じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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こどものうた

こどものうた

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/26 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/26 (金) 20:00

価格2,000円

【Dグループ】
「マリー・アントワネット」、現実のバーで上演されたエビス駅前バープロデュースの初演(2016年5~6月)が「リアルタイプ」、劇場の広さなどを活かした演出のこちらは「劇場版」といったところか。

で、下手入口付近のブース(「ホテルミラクル」ではシャワールームになるアソコ)をバーのカウンターに仕立てていたが、最後列下手端からはマスター(「笑ゥせぇるすまん」の魔の巣のマスター似?)のリアクションも見え、楽しさ倍増。特等席では?

また、終演後に初演の配役を確認して納得したが、こちらの配役も的確、お見事!

こどものうた

こどものうた

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/26 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/26 (金) 17:00

価格2,000円

【Cグループ】
「平成舞姫 2018ver.」
初演も観ていたので「そうだったそうだった」と思う一方、デフォルメされてコミカルさが増したような感覚も。その分、ラストの味わいが反動によってさらに強まったかも?

「川原君で学ぶinstagram入門」
シリーズ第一弾の確定申告は「実用講座」な趣きだったが今回は題材が題材だけにEテレの趣味講座風味で、これまた愉しい♪

背に描いたシアワセ

背に描いたシアワセ

やみ・あがりシアター

APOCシアター(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/30 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/25 (木) 19:30

価格3,000円

冒頭、バ○が付きそうなほどベタな新婚カップルの朝が描かれ、序盤のカラーテレビに関する会話にパナカラー(松下の商標)、キドカラー(日立の商標)、20インチ、26インチ(今にしては画面が小さい)などの単語が出て(その後も国鉄、2ドア冷蔵庫、電子ジャーなどが出る)これまたベタな嫁いびりの姑(市川歩さん:好演)が登場して「なるほど、昭和のホームコメディね」と納得して観ていたが、終盤でいきなり現代のアイテムや用語がが出てきて違和感。
ここでボンヤリ見ていたアタマが回転し始め、そう言えばそこまでもいくつかあったかすかな違和感から真相を推察、マチネのタテヨコ企画「美しい村」同様、台詞で明かされる直前に正解にたどり着く。
これ、一度観て真相を知った上でリピートすると、あれこれ気付く部分がありそう……ってか、しっかり伏線がはってあるから、そしてそれらを半ば無意識的に観ていたので初見でも終盤で真相か明かされる前に勘づくことができたのだろう。

で、観終わってから「これを映像化するならどうするか?」を時々考えているが妙案が浮かばない。やはり「あの表現」は演劇ならではなのではないかしらん?

美しい村

美しい村

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/25 (木) 15:00

価格3,200円

昭和30年、奥多摩の村落で起きた毒物混入による無差別殺人事件をめぐる物語。諸設定といい内容といい、いかにも柳井作品っぽく(前々回の「戦争、買います」と較べるのでなおさら)ファンとして頬が弛みっ放し。

で、最終場、ある人物のちょっとした台詞から(その後の台詞で語られる前に)真相を察知したが、同時にそれを隠す(?)ために観客の先入観を使い巧妙にダマしていることに気付いて「騙された快感」再び。(前日のフロアトポロジー「クラゲの夢」とタイプは異なるが)

あと、装置の梁(?)の端の「中略」的な焼け焦げたような処理がカッコイイ。

ネタバレBOX

村に来て1年の筈の養護教員が突然「村の祭りも昔と変わった」的なことを口にした時に「真犯人はコイツだったか!」と察し、また、動機が子供の頃の窃盗事件だと語った時に先にその話が出た時点で窃盗犯を漠然と男の子だと思い込んでいたことに気付き「たばかったな!」みたいな。(笑)

また、クライマックスで毒物が実は赤いと判明しで大逆転する時には「12人の怒れる男」の終盤の「メガネの件」の時のような感覚を味わった。
みんなのへや・改

みんなのへや・改

Aga-risk Entertainment

CHARA DE asagaya(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/20 (土) 18:00

