なしかの観てきた!クチコミ一覧

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3軒茶屋婦人会5 ブライダル

3軒茶屋婦人会5 ブライダル

G2プロデュース

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/04/20 (土) ~ 2013/05/02 (木)公演終了

満足度★★★★

初日ソワレ観劇
仕事、本音、建前、恋愛、結婚、幸福、不幸、嫉妬、皮肉、友情‥etc
誰にでも通じるこの話、女優さんが演じると、一歩間違えると返って生々しくて殺伐としてくる話だが、達者な男性3人が演じる事により、中身がマイルドになりつつ、だけどリアリティで満たされる。
不思議、だけど滑稽で素晴らしい人間ドラマな舞台だった。

篠井さん/陽子の所作から言葉使い、スタイルの綺麗さ。
深沢さん/香織の正統派女子のシアワセ感満喫してる表情のかわいい事。
大谷さん/真由美の恋心吐露の場面が切ない。
隅々まで女性視点で包まれた面白い舞台だった。

ネタバレBOX

高校の同級生、同窓会で再会し現在39歳。
陽子はブライダルコーディネーターで順調満帆だったが、一時期より経営は困難になっている。真由美の紹介で香織の結婚式の世話を受ける事になるが、香織の結婚相手はかつて付き合っていた男だった。

全員女性らしい役割なんだけど、一番、女の感情が見えたのは香織への思慕が見えた真由美かな。
陽子と真由美の2人の場面は複雑になりつつも、聞き入ってしまう。

香織、ウェディング姿が可愛いし、良くお似合いだったが、柳原加奈子嬢に見えてしまった。
「女の幸せは結婚と子供」と言い切る辺りが、もう完全に可愛い女子で苦笑いしそうになった。
女性には色々発見が得られそうな舞台だった。
自分も頑張って生きますw
葛城事件

葛城事件

THE SHAMPOO HAT

ザ・スズナリ(東京都)

2013/04/17 (水) ~ 2013/04/30 (火)公演終了

満足度★★★★

2日目観劇
超満員客席の為、自由席観客から整理番号順の入場。
その後、指定席客誘導。端の座席の観客は予め早めに入場した方が良い。
客席誘導に時間がかかり開演も遅れ、終演後も混雑が激しい。
出口に一斉集中するので終演後も誘導スタッフ常駐させた方が良いのではないかな。
混雑が著しいので、ロビー物販やアンケート記入もまともに出来ずに劇場を後にする。
舞台は非常に重苦しく、どこかタガが外れ狂っている。観劇後も好みが分かれると思うが、自分的には面白かったので満足。
上演時間約2時間10分+α(入退場に約20分位?)

ネタバレBOX

子供の集団殺傷事件を起こし死刑囚となった葛城稔。その一家をメインに一家と関わりある人々の話。
稔の下衆な行為は褒められたもんじゃないけど、あそこまで開きなおった態度はある意味妙な説得力がある。自分は関わりたくはないが。
そんな子を、表面にださずに溺愛している父と母が愚かでもあるし刹那的にも見える。自ら望んで獄中結婚をした順子、あのボランティア精神はどこから生まれるんだろう。愛情はあまり見えない自己満足感に思えたが、最後の清に放った言葉が彼女の本音なんだろうな。
今回も常識と非常識スレスレで生きる世界につい感情移入して見入ってしまったが、物語が前後している場面があるので、頭の中で時間進行を組み立てるのに戸惑ったが、面白かった。

新井さん演じる稔の役柄が、今まで出演していた映画で観た事あるような役柄だったが、はまり役。声も聞こえやすく出てて良かった。
冒頭、出産時の描写があったにも関わらず、新井さんの役柄年齢を考えたら、鈴木砂羽さんの役柄は赤堀さんの後妻だと、途中まで思い込んで見ていた。役とはいえ、成人して孫までいる年代に入ったんだな〜と、自分的に微妙な気分w。
劇団メンバー、各々印象に残るがアニキ分の野中さんが特に良かった。
赤堀さんは、包丁とステテコ姿がますます似合うようになって来たなw
ゴドーは待たれながら

ゴドーは待たれながら

ナイロン100℃

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/04/06 (土) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★

