ぱんだの集い
張ち切れパンダ
シアターブラッツ(東京都)
2011/12/09 (金) ~ 2011/12/12 (月)公演終了
満足度★★★★
各編の味わいの違いも含めて堪能
3人の脚本家によるオムニバス。
タイプの異なる各編それぞれ出来が良く、その味わいの違いも含めて堪能。
1編目のキャラの立ち方、2編目の現在から回想へのシームレスな移行、3編目のいかにも小学生な事件(?)が特に印象に残る。
ニュートンの青いリンゴ
タマコロ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
三太味
ドタバタ気味な中から崖っぷちアイドル(+α)たちの悲哀(?)が浮かび上がり「他人の不幸は蜜の味」的で愉快。
また、各キャラクターの設定や全体のノリ、冒頭のシーンなどに色濃く池亀三太スタイルが感じられてニヤリ。
次回は誰を作・演出に迎えるのかも楽しみ。
CIRCLE
発電NOTE
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2011/12/10 (土) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
女優が加わると物語が生まれる
擬闘やパントマイム、手話風の動きなどを取り入れた身体表現が美しく、それだけでも雄弁なところに女優が加わると物語が生まれる、な感じ。
鳥取イヴサンローラン
ロ字ック
シアター711(東京都)
2011/11/08 (火) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
後味ふんわり
序盤は濃いキャラ合戦だがやがてこれでもかと言わんばかりに「おんな」を、それもオトコとして(ワカっていても)できれば見たくなかった面を見せつけてオトコの幻想を打ち砕き、さらにヤバいクライマックスへと進むものの、エピローグがふんわりと優しく後味は悪くないというのが上手い。
紗幕に投影されるオープニング映像がσ(^-^)がいたソファー席3列目下手端からだと紗幕を通過して上手の装置もにも投影され、相互の作用によって時々「奥行きのある映像」に見えたのも面白かった。
恋するゆりかもめ【全日程終了!ご来場ありがとうございました。】
劇団東京ペンギン
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/11/02 (水) ~ 2011/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★
ナンセンスな発想に脱帽
近未来犯罪サスペンスを中心に恋愛名言(?)や映画のパロディなどもちりばめて「娯楽の王道」な感じで楽しい。
また、タイトル通りゆりかもめが恋するどころか「あんなもの」まで擬人化するナンセンスな発想に脱帽。
カシオ
ブルーノプロデュース
STスポット(神奈川県)
2011/10/28 (金) ~ 2011/10/31 (月)公演終了
満足度★★★★
極めて音楽寄りなパフォーマンス
ケチャ的な声に始まり、記録媒体・機器を使わない「生サンプリング」から「言葉による交響詩」に発展する極めて音楽寄りなパフォーマンスな印象。
なので極論すれば言葉は聞き取れなくても可(!)なところにいくつか完結する話が「足場」的にあるのも◎。
EXPO
乞局
スタジオイワト(東京都)
2012/05/18 (金) ~ 2012/05/23 (水)公演終了
満足度★★★★
マクロからミクロまで
大阪万博時に物心ついていた身としては冒頭の語りですっかり引き込まれる。
そうして始まる1編目は当時のニュース映像も交え、「あの出来事も同時期だったのか!」と懐かしさMAX。
一方、2編目は沖縄海洋博をめぐる夫婦の会話で、いきなりミクロな話になる落差にニヤリ。
以降はどちらかと言えばミクロ寄りの話で、しかし乞局でこんなに笑えるのが意外かつ愉快で時の経つのを忘れる。
それにしても「奇譚」ということでは1編目が一番奇譚っぽかったかもなぁ。
翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)
バナナ学園純情乙女組
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/05/24 (木) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★
逃げちゃダメだろ
パフォーマンス自体は観客の防水なども考慮したことも含めて毎度ながら楽しくかつ見事。
が、今回は「久々の芝居」を謳っていなかったか?
「闘争」で『飛龍伝』の一部を組み込んだ手法の応用として沙翁作品(+α)を多めに組み込んでいたとはいえ、通常(?)のおはぎライブとほぼ変わりなく、その意味では看板に偽りアリ、楽な方へ逃げたとの謗りは免れ得ないだろう。
よって満足度の星は1つ減ずる。
葡萄酒いろのミストラル
シアターキューブリック
ザ・ポケット(東京都)
2012/05/23 (水) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
賢治の生涯を絡めたオリジナルストーリーを軸に据えたところが独特
賢治の作品のうちの1編を軸に他作品をちりばめたものはいくつか観たが、賢治の生涯を絡めたオリジナルストーリーを軸に据えたところが独特か?
また、各キャラのそのものズバリではないが漠然と想起させる衣裳・メイクもステキ。
花音~canon~
進戯団 夢命クラシックス
SPACE107(東京都)
2012/05/16 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
非戦の難しさをまざまざと
非戦派の主人公という好きなパターンの1つであり、本作の初演(とその次の作品)でファンになった身としては待ちに待った(しかもグレードアップしての)再演、みたいな。
で、将来的にはともかく、少なくとも劇中の終演時点ではビターな味わいなのが非戦の難しさを表現して見事。そのあたりは少し改訂したのかな?
また、キャストの違いがキャラの違いになっていたりもするあたりで再演の面白さも味わう。
「ふたりカオス」(5月)
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/05/16 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
素舞台っっ!!!