価格3,000円

女性ストーカーが相手の部屋に侵入し、という出だしのあたりは比較的ゆったりしているが、人物が増えるに従ってギアを上げてゆくようにテンポアップして気が付けば全速力で疾走している感覚が心地よい。
また、とっさについた嘘が後の混乱を招くとか、それぞれ勘違いしての会話が奇跡的に成り立つとか、二組の会話が同時進行して時々台詞がシンクロするとか定番とはいえ巧いやね。
あと、床にテープで間取を描くことで「その空間」を表現するのは以前「大空襲イブ」でも見たけれど、今回はそれにプラスアルファがあって「その空間」がより鮮やかに表現されたのもイイ。

「メグ The Monster」/「あっちの部屋では」

「メグ The Monster」/「あっちの部屋では」

アナログスイッチ

旧平櫛田中邸アトリエ(東京都)

2018/10/16 (火) ~ 2018/10/25 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/23 (火) 19:00

【メグ The Monster】
音楽の使い方や設定、台詞の端々などに名嘉友美さんっぽさが見え隠れしつつもシンクロ少女では上演しないであろうタイプに仕上がっているのが面白い。
そして、この会場を活かした作劇はもちろん、2人のヒロインの関係性を最初は(姉妹と)誤解させるような台詞が仕込まれていたりするのも巧み。
なお、ダブルヒロインを(関係に関する台詞が出る前に)漠然とどこか似ているように感じたのは気のせいか?(笑)

手の平

手の平

かわいいコンビニ店員 飯田さん

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2018/10/19 (金) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/20 (土) 14:00

価格3,200円

再開発で立ち退き要請のある旧家屋に住む家族を中心とした物語。
題材が題材だけに田舎の実家(←基本的に東京生まれ東京育ちゆえσ(^-^)にはない)にいるような安心感(?)が漂うような感覚で、シリアスな部分もありつつ微笑ましい部分もあって心地よい。
また、一件落着の後のエピローグ的なラストの二段構えのシカケが見もの。
「解体される生まれ育った実家」という共通点がある2月のアナログスイッチ「みんなの捨てる家。」と見比べるのも一興?

わたしの、領分

わたしの、領分

「わたしの、領分」製作委員会

大泉学園ゆめりあホール(東京都)

2018/10/18 (木) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/21 (日) 13:00

座席H列3番

価格4,300円

エンタメ芝居の対極にあると言うか娯楽性を排して真摯にテーマを伝える作品にしてファーストシーンからいきなり「刺してくる」ほどのしんどい「体験」。
結果、こういう題材でも演劇にできるんだ、とか演劇にする意義、しんどさを軽減する工夫などについて考えながら観ていた。(と言うかそういうことを考えて気分を逸らさないと辛さに堪えられなかったのか?)

(4度目の上演を考慮して具体的なことはネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

冒頭、Aくんの母親(演・真嶋一歌)の苛立ちがいきなり刺さる。発達障害の子を持つ母親のストレスが直接伝わってくる感覚か?

育児は妻に任せきりなBくんの父親(演・山田健太郎)についえも今は少しずつ変わっているとはいえおそらくまだ主流だろうし、ましてや子供が自閉症であれば逃げたいだろうと考える……どころか自分がその状況に置かれたら同じ対応になるだろうと想像し、これも「刺さる」。

その2例以外でも作中人物の心境があれこれ伝わり、「かなりヘヴィー」。
クライマックスでの心理士・萩野(演・福永マリカ)とAくんの母親のやり取りはその最たるものかも。

が、そんな内容ながら、装置や照明効果の見事さ/美しさや、客席会場時から舞台上にいて、開演後は時にはAくん、時にはBくんであり、さらには流れた胎児の魂であり、将来生まれる萩野の子供でもあるはるか(演・榎あづさ)の使い方など「演劇表現としての面白さ」によって「しんどさ」を緩和しているのが巧み。

そして普段、見て見ぬふりをするでもなく避けて通っているでもなく積極的に見ようとはしない境遇・経験を演劇化して多くの観客に知らしめるという意義に感動。

あと、最終場に先月末に上演されたのびる「今日はこれでいいや」を連想。
いやまぁ、この2作に限らず、時々使われるパターンではあるのだけれど。
アンチカンポー・オペレーション

