髑髏城の七人 Season花
TBS/ヴィレッヂ/劇団☆新感線
IHIステージアラウンド東京(東京都)
2017/03/30 (木) ~ 2017/06/12 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/04/27 (木)
座席26列
快進撃が続く成河さんを久しぶりに舞台で見られる事、同タイトル作の過去上演作はほぼ見ているので展開は知っているものの、こけら落としの劇場、世界で2番目の回転劇場と話題性もあってそれなりに観劇日を楽しみにしてました。
が、観劇当日には上演前に出演者の「体調悪い」ツイートを目にしたり、客席によっては舞台ステージの死角になる座席場所があるとの事前情報を目にした通り、前に座った観客席の人たちの姿勢で、大半の舞台が見えないというフラストレーションを溜めながらの舞台観劇でした。
舞台を観劇してると、まれにこんな事に遭遇はしますが、たまたま観劇運がなかったにしても、そう何回もリピート出来るほどの価格設定でもないため、今回の「花」に関しては、無念さの残る観劇になりました。
ワカドクロの改訂版といった印象を持ったが、前回より捨之介さんが更に爽やか口調で、ところどころ「不〜二子ちゃ〜ん」って言い回しに聞こえるような事もあったけど、殺陣の場面はワカの時より進化して見えた。
個人的に、今回の観劇目当は成河さんだったが、ヒールな役割にも関わらず、その突き抜けた悪漢快楽っぷりはリチャード三世に出てもいいような堂々の存在感で大変良かった。それだけで満足だが、もう小劇場で見る事はないんだろうなと、かすかな寂しさも感じてしまった。
前回からメイン3人体制になり、今回の蘭兵衛と天魔王の関係は違和感なく見られ面白かった。ただ、動きの多い?激しい?場面では、舞台の奥行きが狭いのか、設定場面ごとに動きが制限されながら芝居しているように見えた。でも川の中では奥行くあって広く見えたんだよなー。前方席だったら、そんな違和感もないんだろうか。
回転している感じはわかったけど、それをいじるセリフもなかったなw
中日をまだ過ぎていない時に見たが、各方面お疲れモードだったのかな。
映像は綺麗でカテコ場面を含め、全体的にゲキシネで見た方がより感動したのかもしれない。
今後「鳥」「風」「月」と続くが、端席や最後列席などは一律価格で売り出してはダメ、だと思うがアンケートに書きたくても書けるスペースがなかったんだよねー。
城塞
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2017/04/13 (木) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/23 (日)
地下生活を送る家長に付き合う身内、名前で読んでるけど父にすれば単なる符号的な名称なのかもしれないが、それに付き合う家族は現代的に例えるなら「介護」の域みたい。戦争と資本主義の皮肉にも思えて見てたが、青年期の安部公房の記憶を基にした井上ひさし氏の「日本人のへそ」を少し感じてしまった。
冒頭の映像と終盤の舞台セットの背景は、特に見入ってしまう場面だった。
辻さん、たかおさん、男優2人と渡りあう山西さんも十分ベテランなのにあの2人と丁々発止していると妙にフレッシュさがあり、また膨大なセリフ遣いに毎度2〜3kgは痩せているのでは、と妙に感銘。
フェードル
パソナグループ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2017/04/08 (土) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/04/22 (土)
立ち見観劇。
昨年、新国立劇場で上演された「あわれ彼女は娼婦」とほぼ同じスタッフが関わっているためか、演出や舞台背景に疑似感ありあり。
個人的に苦手な古典劇、重厚な言葉使いと、神々に惑わされっぱなしの展開にあまり入り込んで見る事できず残念さが募る。舞台というよりラジオドラマか動きのあるリーディング公演を見たような印象だった。
エジソン最後の発明
キューブ
シアタートラム(東京都)
2017/04/02 (日) ~ 2017/04/23 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/19 (水)
青木さんの7年ぶりの新作らしい。下町のエンジニア、中小企業の家庭、適度なエロ艶話にクスリとさせられたり、中年男のロマンチさにじんわりさせられる素敵なホームドラマだった。
