選曲も内容と合って興味深く見ていたが、セリフと被り気味だったためそこらへんは残念だった。
マクベス王はぼっちで可哀想になるわ、レディマクベスはレディガガ風だわ、カクシンハンらしい舞台でした。

ミュージカル『キャバレー』

ミュージカル『キャバレー』

パルコ・プロデュース

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2017/01/26 (木) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

初演を青山劇場で観劇済み。
物語を覆うカラフルさとダークな世論なモノトーンの落差がありすぎるリアルファンタジーな世界で、気が重くなりながら帰路についた覚えが。
六本木の劇場はもともとスルーしてたが、日が経つうちに、どうしても石丸秋山小松村杉平岩のキャストの活躍を見たくなりKAATのチケットを確保。
最上階の座席からでも音響が聴きやすかった。

小ネタ改変はなく、初演とほぼ同様だったような気がする。
今回の長澤サリーは女性としての成熟さより溌剌さが優れて見え、小池クリフとの愛情が薄いように見えたが戯曲そのものがそうなっているからしようがないんだけど、2人を見ているとなんか妙に幼すぎるというか。
石丸MCのジョニーデップ風なメイクが意外とお似合いで、久々に楽器演奏も聴いた気が。やっぱ歌上手いなー、聴いてて安心する歌声。
最後の場面の全員の虚無な姿と、世の無残を感じさせる締め方は美しい残像のようにも見えたが、初演の時より目に見えない規制の増えた今の時代に妙にあって例えようのない現実感が襲ってきた。

話自体はそれほど面白いとは思わないけど、舞台として、見てよかったです。

ワンス・アポン・ア・タイムin京都Ⅲ

ワンス・アポン・ア・タイムin京都Ⅲ

ゼータクチク&ACTACTION by TEAM HANDY

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2017/01/20 (金) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/25 (水)

流石に初演は見てない。
酒と煙に繊細さを兼ね合わせたガジラ初期の野性味溢れる一作、怒れる若者達に引導渡しそうで渡さない鐘下さんと千葉さんのバイタリティがビシバシ伝わるガチンコ舞台でした。約2時間。

豚小屋 ~ある私的な寓話~

豚小屋 ~ある私的な寓話~

地人会新社

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2017/01/07 (土) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

軍を脱走して家畜小屋に隠れ、人目を避け続け生きてきた男とその妻。
式典に出席して、自分の存在を明かしたい男が垣間見る、孤独からの解放とそれを想像する恐怖。

閉塞された豚小屋が牢屋のように感じたのか、ある夜、女装して妻と外に出た時の開放感と星の明かりのまぶしさの体験の姿に、実際あった事を想像すると、その場面では一緒になって感動した。が、初演発表時からかなり時間の経過した戯曲で、原作者も南アフリカで反アパルトヘイトで闘いながらも書いたとのことらしく、戯曲自体も傑作だとは思う。現代の世俗とは一線を引く、どこか時代を感じさせる舞台だった。

ゴドーを待ちながら

ゴドーを待ちながら

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2017/01/05 (木) ~ 2017/01/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/01/10 (火)

最終日観劇。
初演を見逃し念願の再演を観劇。他で同作を幾つか見た事はあるが、不条理そのものが独り歩きした芸術気質な作りが多く、そのたびに然程面白いとは思わなかったのだが、今回は違った。

線の細い樹木が一本、黒背景によく目立つ。出だしから、天井から演出家達が操作していそうな操り人形の如き身体の動かし方の柄本兄弟の存在が飄々としつつ、ユーモラス。軟質不条理劇で面白かった。

ワレワレのモロモロ 東京編

ワレワレのモロモロ 東京編

ハイバイ

アトリエヘリコプター(東京都)

2016/12/10 (土) ~ 2016/12/23 (金)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/12/22 (木)

出演者8人による8編の体験談を基にした短編良品な面白い舞台だった。
その中の1作、ネグレスト気味な母の話は、その出来事を笑って見るほどは肝が座っておらず、個人的に見る未熟さがあるんだろう。
平原さんは私の中では実力ある役者さんなので、これからもっと活躍の場があるはず!
良々の酔っ払ったお父さんの横暴さは九州男のあるある感満載だったが、ノストラ〜の部分は教室の部分にあたるのか。
永井さんの悲惨な体験にちょっと笑ったけど、舞台作るのって本当大変なんですな、演出している岩井さんの激しさは素の部分で演っているだけのなのか、それとも演じてるのか、どちらなのかわからないくらいの素晴らしい威圧感があった。
岩井さんの戯曲はあのショートショートだと奇妙な話にも思えたが、違うアプローチを加えて、もっと長く見たくなった。
川面さんの話には、短編ながら登場人物の人柄の魅力と話の中に引きこませる筋に少し目頭が熱くなった。
後半4作は特に面白く感じたが全編面白く、10分ほどの休憩が入ってもあっという間の2時間半だった。

