なしかの観てきた!クチコミ一覧

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鮫に喰われた娘

鮫に喰われた娘

INGEL

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2013/07/31 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★

シュールな笑い、なのかな…?
人喰い鮫が現れた海の家を舞台に繰り広げられる、シーン毎に登場人物が飛び道具装備しているかのような勢いと荒々しさ。中でも清水さんと野口さん、櫻井さんの跳ねっ返りぶりが凄い。
笑わせる要素はくどかったけどこの出演者達だから出来ると思ったらなんか納得。約2時間20分。

林英世ひとり語り2013 中島らも短編集

林英世ひとり語り2013 中島らも短編集

林英世

エビス駅前バー(東京都)

2013/08/02 (金) ~ 2013/08/03 (土)公演終了

満足度★★★

第四夜 21時の回
大阪から続く朗読会。ドリアンを待ちながら・邪眼の二作の読み語り。
らもさん原作。書体や字詰にして読むと、微妙なニュアンスに読めてしまうような箇所も、慣れ親しんだ人が読むとまた一味違う不可思議感を持ち、受け止め方が違ってくる。話に惹き込まれた、濃密な時間だった。
作品朗読は約1時間程度。
その後、ゲストを招いてのアフタートーク的なものあり。
アフタートークまで参加すると帰宅が深夜に及びそうだったので、そちらは不参加。自分の確認不十分だったのが悔やまれる。

歓喜の歌

歓喜の歌

劇団姦し

ザ・スズナリ(東京都)

2013/07/31 (水) ~ 2013/08/05 (月)公演終了

満足度★★★

日常の出来事
平日二日めマチネの観劇。
赤堀作品でシャンプー版の味が辛子蓮根並みの衝撃なら劇団姦しは辛子バター位のちょうどマイルドな辛さ。
50代を目前の現役女性の言動や持ち物、服装がいかにも居るわーと思う位、自然だった。今回も時に笑え、ふとした瞬間に切なさのようなモノが去来してくる滋味深い良い舞台だった。
約1時間40分。

ネタバレBOX

星野夫婦と民宿の女将さんがまたいい存在。
演劇の世界でシェイクスピアとチェーホフは避けては通れない基礎中の基礎ということがよくわかりました。
池津さんは、いつの間にかスナックの女の格好が似合うようになっちゃったなぁw
良い話だったんだけど、夏の季節、カラオケでモーニング娘、等小ネタがかなり被ってきているのでそろそろ別の側面も見せて欲しいかも。
極東の地、西の果て

極東の地、西の果て

TRASHMASTERS

本多劇場(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

最終日観劇
芸術と経済の話がどうやって話の土台になり舞台が進むのか、全くもって不思議だったけど、差別や偏見、愛憎、自由、農業、日本のカオスな現状、情報の洪水の如く溢れる日々に同じサイクルで暮らしている、ちょっと、いや、かなり考えさせる内容だったけど圧倒され、3時間越えの舞台なのに見応えあり過ぎました。タイトルバックの映像もカッコ良かった。
緊迫した終盤の長台詞は説明くさかったけど面白かった。

ネタバレBOX

ハンバーガーを文机の中に隠し、後にゴミ箱に投げ捨てられ、ヨーグルトの場面ではエロチックさにゾクゾク。
象徴となるあの絵画。一幕では単なる納豆、醤油等の大豆の説明をまんま聞き入れて見ていたけど、三幕で舞台上の掲げられた絵画を見ていたら、次第に火の中から突進してくる怒りの猪のように見えてきた。
他、中津留さんと同郷の自分としては、方言が非常に聞き取りやすかったですw
カルデッド

カルデッド

JACROW

OFF OFFシアター(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★

2日目観劇
対面式座席、4編「自殺/死」にまつわる話。
今は目に見えなくても必死になって探せば生きぬく道は見えてくるはず。明るさとは無縁の内容に見る方も覚悟が必要な、平日に見るのはヘヴィーで息苦しい思いをするかも。
が、モヤの中から光明が差すように人はそれだけでは終わらない。いい結末だったと思う。
4話ともとても意義ある話だったが、3話と4話が印象に残った。
約2時間。