最終日観劇
待てど暮らせど、いっこうに現れず。大倉さんの舞台で発奮する姿勢は狂いつつも裏寂しくも見えるが、チャップリン風のユーモラスさに通じる様にも見える。見えそうで見せない演技の凄さというか。
正直、不条理劇はよくわからない。でも、不可思議で面白い舞台だった。

ネタバレBOX

野田さんの少年役は安定してますね、扉の前で半ズボン履いて喋っているみたいだったw
西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を

西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を

シティボーイズ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2013/04/02 (火) ~ 2013/04/13 (土)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
自分の中でここんトコご無沙汰していたシティボーイズ/ラジカルの舞台、練って捻って計算されてないようでされた大人のお遊び不条理感が満載+堪能!
楽曲も映像も格好いい、紅一点の笠木さんがかわいく狂ってる。戌井さんも輪をかけて面白い。
自然体過ぎるアフタートークと素敵なオジさま達に痺れまくりの約2時間。

ネタバレBOX

そういえば西瓜割の棒が立派だったな‥、夏の西瓜割は木刀じゃダメなんだねw
木の上の軍隊

木の上の軍隊

こまつ座

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/04/05 (金) ~ 2013/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

観ました
太平洋戦争時の沖縄戦、縋って憎んで信じてぐちゃぐちゃになった新兵と上官の姿に訳もなく涙が溢れそうになり、どんな言葉で伝えていいのか堂々巡りの余韻が続いている。
時代は移り変わっても、ヤマトの上官と島の新兵、井上さん、3人がいる沖縄は平成ではなく未だ昭和88年なのかもしれない。
井上ひさしさんの宿題を蓬莱さんはちゃんと答えにして見せてくれたんだ、と思う。
約2時間。

ネタバレBOX

照明の色加減によって、季節変化がわかりやすい。2年くらい時間経過してる割に髪や髭が伸びないけど、敵軍からの配給ゴミの中にカミソリでもあったんだろうか?ま、そこはあまり深く考えてはいけない事か。でも、刃物なんぞ入れてあったら、当時の日本男児なら自害の道を選ぶんだろうな、と思ったり。

ガジュマルの木の下には戦友の死体、アメリカ軍の戦闘は増し、2人の食料は底を尽き、ヤマトの上官と島の新兵の上下関係や信頼も薄れていく。
国から使い捨ての様に扱われる島、どこか現在の日本の構造も透けて見える。
帰りたくとも帰れない故郷、極限に追い込まれ日本人としての威厳や誇りなど、葛藤を越えた後の上官の絶叫が胸に突き刺さる。
これまでも山西さんは上手な俳優さんと思っていたが、今回の山西さんはこれまで以上に凄かった。あのセットなら多分足はキズだらけなんじゃないだろうか。傷薬と共になんか賞あげてもいいじゃないか。→あくまで個人の意見ですよw。

ガジュマルの精霊の語り手、片平さん。きれいな声で真っ直ぐな役柄。井上さんが書いた場合、この語り手さんは方言や沖縄の三線がかなり多用されそうな役だと思った。
新兵の藤原さん、朴訥さのある表情から憎悪や苦悩、瞬時の感情変化に目が離せなかった。
趣味の部屋

趣味の部屋

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/03/22 (金) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

嘘に楽しみ騙され見事に伏線を回収
書棚のスペース、キッチンとリビング、ガンプラが占めるスペースがあるマンションの一室で繰り広げられるノンストップな舞台。
冒頭から笑いの部分が多い台詞を含め、舞台版キサラギみたいな展開を彷彿するが、「サスペンスコメディ」と触れてあるとおり、嘘に楽しみ嘘に騙され、各キャストのエピソードや種明かしの展開まで見事に計算され尽くされた纏め方で気持ちの良い舞台だった。
「ガンダム」をあそこまで話に浸透させ、且つ、魅力的に興味をそそらせるのはさすが男の子という感じ。
面白かったし役者さんも上手かったけど、各キャストの見せ場が饒舌になっているように感じて、集中が途切れそうになった。
もう少しエピソード場面テンポアップしても良かったのではないかなと思った。
でも、今まで見た行定演出の中では一番好きな作品。
約2時間。