モグラ…月夜跡隠し伝…

モグラ…月夜跡隠し伝…

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/12/15 (木) ~ 2016/12/27 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/12/18 (日)

靄のようなものが漂う中、劇場内に一歩足を踏みいれば、無数の木立ちのダイナミックな光景に圧倒される。
荒唐無稽、だけどスペクタクルな日本民話の浪漫伝記とでもいうのか、前半の展開にはワクワクしたんだが、途中からどう収拾するのかと見ていれば、最後の局面で慌ただしくなり、あれもこれもと詰め込んだ展開で話をまとめた感がなきにしもあらず。が、終わってしまえば面白かった、という矛盾した感想になってしまった。ケレン味ある歌舞伎を見た、と思えばよかったのかな。
約130分。

劇中「らいらいら」って言葉を発していたが、どう書くんだろう?また、衣装の半纏の衿部分に梵字のようなものが見えたけど、あれも何か意味があったんだろうか?
舞台裏も見たかったが観劇日は談話会があり。ロビーに舞台模型があったらしいが、多勢の人がいたのでどこに置いてあったのかもわからず。談話会では雰囲気に負けて何も質問出来ず。いろいろと無念。

ネタバレBOX

冒頭の関東大震災で朝鮮人の虐殺事件の話から、その荒くれ者たちを取り込む大陸から来た謎を秘めた女。その後の謎の女の物語も見たかった気も。客演の松田賢二さんは「VERSUS」の時のような役柄を彷彿、他の客演陣も風格と存在感あって良い。

談話会での思い出し書き。
今後は「夏に死す」や炭鉱三部作のようなものがメインになって、今作のような舞台は今後書かないと思う、と東氏。それを聞いた原口氏、「うそうそ」とヒソヒソ小声で笑いながら否定。
談話会出席者の東さん、松本紀保さん、松本亮さん、揃ってB型。原口健太郎さんは一人だけO型。
坊主頭になって参加の松本亮氏、そのまま大正時代の人のようとみんなから絶賛される、これまで坊主といったら原口さんだったが「似合い過ぎる」と妙なお褒めの言葉をかける。
原口さんは客演が続いて久しぶりの劇団参加、舞台装置からその他諸々参加できてやっぱりよかったとかなんとか。
客演の両松本さん、桟敷童子の舞台仕掛けなど話題は知っていたが、紀保さんの初桟敷観劇はベニサンピットで上演された「黄金の猿」亮さんの初桟敷は最後に戦車が出てくる「厠の兵隊」、どちらも大仕掛けのセットに圧倒された模様。
仕掛けといえば、今回の舞台も最後は地面が揺れる場面があり、その時は劇団員やスタッフ総出で揺らしているそうで、そこでは客席に見えないように亮さんも手伝っているそう。上で芝居してる紀保さんはその場面を楽しんでやっているそう。

客席からの質問もあったが上手く聞き取れず。
約20分ほどで終了。
紛争地域から生まれた演劇シリーズ8

紛争地域から生まれた演劇シリーズ8

公益社団法人 国際演劇協会 日本センター

東京芸術劇場アトリエウエスト(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/15 (木)

「白いウサギ、赤いウサギ」占部房子さんの回を観劇。
シアターウエストのお隣のアトリエウエストで、室内横長スペースを活かし、簡素なテーブルと脚立が一つあるのみ。
おずおず?こわごわ?と登場され、観客監視の中、封をされた袋から誰も目にしたことのない新品の台本を取り出し、まずは演者一人が戯曲と対話するようにそのまま壁をバックに始まるが、始まってしまえば役者としての本能が動き出したのか、リーディングのような一人舞台のような観客を巻き込んでのワークショップ的な観劇となった。自分もあの場に立たされるのではないかと見ていながらヒヤヒヤしており、正直、舞台の中身はあまり覚えていないのが悔しい。
上演時間が70〜90分とアバウトだったが、内容がわかってしまえば納得の時間。