非常の人 何ぞ非常に ~奇譚 平賀源内と杉田玄白~

非常の人 何ぞ非常に ~奇譚 平賀源内と杉田玄白~

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/07/08 (月) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

魅力ある人
平賀源内と杉田玄白の青春グラフィティ、英介さんと奥田さんのインテリジェンスが垣間見えるような役の安定さ、若源内と若玄白から始まる物語。
孤高の鬼才の一生、適度に入る同性恋愛模様。玄白の何気なく呟く最後のセリフについホロリ。
ニューミュージックみたいなギター間奏もいい。
出演者全員良かったが、物語の鍵を握っているとも言える小顔で長身の佐吉がはまり役。

ネタバレBOX

源内さんの書いた戯曲読んで見たくなった。
どうでもいい事だが、陰間茶屋の女将さんの性別はどっちだったんだろ?
『英介とやっかいな仲間達』vol.3

『英介とやっかいな仲間達』vol.3

英介とやっかいな仲間たち

吉祥寺スターパインズカフェ(東京都)

2013/07/21 (日) ~ 2013/07/21 (日)公演終了

満足度★★★★

ソワレ観劇
毎年恒例になりつつあるライブハウス公演、出演者の家族もお手伝いありの、家内制工業ならぬ家内制興行。英介さん出てない為か、かなり自由度の増したイベントでした。
その篠井英介さんはパルコ劇場に出演中の為欠席、だけどある姿で映像出演。
総じて、三人によるショーアップ精神に溢れたコント芝居、歌、ダンス等々、楽しい時間を過ごさせてもらいましたが、ファン感謝祭的な要素が強く、篠井英介さんの名前に惹かれて見に来たら、演じ手のクオリティの違いの凄さに驚くかもしれません。
でも面白かったです。vol.4では英介さん再登場してくださいー。

第一部:ガラスのお面 その2~たけくらべ 美登利 de 勝負~
第二部:トークショー+α
約2時間

ネタバレBOX

開演前、山中兄演じる名物キャラクターによる場内アナウンスが聞かれた後、上演開始。
第一部:ガラスのお面 脚本:山中聡 2年前のvol.1で登場した「ガラスのお面」の続編。まあや:山中弟、あゆ:草野、月掛先生:山中兄
山中弟演じる、まあや13歳が岡持ち手にして登場に場内沸騰。
第一声から自虐ギャグ連発、セリフを言うより宣伝が先(ステマかw?)というわけで過去上演作品DVD販売と英介さんの自著や現在出演中のパルコ劇場の舞台をこれでもかって位宣伝した後、物語が始まるが内容は某演劇漫画のギャグパロディ。今回、皇○の話題はなし!2年前より人手が足りない為、観客をスカウトしイラストの登場人物「さやか」となって台詞を喋ってもらい舞台完遂させたり。すでに冒頭から無茶しやがって…の連発に腹筋が耐えられなくなる。
月影先生はまあやを叱咤連発、あゆは更にまあやへ敵意メラメラ、月掛先生は2人を煽るように「たけくらべ」の読み合わせを始めようとするが、先生とまあやの場面で一瞬「!?」な微妙な空気が舞台に流れると、どうやら台詞を間違えたらしいと判明。まあやから「台詞違う」と言われ、言い回しを変えたりして修正を図る必死な月掛先生だが、なんとか取り繕ってその場を納める事に。→結局間違ってたのはまあやだったらしいが、華麗にスルーする弟にいろんな事が脳内駆け巡った兄。先生の服の下は「全身汗だくになったわよ!」と。
一方のあゆはAYUとしてダンサーになる、と進路変更。名前はバキュームよ!と決定。ならば三人で今後の話し合いを近くのお店でしましょうと狭い店内にデカイ三人がカウンター占領し注文。各々の環境にあった注文した後は、ダンスの練習ってどうやったら良いの?から映像転換。
高架下?道端?で人知れず練習に明け暮れるまあやの元に表れたのはなんとエアーバンド、ブリティッシュ皇太子殿下のドラムス、ポニー!これを読んでお勉強しなさいと言ったか不明だが、手渡されたモノは「いい芝居 いい役者/篠井英介著(¥2200で絶賛発売中)」だった。
AYUは自宅にこもり練習を始めようとすると、AYUの人の奥さんに目撃され今後その路線で行くわけね、青森のおとーさんやおかーさんにはなんて説明すんの、とプンスカ説教される始末。しょぼんとなりながらお子さんあやしてた所に、救世主の如く現れるポニー。奥様のお宝?写真集を差し出し円満解決に導くが、そのやり取りをリビングのカーテン越しに凝視している月掛先生。そんな先生も練習を開始、それを物陰から見ているポニー、AYU、まあや。
映像が終わり、ミラーボールが一気に廻り始めるといきなりクラブ状態。役のまんま登場し、披露するのはPerfumeの「Baby cruising Love」ほぼ完コピ!生声!バキュームデビューは華々しい!あれオチはw!?