ネタバレBOX

趣味を楽しむ為に共同で借りている男達。
内科医の天野はキッチンで珍しい食材を使い本格的な料理を楽しみ、医科大学?で教授の加藤はガンダムのプラモデルからその世界観にハマり、コスプレを楽しみ台詞まで頭に入っている。優秀な会社員の水沢は推理小説の初版古書収集に夢中、もう一人の会社員の土井はジグゾーパズルに熱中する一歩手前の段階。亀を飼っているインストラクターの木下という男もその部屋を利用しているが、彼は2週間程姿を見せていない。亀の甲羅に「A」と「N」が書かれているが何かのメッセージ?から始まり、そこへ女性警察官が木下の写真を持って「知らないか」と訪れ、その女性にここが「趣味の部屋」で利用している事が明かされた時から話が動き始める。

部屋に集まっている彼らは全員天野の患者、治療の一環で彼らには趣味を持つのが効果的という事で部屋を借りたと説明する。が、実は彼女は木下の恋人だったり、天野の勤め先の看護師オオタヨウコの殺害容疑が出てきたり、ストーカー疑惑や不倫疑惑があったりと、怪しい要素がでるわでるわ。ここまでの展開を一つ一つ順を追って見せてくれるのだが、その後の展開に至る大事な所なので丁寧に見せてくれたなーという印象。

結局、看護師死亡事件は警察の発表と同じ事故死、殺人事件は天野の思い込みと判ったら、今度はその天野が豹変。豹変する天野を落ち着いた様子で介抱する加藤、彼は天野の精神科の主治医だとその場で告白し、天野の病状は解離性同一性障害と診断。看護師を殺害した部分が天野の表面に出てしまったと。趣味の部屋のきっかけを作った張本人が殺人犯で、それが解離性同一障害という病の所為だった、そういう事で警察へ出頭することになるが、これで終演へ向かうのはベタだなと思ったら、土井がまだジグゾーパズルが終っていないと涙ながらに声を上げる。
ここら辺は5人の気持ちが一つになった良いシーンだった。

諸々あって部屋を出て行く利用者。部屋の電気を消した後、再度戻ってくる男達。ここで観客へ、ネタばらしというか種明かしが明かされる。
実は木下が彼女に趣味の部屋の存在をばらした為、そのフォローのための一芝居、彼女たった一人のオーディエンスの為に彼女を騙す芝居を全員で演じたと言うのだ。その後も亀の甲羅の謎文字や土井の新しい趣味の発見とか伏線の回収が清々しいと思う位、お見事。
でも、面白かったけど、なんだろうな、上手く説明出来ないが映像で観たらもっと違った面白さが出てるんじゃないかという舞台展開の微妙さ、みたいな印象も感じた。

時間経過が夕方5〜7時台だったが、いつまでたっても外が暗くならず、ずっと夕暮れだったが季節はいつ頃だったんだろう、ちょうど今の季節なのかな。どうでもいいことが気になっちゃいましたw
入江雅人グレート一人芝居『MY GREATEST HITS 2』

入江雅人グレート一人芝居『MY GREATEST HITS 2』

キューブ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2013/04/05 (金) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★

最終日観劇
過去の上演作品短編3作+長編2作。
作品による為か、今回はちょっと毒っ気控えめだったが、たった一人で全身全霊傾けてやり遂げる姿はとても笑えるしカッコ良い、最後には感慨も湧いてしまうそんな舞台だった。
次回は公演数を増やして新作も観てみたい、って言うのは酷かな?

最終日、約130分+当日観劇にいらしていた清水宏さん。
独りでステージをやり遂げるエキスパートな2人が並んでいる姿は圧巻でした。

ネタバレBOX

上演作品
実録あしたのジョー3
火につよいアイツ シリーズ → 兵庫と福岡は「RUN FOR THE DREAM」
東京大パニックメガネ
曲とかかわる
爆走遊戯

マペットのやり取りと実録あしたのジョーが面白かったかな。
火につよい〜よりもRUN〜の方が好み、曲とかかわるは当分上演しなくてもいいんじゃないかな(苦笑)
個人的にはレッドシアターで上演した「帰郷」をまた見てみたい。
従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン....

従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン....

