じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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SHIP

SHIP

浮世企画

APOCシアター(東京都)

2018/12/04 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/05 (水) 14:30

価格3,500円

浮世企画としては珍しい女性4人だけの1場会話劇。
アラサー女子会的に穏やかに始まりながら、やがてそれぞれの事情・過去などから次第にシリアスに転じて「あ、やっぱり浮世企画!」(笑)
その転ずるさまやふとしたこと(例えば降り出した雨と洗濯物)をキッカケにした回想シーンへの移り方、演者の本役以外への切替えなどそれぞれモーフィングのように滑らかなのが印象的。

5日のアフターイベントは男優2人がゲストゆえ本編中の一部を男性役を男優が演ずるリアルタイプにしたものや男女反転で演ずるもので、「あの場面」の反転が本来よりトゲトゲしく感じたりも。(我が身のことと受け取り易かったからか?(笑))

瞑目のパノラマ

瞑目のパノラマ

ヒノカサの虜

王子小劇場(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/01 (土) 14:00

価格3,800円

装着すれば感情が半減されそのエネルギーを活用できる装置や記憶を媒体に保持してクローンに移植することで実質的に不死となる技術が開発された未来のダークな寓話。
大きな戦争が終結したとは言えまだその影は色濃く、クローンでの「不死」というのも謂わばショートタームでの輪廻地獄、殺し合う無為さや命の儚さを謳い、技術の発達とその危険性(?)にも触れた濃密な2時間半、ズシリと来た。

また、組み上げた構造物と舞台手前の間に適度に穴を空けて奥がチラリと見える引き戸を並べ、その開け閉めの組み合わせで多彩に見せる装置も「あー、以前はこういうの、時々あったけれど最近はあまりないな」なレトロ感もあって良かった。

ネタバレBOX

比較的最近観た芝居とよく似た部分(金属製の棒状のもので人を殴打することを繰り返している)があってデジャヴュ!?みたいな。(笑)
しかも小西耕一さんはその両方にご出演ってね。(驚)
遺産

遺産

劇団チョコレートケーキ

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2018/11/07 (水) ~ 2018/11/15 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/11 (日) 14:00

座席D列19番

前作「ドキュメンタリー」同様に、関係者の述懐により明かされる医療絡みの事件の真相……であるが、前回と較べて時代的にも隔たっており、創作部分の比率が高いかも?

そして、個人的には731部隊が行った「直接的な」行為よりも、自社の利益を優先させて事実を隠蔽するという「間接的な」行為の方がえげつなく感じてしまうのは時の隔たりも加味されるからか?
その意味で「ドキュメンタリー」「遺言」の両作品を観ることができたのは良かった。

本作について言えば、医学者が「解剖しても人種に違いはなく、「優秀な民族」というのは方便」と言うのに説得力があると言うか、今までにはなかった観点からの発言であることにハッとする。

そして、「戦争とはそういうもの(なのでもう起こしてはならない)」という主張も感じた。(それは「あの記憶の記録」にも通ずるものであろう)

ところで床に置いてある「ガラス製のアレ」を「ビーカー」だの「フラスコ」だのとしているものが散見されるが、あれは「試薬びん」ではないだろうか?

虹の都、銀の靴

虹の都、銀の靴

劇団やぶさか

黄金町 高架下スタジオ Site-D 集会場(神奈川県)

2018/11/30 (金) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/30 (金) 18:30

価格2,800円

オズの魔法使いをベースにしたファンタジー。まずはお馴染みのアイテムに始まり、原典ゆかりの人物が登場して、まさかあの人があの人物だったの!?な展開はさすが(と言うかお手のもの?)。装置も気合いが入っているし。
そう言えばこの会場を入口側を客席、奥を舞台に、という使い方、(3回目の使用にして)初めてでは?

