「漢達(おとこたち)の輓曳競馬(ばんえいけいば)」 公演情報 「漢達(おとこたち)の輓曳競馬(ばんえいけいば)」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★

    人生の挫折とそこからの再勝負、ストレートな物語。台詞が説明的と感じる部分もありましたが、うまくて味のある二人が役を膨らませ、演技を堪能しました。一人の男の成長物語、もう一人は心の中の葛藤、脳内の対話相手だとも考えられます。90分のコンパクトさもあり、演劇初心者にも「舞台って楽しいな」とすっと受け入れられそうなドラマ。北海道出身者たちばかりが集まった公演を、札幌で上演するというアイデアもステキだと思いました。自由席の観客と行列をつくった当日券の観客を段取りよくさばいて満席の会場を開演時間ぴったりに始め、諸注意アナウンスも気持ちよい制作手腕も特筆ものでした。

  • 満足度

    残念ながら、俳優二人の安定感以外は全くいいと思えなかった。
    暗闇の中で「シュッ」「ピシッ」「ハアハア」と音が聞こえてきて、競馬の場面がはじまるのかと思いきや中年男性二人が縄跳びをしている、という冒頭は意外性があったが、そこから「どうしてこうなったんだっけ」と回想がはじまるにも関わらず、結局のところ縄跳びにも回想構造にもほとんど意味がないという構成は大きなマイナス。
    最終的に男二人がなぜ前向きになったのかもよくわからない。具体的な肉付けのない「ダメな男」は記号的で奥行きを欠く。
    タイトルの「輓曳競馬」がテーマを説明するための言葉に過ぎず、しかもそれを作中で自ら説明してしまうのも巧くない。
    制作面では、私の席からは(というか角度的にかなりの数の席でそうだったのではないかと思うのだが)位置の低い芝居がほとんど見切れていた点が残念。

  • 満足度★★★★

     北海道出身者で結成された道産子男闘呼倶楽部の今公演は、作・演出のニシオカ・ト・ニールさんも、会場であるSPACE雑遊のオーナーも北海道出身というこだわりぶりです。開場中の客入れ時間が心なしかアットホームで、好感をもって幕開きを迎えることが出来ました。舞台との心の距離が近くなったせいか、中年独身男性2人のダメっぷりが早い段階から可愛らしく見えて、進んで声を出して笑えることもありました。

     出演者の犬飼淳治さんも津村知与支さんも舞台でよく拝見する俳優で、演技が達者であることは織り込み済みでした。お二人がいつもより魅力的に見えたのは、女性であるニシオカ・ト・ニールさんが男性像を俯瞰して描いてくださったからではないかと思います。熱さも冷静さも、かっこよく見えるところで止めると、ナルシスティックになって鼻に付くものです。弱さ、愚かしさを過剰と言えるほどにさらけ出す演出に、俳優が本気で応えたから、性別を超えて人間の地力が溢れ出たのではないでしょうか。現代口語の会話劇に演劇的な大仕掛けも用意されていて、お芝居ならではの楽しみを味わえました。

    ネタバレBOX

     北海道の大学を卒業して今は東京で求職中の金平(津村知与支)は、嫌々ながら清掃のアルバイトをしています。ある日、浮浪者と思われるむさくるしい男性が金平の仕事場の近くに居座っていたため、注意をすると、なんと高校時代の同級生の内藤(犬飼淳治)でした。2人で飲みに行き、金平は「自分は大企業に勤めていて、恋人もいる」と嘘をつきます。気のいいホームレスの内藤は金平の話を素直に信じるので、金平は大卒の自分よりオツムが弱そうな内藤を気に入ります。

     金平が一人暮らしをしている部屋に内藤が転がり込み、2人の共同生活が始まりました。内藤は会社の金を横領したという濡れ衣を着せられ、前科(たぶん求刑1年、執行猶予3年)があるため再就職ができません。米粒に筆で絵や文字を書いた「コメッセージ」という商品を路上で販売しています。内藤は金平に1泊200円を支払い、家政婦役を買って出て、パソコンの使い方も覚えて、着々と成長していきます。