Théâtre des Annales

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/03/29 (金) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★

最終日マチネ観劇
午前中11時開演を観劇。
オーストリア軍兵舎の一室が舞台。
陽とか明のイメージはあまり湧かない論理考察、言葉から創造、考える葦に徹する理数系哲学エロスなお話か?と思いきや、隅々まで計算された友情と命について気づかせてくれる芝居。
闇の空間に恐怖心が拡がり、あの戦闘場面に衝撃も覚える。
大荒れの低気圧風が吹き荒れた日、外の強風の音さえ効果音の様に聞こえた。男優さん達の演技の凄さに感服させられた約105分間。
面白かった。

ハムレット

ハムレット

劇団四季

自由劇場(東京都)

2013/03/17 (日) ~ 2013/04/04 (木)公演終了

満足度★★★★

エレガントな歌舞伎劇風舞台
シェイクスピア作品は多方面で上演されているが、もともとは劇団四季のストリートプレイが代表的らしい。知ってはいたが今まであまり見た事がなく、今回上演されると知り、物見遊山 (笑)で見てきました。
劇場、役者、スタッフの違う同作品を見た事はあるが、四季の質の高さは燻し銀級という印象。
ミュージカル=劇団四季の印象が強烈にあるが、舞台音楽控えめで、あるとしたらオフィーリアの歌くらい。
しかし、シェイクスピアの言葉の扱いの凄さと翻訳された美しい日本語の素晴らしさに気づかされ、非常に面白かった。
又、皆さん、大変滑舌が良くて台詞の強弱も聞き取りやすかった。流石だわ舞台役者。
休憩20分込みの約3時間10分。

ネタバレBOX

当日キャスト(敬称略):ハムレット/田邊真也 オフィーリア/野村玲子

舞台全体が黒に覆われ、その中に強調的に見える数本の白い一直線が床面に這う。傾斜のついた八百屋舞台、奥行き効果か滑走路みたいにシャープ。白い衣装が一層優美に映え、見栄えも良い。
王室のシーンでは、演者が対になるように並びまるで合わせ鏡のように綺麗。亡霊出現はいかにも幽霊登場!と言わんばかりのドライアイス?スモーク焚いており、前方席で観ていたので、ちょっと煙かったw。
現代口語劇に耳馴染みがあり過ぎる為か、それとも劇団四季特有の台詞回しなのか、現代的ではない言葉遣いで、特にハムレットにその違和感がずっと終盤までつきまとってしまったが嫌悪感はない。
この作品の舞台はデンマーク、尼寺の解釈は色々あるようだけど、売春宿と自己解釈。
四季の作品のオフィーリアに「尼寺へ行け!」と言ったら本当に尼さんがいる場所に行きそうな、可憐なオフィーリアだった。狂乱する様がまた哀れ。
原作に忠実、丁寧な作品でした。
古典と言われる作品を見るもたまには良いもんだと思った。
私のなかの悪魔

私のなかの悪魔

メジャーリーグ

あうるすぽっと(東京都)

2013/03/25 (月) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★

19世紀の戯曲なのに今風
高橋洋さんが久しぶりに舞台に出演と言う事で楽しみにしていた公演。
青山眞治さんが舞台演出と見た時、「G.G.R」の舞台の不慣れなさに違和感がつきまとっていたけど、今回は全くそう思う事もなく、古い戯曲なのに現代的で夫婦、というか男女の緊迫感ある会話に楽しめた。

ネタバレBOX

海辺近くのある家。一段高くした舞台床上にソファーとテーブル、4本の支柱。 舞台奥上方にロフトのような小部屋が見える。
夫と元夫、妻と夫、妻と元夫の会話場面が多い。
陽気に振る舞う小悪魔妻、嫉妬と不信を募らせながらも時折感情剥き出しにしてうろたえたりする夫、元夫は現夫にアドバイスと思わせるような巧妙なそそのかしをするも、翻弄されてしまったりする。本当は女難の手相でも出ていそうな性格。
夫婦の関係が破滅寸前になるとわかるとあがく妻、それを逆手に妻を傷つけるも、結局自滅してしまう夫。
上品な昼メロみたいな感じだったけど、三人とも生々しい迫力で大人な魅力が満載だった。

最後のアドルフの台詞の時、自分の座席からは支柱で役者が遮られて表情が見えなかった事が非常に残念だった。
それ以外はとても興味深い演目でした。
来訪者(作・演出:中津留章仁)