そう言えば「本歌取り」のパターンって、
 1)世界観やアイテム(だけ)を使ったもの
 2)原典を「もしもあそこでこうしていたら」的に改変する平行世界
 3)原典の人物のその後を描いた後日譚
などに分類できるのではないか?などとも考えた。

センチメンタル・ジャーニーズ

センチメンタル・ジャーニーズ

guizillen

サンモールスタジオ(東京都)

2018/11/22 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/29 (木) 14:00

価格2,800円

【Aチーム(オリジン版)】
前夜にドカ盛り(比喩)のBを完食した身にとってはメガ盛り的な?(笑)
成立過程から言ってAが「基本」でBが「応用編」であるが、内容的にも「娯楽に特化したB」に対して育児放棄や親の役割に男女の区分はないなど「メッセージ性のあるA」と言えよう。
とはいえ、ツイッターなどで「全く異なる」の声が多いことから予測したほど大きく違ってはいず、喩えて言えば「二卵性双生児」といったところか。
そして、おカマちゃんたちが保護し擁護する対象が異なることによる「翻案」具合を「そこはそう変えたのね」「あれはまんまか」と比較しながら観るのは「七人の侍」と「荒野の7人」的な。

しかしこれ、A→Bの順で見たら印象は違ったのだろうか?
で、いつかCバージョンなどあるのか?(笑)

センチメンタル・ジャーニーズ

センチメンタル・ジャーニーズ

guizillen

サンモールスタジオ(東京都)

2018/11/22 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/28 (水) 19:00

価格2,800円

【Bチーム(アドバンス版)】
雨の夜にふとしたことからおカマちゃんが保護した女子高生は妊娠しており……から始まる物語。
プロローグでちょっとホロリとさせられ(時を隔てての再会という状況に弱いのじゃ)続く冒頭場面でのおカマちゃん達の優しさに泣かされ、このままいったらどうなるのか?と不安を抱いた(?)がそれは杞憂に終わり、以降は攻略型バトルアクションゲームっぽい「いかにもguizillen(偏見込み)」な展開。(爆)

端的に印象を語れば、ご飯何kgにルー何kg、海老フライ何本にトンカツ何枚、さらに焼肉何g、から揚げ何個をトッピングした「ドカ盛りカレー」みたいな。(更爆)
がしかしそれはGャルS根級じゃないと食べきれないなどという否定的な意味ではなく、あれもこれもトッピングしていろんな味や食感を楽しんでもらいたいという「店主のサービス精神/心意気」が滲み出ているという良い意味の比喩。

なお、1階入口(と地下への階段の下り口)のスタッフさんが「こちらはサンモールスタジオ、guizillen「センチメンタル・ジャーニーズ」です。○○○(無関係なので伏せる)は、この先シアターサンモールです」と繰返しアナウンスしていたのもファインプレー。(喝采)

さよならはここにいる

さよならはここにいる

こゆび侍

王子小劇場(東京都)

2018/11/07 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/07 (水) 19:30

座席D列6番

価格3,500円

書道家の母の跡を継ぎ書道教室を開いている女性のあの時、その時、そして今……。ファンタジックでロマンティックでリリカルで、ちょっと切なくちょっとコミカル、という こゆび侍 の王道にしてさらに熟成された感じ。

住み慣れた町がなくなる、人が亡くなったり遠くに行ってしまったりする、「いつまでも変わらず続くものなんてないんだよ」という「もののあはれ」が漂いつつ、全体的に優しい感覚が支配しているから共感するのか?

なお、3つのパートのうち1つは、ある意味で山田太一「異人たちとの夏」とも通ずる「優霊譚」で、こういうのも好きなパターンなσ(^-^)であった。

【勝手にキャッチコピー】
主人公(物語の中心人物)は1人なのに「トリプルヒロイン」とはこれいかに?

六月の斬る

六月の斬る

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/29 (木) 19:00

座席G列5番

価格4,000円

明治初頭、川上音二郎一座は芝居に迫力を持たせるべく「本物の侍」に指導を受けようと元新撰組隊士を招聘する。が、そんな彼らにも日清戦争の影が忍び寄り……な物語。
終盤はこんな世の中になりかねない、こんな世界にしてはいけないという強いメッセージが込められ、しかもそれが芝居に関わることなので切実と言うか身近と言うか具体的なだけに迫ってくる。
なので終演後、西村主宰への言葉が「突き付けてきましたねぇ」だったほど。
そして井上ひさしの「きらめく星座」に通ずるものを感じたと伝えたところ「読み直しました」とのお答えが。つまりはそういう芝居です。

いやしかし、あくまで日清戦争開戦の頃の演劇界事情であり、昨今の世相に警鐘を鳴らしたり「総理たるものかくあるべき」と現職総理を皮肉ったりする意図はなく、単なるσ(^-^) の深読みか?