アンチカンポー・オペレーション

フジオモラル

王子小劇場(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/19 (金) 19:30

冒頭から「モラル節」が高らかに鳴り響き、以降の2時間弱は食べ物で喩えれば脂っこくて胃もたれしそうなほどに「モラルイズム(?)」丸出し・満載で、さながら藤尾勘太郎「犬と串」卒業公演の様相。
そう感じたのは作品内容だけでなく、あんな人やそんな人も!?な多彩な出演陣がそれぞれに犬と串所属の如く馴染んだ「奇蹟の座組」(「新・犬と串」?(笑))による部分もあろう。

なお終盤で、舞い散る赤い紙吹雪がストロボライトによって静止するというのは理屈ではワカっていても、実際に目にするととっても不思議というか魔法でそこだけ時間が止まったというか、独特の感動があった。

大脱走~きゃっちゃ、いんざ、らい~

大脱走~きゃっちゃ、いんざ、らい~

雨の一座

スタジオ空洞(東京都)

2018/10/19 (金) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/10/19 (水) 15:00

価格2,700円

「逃げたい人」や「今まさに逃げている人」を中心とした複数のエピソードが併走し、彼らそれぞれの行く末は果たして?な90分。
出だし(と途中時々)はコミカルながら次第にジワジワほろ苦さが広がるさまはさながら「糖衣錠の漢方薬」?(笑)
一部のコミュ障な人物は戯画化あるいは誇張されているようでもあるが、実際にいそうでもあり、けっこうリアルな感じ。
また、そんなところでそういう理屈をこねますか?な人物も実際にいそうでオカしい(ダブルミーニング)。
そういえばたすいちの「プラスチック・ピノキオ」も「逃げる」ことをむしろ肯定的に描いており、これまたシンクロニシティ?

ネタバレBOX

人を轢いてしまったようだが振り返って目視するまでは轢いているが轢いていない、と主張する「シュレディンガーな交通事故」や、異様なほどにルールが細かくリアルな創作ゲーム「シムアース」(だったっけ?)をゲームでなく政治だと言う登校拒否の女子高生(おや、これもシンクロニシティ?)など、ホント、オカしい。(笑)
「メグ The Monster」/「あっちの部屋では」

「メグ The Monster」/「あっちの部屋では」

アナログスイッチ

旧平櫛田中邸アトリエ(東京都)

2018/10/16 (火) ~ 2018/10/25 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/18 (木) 19:00

【あっちの部屋では】
亡くなった祖母宛てに届いた手紙をキッカケに祖母が住んでいた家に遺された8つの〇を探す主人公たち……。過去を探るミステリー的なことに漠然とロベール・トマを想起(「8」というキーワードによるものか?)、また、古い家を舞台にした物語ということで宮部みゆきなども思い出す。

しかし何より面白いのはアトリエで始まり、物語の展開に従い二階、一階と2回の移動を伴う上演形態。
短編集で1編ごとに上演する部屋を移動するのは2014年2月のコマイぬ「明日は天気/わたしのお父さん」などいくつか経験があるが、1編の中で移動というのは浮間べースプロジェクト「りんごりらっぱんつ」(2014年11月)以来2度目(だと思う)。
そして、旧平櫛田中邸という会場を巧みに(最大限に?)活かした演出だろう。

巧みと言えば……(内容に触れるのでネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

祖母に宛てられたが隠された8通の手紙から「過去パート」に入るという構成ながら、手紙の読み手が変わったり、ごく短いもので過去パートなしに読むだけで終わるものあり、そして終盤ではいきなり過去になったり、現在の読み手から過去にそれを書いた人物にリレーしていったりとバリエーションによってワンパターンになることを避けるのも上手いんだな。

あと、客演の國吉咲貴さんの「いかにも昭和の朴訥な女子画学生」かつ「自分の想いのためには多少ズルいことでもする」役どころが印象的。

なお、アトリエ25分+二階20分+一階30分にカーテンコール&後説5分といったところか?
THE SHOW MUST GO ON !!