来訪者(作・演出:中津留章仁)

TRASHMASTERS

座・高円寺1(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/20 (水)公演終了

満足度★★★★

最終日観劇
目の上のタンコブ的な国家の懸念問題がみっちり詰まった前編、それからの展開の後編。
その国にすればどこを巡っても正論。
国の枠組みを外したら、後に残るのは国の境を越えた人間同士の想いだけ残る。一語一語に聞き入りどこで自己処理していいか今回も苦悩寸前。

八犬伝

八犬伝

森崎事務所M&Oplays

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/03/08 (金) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★

二階堂ふみさんが凄い
善悪魅せる! 面白い!楽しい!
コクーンなのに本多劇場ぽくて、見ている場所を勘違いしそうだった。
全員に照準絞ると簡単に4時間超えそうな話、その分端折っているのは致し方ないか。
ガヤ衆、和太鼓から大見得に至るまでマッチャーのこのまとめ方好きなんだけど、全体的に若手役者の活躍場面が多く見え、他の役者の使い方にどこか勿体なさ、のような物足りなさも。
終盤の台詞は青木さんらしいと思ったが、個人的にこの手の現代社会に置ける人間愛みたいな〆方は勘弁して欲しい。冒険活劇として、とことん徹して欲しかった。

ネタバレBOX

角川映画と歌舞伎の一場面でしか内容を把握していないので、完全なストーリーの詳細は理解していないまま観劇。
和太鼓のリズムが身体に響いて心地良かった。

気になった点を幾つか。
浜路の豹変ぶりや額蔵の仕事っぷり、毛野の妖艶の見事さ、現八の元気ぷり、等見所は多かったが、それ以外のキャストの活躍があまり見受けられなかったのはなんだか残念。
浜路こと二階堂ふみさんの演技が凄かった。まだ10代って‥恐ろしい子‥!
需要な役割なのにやや狂言回し的な行動が多く見えた信乃に最後に見せ場はあったけど、あまり主役(ですよね?)の印象がなかった。
8人+1人の大見得場面は見ていて楽しいんだけど、それまでの過程がゆっくり気味だったので、完全にはノリきれなかった。
金碗大輔の殺陣が練習の余地ありだったのが残念。あの殺陣じゃボスキャラにもならないよ。後半上達しているかもしんないが、自分の観劇は今回キリなんですよー。
亀篠だったかな、宮六に刀を献上する時は、着物の袂をそえて欲しかった。そんなに所作にメクジラたてなくても良いのかな。
仲間内での裏切りとか展開も面白かったが、疾走感や爽快感のような印象までは持てず。
水の音

水の音

公益社団法人日本劇団協議会

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2013/03/12 (火) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

切なくてほろ苦い
昔馴染みの男女、地元に残った幼なじみの所に個別に立ち寄る。
外見はすっかり中年だけど、顔を見あわせば子供や学生時代へ戻り、その当時のままの喋り方が出てしまう。
気持ちは若いと思っても、自分では分らないうちに大人の部類に入っていた3人。前半、男同士の会話、後半、男と女の会話になってたが、顔見知りが故の、本音と建前の思いの術を見せてくれた。流石でした。
登場人物達の世代じゃないけど、この年代になったら身につまされそう。

水床の仕掛けは、以前、他の舞台公演でも見たが、照明の加減で壁から天井まで水面が綺麗に映えて反射していた。
地味だけど誰でも似たような悩みを持っていると自覚し、切なくってほろ苦くてじんわりと思い返せるような舞台だった。
方言のイントネーションに違和感が出てくるのは仕方がない。
約90分。

ネタバレBOX

小須田さんが2枚目半、近江谷さんは剽軽、津田さん真面目女子で成人したって感じ。
店長の敦志、姉の死亡原因を感じたまま、そこからの心情を吐露する場面は、水が心の闇に浸食していくかの様で綺麗でもあり、怖くもあり。仕掛け方が面白かった。
シロツメの咲く後に

シロツメの咲く後に

夏色プリズム

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

ミステリー‥?
役者さんは全て初見の方ばかり。その為か、演技力の差や台詞回しのぎこちなさが見え隠れしていたような←あくまで私見。
舞台と客席の境目をなくし、ずっと終らない劇中劇を見ていたような感じ。
で、なんでこのタイトルだったんだろう?