ネタバレBOX

終盤、一座の若手は徴兵され、一座は士気高揚の芝居を上演することになる。
これ、グワィニャオン史上かつてない直球の表現だよなぁ。
世光ちゃん。ぎらぎら♡

世光ちゃん。ぎらぎら♡

Pityman

北千住BUoY(東京都)

2018/11/13 (火) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/13 (火) 19:00

価格1,500円

地方の街の再開発をめぐる物語(を展開しておきながら、まさかの……)。
会場の浴場跡(だけ)を劇中の廃業した銭湯として使い、その浴場跡部分が客席よりもわずかに高めなので「劇場っぽさ」も漂う。この会場では既に何本か観ているが、こういう使い方は初めてだったので目からウロコ。

そんな物語は終盤で唐突気味な殺人にまで発展し、まさしく「悪夢のような雰囲気」が漂うが(しかもそこの場造り演出も好き)、「暴走」という感は免れず「何かヘンだな?」と思っていたところで……(ネタバレBOXに続く)

ネタバレBOX

そんな物語は終盤で唐突気味な殺人(刑法的には過失殺人かも?)事件にまで発展し、まさしく「悪夢のような雰囲気」が漂うが(しかもその「場造り」演出も好き)、「暴走」という感は免れず「何かヘンだな?」と思っていたところで客の1人(役の演者)が「チラシに掲載されている役者が出ない」とクレームをつけるというメタフィクション展開に。

8月のなかないで、毒きのこちゃん「二代目なっちゃんの愛人。」を観た身としてこれは「事前情報で架空の(=実在せずもちろん実際に出演することもない)役者を出演者に加える」という発想をする劇作家が複数いたことに小劇場シンクロニシティを感ずるとともに初日直前に当該架空役者を「体調不良で降板」とした「二代目……」に対する「返歌」のように感じて頬の弛むことといったら!

しかもメタに転ずる前の「本編部分」でヒロインが実生活と異なった個性でSNSに投稿しており、SNS上のキャラと現実のキャラのどちらが本質か?な問いかけをしてからのその展開な上に、クレームをつけた客(役の演者)がいないならいないでも構わないがその役者の存在(不在だったかも?)を芝居で信じさせてみろ」と詰め寄るのも「現実と仮想現実(?)」の関係性を問うことを強調して鮮やか。

単に本作だけを観たよりも「二代目……」を観た上で本作を観たことで愉しさがグッと増した気がする。
その恋、覚え無し

その恋、覚え無し

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2018/11/27 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/27 (火) 19:00

価格2,800円

前作「翼の卵」がシェイクスピアでもギリシアでもない純和風(?)の悲劇をこってり描いた「大悲劇」なのに対して「小悲劇」という印象なのは、悲劇を乗り越えてそれでも生きて行く前向きな姿勢が感じられるからか?
神目衆のストイックさと浮世絵を想起させるラストカットの美しさも印象強い。

ネタバレBOX

最終場、3日後に旅立つと言いながら村民がいなくなったところでさっと去る潔さ・ストイックさが心に響く。(ちょっとだけ「シェーン」を想起)
そうして迎える得意の大仕掛け、ラストカットの3人の後ろ姿に広重の東海道五十三次など思い出した。
十二階のカムパネルラ

十二階のカムパネルラ

シアターキューブリック

浅草九劇(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/24 (土) 19:00

座席H列12番

価格4,500円

宮沢賢治を描いた映画の撮影中、出演女優の身体が演じる役のモデルである女性に占められ、女優(の精神?)は異空間(?)からその様子を見守ることになってしまい……という好きなパターンの1つである時空交錯系(?)ファンタジー。
さらにオープニングのダンスからキャラ設定、内容、気が付けば装置までかつてワクワクしながら観ていた頃の(←おいコラ表現に気をつけろ(爆))某団体のクリスマスツアー(バレバレだな)を思い起こさせたりもして胸アツ。

また、この秋に観た芝居で「銀河鉄道の夜」モチーフのものは楽園王、はらぺこペンギン!に次いで3本目であったが、次第に原典からの距離が遠くなっていったのがも面白いな、とも。

最悪の場合は

最悪の場合は

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/22 (木) 19:30

価格3,800円

探査機の帰還が迫る中、理事の不正が発覚して……な宇宙開発機構のてんやわんや。
コミカルに始まりながらも世相への皮肉をちりばめながら池井戸潤的なアツさを経てSF!なクライマックスに至るのはトツゲキ倶楽部の真骨頂か。
あと、ラストシーンの「画」もイイ。(一関係長でスピンオフが作れそう(笑))
客入れ・客出しの選曲にもニヤリだが、ラストのあの曲は某団体を思い出してしまう。(笑)

ネタバレBOX

探査機マリナがまだ生きていたという快哉場面はアメリカ映画的?(「アポロ13」の大気圏突入後の通信再開場面とか)と思い、そういえばその前のデブリに自ら衝突するのは日本映画っぽくないか?などと思ったり。
さらに「A.I.による自己犠牲」なんてことまで考えて、そういえばこの秋はA.I.に関する芝居がいくつかあったな、と。トレンドなの?