THE SHOW MUST GO ON !!

劇団天動虫

ワーサルシアター(東京都)

2018/07/11 (水) ~ 2018/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/07/13 (金) 14:00

2013年3月、アトリエ第七秘密基地での初演がこの団体との出会いになったという思い入れのある作品、冒頭シーンから「あ~そうだった♪」と懐かしく思い出しながら観た。
今回の180度回転させるとまた別の顔を見せる装置も良かったが、初演は布を使ったユニークなもので、それもまたいつか観てみたいな、などとも。
ところで途中の会話に出てきた「沖縄のおみくじは凶ばかり」の落ちの部分(「きち」は要らない)で笑いが起きなかったのはシニカルな言葉遊びに皆さん気付かなかったからか?

二代目なっちゃんの愛人。

二代目なっちゃんの愛人。

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2018/08/21 (火) ~ 2018/08/30 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/08/21 (火) 20:00

価格2,800円

さすがにほとぼりも冷めたので なかないで、毒きのこちゃん が秋に行った「犯行」について記録を残す。ただし作品の性質上、ハナシを盛ったり虚偽を記したりするオソレは拭い去れない。(爆)

ある意味で開演前から芝居は始まっているという用意周到な「劇場型犯罪」。この団体をよく知っていると「読み易い」かも。が、あれだけヒントがあるのにσ(^-^)も途中まで半信半疑だったし、「事件」は起こらなかったのだろうか?

(念のため詳細はネタバレBOXへ)

なかないで、毒きのこちゃんの芝居は何が起こっても不思議はないと言うか、何かが起こってもしばらくは静観した方が良いかも。(笑)

ネタバレBOX

まずは観劇前夜、団体から「出演を予定していた芝生みどりは体調不良のため降板、代役は作・演出の鳥皮ささみが務める」というメールが来て、ままあることと納得して劇場に赴いた。
劇場前にもその旨の掲示があり、それも当然のことと納得したが、「作品の性質上、公演終了まで内容をSNSなどに漏らさない」旨の誓約書が受付で配られ、終演後に記名・提出すれば「特別許可証」を渡す、というところで何かひっかかる。
「協力感謝の印」的なものならワカるが「許可証」って何?(笑)

続いてのひっかかりは当日パンフレット。記載されている「人物相関図」から推察するに芝生みどりの役を鳥皮ささみ(でもあるところの出演者)が演ずるのは無理、あるいは難しい。

そうこうしていると、出演予定の役者が客のフリをして喪服で客席に座り、これはままある演出ではあるが、怪しさ(笑)は深まる。

そんな疑いが決定的となったのは開演直前の「鳥皮ささみ」による前説。
メールなどで知らせた通り芝生みどりの降板を鳥皮ささみが代演するつもりであったが80分のうち30分しかできなかったのでアフタートークを行うという……。

もしもこれが本当ならば受付時にその旨を告げ、場合によっては「公開ゲネ扱い」にしてカンパ制にするのが一般的では? それを正規の料金を取った上に開演直前に告げるのは不自然……どころか非常識の極み(笑)

ということで、ここで「容疑」は濃厚に。それでもまだ「どこまでホントでどこまでウソ?」という疑問は残ったが、始まった「本編」が従来とは全く異なるタイプなのでほぼ「クロ」と認定。
さらに30分の本編が終わった後に「隣の駅前劇場が上演中ですのでお静かに」と言うが、σ(^-^) が観た初日はまだ駅前劇場は公演がなかったのでようやく「やっぱり全部芝居か、謀ったな!」と。(笑)

その後の「作られたアフタートーク」もブッ跳んだ展開(観客まで巻き込むし!(笑))ではあったが、それが普通に感じられてしまうほどだったので前半のインパクトの強烈さは推して知るべし。

しかし終演後にもシカケがあり、受付時に配られた「誓約書」は提出不要だが「特別許可証」は配布され、それにはあることないこと、酷評など何でもアップして良いとあり、ウソの例(芝生さんの復帰おめでとう、鳥皮さんの代演はさすが、など)まで記されており、最終的に観客まで「共犯者」にしてしまうという、画期的なアイデア。