何人かの方が指摘されていたように、事件状況に腑におちない点が何ヶ所かあり、推理と物語にあまり入り込み事が出来ずに終ってしまった。
また、劇中客席から役者が登場するシーンがあるのなら、前もって通路使用するの一言を告げて欲しかった。突然後ろから大声出されたり、歩かれたりすると座席態勢を整え直すのに苦労するんですよ(苦笑)。

ネタバレBOX

銃の発砲音が聞かれたのに、それはあまり触れず進行したので、密室でどこから銃撃されたの!?と、謎解きあるのかとハラハラ予想していたら特になかったなw
視点は面白いけど、不明瞭な供述と行動も多々あったので最後までなんか腑におちず。
「隠し剣鬼ノ爪」「盲目剣谺返し」

「隠し剣鬼ノ爪」「盲目剣谺返し」

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/02/23 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

ほぼ前説+2つの60分作品
作品の時代的には、谺返し→鬼の爪だけど、自分が見た日は鬼の爪→谺返しの順。原作小説の世界観が見事に一時間弱の舞台作に収まっていた。
華美なセットはないけど、役者の上手さにより、登場人物の繊細な心の動きや殺陣で見ている側の想像力を深く刺激していたと思う。
二作品、異なる役で出ていた役者陣も善人、悪人の切り替えが見事。
どちらも良い舞台だった。

ネタバレBOX

隠し剣鬼の爪
道場主から秘剣を伝授されている主人公、片桐。
御前試合で敗者にしてしまったかつての仲間、狭間。
上役を斬って山奥に幽閉されるもそこで人質を取り立てこもる。片桐と対決したいが為の行動に驚き悩むも対決を決意する。
片桐家の女中・さえとの微笑ましく見える光景や、知己の恩師友人との関係、狭間の妻の夫へのけなげな思慕が美しい。
性悪武士への秘剣場面の見せ方も見事だった。

盲目剣谺返し
お毒味役の武士・三村、毒にあたり盲目となるも、妻の加世や下男の爺や徳平に支えられながら立ち直ろうとする。ある時、妻の行動に不信感を覚えた三村が徳平を遣い行動を探らせると、自分の権力を嵩に妻を良いように扱っている上士の存在を知る。
復讐心より武士としての誇り、口に出さず胸に秘めたまま妻への想いを抱いているような雰囲気を醸し出していた大内さんが役柄に合っていた。その妻、加世さんの内面からの綺麗さが伝わり、物語に合った清楚な和風美女で素敵だった。
静の主人公夫婦と対比するかの様な、山崎夫婦(特に妻)の登場場面は舞台に花が開く様に明るい。上手いわ、笑えるわで、流石の貫禄。
それに肩を並べる位良かったのが爺や徳平。主人の言動や行動にオロオロ心配したり、爺やの仕草の一挙手一投足がどこか可愛くもあった。
上士島村のヒールっぷりも迫力あり。
最後の決闘場面、動きの限られた舞台上での殺陣は、自分の座席から姿が見切れて見えてしまい、ドリフだったら「三村さーん、うしろうしろー!」って声が聞かれるような見切れ方は致し方なかったけど。
最後の場面まで気が抜けなかったが、素敵な幕切れにまたホロッとさせられる。
最近では、言葉遣いや所作や衣装等、ちゃんとした時代劇に接する機会が少なくなり淋しいが、この二作品は幅広い年代に受け入れやすい作品ではないかな、と思う。

上演前にほぼ前説として、和装でビシっと決めた西川浩幸さんと劇団員の方が登壇していた。西川さんが観客の前で舞台に立つ事が特効薬となるのなら、こちらも頑張ってその薬になりたいと思う。でも、あまり無理はしないでほしいが。
秘を以て成立とす

秘を以て成立とす

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2013/03/01 (金) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

祝15周年
クリニック兼自宅が舞台で、扉の向こうでは近隣住民の抗議デモの怒号が飛び交う。そこに暮らしている家族、よくわからない下宿人、町の人。夫婦の葛藤も錯綜している。
特に目新しい題材というわけではない、どこかの舞台でも見たような話。大人になったら、胸に秘めたまま、人には言わない秘密は出来るもの。
押し付けがましくなく、時間経過と共に、口に出さずとも人の温もりがゆっくりと沁み込んでくる優しい舞台だった。
舞台上で暴れまくる清水宏さんが荒ましかったw。

