「漢達(おとこたち)の輓曳競馬(ばんえいけいば)」 公演情報 道産子男闘呼倶楽部「「漢達(おとこたち)の輓曳競馬(ばんえいけいば)」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/04/05 (水)

    初日観劇。
    チラシ表記は「輓曵」だけど、ネット等での表記は「輓曳」なんだな。ま、どちらでもいいけど。
    初日とあって満員御礼の混み具合をテキパキと捌く椿組の皆さんにお手伝いされながら、劇団?ユニット?の前作「カルカッタの眠れない夜」に続く道産子さん達が集う公演でした。

    今回の戯曲を書いたニシオカ・ト・ニールさんのみ初見だが、普段暮らす日常で「ありえそう」「いそう」と思わせる人物像を書いていながら、全体的に壊れる寸前のバカさと哀愁のさじ加減が絶妙で。これは出ている2人(+1人)の力量もあるんだろうけど、初日特有の緊張感が窺い知れるような中、結構笑って見ていた。
    客入れ時と劇中で登場する選曲にも、世代的にツボにはまってしまいました。
    面白かったです。
    約90分。

    ネタバレBOX

    タイトルにあてた「輓曳競馬」に関する話ではないw。
    大学は卒業したが会社をリストラされ、バイトをしながら新宿のハローワーク通いの男、金平。
    金平のバイト先の店先で、米粒にいい風な言葉を書いて「おこメッセージ」として800円で路上販売している男、内藤。
    奇しくも出会った2人は北海道時代の旧友で、過去の出来事から現在の境遇をあっけらかんと話す内藤とは対照的につい見栄を張ってしまう金平。
    どっちもダメな渦の中でもがいてる、というか流されているような生き方の中、ひょんなことから金平の家に居候する内藤。他人ん家の部屋でおもいっきりリラックス、楽しい漫画宝探し、暗い中で縄跳びしたり、現代機器に触れてあっという間に操作を覚える器用さに、性根は人との付き合いが上手な人なのでは。
    一方の金平は、それまで下に見ていた内藤が、トントン拍子に事を進んでいく様を傍目にし、やっかみなのか苛立ちなのか対抗心が出て、ある事を起こしてしまい、自暴自棄になるわ。

    2人ともダメ人間と言えばそうなんだが、他人の事を推しはかる心の寛容が大きいんだろう。郷土愛を思わす終盤の「輓曳競馬」のセリフにも活きてきて、一歩踏み出した先に小さいながらも幸運がポツポツと訪れればいいなと、明るい希望を想像させた。縄跳びのギネス登録とかねっ!
    あと、金平の自宅はアパートだと思うが、亡き父親から譲り受けた大量のレコードや昭和の漫画コミックスを三段ボックスを収納にしている所など、自分の所有する細やかなコレクションは北海道に置いとくよりも手元に置いといて実家と同じような雰囲気にしたかったんだろうなー、とか、その大事な品もなにかのきっかけで手放す事になったら、多分値打ちが出そうな物もあるんだろうけど、大抵は二束三文になって期待外れに肩を落とす様まで想像出来たw。

    犬飼さんは仔犬のようなピュアな眼差しと小汚さがものすごく良い(褒めてんですよ)
    津村さんがほぼ出ずっぱりで喜怒哀楽が楽しめたが、落ち込んだ場面で頭叩きまくるシーンでは見ていて胸が痛くなった。
    ニシオカさんの役柄は「女」で登場していたが、職安の職員、居酒屋の店員はわかったが、バイト先のヤンキーもだったのか。びっくり。
    犬飼さん、津村さん、2人とも前作の「カルカッタ〜」と似たような役割だったので、次回はもっと違う役柄を見てみたい。

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    2017/04/06 19:07

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