5つの二人芝居が併行して進み、その接点はweb上で話題となっている動画、というのが斬新。
また、基本的にはイイ話の中、コメディタッチが1編あることでそれぞれが引き立つのもさすが。
あと、素舞台ゆえに照明が映えること。
ボクシング控室の照明には感服!
チャンス夫妻の確認
コーヒーカップオーケストラ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/05/17 (木) ~ 2012/05/21 (月)公演終了
満足度★★★★
クセモノ!(笑)
犬と串の『宇宙Remix』同様、おバカな笑いがテンコ盛り。
その一方、後半はチャンス夫妻の行動が(劇中)事実なのか虚構なのか観客をケムに巻く構造になっていたりするあたりがクセモノ?
なお、序盤のベッドから人物が登場するシーンに往年の劇団☆新感線を連想。
姫宴~ヒメウタ~
LIVES(ライヴズ)
劇場HOPE(東京都)
2012/05/16 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
コント寄りの短編集
コント寄りの短編5編から成るオムニバス。
女性たちへの応援歌的な2編目とノスタルジックな5編目が特に好み…と思ったらこの2編は再演モノだそうで、道理。
が、1編目もトップバッターとしてツカミはオッケーだし、やはり応援歌的な4編目も悪くない。
どうしても地味
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2012/05/16 (水) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
一見異色、実はど真ん中
冒頭で示される状況設定に「従来とは作風を変えた!?」と思うも全体の構成や登場人物の造形はまさに箱庭円舞曲ど真ん中。
で、従来比でヘンな、あるいは病んだ人物が多い分、全体が歪んだ印象。
その意味で、今まで観てきた作品のバリエーション的なものと捕える。
これは今回初参加の女優陣の個性を活かした結果か?(笑) (いやもちろんそれだけではないのだろうけれども)
イヨネスコ「授業」
長堀博物館◎プロデュース
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2012/05/11 (金) ~ 2012/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★
続くこちらは「応用編」?
奇しくも風蝕異人街と手の加え方が近いが、前半と後半を入れ替えたのが大きな特色。
これによって教授の授業が延々と繰り返されている感が強調されて不気味さ倍増。
「基礎編」の後に「応用編」な上演順が功を奏した感じ。
また、不条理に思われる授業の内容も、何かの隠喩ではないか?とうがってみたり。
あと、風蝕異人街は演技エリアの手前と奥で、長堀博物館は上手と下手で、前後の生徒を見せていたのも面白かった。
「授業」
劇団 風蝕異人街
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2012/05/11 (金) ~ 2012/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★
まずは「基礎編」的な?
念願の(?)「授業」初体験。
若干のアレンジ(第2幕はカットするとか生徒が2人だとか)は加わっているそうだが基本的には忠実のようで、教授の偏執的な授業に「なるほどこれが…」とニンマリ。
また、終盤の、かつて授業で訳した部分にさしかかった時は「キタコレ!」(笑)
軍鶏307・改訂版
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/05/11 (金) ~ 2012/05/28 (月)公演終了
満足度★★★★
Aバージョン
めんどりさんの究極の母性と三度の「行かんでええ」に泣かされる。
「行かんでええ」は最初のが呼び水で2度目で大泣き、最後のがトドメ、的な。
先日観たオフィス・パラノイアの『罅割れた盾』とはテーマがカブりながらも描き方が全く異なるのも妙味。
ウェディング葬送曲
劇屋いっぷく堂
テアトルBONBON(東京都)
2012/05/15 (火) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
2本分に近い内容を1本に凝縮
笑いと涙に社会問題までバランス良く配し、場合によっては2本分にも相当するストーリーを、2家族の出ハケも含めて緻密に組んだ構成が見事。
また、あれこれはり巡らせた伏線とその回収が上手く、圭が隼人を理解して受け入れて行くことの表現もイイ。
一部重たい部分があったり、若干盛り込み過ぎな感があったりするが、そこは片目をつぶって見逃そう。(笑)
首無し乙女は万事快調と笑ふ!
ポップンマッシュルームチキン野郎
サンモールスタジオ(東京都)
2012/05/12 (土) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
「チョコ柿の種」的味わい?
毎度お馴染みのおバカでナンセンスな笑いで戦争の悲劇性や愚かさをコーティングした異色作あるいは意欲作。
そのギャップの大きさは賛否両論かも知れないが、個人的には支持…というか、独特の味わいは他に類を見ず印象的。
また、オープニングシーンの毒のあることと言ったら!(大好き)
しかし殿様ランチやMUの女優にそんなコトまで演らせますか!?(笑) いや、それはまだしも、真っ当な道を歩んでいた若者をこの世界に引きずり込んでしまうとは何と罪作りな!(爆)
ミッション
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2012/05/11 (金) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
紛れもなきイキウメワールド
前作『太陽』はSF的な設定でありつつ幸福論的な内容であったが、本作ではSFあるいは怪異譚の要素は無きに等しく、内容は思想・哲学、考えようによっては宗教にさえ近い?
が、静かな語り口で展開されるドラマはイキウメそのもの、な感じ。
その意味で、前川さんの作風は一貫していてブレないと言えよう。…と言うか、過去のSFテイストやホラー風味が強かった作品も、主題は同じだったことに気付く。
演出も従来と掛け離れることはなく、紛れもなきイキウメワールドを堪能。
120分。