ネタバレBOX

多重人格の克服とそれを受け入れる方法は、ケースバイケースなので、あの夫婦にとってはあれが一番の最善策だと思った。
月の剥がれる

月の剥がれる

アマヤドリ

座・高円寺1(東京都)

2013/03/04 (月) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★

詩的な世界
舞台セットの美しさ、衣装の可愛さ、群舞の表現力に見入った。
人間の根本的な喜怒哀楽が見て取れたけど、話の構造や人物の動かし方など、かつてのひょっとこ乱舞とあまり変化ないような気も。
休憩込みの約140分、少し長く感じた。

デカメロン21~或いは、男性の好きなスポーツ外伝~

デカメロン21~或いは、男性の好きなスポーツ外伝~

ナイロン100℃

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2013/02/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★

最前列はツラい
前作同様、行為真っ最中の上演時、視線をどこにやっていいのやら彷徨いつつ見ていた約2時間。
また、最前列から見る映像画面の見辛さにも疲弊。

全員参加のセクシーエロ群舞とナンセンスさ満載、荘厳な合唱に笑い、終った後はエロ面白さと無駄のないパッチワーク構造みたいなエロ舞台でした。
千葉さんと松永さんの関連の話をもう少し見たかった気も。
でももうお腹いっぱいです!

BONE SONGS【本日23日(土)13時&18時開演、当日券あります!】

BONE SONGS【本日23日(土)13時&18時開演、当日券あります!】

劇団鹿殺し

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/02/15 (金) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★

最終日観劇
徐々にステージ規模が拡大しているが、ステージが広くなっても小劇場感満載の勢いある熱さは衰えしらず。
幸せと不幸せがバランス良く展開していく、踊って歌って叫んで笑ってのタイトルに偽りなしの面白舞台。

ネタバレBOX

子供時代のネタを絡ませるのは終らせ、別の時代展開の話も見てみたいかな。
ホロヴィッツとの対話

ホロヴィッツとの対話

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/02/09 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

芸術家と調律師のプライドと生き様の厄介さ
演者とチラシから受ける印象が硬質で、海外戯曲のようなイメージを想像していた。
変人にして天才ピアニストのホロヴィッツ、その妻のワンダの老夫婦が素晴らしい。ワンダの、夫を手のひらの上で上手く転がす術が秀逸。
それにブレない姿勢で対応する調律師のフランツ、その妻のエリザベス。
初っ端から和久井さんの声が上ずったような口調が気になったが、後半の展開にこういう演出もアリかと納得。
水と油のような二組の世代の違う夫婦、それぞれの暮らしてきた経過が心に沁み込んでような舞台。
誰にでもお勧め出来る素敵な舞台だった。

これから舞台を見る方は、なるべく小腹は満たして見た方が良いと思います^^

ネタバレBOX

冒頭、役者名がでーんと舞台上に表記される。ここだけ既に映像化出来てるw。
タイトルから芸術家と職人の会話メインかなと予想していたら、それについては、らしい会話はあるけど対話という程ではなく、そこは物足りなさもあった。でもそこをクローズアップすると2人芝居の様になってしまうか。
個人的にケン・ワタナベが立派に見え過ぎて、和久井さんと長年連れ添った夫婦には見え辛かったのと、職人さん気質は伝わるが、裏方よりも表立った職人さんに見えた。でも自然にそう見える不思議。
頑固じじい段田ホロヴィッツが、意地悪ばあさんみたいなやり取りで面白かった。芸術家ゆえの、偏屈さと厳しさを併せ持ったホロヴィッツ氏の演奏も聴いて見たかった気がする。

序盤は三谷流の、登場人物とその周囲の行動と発言により状況が二転三転する困惑する巻き込まれ会話の流れ。いつもどおり楽しませてもらった。
後半、母親同士の諍い場面は、見る人によっては聞き苦しく思うかも。
それをまとめるのがもう一つの主役のピアノ。
二組の夫婦を繋ぐ役目を立派に果たしてた。

最後のアンコール挨拶がアメリカンな渡辺さんだったw 素敵w

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