かつてシアタートップスで劇団上演していた頃のグリンク作品を彷彿させた。
約110分。
わが兄の弟
劇団青年座
紀伊國屋ホール(東京都)
2017/04/07 (金) ~ 2017/04/16 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/14 (金)
20才の青年期チェーホフから物語が始まる、彼の家族と苦い青春の話だったが、一幕と三幕の話が印象に残った。
タイトル通り「贋作」のお芝居だけど、実際のチェーホフもこんな感じの人だったのでは、思わせた。誰だって悲劇と喜劇、両方を持ち合わせた人生、と思うような良い塩梅の舞台だった。
ハムレット
東京芸術劇場
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2017/04/07 (金) ~ 2017/04/28 (金)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/04/14 (金)
座席1階RB列
観客席から見て下手側、ステージ上に特別席を配置、その上手側には奏者待機。舞台背後にセットは皆無。出演者が複数の役を掛け持ち入れ替わる。映画スターウォーズに出てくるようなモノトーンな色合いの衣装に、照明の切り替わりで場面の転換がわかるが、役者の動線や劇中演奏など、外国人の視点で日本文化を加味し作った和洋折衷な能舞台のようだった。
有名戯曲のため、あまり目新しい印象は持たなかったが、出てくる役者さんも今では舞台よりも映像で活躍してる人が多いなぁ、などとどうでも良いことに意識がいってしまったり、あの場面で杯持って乾杯しようとするお妃に「ダメ、ゆう子、それ飲んじゃダメ!」と役柄よりも俳優個人を見てしまったり。そんな中、純粋かつ可憐なオフィーリアの貫地谷さんが印象に残った。
んー、いろんなシェイクスピア舞台があって良いんだが、個人的に蜷川さんの舞台を見過ぎた弊害なのかなぁ、と少し反省。
赤坂大歌舞伎 夢幻恋双紙(ゆめまぼろしかこいぞうし)~赤目の転生
松竹
赤坂ACTシアター(東京都)
2017/04/06 (木) ~ 2017/04/25 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/10 (月)
幾度となく転生する展開に某氏の戯曲ぽいなぁ、という思いが途中まであったが、心情に寄り添いあう切なさやら再生を思いやるなど、蓬莱戯曲そのものだった。
歌舞伎とは縁遠い静かなピアノの劇挿入曲が澄んだ空間に耳心地よい。
流転輪廻の片赤目の見た藍染曼荼羅歌舞伎と捉えれば良いのか。外連味の印象は湧かなかったけど、勘九郎丈の片目で見得を切るって凄いことなのでは。日本画の滝のような背景幕画が綺麗だったが、歌舞伎の体をなした現代劇を見たような印象を持った。
歌舞伎座とは違う劇場使い。花道に当たる部分は普通に通路を使った手法。
芝居の感想ではないが、階段の多い劇場内にご年配の女性たちも多勢いらしており、足腰丈夫って良いことだな、と思ったり。
「漢達(おとこたち)の輓曳競馬(ばんえいけいば)」
道産子男闘呼倶楽部
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2017/04/05 (水) ~ 2017/04/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/04/05 (水)
初日観劇。
チラシ表記は「輓曵」だけど、ネット等での表記は「輓曳」なんだな。ま、どちらでもいいけど。
初日とあって満員御礼の混み具合をテキパキと捌く椿組の皆さんにお手伝いされながら、劇団?ユニット?の前作「カルカッタの眠れない夜」に続く道産子さん達が集う公演でした。
今回の戯曲を書いたニシオカ・ト・ニールさんのみ初見だが、普段暮らす日常で「ありえそう」「いそう」と思わせる人物像を書いていながら、全体的に壊れる寸前のバカさと哀愁のさじ加減が絶妙で。これは出ている2人(+1人)の力量もあるんだろうけど、初日特有の緊張感が窺い知れるような中、結構笑って見ていた。
客入れ時と劇中で登場する選曲にも、世代的にツボにはまってしまいました。
面白かったです。
約90分。
『春宵・読ミビトツドイテ』
ゼータクチク&ACTACTION by TEAM HANDY
cafe&bar 木星劇場(東京都)
