
愛のゆくえ(仮)
アンファンテリブル
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
7/11公開稽古
本番ではない瀧川・赤澤組は初顔合わせということもあってかどちらかと言えばオーソドックス。
がしかし(いや「それゆえに」か?)、序盤で一旦止めるまでで状況はほぼ把握できる
一方、寺十・前川組は応用編と言おうか、あれこれ練り込んだ感じ(笑)。
特に冒頭のある状況は大いに納得。
さらに瀧川・前川ペアでの終盤まで観ることができて、まさに「三昧」状態。
これがまた本番までにどう練り上げられてゆくか、非常に気になる。(策略に見事ハマったらしい(爆))

めいしゃ
sons wo:
ふね シェア客間(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★
まさに白日夢
機械人形と音声出力装置によって演じられるような演出により非現実っぽい雰囲気が増幅されてまるで夢の中のよう…と言うか「新・夢十夜」か!…みたいな?(笑)
いや、マチネだから白昼夢か?
ソワレはまた光の加減が違って印象も違うんだろうな、とも思う。
上演時間約50分。

LIFE OFF
劇団K助
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/07/05 (木) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
逆説的に命の重さを描く?
余命を売買できる施設を巡る物語、逆説的に命の重さを描くだけでなく、「できることなら自分の命を我が子に」という親心的なものを織り込んだり、細かいくすぐりの入れ方も含めてコメディとしてもよく出来ていたりで、「さすが金さん!」と思ったら作・演出とも金さんではなかったという…(汗)
ただ、終わり方が若干物足りないような気がしないでもない。
なお、LIFE OFFの医師や職員を「西洋なら(契約する)悪魔、日本なら(落語の)死神」かなと思ったりも。

『俺たちは(ペ)天使だ!』
劇団Peek-a-Boo
吉祥寺シアター(東京都)
2012/07/13 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
Bキャスト
初演キャストも含む古参メンバーが多かったAキャストに対してこちらは若手や客演が中心で、色合いがかなり異なる。
いわば「オリジナルバージョン」と「リニューアルバージョン」のような印象で、1日で続けて観た甲斐あり。
水出さんがカテコの仕切りで阿部さんが次回予告のナレーションというのは感慨深くさえあったり…。

『俺たちは(ペ)天使だ!』
劇団Peek-a-Boo
吉祥寺シアター(東京都)
2012/07/13 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
Aキャスト
劇団第三反抗期時代の作品(初演は未見)ということでシンプルにしてストレート、ベタと言っても過言ではないものの、武末作品ど真ん中でオールドファンとしては「そうだよねぇ、これだよねぇ」みたいな…。(笑)
具体的に言えば「悪役」であってもどこか憎めない…どころかマヌケですらあり、そこを容認できるか否かで評価が変わるかも?

髪をかきあげる
Moratorium Pants(モラパン)
千本桜ホール(東京都)
2012/07/04 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
次第に関連を深めてゆくピースたち
最初はキーワードが共通する程度の複数の流れが次第に関係性を深めて行く構成が面白い。
また、ほぼ四方囲みの客席だったが、既製作品ということで、ごく一般的な舞台だったら…などと考えながら観て楽しむ。
いやしかし「強度的には大丈夫なのだろうけれども見ていてひやひやするからガラステーブルに役者を上がらせないでくれよぉ」と思っていたら、ト書きによる指定とは…。何たる戯曲!(笑)

葬式クラス2012
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2012/07/01 (日) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
44期ver.→28期ver.
変形同窓会もの系クロニクル?
いやはや、まるで同じ魚を最初はお造りで、次いで西京焼きで食べたように味わいが違う…。
聞けば44期の方が初演(未見)に近いそうで、基礎編と応用編的な関係、この順で観て正解か。
なお、28期・44期というのは劇中における卒業年次。なので両ver.の登場人物には16年の隔たりがあるというシカケ。
ちなみに実測上演時間は44期が75分、28期が80分。

天地に咲く 【全18ステージ無事終演致しました!皆様のご来場まことにありがとうございまいた!】
劇団熱血天使
d-倉庫(東京都)
2012/07/06 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
志ver.
なるほど、3D写真の右眼用と左眼用の如く一方だけでも成立するが両方観ると作品世界が単品より浮き上がって来る、みたいな。
両ver.に共通する場面もあるが、演出が別人なためアングルが違う的なのも画期的?
ただ、こちらの終わり方は微妙に座りが悪いと言うか、完結した感が薄い気がしないでもない。(観た順によるものか?)
そんなところも踏まえて両編合わせた「全長版」を観たくなったり…。

天地に咲く 【全18ステージ無事終演致しました!皆様のご来場まことにありがとうございまいた!】
劇団熱血天使
d-倉庫(東京都)
2012/07/06 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
華ver.
一言で言えば「裏から(あるいは女性目線で)描いた幕末」、それを時代ものではあまり使わない手法(←ネタバレBOX参照)も使って描いた意気やよし、的な。
が、今一つこなれきっていず、部分的にギクシャクした感が無きにしも非ず。

ぎふと
劇団やったるDAY!
劇場MOMO(東京都)
2012/07/13 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
一つの完成型?
タイトル通り「人に何かを贈る」気持ちを描いた複数のエピソードを複数絡ませながら、1つの謎を軸に据えて進める構成が巧みな上に「やったるDAY!」手法の集大成な演出・演技が加わり一つの完成型に達した、的な?
プレゼントを選びに街に出た時の演出も◎。