また、探査機マリナのA.I.とLINEでやりとりできるというのは極めて現代的。そして、これは以前なら「未来的」と感じていたであろうに「現代的」と感じるところに、まさに子供の頃に夢想していた「未来」に生きているということを実感。

客入れのBGMがホルストの「惑星」(順序は太陽系の外側から内側に向かってに並べ替えたとのこと)、客出しはヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」なのは納得だが、本編ラストでエルガーの「威風堂々」を、しかもあの部分から流すとどうしても電動夏子安置システムを思い出してしまう……(笑)
空と東京タワーの隣の隣

空と東京タワーの隣の隣

マコンドープロデュース

下北沢 スターダスト(東京都)

2018/11/17 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/26 (月) 19:30

価格3,500円

【勝手にキャッチコピー】浸透圧のある台詞がちりばめられたランウェイスタイル演劇

ある女性とその父を軸とした家族史……と言うよりもむしろ「父娘史」的な中編。
心にスッと入ってくる、あるいは発した人物の気持ちが伝わってくる、そんな台詞が心地好く、進むにつれてもんちゃん(父)の人物像がくっきりと浮き彫りになってくるのが巧み。
補足すると「ズッシリ響く」とか「心に刺さる」とかではなく、たとえば水のように軽くサラッと呑めてしまう日本酒のようにすんなりと「心の中に入ってくる」台詞があって、その結果、人物の気持ちなども「自然にワカる」感覚。

また、縦長の演技エリアにランウェイのような光を落とす奥側と背後の壁にカンバスのような光をあてる手前側と二灯だけの明かりで、基本的に演者は奥から手前に歩きながら台詞を発し、脇にハケて奥に戻るというスタイルも躍動感(?)があってイイ。

北の忍者、光を夢見る

北の忍者、光を夢見る

ハチビットプラネット

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2018/11/15 (木) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/17 (土) 18:00

価格2,500円

国境近くの軍事基地では一部メンバーが幼馴染の部外者と共にFM番組を流しているほどのほほんとしていたが、ある日、隣国の忍者(!)が潜入し……から始まる傑作娯楽サスベンス。
ゆるく始まりながらも次第に緊張感が高まり、気付いた時にはしっかり引き込まれていて、それでいて程よくユーモラスな部分があって息抜きもできるというバランス配分が絶妙。
「どこかの国によく似た文化を持つ架空の国」の国際政治絡みの問題を「あーそれあるある!」や胸アツな展開を交えて描き、一件落着はするがすべての問題が解決した訳ではなく余韻を残して終わるという物語の流れは旗揚げ公演「朝焼けのパレード」を想起させ、8bitPlanetの真骨頂か。

北の忍者が情報収集のために傍受していたラジオ番組によって音楽を好きになった、という部分に超時空要塞マクロスを連想。また、「同じように映画好きな同士がなぜ戦わなくてはならない?」という反戦・厭戦・嫌戦メッセージも良かった。

いやホント、過去作品も含めて台本を販売して頂きたいものです。

神社エール!

神社エール!

劇団ズッキュン娘

吉祥寺シアター(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/19 (月)公演終了

満足度★★★★

友達もなく厭世感に囚われていた主人公はたまたま近隣の神社の「レインボー5大神」に願いを「聞いて」もらえることになり「幸せになりたい」と願うが……な物語。
といっても容易く願いを「叶えて」もらえる夢物語なワケはなく、謂わば藤吉みわ流の幸福論。(あるいはズッキュン的「青い鳥」?)

そして神社(ひいては神様)への「願い事」は本来どうあるべきか、的なことまで語るのがイイ。
「初詣は神様にお願いしに行くのではなく神様に決意表明するもの」というのを今年(初めて)知ったので、なおさら頷けたりも。

また、劇中でもギャラリーから垂れ幕を下ろす演出があるが、前説でも使ったのが巧み。

アリス式海岸不思議岬邂逅

アリス式海岸不思議岬邂逅

ウテン結構

d-倉庫(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/16 (金) 19:35

価格3,500円

【勝手にキャッチコピー】盲目の少女が見る明晰夢の行き着く先は……?

