趣味の部屋 公演情報 パルコ・プロデュース「趣味の部屋」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    嘘に楽しみ騙され見事に伏線を回収
    書棚のスペース、キッチンとリビング、ガンプラが占めるスペースがあるマンションの一室で繰り広げられるノンストップな舞台。
    冒頭から笑いの部分が多い台詞を含め、舞台版キサラギみたいな展開を彷彿するが、「サスペンスコメディ」と触れてあるとおり、嘘に楽しみ嘘に騙され、各キャストのエピソードや種明かしの展開まで見事に計算され尽くされた纏め方で気持ちの良い舞台だった。
    「ガンダム」をあそこまで話に浸透させ、且つ、魅力的に興味をそそらせるのはさすが男の子という感じ。
    面白かったし役者さんも上手かったけど、各キャストの見せ場が饒舌になっているように感じて、集中が途切れそうになった。
    もう少しエピソード場面テンポアップしても良かったのではないかなと思った。
    でも、今まで見た行定演出の中では一番好きな作品。
    約2時間。

    ネタバレBOX

    趣味を楽しむ為に共同で借りている男達。
    内科医の天野はキッチンで珍しい食材を使い本格的な料理を楽しみ、医科大学?で教授の加藤はガンダムのプラモデルからその世界観にハマり、コスプレを楽しみ台詞まで頭に入っている。優秀な会社員の水沢は推理小説の初版古書収集に夢中、もう一人の会社員の土井はジグゾーパズルに熱中する一歩手前の段階。亀を飼っているインストラクターの木下という男もその部屋を利用しているが、彼は2週間程姿を見せていない。亀の甲羅に「A」と「N」が書かれているが何かのメッセージ?から始まり、そこへ女性警察官が木下の写真を持って「知らないか」と訪れ、その女性にここが「趣味の部屋」で利用している事が明かされた時から話が動き始める。

    部屋に集まっている彼らは全員天野の患者、治療の一環で彼らには趣味を持つのが効果的という事で部屋を借りたと説明する。が、実は彼女は木下の恋人だったり、天野の勤め先の看護師オオタヨウコの殺害容疑が出てきたり、ストーカー疑惑や不倫疑惑があったりと、怪しい要素がでるわでるわ。ここまでの展開を一つ一つ順を追って見せてくれるのだが、その後の展開に至る大事な所なので丁寧に見せてくれたなーという印象。

    結局、看護師死亡事件は警察の発表と同じ事故死、殺人事件は天野の思い込みと判ったら、今度はその天野が豹変。豹変する天野を落ち着いた様子で介抱する加藤、彼は天野の精神科の主治医だとその場で告白し、天野の病状は解離性同一性障害と診断。看護師を殺害した部分が天野の表面に出てしまったと。趣味の部屋のきっかけを作った張本人が殺人犯で、それが解離性同一障害という病の所為だった、そういう事で警察へ出頭することになるが、これで終演へ向かうのはベタだなと思ったら、土井がまだジグゾーパズルが終っていないと涙ながらに声を上げる。
    ここら辺は5人の気持ちが一つになった良いシーンだった。

    諸々あって部屋を出て行く利用者。部屋の電気を消した後、再度戻ってくる男達。ここで観客へ、ネタばらしというか種明かしが明かされる。
    実は木下が彼女に趣味の部屋の存在をばらした為、そのフォローのための一芝居、彼女たった一人のオーディエンスの為に彼女を騙す芝居を全員で演じたと言うのだ。その後も亀の甲羅の謎文字や土井の新しい趣味の発見とか伏線の回収が清々しいと思う位、お見事。
    でも、面白かったけど、なんだろうな、上手く説明出来ないが映像で観たらもっと違った面白さが出てるんじゃないかという舞台展開の微妙さ、みたいな印象も感じた。

    時間経過が夕方5〜7時台だったが、いつまでたっても外が暗くならず、ずっと夕暮れだったが季節はいつ頃だったんだろう、ちょうど今の季節なのかな。どうでもいいことが気になっちゃいましたw

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    2013/04/11 02:36

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