ぐだぐだの進み具合と、お酒飲みながら見ていたのであまり正確ではありませんがこんな感じだったと思います。

第二部は、黒子の草野、漁師に扮した山中兄、山中弟による熱唱「兄弟船」の歌謡ショーで幕開け。まるまる一曲やりきった後は、衣装から入れ替わりで着替えへ。着替え終わり三人揃った所で幕間に質問を募集し、それに答えるトークショーへ。
山中兄がマチネでモグモグ博士やったのでソワレは収録入ってないからと、vol.1で登場した高尾山在住の天狗で登場し、兄無双状態のやりたい放題。その後はちゃんとして質問に答えてた。草野さんの「男はツラいよ」のウクレレ演奏が心地良かった。時間も押していたので全ての質問に三人が答えるというより、気づいた人が答える形式。
某人気ドラマとその関係者にまつわるエピソード、過去の舞台公演での出来事、山中一家の話、他 等。
興味を惹いたのが各々の芝居のやり方、稽古段階で既にある程度設定を決めてやるかやらないかについて言及されてたが、草野さんはもっと決めてからやりたい。山中兄はそうでもない派、エチュードのような即興芝居好きかも、(〜他の団体の)ワークショップに参加した事あるがある程度決めてお芝居するのも好きかも、コントやりたい云々。山中弟は「不得意」(と言っていたと思う、記憶あやふや)
役者さんがどのような事を考えて舞台や役柄に挑んでいるのか聞く機会がないので、この話はもっとじっくり聞いてみたかった。
他、過去と今回使用した小道具オークション。
英介さんの「もう終り」の声が聞こえたので、最後は三人で歌う「また会う日まで」で〆。
楽しかったです。欲を言えば次回はもっと違う形の作品も見てみたい。
小野寺の弟・小野寺の姉

小野寺の弟・小野寺の姉

ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★

優しいお話でした
役者さんに惹かれて見に行った。
バランス良いアットホーム人情コメディって感じだった。
昭和レトロな衣装や美術セット可愛かった。舞台じゃなく深夜のテレビで緩く見ているともっと面白いのかも。
ただ、上演の場所やその他の関係で仕方ないとはいえ、この内容でチケット¥9000〜¥7000はちょっと高過ぎなんではないかな。
約1時間50分。

かなかぬち

かなかぬち

椿組

花園神社(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/07/22 (月)公演終了

満足度★★★★

神社にかがり火がよく似合う
明確な時代設定はないが、南北朝とか吉野と熊野、楠木正成等の言葉が入る。馴染みのある節回し、演芸、大地に息づいた芝居だった。
アイアンマン亨さんのラストも凄い、覗いて見るより中で見た方が迫力増。 椿組らしいダイナミックな野外劇。約1時間50分。