2017/03/22 (水) ~ 2017/03/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/03/22 (水)
初日観劇。
café&bar併設した屋内のお隣に30席ほどの客席とステージ。
5編の戯曲を読む、とあるが、各話に沿って衣装変えに目まぐるしい動き、明朗な話ぶりの中、剣劇したり子供目線の大人向けお芝居あったり、ゲスト招いての休憩トークが企画されてたり。
初日の小道具トラブルも余裕で対応など、ステージに関わる出演者総出の人海戦術による物販など、話術と演技の巧みさに両方楽しめた。面白かった。
この中では若手の部類の草彅くん、他の人たちの勢いに飲み込まれるかなと思ったが、なかなかどうして。違和感なく活躍して良かったです。
約105分+α(雑談)
「令嬢ジュリー」「死の舞踏」
シス・カンパニー
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2017/03/10 (金) ~ 2017/04/01 (土)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/03/22 (水)
「死の舞踏」を観劇。
対面式座席で中央にステージ。同時公演中の「令嬢ジュリー」とのセットの擬似感はない。
老年期に入った男、20歳ほど歳の離れた元女優の妻、2人の仲を取り持った元女優の従兄弟。
出会った時は若くときめきに満ちてた日々もあったのだろうが、互いに年齢を重ねる内、いつしか、憎悪といがみ合いが入り混じる関係に変化している。
憎たらしい、嫌い、いなくなればいい、と嫌悪感丸出しの妻なのに、夫が間近に死期が迫ったとわかった途端に後悔が突出する複雑な感情と行動に、人間の複雑な感情が出てくるんだなーと。それが愛情というのか愛着というのか執念ゆえの行動だったのかは、人生の悟りを開いてないから自分にはよくわからない。
100年前の戯曲なのに、このような高齢者や年齢差カップルが日本でも増えていくのだろうか、今回の戯曲のような舞台が今後増えてきそうな近未来な話でもありました。
あたらしいエクスプロージョン
ベッド&メイキングス
浅草九劇(東京都)
2017/03/03 (金) ~ 2017/03/21 (火)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/03/19 (日)
新しくオープンした劇場で観劇。
階段上がった劇場ロビーは狭く、劇場通路は傾斜あり。通路に2人並んで歩くと余計に狭く、終演後は混雑する。通路正面には男女共通使用のトイレあり。出入り口誘導は一箇所。下北沢あたりの小劇場を参考に作ったんだろうか。
土地柄を考えれば、ご年配の方が見にきたりする可能性もなきにしもあらず。今後の観劇層を考えればバリアフリー化は当たり前と思うのだが、自力で階段上がれるうちはいいけど、せっかくの新しい劇場なんだから、それに対応しているのなら、そこらへんはもっとアピールしても良いのでは、と、ふと思ったりして。
劇そのものは映画版の蒲田行進曲の流れをやりたかったのか、と思わせるような忙しいというか目まぐるしい展開。終戦直後の占領下日本の映画人の映画にかける気骨がほんのりと伝わる昭和下町っ子気質な展開というのか。映画は撮りたいが機材はない、フィルムもない、主力スタッフは戦死してしまったが、街で偶然見つけた女をきっかけに映画への熱が蘇り、闇市から機材やら人材やらいろいろ調達したけど、GHQが欧米では当たり前であるシーンを入れろと横槍通達があったりして。
男性陣が本当に元気で面白かったけど、GHQのデビットが話の軸にきてくれてれば、もっと面白さも違う印象を持ったかもしれない。
エクスプロージョン=爆発、とまではいかなかったけど、日本の演芸が盛んだった土地での劇場こけら落とし公演にふさわしい舞台でもあった。
でもちょっと長めだったかな。
不信 ~彼女が嘘をつく理由
パルコ・プロデュース
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/03/04 (土) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/03/16 (木)
対面式の座席の最前列で観劇。
引っ越したマンション先に、あまり付き合いたくない怪しい隣人夫婦がいる。
その場の成り行きの嘘から始まった疑心暗鬼な行動から巻き起こる出来事、その行為にどちらが追い詰めているのか、誰が追い詰められているのか。