ネタバレBOX

出来れば開始前に、簡単な約束事の説明があればよかったかな。満席で冬服で着込んだ密集の中、アレコレとやるのは少し大変だったので。
関係者も多くいらしていたが、面白い催しなので、もっと一般客の見る機会が増えればな、とも感じた。 
また、当日の手続きした順でチケット引き換えとなっていたが、入場手続きで関係者を優先するのは、まぁなんとなくわかるけど、なんのための予約番号だったんだろう。
シブヤから遠く離れて

シブヤから遠く離れて

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/12/09 (金) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★

初見
初演の蜷川版を見てないので、今回の相違というのか差異というのはよくはわからないが、以前、本多劇場で上演された岩松さんの舞台「結びの庭」を彷彿させるような巨大な洋館風の建物に芝生の庭の舞台セットに、すべての会話を言葉にするのではなく、表情や細かい仕草の流れを凝視しながら想像力の第六感をフル活用させ、総合的な美しさを感じた。説明文の通りの展開なんだけど、ヨーロッパあたりのミニシアター系映画を見ていたような。
上演中の視点が、舞台の上手側に集中していたように思うが、もう少し舞台中央で動いて欲しかった気も。

下手側コクーン席で見たが、上手側コクーンシートだと見切れる場面進行が多く、場面の多くは見過ごす可能性もあるのでは。役者を見たい場合は辛いかもしれない。村上さんの喋り方はUAさんを彷彿、やっぱ親子なんだな。舞台での台詞回しはもう少し頑張ってほしい。

どどめ雪

どどめ雪

月影番外地

ザ・スズナリ(東京都)

2016/12/03 (土) ~ 2016/12/12 (月)公演終了

満足度★★★

無題
4人姉妹それぞれが背負った後ろめたさが重荷となった人生奇譚というのか、幸福感満載とは裏返しの女の一生であったような。個人的に絶叫セリフの多い場面は見ていて疲弊するが、中和剤的な男性キャストの存在に和む。

事件報道の写真ネタは自分でも思っていた事なので、そこは笑えた。
劇場内「瞬間移動(当日パンフ記載による言葉)」を活用し、姉妹のエピソードをつなぎ合わせ話しは進むが、最後の次女のトドメの刺され方が、ひたすら虚しいとしか例えようがなく、観劇後には空元気な気分になってしまった。

事前ツイートで客席余裕あり、と見た気がしたが当日場内満席だった。
約110分。

自己紹介読本

自己紹介読本

城山羊の会

小劇場B1(東京都)

2016/12/01 (木) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★

繰り返しの応酬
公園で寛いでた人達が、成り行きで他愛もない会話を繰り広げる90分舞台。出てくる人達が皆、出合い頭のような展開なのに、常設してるションベン小僧の噴水のように物事が進んで行き、絶妙かつ珍妙さとむず痒さの世界観に、聞いててイラっとするけど、引いて見てたらあるある会話がいいさじ加減で相まって、相変わらず面白かったです。
上演開始も15時、19時30分、上演時間も90分と、観劇前後の時間に余裕が出来て丁度良い。

スルース~探偵~

スルース~探偵~

パルコ・プロデュース

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/11/25 (金) ~ 2016/12/28 (水)公演終了

満足度★★★★

探偵バージョンを観劇
推理劇の為、厳重注意のネタバレ禁止。

英国上流階級出身の推理作家とその作家の妻と愛人関係な伊太利亜系下層階級出身の青年、男同士の奇妙な間柄から発展する英国流のブラックユーモアが程よく見られ、それぞれの攻守が二転三転と変化する展開がスリリングで面白い。
西岡さんのシェイクスピア劇とは違う一人芝居のような場面や、新納さんの飄々とした歌声も良い。
階級や移民が幅を効かせるお国柄、舞台の隅から隅まで謎が目を惹く知的な騙し合い劇でした。
約130分、休憩20分含。

ミュージカル「わたしは真悟」

ミュージカル「わたしは真悟」

ホリプロ

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2016/12/02 (金) ~ 2016/12/03 (土)公演終了

満足度★★★★★

プレヴュー初日観劇。
エイゾウ コミック ダンスミュージック、フクゴウエンタメステージ、ハジマルマエカラ シカケガアリ、エイガミタイナスクリーン ニ スミマデミテネ。