     やがて内藤に20歳以上年下の恋人ができました。報告された金平は大きなダメージを受け、立場が完全に逆転します。金平の取り乱しっぷり、そしてそれを隠そうとする慌てっぷりがなんとも情けなくて滑稽です。「ダブルデートをしよう」と誘う内藤の純朴さが、かえって残酷に映ります。そして金平は、ハローワークの窓口の女性に「彼女になってくれ」と迫り、警察沙汰を起こすまでに追い詰められるのです。2人の男性を徹底的に対照させるのが効いています。
     
     とうとう金平は内藤に、何もかもぶっちゃけて告白します。そのあたりから、舞台上に並べられていた漫画や服などの家財道具を、2人の俳優が自分たちで片づけ始めました。しっかり建てられていた棚がキュっとたたまれるのは、ちょっとしたイリュージョンでしたね。何もない空間に立つ2人は、金平と内藤であり、津村さんと犬飼さんでもありました。ありのままの個人として舞台上に立つ人は強いです。そして強さは美しさだとも思います。

     題名の「輓曳(ばんえい)競馬」については、最後の最後に一言のセリフでしか出てきませんでした。そういえば賭け事もしない2人でしたね。馬が引くソリの重さは、40代独身男性のプライド、または人生そのものなのかもしれません。重荷を捨て、解放された彼らの前途は洋々とは言い切れませんが、覚悟が決まった笑顔が清々しかったです。

     部屋にずらりと並ぶ漫画は「マカロニほうれん荘」「銀牙-流れ星銀-」「ドラゴンボール」「三国志」など、40代の私が懐かしいと感じるものが多く、比較的新しい「トリコ」もありました。“男子”らしい感じです。「BEATLESの青版LPなら2万円で売れる」的な話題も懐かしかったですね。

     ニシオカ・ト・ニールさんがハローワークの窓口の女性と、金平の清掃バイト先の乱暴な同僚を演じていらっしゃいました。全然違うタイプの女性を演じ分け、アクセントとしても効果的だったと思います。
  • 満足度★★★

    えっ!北海道が舞台じゃないの?というのがまず痛快(笑)。歯を食いしばって曳行せねばならぬ(と思っている)あれやこれやに翻弄される男たち(俳優たち)の奮闘や悲哀、滑稽を素直に楽しむことができました。
    「男たち」をめぐる表現は、ともすればマッチョな価値観を露呈しがちですが、この作品はむしろその逆なのが、現代的でもあり、(これも語弊のある表現ですが)女性作家らしくもあったという気がします。とはいえ、エネルギッシュでテンポのあるやりとりに引っ張られたせいか、二人の男が嘘抜きで分かり合う重要な転回点が掴みづらいことに物足りなさも感じました。また、書かれているせりふや設定の外部のリアリティがより意識されるようになれば、さらにドラマの奥行きも増すのではないかと思います。
    俳優を中心に企画されたこの作品の魅力は、まさに俳優にありました。津村さん、犬飼さんは、高いテンションの中にも、ふと感情のアヤをのぞかせるところがあり、「人」としてそこに立っているような、不思議な引力を感じさせました。また、ちょこちょこ登場する唯一の女性キャストで、本作の作家でもある西岡知美(ニシオカ・ト・ニール)さんも、変幻自在の楽しい演技を見せてくれました。

  • 満足度★★★

    とてもウェルメイドな笑って泣けるような舞台でした。三人がどんな感じで稽古していているのか想像しながら見ていましたが、随所に上手だなあと思うところがありました。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/04/09 (日) 15:00

    価格3,500円

    笑えて少し切なくて、とても面白かったです。
    犬飼さん演じる内藤の子犬のような可愛い瞳にキュンとしました(*^▽^*)
    津村さんは今回初めて拝見したんですが、とても素敵な役者さんでした☆
    札幌公演でも沢山の方に観て頂きたい作品です!

  • 満足度★★★★★

    入った瞬間から和みの雰囲気は何なんだろうか?道産子のなせる技?東京は疲れる街なんですね。
    外に出なければ新しい道は開けない!明るいラストに乾杯です!