ネタバレBOX

盗賊とその手下、荒ぶる女、芸事の団体、安寿と厨子王みたいな悲劇的な姉弟。
異形の姿に変化していく最後は目を見張る消滅の仕方だった。
弟の決意は良いんだけど、言葉遣いがやや軽め?せめて「姉上」とかその背景に合う台詞を発して欲しかった気も。(元々の戯曲通りの台詞なら仕方ないけど)
3つの筋が絡まり合う中で所々、象徴的に現れる白い巨大な狛犬のような獅子、造形が映画ネバーエンディングストーリーのファルコン見たいに見えてしまった。すいません。
ドレッサー

ドレッサー

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2013/06/28 (金) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

贅沢な舞台
特にアレンジらしきものはないがショー・マスト・ゴー・オン精神溢れる三谷さんの舞台作品だった。
見えないところまで贅沢なキャスト陣、役柄上、大泉さんにかかる負担は大きいが、好健闘。三谷作品における浅野さんはもはやマスコット的な存在になってきているような。
戦時下に於ける前説場面は震災時のパルコ劇場でみた「国民の映画」をつい思い出した。

ネタバレBOX

トランペット指導で劇団鹿殺しの山口加菜さんの名前が!いかにもそれっぽい演奏の仕方でそちらも楽しめました。
ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー

華のん企画

あうるすぽっと(東京都)

2013/07/11 (木) ~ 2013/07/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

初見
毎公演気にはなっていたが、子どものための〜とついている為、躊躇していたが、前評判の高さから初観劇。結果、面白かった。
もっと早く見ておけば良かったと後悔中。

少し目線を下げて物語を作っている以外はまんまシェイクスピア劇だった。暗転かわりの柏手によるメリハリや音楽、数台しかないテーブル、華美でない衣装なのにローマ人に見える役者技量。
大人と子供が一緒になって笑える舞台って、何気に凄い事だと思った。
約2時間。

ネタバレBOX

お話も殆どイジル事なく進んでいたけど、分りやすかった。
政治、裏切り、権力、名演説、男芝居が全面にでたシェイクスピア劇だった。黒コートで整列乱舞する最後もカッコ良かった。
トークトワミー!

トークトワミー!

おにぎり

ザ・スズナリ(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/17 (水)公演終了

満足度★★★

切なかった
チラシのようなロマンチックさは皆無だけど兄妹、夫婦、血縁になったら苦悩や苦労を過ごす日常にいつの間にか家族になっている。気持ちは若くてもいつかは中年になり歳を取る。自覚する人とそうする事が出来ない人。
三人ともよく通る声なので、怒鳴られると思わず身構えてしまうが穏やかな気分で劇場を後に出来る。
約100分。

ネタバレBOX

最後はもうちょっと毒っ気があっても良かったかも。

病気ネタについては、笑わす意味合いであの疾患にしたんだろうか。
身体に麻酔かけて手術するような病気を軽く扱って笑わせる要素は無いんだけどね。職業柄、その描写は気になった。
象

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/07/02 (火) ~ 2013/07/21 (日)公演終了

満足度★★★

重かった
台詞以外は無音が覆う舞台に反発するかのような色とりどりの大人や子供の衣服が山の様に散在した床。
2人の被爆者の行く末に前回より悲劇さよりも現実感に苛まれる。
死を待つのではなく本当の姿で生きるという事。
破壊から得た男の想像、自由と権力、リヤカーで去っていく男の姿は現代の青い廃棄物みたいで気が重くなる。
シビアに見るより、感じる何かがある舞台でした。

ネタバレBOX

今回もおにぎりシーンでホッとさせられました。良い息抜きシーン。
上演の時代により、思い描く対象が原爆、原水爆、環境汚染、放射能等々と変化していくのは皮肉にも思える。
前回も思ったが、甥役の彼らは昭和の顔というより平成の顔質なので、余計に現代の環境が透けて見えるみたいだった。
ストリッパー物語