気がつくと目も見える別世界にいた盲目の少女、はたしてそこは夢の世界?それとも……な物語。
「胡蝶之夢」系が好きな身には「キターーッ」(笑) 的ではあるが、理屈っぽい部分が多い作品で2時間超えとなるとちょっとしんどい。
(愉しんだ部分はネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

一方、アリスという登場人物が「まさしくアリス(謎)」だが役どころがむしろ時計ウサギ的なところや後半で出てくる劇中時間の示し方(台本のページ数)、回想場面の表現(そのページを演ずるのではなく説明するように読み上げる)などは愉快。

また、芝居や映画で同時に出ていて会話もする複数の登場人物が実は多重人格のそれぞれであり次第に減って(減らされて)ゆく、というのはありがちだが、暗転後に似た衣装の人物のエピソードが展開され(を繰り返し)、それがそれぞれの人格、というのは新鮮だった。
そこまで言わんでモリエール

そこまで言わんでモリエール

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/22 (木) 14:00

価格3,300円

珍しくも政治・思想系のネタがなく、実在の人物やモリエールの芝居の中の台詞の引用で描いたらあの当時の演劇事情……と思わせての当世小劇場事情。最近特に目立つ公演中止や降板、さらには退団などを斬り捨て御免、的な?
で、今後「そういう事」があったらあれこれ裏事情を妄想してしまいそう……どうしてくれるんだっ!(爆)
さらにアフタートークと合わせてあの頃から、そしてあっちの業界(?)にも「そういう人」はいるんですねぇ、とか。

ネタバレBOX

それにしても「あのパーセンテージ」まで出すとは大胆な!(笑)
伝三郎の桃

伝三郎の桃

劇団SUBUTA!

ART THEATER 上野小劇場(東京都)

2018/11/10 (土) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/10 (土) 14:00

価格2,000円

桃造りに生涯を捧げた男を軸とする伝記的物語。
題材が題材だけに従来作品と較べて娯楽性が少なめではあるが丁寧なツクリに好感を持てた。
また、終盤で歌を丸々1曲バックに流す間に劇中で経過した年月の出来事をダイジェスト風にマイムで演じ、歌が終わって時を経た最終場になるというのも巧み。

『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/27 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/20 (火) 18:00

【再生】
登場人物/演者が4人の「眼球綺譚」に対して2人のこちらは「声による連弾」といったところか。
その内容はまさしくタイトル通りで伊藤潤二の某作品を連想。
凄絶なラストを迎えるが、それは滑稽でもあり落語にも仕立てることができるのでは?とか「のび太のパターンじゃん!(笑)」とか思ってしまった。
また、オチが途中で想像した中の1つで「やはりそこか」とも。

ネタバレBOX

再生ということで胴体と頭を切り分けるとそれぞれ再生して二体になるプラナリアを思い出していたのでオチは「あ、それね」と。
また、切断した頭部を庭に埋める部分ではそこから樹が生えて沢山の頭が実る……という図も。(爆)
さらに、頭が再生されず胴が腐乱して行くところでは、ひみつ道具の便利さを過信して失敗する野比のび太を連想。(笑)

連想した伊藤潤二作品は「富江」。清水崇監督の「富江 re-birth」がやはりホラーながら滑稽味をおびており、頭部に小さな手足がついて歩く場面があったようななかったような?(曖昧な記憶)

落語の場合は途中まででサゲは「大丈夫、そこを切り落とせばまた生えてきまさぁ」だね。
『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/27 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/20 (火) 14:30

【眼球綺譚-朔-】
大なり小なりの身振りを伴う(←個人的定義)「リーディング」ではなく純然たる「朗読劇」であるが、1つの文章を複数で読み継いだり複数の文章をクロスさせたりと変化をつけて「聞かせる」のは「声による弦楽四重奏」の如し。
そんなスタイルで語られる内容は確かに「綺譚」だがモダンホラー的な味わいも。そして先端恐怖症なら恐怖のズンドコ?
根底に「ドグラ・マグラ」に通ずるものを感じたり(私見)、層を成す構造に劇団SEIN「孤哀子」を思い出したりもして、好きなヤツだった。

ネタバレBOX

度々出てくる「視線を感じた」という部分、「眼球の霊」を想像してしまった。(笑)

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