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/04/08 (土) 19:00

    噂には聞いていましたが、めちゃくちゃむさ苦しくて暑苦しくて汗臭くて泥臭くて(すべて褒め言葉)、そんな中年男ふたりの悲哀が、自分は客席に居るから滑稽に見えて笑っちゃうんですけど、こういう人間こそ愛されなければならないというか、実に魅力的な男たちなんですよね。それにしても犬飼さんと津村さん、おふたりとも何故あんなに澄み切った瞳をしているんでしょう?(笑)こればっかりは隠せないんでしょうか・・・もうキラッキラしていらっしゃる。かと思えば、津村さんが演技の中でチラッと見せる鉛のような鈍い輝き。ビリビリしちゃいます。非常に私好みの、「ゴツゴツした」舞台でございました。

    ネタバレBOX

    津村さんの「彼女欲しいよぉぉぉ!!」(号泣)が、あまりにも鬼気迫る感じだったので「もしかして津村さんの個人的な心情では?」と思ってしまうほど(笑)いや、それぐらいリアルだったということで。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/04/05 (水)

    初日観劇。
    チラシ表記は「輓曵」だけど、ネット等での表記は「輓曳」なんだな。ま、どちらでもいいけど。
    初日とあって満員御礼の混み具合をテキパキと捌く椿組の皆さんにお手伝いされながら、劇団?ユニット?の前作「カルカッタの眠れない夜」に続く道産子さん達が集う公演でした。

    今回の戯曲を書いたニシオカ・ト・ニールさんのみ初見だが、普段暮らす日常で「ありえそう」「いそう」と思わせる人物像を書いていながら、全体的に壊れる寸前のバカさと哀愁のさじ加減が絶妙で。これは出ている2人(+1人)の力量もあるんだろうけど、初日特有の緊張感が窺い知れるような中、結構笑って見ていた。
    客入れ時と劇中で登場する選曲にも、世代的にツボにはまってしまいました。
    面白かったです。
    約90分。

    ネタバレBOX

    タイトルにあてた「輓曳競馬」に関する話ではないw。
    大学は卒業したが会社をリストラされ、バイトをしながら新宿のハローワーク通いの男、金平。
    金平のバイト先の店先で、米粒にいい風な言葉を書いて「おこメッセージ」として800円で路上販売している男、内藤。
    奇しくも出会った2人は北海道時代の旧友で、過去の出来事から現在の境遇をあっけらかんと話す内藤とは対照的につい見栄を張ってしまう金平。
    どっちもダメな渦の中でもがいてる、というか流されているような生き方の中、ひょんなことから金平の家に居候する内藤。他人ん家の部屋でおもいっきりリラックス、楽しい漫画宝探し、暗い中で縄跳びしたり、現代機器に触れてあっという間に操作を覚える器用さに、性根は人との付き合いが上手な人なのでは。
    一方の金平は、それまで下に見ていた内藤が、トントン拍子に事を進んでいく様を傍目にし、やっかみなのか苛立ちなのか対抗心が出て、ある事を起こしてしまい、自暴自棄になるわ。

    2人ともダメ人間と言えばそうなんだが、他人の事を推しはかる心の寛容が大きいんだろう。郷土愛を思わす終盤の「輓曳競馬」のセリフにも活きてきて、一歩踏み出した先に小さいながらも幸運がポツポツと訪れればいいなと、明るい希望を想像させた。縄跳びのギネス登録とかねっ!
    あと、金平の自宅はアパートだと思うが、亡き父親から譲り受けた大量のレコードや昭和の漫画コミックスを三段ボックスを収納にしている所など、自分の所有する細やかなコレクションは北海道に置いとくよりも手元に置いといて実家と同じような雰囲気にしたかったんだろうなー、とか、その大事な品もなにかのきっかけで手放す事になったら、多分値打ちが出そうな物もあるんだろうけど、大抵は二束三文になって期待外れに肩を落とす様まで想像出来たw。

    犬飼さんは仔犬のようなピュアな眼差しと小汚さがものすごく良い(褒めてんですよ)
    津村さんがほぼ出ずっぱりで喜怒哀楽が楽しめたが、落ち込んだ場面で頭叩きまくるシーンでは見ていて胸が痛くなった。
    ニシオカさんの役柄は「女」で登場していたが、職安の職員、居酒屋の店員はわかったが、バイト先のヤンキーもだったのか。びっくり。
    犬飼さん、津村さん、2人とも前作の「カルカッタ〜」と似たような役割だったので、次回はもっと違う役柄を見てみたい。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/04/05 (水) 19:00

    価格3,000円

    第0回公演もおもしろかったが、今回更におもしろかった!
    構成の完成度が高く、笑いのツボが随所にちりばめられて、超ハマった!!
    もう一度見ても、よしっ!!!
    って感じでした!

    ネタバレBOX

    このコンビ、最高っ!!

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