ストリッパー物語

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

2日目観劇
劇場入れば薄暗く天井にはミラーボール、中央にせり出すステージ。
初見、その当時の舞台を観た事はない。社会や性風俗など70年代要素は残すものの(多分改訂していない戯曲と思うが)台詞の流れが現代劇ぽかった。
タイトルと今回の演出家が交わるとどんなに過激になる事かと思い気や、R指定で括れない、愛ある優しい成人演劇だった。その当時の息吹も感じられて良かった。
ただ、ボソボソした会話がある為セリフの聞き辛さ有り。スズナリとかだったら細部まで聞こえたかもしれないがw。
シゲさん役のリリーさん、セリフなのか素で喋っているのかわからない位ナチュラル。明美役の渡辺さん、懐の深い良いオンナだった。
劇場外には歴代のつか舞台の写真展示あり。
休憩10分込みの約2時間40分、カテコはなし。

アトムへの伝言

アトムへの伝言

劇団扉座

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/07/03 (水) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★

再々演だけど
役者や小ネタの改変はあるものの目立った変更はない。
東京公演の前に千葉や東北各地で上演した成果も手伝ってか、再々演にも関わらずいつも以上の熱気が伝わり、舞台から強靭さのようなものが見え隠れしたような良い舞台だった。
舞台終了後、千秋楽の前日と言う事で、恒例化しつつあるラクイブナイト開催。全ての役者、スタッフ、観客席からの劇団愛を再認識。

ネタバレBOX

野口さん演じる相模カンナの結末は、もう少し希望の灯りが見えるようにしてもらいたかったかな。毎回、不憫すぎるw。
変則短篇集 組曲『空想』

変則短篇集 組曲『空想』

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

日替わりA の日
ファミレスに行ってないのに何故かメニューに詳しくなる。話の繋ぎ方が綺麗に見せてコメディあり、毒や怖さもあり。日替わり作は七夕にもまつわるお話だけど、ダークめ。〆のお話はソワレで見たら、いい夢見られそうな舞台でした。古川&松本、ギャルソン&女のカップルの佇まい良し。
全部の日替わり作品を見てみたくなる。面白かった。
日替わり作と珠玉の短編連作、計14本の約2時間。

ネタバレBOX

闘うファミレスに爆笑しました。
『わが闇』(再演)

『わが闇』(再演)

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2013/06/22 (土) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

思い出補正
6年振りの再演。
初演と同じ内容、ここであの話が出て、あの歌を歌って、ここで喧嘩して、ここであの人とこの人が来て、こうなって、って知っているはずなのに、今回の方がより深く沁み入る気分になったのは自分が歳を取った所為か。
現実で重くのしかかるような事件が起きても、気持ちの沈む時期があっても家族や仲間内でいつか笑い合う日がくると信じて生きている。そんな希望が見える、良い舞台でした。

ネタバレBOX

今回も♪ダバダ〜は綺麗なコーラスでした。
前方席だったので、一部映像の見辛さは我慢。

三宅さんの細かい芝居が良いアクセント、あの家族の中に於いて、あの人の存在はつくづく貴重。
松永さんの職務上はヒールだけど、一分一秒を無駄にしない生き方している仕事っぷりが見事、一緒に仕事するのは大変だろうけど。この人の生き様は、巷で反乱している「女子」って言葉に、「何ぬかしとんじゃー」って笑い飛ばしそうな反応を起こしそうなあっぱれな人物かも。
千年マチコ

千年マチコ

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★

楽しめました
不老不死の食材を食べたせいで二千年以上生きているマチコさんが東京の寂れた銭湯を舞台に巻き起こす、なんというかNHK的な人情喜劇。
常に明るいマチコさんの設定はコメディエンヌ火の鳥的な存在で愉しい。約110分。