東京アメリカ
範宙遊泳
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/07/08 (日) ~ 2012/07/15 (日)公演終了
満足度★★★★
初演からさらに進化?
バックステージものというよりメタフィクションの要素が濃厚?
2年前の初演を観て内容はワカっていながらも大いに笑わせられる。
というか、元々よくできた初演に更に磨きがかかった感覚。
客を程よく巻き込む手口(謎)や次第にあれこれの境界が曖昧になって行く終盤も◎。
なお、これからご覧になる方々、できれば開演10分くらい前に入場されることを強く推奨いたします。本編の導入部的なアクトを観ることができます。

短編劇集 vol.2 夏カフェ『夏いろいろ』
劇団桃唄309
RAFT(東京都)
2012/07/05 (木) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
Cプログラム+総括
総じて言えば他団体とのペアであったA・Bにおける桃唄作品は「よそ行き顔」をしていたような(笑)。
対して桃唄2本立て(「相部屋」「夏の庭そうじ」)のCでは尺の縛りさえ超えて「やりたい放題」的な?(爆)
なお、A・Bのカップリングもベスト。

短編劇集 vol.2 夏カフェ『夏いろいろ』
劇団桃唄309
RAFT(東京都)
2012/07/05 (木) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
Bプログラム
子供2人(+α)で(多分初めて)留守番をする夜を描いたKUUM17「ヒゲの訪問者」は児童文学風。愛犬を亡くした少年の想いに対する周囲の反応と、ファンタジーっぽい落としどころが優しい。
後半の桃唄309「海へ」も、ある意味「招かれざる客」系だが、かすかに怪談臭が漂うような…(考え過ぎ?)

短編劇集 vol.2 夏カフェ『夏いろいろ』
劇団桃唄309
RAFT(東京都)
2012/07/05 (木) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
Aプログラム
みきかせworksによる「烏色の夜を行け」は先日リーディングで観たものの通常版(?)で、先日のがデッサンとすれば今回のものは色彩を入れた絵画、的な。
桃唄309の「ずっと待ってる」も基本的には2人芝居で、回想の表現がその場で2人が再現しているとも心をよぎっているともとれて独特。また、会話から2人のあれやこれやが浮き上がって来る感じ。

群青カーニバル
バッカスカッパ
劇場HOPE(東京都)
2012/07/12 (木) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
往年の松竹映画の平成版リメイク的味わいがステキ
古き佳き時代の人情喜劇に家族ものがうまい具合に絡み、往年の松竹(あるいは東宝?)映画の平成版リメイクのような味わいがステキ。
リアルな日本間での時にコミカル、時にしみじみな演技合戦も見どころ。

なぞらえ屋~開闢九重千曳~
La・Moon
前進座劇場(東京都)
2012/07/06 (金) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
スケールの大きい伝奇アクションロマン
民間伝承、日本神話に加えて海外の童話までもネタ元にして語るスケールの大きい伝奇アクションロマン。
物語の構成要素は多いが、あちこちに降った雨が1本の川に集まりやがて海に注ぐように無理なく結末に向かう構成が巧み。
また、善悪双方、役割分担の決まったプロ的集団でありつつも、クライマックスの対決をそれぞれマンツーマンにもって行く設定も上手い。
さらにシリーズものの1編でありながらもオープニングエピソードで「なぞらえ屋」の仕事(?)を無理なく説明して今回初めて観る観客にもワカり易くする工夫も◎。
あと、アクション一辺倒でなく、両陣営の秘密兵器的ポジションにダンサーを起用してバトルをダンス風味で見せたのも妙案。

記憶、或いは辺境
風琴工房
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
折に触れて演を重ねて欲しい
優しく温かく時にはユーモラスでさえある中に「知らなくてはならないこと」「忘れてはならないこと」が包み込まれていて心に深く染み込む感覚。
その語り口に井上ひさし作品(「闇に咲く花」「煌めく星座」など)を連想。
折に触れて演を重ねて欲しい珠玉の作品。
先日の劇団競泳水着にしても風琴工房にしても、「劇空間の居心地の良さ」はピカイチ。

狐狗狸狐狸九九二錠の1/2
mimimal
新宿眼科画廊(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/06/27 (水)公演終了
満足度★★★★
ぶっ跳びー!
「シュール」とか「よくワカんない」とかの事前情報から戦々恐々で臨んだら、なんだ面白いじゃん!みたいな。
「ダークなお伽話」的なストーリーを芯に据えてのブッ跳びなので十分について行けるし。
主宰は元々美術の方だそうで、町並みや家のミニチュア(小道具収納も兼ねるとは!)、「アレ」の被りものとか、映像とのシンクロなども◎。
とはいえ、110分はチョイ長かもなぁ。
個人的には好きだけれど、むやみやたらに勧めることはできない模様…(爆)。

血みどろ君
踊れ場
ひつじ座(東京都)
2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
STEP1コンプリート♪
ゾンビものコメディにてテンポ良く終盤にひとひねりある(メタフィクション気味な冒頭は伏線?)のが巧み。
これにてSTEP1コンプリート、3編それぞれ味わいが違って面白く、STEP2も是非!的な。

脱兎のごとく
踊れ場
ひつじ座(東京都)
2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤の夜の場面が秀逸
服役囚たちの日常をテンポ良く…と言うよりリズミカルに(実際、ラップやリズム・パフォーマンスもある)見せて楽しい。
また、途中で面会に訪れた恋人や家族を二役で演じたことを応用した終盤の夜の場面が秀逸。
さらに挿し挟まれる「音楽的」な部分(前述)や脱走用の穴の「見立て」も良いので、「ソレでイイのか?」な結末でも文句はナシ(笑)。