ロビン ノ ヘンタイコウイモ ウタッテシマエバオッケー、ゼロワンノセカイカラ アイ ヲ ミツケル。 ソンハクン ハ ウタッテオドッテ デゾメシキマデ、リアル ハツネミクサンカ、イヤ ホリプロナラバ ダテキョウコサン ト イウベキカ。
ジツニオモシロカッタ。

カタカナで感想書いていくのムズイわー。原作未読。
ダンサー含め演者さん、皆さんお怪我なく駆け抜けられますように。
大変面白かった。

原作ファンの方も多かったのか、これまで舞台観劇とは無縁そうな男性客もちらほら目に。
また映像など、かなり活用されるため、舞台前方席だと少し見えづらい箇所はあるかも。来年の新国立公演では演出に多少変化があるかもしれないが。
私事だが、この劇場では初めて2階から観劇したが、案外見やすいことがわかり、今後の観劇時の座席選択が広がったのも良かった。
一幕約70分、休憩20分、二幕約60分。

ネタバレBOX

80年代の作品なのに、まるで現在の日本や世界を見ているよう。
脚本は谷賢一さんだが、ダークファンタジーぽい構成ながら物語に入り込めて興味深かった。ミュージカルと音楽劇の違いはよくわからないが、挿入歌も聞いてて心地よい。無意識に「♪さんさんさんの〜」は一緒に口づさんでいた。
男の子、女の子、淡く幼い恋愛とそれに区切りをつける一因となる真悟と名付けられた産業ロボット。機械ならば感情ない故、無機質な行動で騒動起こしそうだが、真凛と悟からプログラミングされて生まれた真悟の多彩で細やかな動き、事件の果てに見せた行動の結末。ラストシーンで、互い違いのブランコで無邪気に遊ぶ悟と真凛、そのブランコの動きを合わせる真悟。真悟の姿は2人の目に見えないが、真悟はずっとそれ見たかったんだろうなー。

照明から電気系統が大活躍で、演出力って凄いんだなーと先日見た某舞台との違いを改めて思い。
挽歌

挽歌

トム・プロジェクト

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

暗中模索の日々
震災から5年、失われた故郷と避難生活を短歌に託して想いを詠む。
郷土愛や生活の糧を失う辛さはよく理解出来る、つもりだが、どこか他人事のような暮らしをしている者としては、当事者達にかける言葉もすぐには思い浮かばず。計り知れぬ暗中模索の日々からの脱却を願わずにはいられない。
実直なドキュメンタリー舞台を見た、といった感じだった。

メトロポリス

メトロポリス

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/11/07 (月) ~ 2016/11/30 (水)公演終了

満足度★★★

SFかぁ…
同名の名作SF映画を舞台化、脚色ではなく潤色ということなので、かなり日本的な現代風刺エッセンスを加えるも、メインシェフの感覚が過去の最先端芸術要素のままに見えた。旬の素材の良さを個別素材のまんまで提供するもんだから、それを活かす事なく素材が殺しあってしまい、口に合わないまま消化不良のまま見終わってしまったような。
1回見ただけではうまく把握できず、かといって1800円だして公式プログラム購入するほどの踏ん切りはつかず。
終身雇用と就業、労働支配者の裏切りとか、確かにあらすじ説明文の通りの展開なんだけど、愛もなければ希望もない、未来もない事態に巻き込まれ暴動が起きて、みんな巻き込み舞台上を横から上から下へと、踊ればええじゃないか、って感じで踊りと歌は面白かった。サイドシートから見たので、点滅する照明の使い方場面では、舞台上の役者の動きがよくわからなかったが。
近未来舞台のテクノポリスぽい場所なら新宿や池袋が妥当と思ったが、渋谷だと大パルコ人を思い出してしまった。
勝手なイメージだけど、SFというと電気代かかりそうな作りかと思っていたらで、そうでも無さげな舞台だった。

ネタバレBOX

ナスカ絵みたいな床は面白かったが、何所かで見た感じもある。音楽とかは好きなんだけどなー。映画版はハッピーエンドだった気がするが、この舞台の結末はどっちなのかよくわからなかった。多分2回目を見たらもっと違った印象を持つのだろう。
でも久しぶりにお松の歌声と未来君や趣里ちゃんの踊りを見られたんで良しとするか。
『愚図』