景気の良かった昭和末期〜平成初期の、その時代を謳歌した団塊世代の人達にウケが良さそうな洋楽バンドや日本のニューミュージックバンドのフレーズ等の話題が多かった気がする。それらを全て自分のものにしてしまう真知子さんの素晴らしいワンマンオンステージ、面白かった。

面白かったけど、私の体感した年代とは、ちょっと時代がずれていたので少し置いてけぼり感もあった。

ネタバレBOX

最後は銭湯屋の次男に刺され死亡となるはずが、不老不死の巧妙の所以か、無事復活。周囲にマチコさんの秘密もばれてしまうが、ばれてもあっけらかんとし、みんなの元を去っていくやり取りは、まるで女版寅さんのようだった。
断色~danjiki~

断色~danjiki~

ヴィレッヂ

青山円形劇場(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

見ました
震災2ヶ月前に上演された、おにぎり(村木仁、池谷のぶえ、市川しんペーの各氏)の前作『断食』と多少リンクしている部分はあるが「色」と、生と死と性、環境と記憶の人間模様が見られた近未来話。
作家青木さんと演出のいのうえさんは前作と同じだが、役者の変わった今回は変態成分多め、その下ネタの多さに閉口もあったが、壮絶さはこちらの方が大きいと思った。
新感線初期の、いのうえさんがつかさんの舞台をやっていた時ってこんな感じの舞台だったのかも。
上演直前にある曲がほぼ一曲流れる、観劇後で思ったが、舞台の内容にイメージした選曲だった。
堤さんの発汗量の多さに驚く、最前列は汗被り席状態。ただ、最後の場面は一部の座席からは死角になるので残念な思いを味わう堤さんファンもいるかも。つい先日ご結婚されたが、まだ独身のままだったらちょっとシャレにならない(笑えるけど)劇中の台詞も聞かれたりする。
約110分。

随所に見応えもあったし深く考える部分は同じで面白かったし、役者も異なる作品内容で比べても仕方ないが、個人的にはおにぎり版の「断食」の内容の方が好きだ。

ネタバレBOX

配役(おにぎり版の役名/ヴィレッジ版の役名)
杉浦哲(村木)/小林保(堤)
杉浦朝子・哲の母(池谷)/小林朝子・夕子(麻生)
矢作(市川)/刈谷(田中)

嫁に逃げられ、田舎で苺の有機栽培農業を行っている借金だらけの色盲の保、
保の母の残したクローン保険で生産された容姿が保の母そっくりの夕子、
それを取り扱う保険会社外交員の刈谷

冒頭から防護服をイメージしそうな作業着姿の数人が舞台セットを作る。無農薬畑で苺を作っている保だがなかなか農作物は育たない、そこへやってきた保険会社の刈谷、いきなり「母親は生前自分のクローンを作った。乳ガンに罹患し、クローン乳房の移植手術は行ったが腎臓ガンの合併症により移植の甲斐もなく亡くなった」と宣告する。で、保険で作られたクローンは保険会社が処分するか解放するか、ざっくり言うと殺傷処分か生かして社会生活を送らせるか二者択一のみ。さあ、どちらを選択するのか悩む保。
前半はコミカル+下ネタ要素多めだが、三人の本音が判り始めた中盤部分から次第にエグさと壮絶さが絡まり緊迫した場面が続く。

クローンとして生まれてきた夕子が発する猥雑な台詞や行動の時の無表情から、母親の表情から自我が目覚めた行動の表情、切り替えは素晴らしかった。生身の母親だけどシワがないのはご愛嬌だ。
刈谷の本性の嫌みさがまた憎々しい。
実直さとちょっと抜けてる保もいい人。朝子と並んだ姿は大袈裟でなく、ちゃんと母と子に見えた。
今作に限らず、今回も密閉された円形劇場の壁を使った映像処理、円形劇場ならではの見せ方がまた効果的。
朝子の保の思う気持ちが随所に表れ、たまに挿入された暗転が母親の胎内のような錯覚を覚える。保にしてみれば暗くて切ない記憶を呼び起こされた末の行為に少し考えさせられた。
北と南に隔離分断され汚染された風土に人工物だらけ。近未来の日本の設定だけど、どこか現代の風景にも似ている。
生活が困窮している割にクローン保険代は母親の前払いだったんだろうか。
もう一回見たいけど、もうチケットは取れそうにない。無念。
独特な畏怖SF作品を見たような感じだが魅力的な舞台だった。