ホントやったモン勝ちの秘策・奇策、(演劇界全体でも)1回しか使えない(=2度目はおそらくバレる)だろうが、もしかするとシレッとしてまた使うかもと疑ってしまうのがこの団体のオカしさ。(笑)
いや、さらにパワーアップしたワザかも。(期待)

公演情報(の出演者)公表の時からすでに芝居は始まっており、架空の新人女優のツイッターアカウントを作ってツイート/リツイートをして実在感を強め、観客は観終わってもガセネタも含んだ感想ツイートを読んだり自らアップしたりすることで継続し……という「本来の公演期間」の前後も含めた超長尺ものと言えよう。

また、映画化不可能。いや、ほぼそのまま映画にすることはできるだろうが、それではキモの1つは抜け落ちてしまうワケで「演劇でしか表現できない」作品であろう。

で、2013年5月の「ハロー!新宿ちゃん」1編目の「すーぱーうーまんちゃんさん」の発想を大幅グレードアップし、2017年7月(2018年10月再演)の「おれたちにあすはないっすネ」を“座席にいて観ることができる”スタイルに変形させたものとも言えるのではないか。

ちなみに第一報時点のタイトルは「ニューシアターパラダイス」。ある意味まんまじゃん!(決定タイトルは劇中劇(?)である前半部分を指す)

なお、本作のガセ(あるいはネタ)「降板・代役」メールの直前に予約している他公演の真実の「降板・代役」メールが来ていたので騙され易さがアップしたワケだが、逆に今後そういうメールが来る度に「本当か?」と疑ってしまいそうで、そこんとこ、どうしてくれるんだ鳥皮ささみさん!(笑)
プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/06 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/06 (土) 19:00

【モンストロ・メモリ】
日常系の「プラスチック・ピノキオ」に対してこちらはSF(「少し不思議」ではなく本来の)系。これもいかにも目崎作品。
作品構造としては「プラスチック・ピノキオ」はスキゾ型で「モンストロ・メモリ」はスキゾ型と言えるかも?(ワカるヤツだけワカればイイ)
観ていて映画化もされた短編SF小説の題名を思い出したのはσ(^-^)だけではあるまい。なんせキーワードが2つ入っているし。(笑)

ネタバレBOX

「不思議な夢」を導入部として記憶に関して展開するのは映画「トータル・リコール」(原作:フィリップ・K・ディック「追憶売ります」)などSFの定番だし、さらに「アンドロイドと感情」も大定番と、どちらも大好きな身としてタマらん!(先日のqui-co.「ラット11」は後者系だし、今年の春頃には記憶(の保存・移植や操作・改変)に関する芝居・映画が複数あったのはシンクロニシティ?)
そこにまた喪った人への気持ちなども絡めるのはある意味日本的?ってか、たすいちの持ち味か。
そして「人の死」を絡めることで「アンドロイドにとっての死」についても想いを馳せる(←科学と哲学の混合?)よう仕向けるのは巧い。

なお、思い出したSF短編のタイトルはもちろん「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」(フィリップ・K・ディック)。
プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/06 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/06 (土) 14:00

【プラスチック・ピノキオ】
あるアパートに入居している人々はそれぞれワケありの過去を持っているようで……な物語。
複数の入居者の現在と過去が錯綜し、80分余の尺にしてはあれこれ詰め込んでちょっととっ散らかった感はあるも「逃げることの是非」や「帰る場所」などを描いて登場人物(と彼らに感情移入した観客)を優しく包み込む感覚はいかにもたすいち。
また、中盤の台詞からタイトルの意味が明らかになる時に、同時に「装置のデザインが意図するもの」にも気付くのがイイやね。

セイラム

セイラム

sortie

新宿眼科画廊(東京都)

2018/10/12 (金) ~ 2018/10/16 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/15 (月) 15:00