『愚図』

KAKUTA

あうるすぽっと(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★

悪くはないんだけど…
類は友を呼ぶ愚図スパイラル。
場面転換の分かりづらさに、今回はどこか上の空で見てしまいました。
アレが見切れる座席からの観劇だったので、アレの存在の重要性が繋がっていく過程を把握するのには、もっと後ろの座席で見たかった気も…まぁ、こんなこともあるか。

KAKUTA20周年おめでとうございました。

ネタバレBOX

前方席で見た為、白骨死体の現場の様子がどうなっているのか全く見えず、かろうじて頭蓋骨らしきものが目に入る程度。それが物語の鍵になっているんだろうなとは思いながら見ていたが、広いステージにメインの背景は野外。リビング、スーパーの事務所、居酒屋、野外写生、旅館の一室、如何わしい店舗清掃、ホームレス、沖縄などなど、そこに2012年から現在とエピソードが混ぜあう。
気持ちのすれ違い、一途さ、焦れば焦るほどケンカ越し威嚇、横領逃亡、まとまり方も見事なんだけど。完璧な人間ではないけど愚図な性格でもないと思う自分だが、これまでの人生に於いて、生き様が下手な部分はここに出てくる人たちとなんら変わらないのかも。

ゲスト俳優の林家正蔵師匠の落語は聞いたことはなく、テレビのバラエティ番組の活躍していた「こぶ平」名義のほうが馴染みがあるが、こぶ平時代も落語は聞いたことがない。この人の話芸は知らないが、話術がもともと苦手なんである。メインクレジットで名前を見た時、今回は見送りかな…と思っていたが、長年見続けてる劇団だし、20周年だし、見ないことは自分で自分の首を締める愚かなこと、と観念的にチケット確保。
アテ書きではないと思うが、気が弱そうな初老の男役は似合っていたと思う。
キネマと恋人

キネマと恋人

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2016/11/15 (火) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

プレヴュー公演2日目観劇
基ネタである映画のほうは未見だが見てなくても無問題。
台詞の方言使いや出ている人達の段取りも大変そうなんだけど、流れるような転換が見事。映像は相変わらずカッコイイ。
この舞台の妻夫木君はケラさん流のスターシステムな役割みたいだったけど、それが似合ってて良かった。そして緒川さんが美しくも可愛い!
映画館で見る映画への愛が溢れる、ケラさん流ニューシアターパラダイスといった感じ。
野蛮な人物も出ては来るが、気持ちがあったかくなるビターエンド舞台、だけどそれも良し。

約3時間15分、休憩15分あり。
トラムの座席で長丁場の観劇は体に悪そうだが、90分の面白い公演を2本続けて見た、といった感じで、それほど苦にならず。

木の上の軍隊

木の上の軍隊

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

麻矢さんと蓬莱氏のアフタートーク日に観劇
3年前のシアターコクーンで上演された初演は観劇済み。
前回の舞台がホリプロ版って表記はないし、役者やステージの広さ、這うような枝葉の伸び方も微妙に違っていたような気がするが、紙一重の瞬間で生きるか死ぬか、の日々から樹の上での2年近くの生活、新兵役の松下さんは、招聘される直前まで田畑で牛の世話しながらトンボ追っかけてそうな田舎青年の朴訥さを想像させる。
初演にはなかった語り部の歌声に聴き入り、極限状態の中、見えない未来、本音と矛盾が交互にやってくる上官と新兵のジェネレーションギャップ会話も面白く、緊迫した中でアドリブのような音色を放つヴィオラ演奏も耳に残る。
感想自体は前回とほぼ似通うが、出演者や劇場の違い、3年前と現在もあまり変わらず、人の考えは後退しているのか戦争終わっても現在進行のくすぶり続ける社会事情など、上官の慟哭と劇場内に響き渡るヘリの騒音など、メッセージ力は今回の方が上がっているような印象を受けた。

観劇前、テアトル新宿で映画「この世界の片隅に」を見たことも関係しているのかもしれないが、戦中のヒロシマで暮らす人々、オキナワで命がけで戦った人。日本の各地で今もなお苦しんでいる人。
当たり前の日常生活が過ごせる時代と住んでいる場所にもっと感謝しないとね。今回のこまつ座版も良。
約2時間。

ネタバレBOX

終演後、この戯曲を書いた蓬莱竜太さんと、こまつ座の井上麻矢さん進行による30分ほどのアフタートークあり。
2人、話し合ったわけでもないのに奇しくも洋服の色合いが黒。
以下、思い出し書き。