おにぎり版では、のぶえさんのクローン登場時の可愛さと生身の母の恰幅の良さの対比、金目鯛の煮付け(人工物)、断食道場で減量、夕子と矢作の男女関係、哲の精神がクローン化、男女関係の末のクローン処分の仕方、哲はナイフで殺される。等を覚えている。
観劇日のアフタートークでゲストが青木さんといのうえさんと橋本じゅんさんだった。じゅんさんは入院生活から復帰した直後だったので元気な姿を見られてホッとし、またお話の内容から自分も活力を戴いたような覚えがある。
不道徳教室

不道徳教室

森崎事務所M&Oplays

シアタートラム(東京都)

2013/06/08 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

当日券で観劇
チケット予約したにも拘らず、入金締め切り日を間違えてしまい当日券で仕切り直して見に行った。
川端康成の「みずうみ」が発想ということだが、昔「みんなのうた」で聴いた大貫妙子の「みずうみ」みたいな世界観かな、と勝手に予想していたら、当たり前だがそれは関係なかった。
が、岩松作品にしては比較的分りやすく、都会的な現代文芸作品を見たような印象。面白かった。
いかにも山の手にいそうなリセエンヌ風の女子高生3人組、制服姿も似合ってて可愛かった。
舞台にいる二階堂ふみさんは、白目を剥いて滝修行してても違和感ない貴重な女優さんだ。毎回思うが、おそろしい子‥w!

ネタバレBOX

冒頭、暗闇の中からいかがわしい声が聞こえてくるものの、特別激しい何かが起こるわけではない。高校で現国教師の山城、教室で居残りさせられている生徒のあかねを軸に話が展開する。居残りの原因は課題作文の「将来の夢」が書けないからだと言うあかね。

教室から一歩出ると、秘密の場所で仲の良い友達と自己満足のお笑いセンスを発揮して放課後の一時を楽しんでいる。あの放課後の楽しみ方は妄想よりも空想を好み、森の中では実在するのか想像なのかグレイという人物まで登場する。現実では大人になりたいが恋してる自分に夢見てる、実際は背伸び出来ない女子高生そのもので可愛らしかった。

山城とあかねの、教室の窓から見える相手までの距離や、花屋のショーウィンドーから見えた姿とか、一つ一つの行動に相手の依存と必要度が上がっていったのか。そして越えちゃいけない一線を越してしまう。その一線の言葉のやり取りは穏やかではないが、美しい台詞遣いで透明感ある描写だった。季節は巡り、周囲の注目、公への密告、山城のストーカーという行為が露呈となるが学校生活はまだ続く。

冒頭の「将来の夢」がここに繋がっていたのかは分らないが、卒業後の進路によっては仲の良い友とも離れるかもしれない、ずっと好きだった男の人は自分の元から離れていくかもしれない、女子高生の他愛無い恋愛感情と友情ごっこの亀裂。久子、弥生の処女性とあかねの非処女性からくる無意識の三者三様友情の境界線。自分達の感傷的な一面もあったのか、言葉に気持ちをのせて話す事を避ける気分のまま時間だけ過ぎていく。
川端文学に関わらず、昭和初期の文芸作品とか読んでいると、美少女崇拝のような美少女信仰が顕著にあると思うが、この山城も少女美化みたいに、あかねへの思いが神聖化していたのかも。
その対極にいたのが、リカコだったのではないのかなーと思った。

森の中に吸い込まれていくかのようなあの場面は、山城はあかねに手をかけたんだろうか。

岩松さんは変わらず面白い芝居をされる、それだけでもう満足。

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