三谷作品の安定の苦し紛れの中から笑いを見せる舞台。
大人数の出演者が場をまわす話より、今回のような少人数でブラックな展開を見せる三谷作品が個人的には好きだ。
「令嬢ジュリー」「死の舞踏」
シス・カンパニー
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2017/03/10 (金) ~ 2017/04/01 (土)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/03/16 (木)
令嬢ジュリーを観劇。
ストリンドベリの舞台作を交互上演する企画だが、感想は一緒にまとめられるのか。
登場人物が幾つ位なのか、よくわからなかったが後先考えずその場のノリだけで生きてけるほど世の中は甘くなんだよねー。あれほどのイケメン召使なら、お近づきになりたいお嬢様のお友達も多かろうと思うんだがw。
伯爵令嬢は婚約破棄されて、やややけっぱちになっての行動なんだが、うーんあまり美人というより田舎の可愛い娘といった感じで、クリスティンもジャンもその時代の現代っ子ぽい真面目さは感じたけど、粗野な部分があまり感じ取れなかった。臭い言い方だが、青春とはこういうものなのさ、と言いたかったのか。自分が歳を取ったからかな。出演者と同世代の人が見れば、もっと惹かれて得る部分があるんだろう。
イメージ的には、お嬢様と下女は配役が逆でも良かったのでは。
The Dark
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2017/03/03 (金) ~ 2017/03/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/12 (日)
最終日観劇。
イギリスの集合住宅。三世帯の家庭が主軸。家族といえど「個」が優先されやすいのは何処の国でも似たようなものか。
エッシャーの階段だまし絵みたいな舞台セットに、観劇視線が上下左右に目まぐるしく転換していく。
停電後、三家庭がひょんなことから一室に集まり、リビングのソファで一斉に会話している描写のセリフと行動はなんとなく女性が書いた戯曲だな、と感じた。戯曲をいじれない海外舞台作の上演の制限でもあったのか、笑える箇所はあったのだが、あまりにもストレートな訳し方に、その場面が不発に感じたのはやや残念。
13年前の戯曲だけど、この手の題材には事欠かないお国柄がよく出ていた舞台というのか、将来的に誰も幸せにはなれそうもない末路を想像したが、気持ち悪いけど不快にならない面白さ。今回のような同性への性的指向(思考、でもいい)が入った戯曲は今の日本人に受け入れやすくなったのかな。
最終日トリプルカテコ。
面白かったです。
檸檬の島
公益社団法人日本劇団協議会
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2017/03/10 (金) ~ 2017/03/15 (水)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/03/10 (金)
「日本の劇」戯曲賞受賞作。初日観劇。
淡路島の架空の町、そこに昔から暮らしていて阪神淡路大震災も経験した一家とその親類、昔馴染みの人。暮らしの補填をしたくても、土地の歴史と田舎特有の家族関係が次に踏み出す邪魔をする。隠したいけど隠せない事情、長閑な町の暮らし、誰もが再建の手を差し伸べたいところだが、それを行うことは何かが欠けること。悩み抜いた末、わかった時には後戻りはできないが、それでも悩んで生きていこうとする真面目で前向きな舞台だった。
登場する人物みな、緑色がアクセントになっていた衣装だったが、それも意図があると思うが話の世界観に似合ってよかった。
約100分。
白蟻の巣
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2017/03/02 (木) ~ 2017/03/19 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/03/05 (日)
戦後間もない?時代の元華族出身の日本人ブラジルセレブ宅で起こるインテリ愛憎劇。
登場する人物はみな人柄も申し分ない大人だらけなのに、浮世離れした展開に共感できそうな人物は誰一人としていなかったが、強いて言えば下男みたいな立場の大杉さんかな?