価格2,000円

同じ団体の複数の作品で語られるのみにとどまらず複数の団体が語ることで構築されてゆく「田瓶市サーガ」、また1ページ明かされる過去の記録。
おそらくはあて書きであろう人物を演者が「的確」以上に演じる相乗効果によってキャラ合戦の様相。(笑)
そうして語られるのは「怪奇物」(当日パンフレットなどでの「自称」)というよりは「奇譚」のオモムキだが、時の経過の表現で壁掛け時計の針を回す動作が次第に何かの儀式のように思えてくるのがいかにも田瓶市サーガ。
いやしかし、新宿眼科画廊・スペース地下ってば、2公演連続で「ドラマは会議室で起こってるんだ」とは……。
終盤に出てくる劇中作の形容がそのまま本作にも当てはまるクラインの壺的なツクリも好み♪

ネタバレBOX

劇中で清田洞爺の作品に対して「メタでフィクショナル」と形容されるが、本作もまさにメタでフィクショナル。
ある意味「え、ここで終わり?」な部分で作中人物が「これでこの話は終わります」と告げるのもメタでフィクショナルと言えよう。
こういうの、好きなんだなぁ。
パパは死刑囚

パパは死刑囚

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/12 (金) 19:00

座席I列13番

価格3,000円

新婦の父に知らせたくない事実を抱えたまま結婚式当日を迎えた新郎……という、レイ・クーニーなどに代表されるファルスの定番的状況に、被害者遺族の心境、加害者家族への風当たり、死刑執行のあり方など重ためなテーマを組み合わせたアンビバレントな作品。

随所に笑える場面もありつつ(それに加えてプロポーズの場面と終盤のある部分ではホロリともした)、殺人事件や死刑制度などについて考えさせろという、まるで綱渡りのように微妙なバランスを保ち続ける繊細さも持ち合わせていたと言えよう。

しかしできれば「余興」の完成形が観たかったなぁ(笑)

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

楽園王

サブテレニアン(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/10 (水)

価格2,800円

好きな団体が好きな作品を演劇化するという盆と正月が一緒に来たと言おうか鴨が葱を背負って来たと言おうか、オレ得な企画。
「賢治complex」的に賢治本人の逸話や他作品も絡めた上にイマの現実とのツナギとなる人物(前説から経験談に話が変わって作品世界にいざなう導入部はOi-SCALE風?(笑))を配しながらも銀河鉄道の夜、ひいては宮沢賢治の世界観が保たれているのがステキ。
また、「雨ニモマケズ」=○○○○説や鳥獲りの「鳥」の表現も愉快だし、座面の下に明かりを付けた椅子が「夜っぽさ」を表現して巧み。

ネタバレBOX

「雨ニモマケズ」時限爆弾説:手帳に遺した「雨ニモマケズ」が死後に見つかり、それをきっかけに生前評価されなかった作品群が脚光を浴びることを目論んだ、のではないか?とする説
秋の超収穫祭

秋の超収穫祭

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/01 (月) ~ 2018/10/02 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/02 (火) 15:00

価格2,500円

特に印象に残ったのは目崎剛脚本「いまこそわかれめ」。
知的コントか?(笑)な前半から変容する後半が鮮やか。

学生服やセーラー服ってそれを着用している役者を(その実年齢に関わらず)「演劇的記号として」十代に見せる魔法のアイテムだな、などとも考えた。

ネタバレBOX

序盤でマスターがコーヒーとオレンジジュースを並べて男性側に置くのがヒントと言うか伏線と言うか。
その喫茶店のマスターが「日曜日よりの使者」とある意味でリンクしているキャスティングも伏線と言えなくもない。
盛岡版ではこの2作の上演順が逆だったようだが、

で、「コーヒーが冷めないうちに」との共通性も感じる。
幻書奇譚

幻書奇譚

ロデオ★座★ヘヴン

新宿眼科画廊(東京都)

2018/09/28 (金) ~ 2018/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/29 (土) 13:00

価格2,500円

初演は見逃し今回初見だが、随所に柳井さんらしさがあり「あーこれこれ♪」みたいな。(笑)

ネタバレBOX

で、「真面目が世界を滅ぼす」なんてフレーズに「映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~」を思い出したりもして。(ちょと違うが)
また、憲法第9条にも触れるあたり、再演の意義も感ずる。

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