
聖月夜ノ演奏会
箱庭コラァル
グッドモーニングララ(東京都)
2010/12/26 (日) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
1日遅れのクリスマスプレゼント
前半は「星の王子さま」をぐっと圧縮したものにクリスマスにちなんだキャロルの演奏を絡めた55分。ウワバミの絵から始まりヘビとのアレまで、めぐる星を減らすなどうまく端折って、それでもスジを通すのが上手いやね。また、観ながら10月に観た Project Nyx 版を思い出したりもして。
休憩を挟んだ後半(50分)は11月の赤月夜ノ演奏会と同様のスタイルながら、バルトークやラフマニノフ(意外とポップなのが好み)が加わり、それぞれ特徴が出ていて面白い。
2月の赤月夜ノ音楽会の選曲も楽しみだにゃん♪

パレード
激団リジョロ
シアターシャイン(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/27 (月)公演終了
満足度★★★
「終わり良ければすべて良し」的な?
東京旗揚げであった第4回公演作品を、15周年を記念してここまでの軌跡も加味して改訂したとのことで、近年の硬派なタッチとは異なるファンタジックなオモムキ。
前半はアニーとプチがどうやって生計と立てているか全く見えない…どころか想像すらできず、説得力に欠けるというのが大きな欠点ながら、メインとなる2女優の演技が良くてトントン、な感じ?
が、冒頭の伏線を受けてアニー自身も気付かなかった真実が天使(!)によって明かされてからは、事態の進展を「うまく行けば良いが…」とハラハラしつつ見守る気持ちによって引き込まれる。
そうして迎えるラスト、まだ幼いプチに、別れの理由を海外に行くことにしようとする周囲を押し切って真相を伝えるアニー…。
う~ん、「泣かせ逃げ」じゃないか、それはズルいぞ。しかも大いに泣かせた後にこっそり涙をぬぐうための暗転すら配さないとは何たる配慮の無さ!
そんな終わらせ方、絶対に認めないからなっっ!!!(笑)
とはいえ、天使と共に去る前に壁があるハズのところを天使とともにアニーが通り抜けることによって「そっちの世界」に行ってしまったことをさり気なく表現する演出や、そのアニーに対して歌うジュリー(最初に登場した時は痩せたディヴァインかと思った(爆))の歌をバックに登場人物たちが一礼をしてハケるラストなども良く「終わり良ければすべて良し」的な?

可愛い怪物
劇26.25団
駅前劇場(東京都)
2010/12/24 (金) ~ 2010/12/29 (水)公演終了
満足度★★★★
25団的『BTF』?
ふとしたことからタイムスリップし、中学生時代の自分と対面する主人公を描いた25団的『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。
母・茜が再婚するキッカケとなるエピソードと、1年少々後の08年の正月のエピソードを連作2編、といった体で見せる構造、基本的にはコミカルでそれぞれ面白い上に、ラストが絶品。
また、暗い部屋でテレビを観ているシーンや、深夜に冷蔵庫を開けた時などの照明効果も◎。

蛇ヲ産ム
日本のラジオ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
カジュアルなギリシア悲劇
現代口語でカジュアルなギリシア悲劇、オレステイアが、愛人と共謀して父を殺した母・クリュタイメストラに復讐するまでをこんなにもわかりやすく(事前情報により Wikipedia で直前予習をしたのも役立ったが)約70分にまとめるとはお見事。
また、復讐の女神・エリニュスをストーリーテラーとして、出番の少ないヘレネ、イピゲネイア、カッサンドラ役をも兼ねさせたアイデアもイイし、クリュタイメストラ以外は皆現代のラフな恰好にした衣裳も◎。

ku-gu-tu/カイライ
進戯団 夢命クラシックス
新宿シアターモリエール(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
『KU-GU-TU』
『カイライ』の前日譚と言おうか「エピソード1」であり、開発されたくくりをめぐる陰謀…な物語。
それゆえ「くくり」とはどういうもので誰がどんな目的で開発したかなどもしっかり語られる分、アクションよりもドラマの比率が高い、的な。
その色合いの違いを喩えて言うならば、劇中(どちらも)台詞の中に出て来る『ターミネーター』よりも『エイリアン』に近い感じ?(110分と135分という時間もそうか?)
その味わいの違いもあってどちらも面白かった、やはり観る順はこの逆の方が良かったか。コマの関係でこの日しかなかったのがちょっと残念。

ku-gu-tu/カイライ
進戯団 夢命クラシックス
新宿シアターモリエール(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
『カイライ』
設定上は現代ながら、自らの判断で独立して動く自動人形「くくり」が登場するのが近未来的な一方、「くくり師」が糸操りのように「くくり」を操ると真の力を発揮できる(逆にくくり師が未熟だと真価が発揮できない)というあたりはレトロなニオイがするし、舞台が上海なこともあって全体がカオス、な独特の雰囲気がイイ感じ。
そんな中で動き回る登場人物たちも善・悪・脇それぞれに個性豊かに描き分けられていて魅力的だし、アクションもたっぷりの娯楽作。
ただ、135分はちょっと長いかな。

Wonderful World
賞味期限
劇場HOPE(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
2連勝
ごくオーソドックスな勘違いや嘘が累積されて行くタイプのコメディながら、各要素の組み合わせ方が巧みでテンポも良く、90分がまたたく間。
特に終盤でいろいろなトラブルが次々とうまく片付いて行き、パクリ疑惑のあるあのマスコットネタを使ったオチは絶品。
ここを観るのはまだ2度目ながらともにウェルメイド系で2連勝。