・井上ひさし氏没後、もともと演出の栗山さんに相談がされていた作品、蓬莱さんは「木の上の軍隊」の戯曲を依頼から完成まで2年掛かりでなんとか出来上がった。
・手渡された井上氏の構想がA4サイズくらいの用紙1枚のみで、読んでみたら達筆箇条書きの数行のみ。他に膨大な関連資料に蓬莱さん、驚愕す。
・井上氏や他の作家さんたちが執筆の際によく利用する山の上ホテル、こまつ座からそのホテルを手配してもらった蓬莱さん。そこで戯曲を書こうとしたが慣れない環境からか、なかなか筆が進まず気分転換に近所のコンビニに行く為、ちょっと留守にしていたらいつの間にか完璧に室内清掃がされていた。さすが何人もの作家が滞在しているだけのホテル、作家の人間性を心得てる。シーフードカレーが美味くて、結局そればっかり食べてた。後日、ちゃんと戯曲仕上げる。
・初演後、韓国で現地俳優と演出家?による舞台公演もあり。蓬莱さんと麻矢さんもそれを見に韓国まで行ったそうだが、その内容が日本版とは改修された箇所が多々あったらしく、男の友情的な結末になってたらしい。いろいろあったようで、2人とも割り切れない思いを抱えたまま現在に至る模様。
・NHK?のテレビ番組の為、栗山さんも加えた3人が実話の地である沖縄へ取材に出かけた。
実際に兵士が潜伏したガジュマルの樹に、なぜか登らされる蓬莱さん。
それまで舞台セットのイメージは付いていたけど、ガジュマル前の駐車場のスロープに何かピンときて以後釘付けになってしまい、周囲の人間が「樹はこっちですよ〜」と何度となく誘うにも関わらずその場からなかなか離れない栗山さん。東北で直前まで仕事をやっており、そこから沖縄へ現地集合となった為、移動機内で見た山肌の景色、形状などを思い出したのか、その時、午前中9時前?だったが「るみ、起きてるかな〜?」と言いつつ、美術担当の松井るみさんへ連絡取り、新しい舞台セットのイメージを伝えた。出来たのがあのセット。
・新兵が上官を苛つかせる感じは初演よりも濃く描かれてる、松下君は上官へのイラつきをピークにさせる新兵で、蓬莱さんが観ても無垢さもあるけどイライラをピークにさせて酷いw(その辺が上手い、ってこと)
・戯曲を書きすすめる内、次第にどこに向かっているのかわからなくなったが、蓬莱さんは自分のお子さんにわかるように書き上げた。
沖縄という地名は出さず、南の島の寓話として書いた。
・舞台の見どころは?と麻矢さんに質問され、今まで一生懸命喋ったのに!と慌てる蓬莱さん。兵士2人が樹を見つける緊迫した場面でのヴィオラの演奏がアドリブのような演奏でかっこいいですっ。
これまでのこまつ座ファンのお客さんにも見てほしいが、(ここ、力説→)たくさんの若い世代に是非見てほしい。
歓喜の歌

歓喜の歌

劇団扉座

シアターX(東京都)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

盛り沢山な舞台
映画化もされてる立川志の輔師匠の同題落語、今回の舞台化にあたり志の輔師匠の他の創作落語も加えた扉座舞台リミックス版というべきか。
舞台上のdiva達と一緒に口ずさめば気分はもう年末。
ノセ上手な役者陣にも楽しませてもらった。
観劇後は餃子を欲すること請け合い。約130分。

ある場面からコーラス団員として一般客によるコーラス隊を登場させるが、終演後の壇上関係者さん達の盛り上がり方に劇場ロビーがどうしても混雑するのは致し方ない。

ネタバレBOX

気弱な職員、小狡い主任、適度な大人の恋愛と、成仏できない鹿の人間への復讐がなぜか良い方向になってしまうわ、一人歌舞伎で飛び六方に小技の光るハナシカ源九郎鹿、全身で指揮する石田先生の格好良さがまたいい、エスコルタみたいな歌声の城山クラブの三人衆、隠しきれない一芸を持つ商店街の男達のタップダンスなどなど。
オチ(結末)に辿り着くまで地口、間抜け、見立て、ドリフぽいコント?諸々に落語ネタ三昧、舞台から客席まで一体化の仕草オチで締めてもらい、今回も楽しめました。

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