狩屋氏の寛大さとは裏腹な、男のエゴが露呈した結末の行為が本能のような気がする。
舞台セットらしいものはあまり少なく、薄い大きな幕が際立って目立つが、幕に仕切られただけの舞台空間なのに、海外のお屋敷ぽくて印象的。
言葉は美しくも道徳的にどうなんでしょう、そんな教科書には載らない三島「純」文学を見た感じでした。
RANPO chronicle【憂鬱回廊】
TUFF STUFF
シアターノルン(東京都)
2017/02/25 (土) ~ 2017/02/28 (火)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/02/28 (火)
最終日、Bキャスト版観劇
全員、初見のキャスト。
江戸川乱歩の書いた舞台といえば、先日のシアタートラムで「お勢登場」を見たばかりだが、それとはまた違った独特な世界観だったが、乱歩ならではのアングラさはこの舞台ではあんまり感じず。
話の流れは、木馬①、幽霊、木馬②、押絵、木馬③
明智小五郎登場の名推理にややキチガイな人、耽美で濃密な音楽劇。
個人的に一番話が好きなのは明智探偵が出てくる「幽霊」かな。
綺麗にまとまってて興味深かったが、それにしてもこの舞台に限らず、同性を愛する描写の話って増えたように感じるが、世間一般にもオープンになってきてるんだろうか。
「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2017/01/18 (水) ~ 2017/03/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/02/23 (木)
故人に思い入れのある人は、特に万感が去来するのでは。
公演中盤に観劇した。観劇する日まで、すでに公開されたゲネプロ映像や他のサイトでの口コミ等々を知らず知らずに目にしてしまったので、大まかな内容は知ってはいたが、見にいったら劇場が縦横無尽な歌舞伎座になっていた。
歌舞伎、舞踊とそれにまつわる人達への鎮魂のような話なのか、と思ったが野田さんから勘三郎さんへの熱烈な想いがこもった共同舞台と受け取れた。
言葉遊びがかつての野田さんの舞台でよく見たような懐かしさもあり、ラストの姉、弟の場面、研辰初演公演の歌舞伎座楽日の場面情景を思い出して泣けた。
もし魂の存在があるのなら、故人達は草葉の陰(都会じゃ見られない風景だけど)からウロウロしてても、2月の期間は歌舞伎座に入り浸っていると思われ、その十八代と大和屋さんは、今回のピーターパンが書いた戯曲をほくそ笑みながら、傍で扇田氏が楽しき劇評を書いているんではなかろうか、と思わせるような舞台だった。
生きてる時間
イキウメ
あうるすぽっと(東京都)
2017/02/15 (水) ~ 2017/02/18 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/02/18 (土)
最終日観劇。
落語家の柳家三三師匠のお噺から始まり、いつものイキウメの世界観が導入された、一度で二度楽しめる舞台。M・エンデの時間泥棒とウルトラQの世界が混じり合った感じというのか。お囃子の聞こえない不思議な舞台でした。
これはこれであり。
皆、シンデレラがやりたい。
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2017/02/16 (木) ~ 2017/02/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/02/18 (土)
ねもしゅーさんの人気ぶりがよくわかった舞台だった。
役者根本さんは他の舞台で観劇済み、舞台作は初見。新谷、高田、猫背(五十音)の3人に任された部分が多かったけど、好きな対象への入れ込み方は、それが人であろうが、もしくは自分趣向の観劇であろうが、其れに掛ける一万の価値は一緒なんである。ブーメラン状態で突き刺さりまくる部分が多々あって、笑いながら自己嫌悪。
偏見でなく、女性でここまで笑える舞台を創り上げる才能って素晴らしい。
作品共々今後も注目していきます。