EVE~歴史の傍観者~2012
amipro
ザ・ポケット(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
小気味良いアクション
前半は若干(or more)無茶があるものの、クライマックスでアイコのグループと彼女たちを支持する男子高のグループ、それにアイコたちをライバル視していた生徒会グループが一丸となって秘密結社にあたるのはアツいし、炸裂するアクションも小気味良い。
06年6月の X-QUEST 版を観ていたものの、かなり記憶が薄れており、しかし観ているうちに当時のキャスト(の一部)を思いだしたりして、それもまた楽しからずや。

女優(おんなやさしい)
ろりえ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤に快感っっ!!!
かなりベタな青春ドラマ系の基本設定に時々踏み外したようなおバカな笑いや毒が入るスタイルで進行(もちろんそのバランスも◎)するも、終盤の「リフォーム」以降、ダムが決壊したように思い切りナンセンスに転ずるのが快感。
それはあたかも往年の東映任侠映画のクライマックスの如し(笑)
また、装置の仕掛けにも少なからず驚く。無茶するなぁ(笑)

晦
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/23 (木)公演終了
満足度★★★★
tsumazuki no ishi テイスト満載
現代人が抱える心の病巣を前面に出していながら、ファンタジー色とユーモアでくるんでソフトタッチにしているのが独特。
また、心の病み方(の一部)に他人事ならざるものを感じる。
それにしても寺十吾の演出、冒頭の薄暗い場面や「コタツ女」の出現シーンを筆頭に tsumazuki no ishi テイスト満載だな。(笑)

GADGET collection vol.2
拘束ピエロ
BULLET'S(東京都)
2010/12/19 (日) ~ 2010/12/23 (木)公演終了
満足度★★★
粗削り(=若者の特権?)な感もあり
オリジナルと原作ものの二話構成。
「人・間」のヴィヴィッドな会話や冒頭の海のS.E.の手法、「青い鳥」の現代的かつシニカルな味わい、それぞれ特徴的だが、ベテランや中堅の芝居を3本ほど観た後につき、粗削り(=若者の特権?)な感もあり。

S.W.A.T! 大忠臣蔵
劇団S.W.A.T!
「劇」小劇場(東京都)
2010/12/10 (金) ~ 2010/12/23 (木)公演終了
満足度★★★★
楽しいったらありゃしない
現代口語訳で注釈も付いた2時間弱の忠臣蔵、今までワカったような気になっていた部分・用語なども改めて教わる。
また、実は演ずる側もよく知らなかったことや少人数で複数の役を演ずること自体を逆手にとったものなど笑いもたっぷりで存分に楽しむ。

YMO ~やっとモテたオヤジ~
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2010/12/18 (土) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
ベテランの味
まさに「ベテランの味」、抜群の安定感がありつつそれでいて決して守りに入っていない脚本をオールスター的な役者陣が演じて完璧に近い。

嫌な世界
ブルドッキングヘッドロック
サンモールスタジオ(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/31 (金)公演終了
満足度★★★★
アンビバレント・コメディ
今から数十年(?) は先の未来でありながらも昭和色満載(「未来の昭和」、な感じ)で、可笑しいが油断していると不意にペーソスが顔を覗かせるという「アンビバレント・コメディ」。
後から「裏テーマ」を耳にして、観ながら胸中を過ぎったものが当たりだったことにニンマリ。

ゴール
劇団電劇
俳優座劇場(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★
惹句の通り役者が馬に見える
トルストイ作品を原作に音楽に深町純を迎え、(かつての)ヒノデロ(役)とユタ(役)が再度共演を果たすという実は豪華なミュージカル。
惹句の通り役者が馬に見える演出・演技、ヴァイオリンと(電子)ピアノによる生演奏、最後に組み上がる大きな馬のフィギュア、知人の出番が多かったことなどで小劇場芝居2本分(!)の料金にも一応納得。
が、悲劇的な結末は微妙…。

赤月夜ノ演奏会 一弦
箱庭コラァル
グッドモーニングララ(東京都)
2010/11/23 (火) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

続・白夜月蝕の少女航海紀
月蝕歌劇団
風紋(東京都)
2010/12/05 (日) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★
レトロ感満載!
正編の10年後を描いた35年ぶりの続編。
全体を支配するレトロ感を堪能したのはもちろん、終盤のどんでん返しの連続に片岡千恵蔵の多羅尾伴内シリーズを、ラストに『明日に向って撃て』を連想してニヤリ。

TIC-TAC 終了いたしました。御観劇くださった方々、出演者、スタッフに心から感謝しています。アリガトウゴザイマシタ。
anarchy film
新宿歌舞伎町特設劇場(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★
心を病んだ人物」の表現が独特で上手い
前々作に次いで2度目になるが、やはり「心を病んだ人物」の表現や大人数のキャストの使い方に独特の上手さがあり、そのアングラ系の味わいも好み。
また、あのおそろしく幅の広いステージに実際は上下左右に繋がっている空間を3つに切り分けて表現した装置もアッパレ。
さらにラストで登場する電車の装置、どうやって出したんだか?

空洞メディアクリエイター
芝居流通センターデス電所
テアトルBONBON(東京都)
2010/12/15 (水) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★
次回に更なる期待
いつもながら不道徳さ満載(笑)だが、個人的な好みから言えば前作に比べてマイルドな気がする分、物足りないような…。
そういえばここの公演、7回目くらいになるが、1勝1敗ペース…ってことは次回に更なる期待か?

8人のサンタクロース
YANKEE STADIUM 20XX
アイピット目白(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/23 (木)公演終了
満足度★★★★
クリスマス公演も3時間級に
短編コントにSTOMPのようなリズムパフォーマンスやもはや得意技となった(?)ジャグリングも添えたバラエティステージ。
あるシーンにさり気なくジャグリングを取り入れていることには感動。
それにしても、前後編に分けた座長の一人芝居もあり、ついにクリスマス公演まで3時間級になるとは…(笑)