満足度★★★
まだまだ取材すべき
手法的にはドキュメンタリー要素もあって、現実に居る若者の生態を確かにいくつかは描けていたのだけど、それはあくまで一部のみで、このテーマならばまだまだ掘り下げていけると思った。
ネタバレBOX
各々の抱える問題がなんとなく舞台上で解決してしまったような雰囲気で終わったのが残念。
もっとこっち(観客)側に手つかずで投げかけてくれても良かったんじゃないだろうか。
そのほうが、心に引っかかってくれたと思うのだけど。
満足度★★★
女優第一
今回はフランスで映画化されたバージョンを観てしまっていたので、いつものように事前情報を極力シャットアウトしての観劇ではなかったのですが…
それでも充分に楽しめる公演でした。
みなさんが声を揃えて言うように、女優さん達のレベルが高い!
ネタバレBOX
特にK2T3後藤さんの存在感は筆舌に尽くし難いもんで、登場シーンから雰囲気バリバリ。オーラバリバリ。
もちろん他の女優さんも緩急のつけ方が上手くて、ストーリーが気持ちよく転がっていくんです。
勉強になるわぁ。
キャストに関しては申し分ないんですが、ややスタッフワークが追いつけてないような印象も。
とりわけ音響についてはタイミングが微妙、音も小さいし選曲もいまひとつって感じでした。
今どき「バキューン」なんて銃声を使うのはちょっとねぇ…
満足度★★★
もっと貪欲汁だせよー!!
このカンパニー初遭遇(第2回公演「オバーサル」)時には、隙あらばボケて笑わせてやろうという貪欲さと、その差し込みどころの絶妙さで、拙い部分はあれど、まんべんなく楽しむことができた。
…んだけど、諸事情で観ることができなかった前作(第3回公演「イカロ・トライアル」)を経て、何が起こったのか、あの時感じた勢いはやや減速したような。
こぎれいにまとまっちゃったような印象を受けてしまった。
ネタバレBOX
未来世界の科学者たちが平成時代の文化について調べる為にある建物を訪れる。
一方で、実際の平成時代に、同じ建物へひと夏の思い出づくりをしようと若者たちが集まってくる。
この二つの世界が、同じ俳優の衣装替えによって同時進行的に描かれていくことになる。
そもそも、このアイデアが、熊谷嬢の作風とは合ってなかったように思えた。
必然的に何名かの役者は次のシーンの衣装替えのためにある段階から舞台を去らなければならないのだけど、その理由づけが「トイレ」だったりと安直なものが目立つ。
後半になるにつれ、理由づけすらも無視して突然無言で出て行くなんて場面も。
観ている側は、ああ、もうすぐ場面が変わるなぁ、と予想が立ってしまう。
このぶったぎり感が肝心のテンポを崩してしまっていた。
中盤ではかなり長い間、平成時代のエピソードが展開するのだけど、ここでは水を得た魚のようにドカドカ笑いを取っていく。
やっぱこっちが本流なんだな、って感じ。
役者のスキルは少しずつ上がっているみたいだけど、まだまだセリフをセリフとしてしか言えてない気がする。もっとうまく消化して自分の言葉にするだけで劇的に変わるはず。
脚本は、舞台設定により説得力を持たせることと、時系列の処理をもっともっと巧くやってほしい。舞台の外側の時間経過を感じさせる力が弱い。
今のままじゃ芝居サイズの不条理コントにしかなれていない。
そっちを目指しているならいるで、笑い自体を貪欲に追求した方がいい。
方向性をソリッドにしていかないと、この先、辛くなってくるんじゃないか。
満足度★★
クオリティは高いのかも
照明効果、音響効果、演出、どれも観る側を意識したであろう迫力たっぷりの作り。
ただ、脚本的には作家性が強く出すぎているように思いました。
ネタバレBOX
冒頭、おばあちゃんが子供に物語を語り聞かせるシーンなのですが、
本筋の三編では若干アダルト要素もあったりして、それは教育上よろしいのかなーって感じ。お節介な見方かもしれないですけど。
それでラストには話を全部聞き終えた子供が軽く(精神的に)アクション起こすじゃないですか。だから余計に。
まだブツ切りで繋いだほうが入り込めたかもしれないです。
満足度★★
うらやましくもありつつ
予想以上のヤングパワー炸裂!
のっけから舞台狭しと暴れまわる役者たちを観て自分が年を取ったような気にさせられた。(そんな気がしただけだよ!たぶん!)
思ったより上演時間は長め(110分ぐらい?)で、実はボク自身の作品の理想とするサイズにすごく近くて、ますますその方法論への興味が増しましたが。
ネタバレBOX
「起承転結」の「承」だけで話が進んでいる印象でした。
「起」たるスタートポイントが明確じゃなく、「転」のあたりも疾走感に欠けてて、「結」もなんだか全てが解決したのかどうか分からずよろしく感じられない。
伝えたいテーマが重すぎ、多すぎなんですね。
多すぎるもんだから、2時間もあるのにそれでも足りなくて、結果ひとつひとつが薄ーく軽ーくなっちゃったみたいな。
しかも同時進行だから観客としても「今どこ追いかければいいの?」みたいになってたのではないでしょうか。(テーマに対して)
作家の頭の中では膨大な時間をかけて整理できていることでも、観客に与えられた時間は「上演時間」しかないわけだから、その中でどれだけ分かりやすくするかが課題になってくるんですよね。
「理解できない方が悪いんだ」とか絶対に言っちゃいけないわけで。
稽古場もキツかったはずですよコレ。
こういうタイプの芝居の稽古やっててキツくなかったらどんだけテーマの掘り下げに尽力してないんだって話になっちゃいますもん。
あと気になったのは衣装。というかその使い方。
各キャストが元の役とは違うコロス的な位置にいるのに、衣装がそのまんまだから「え?さっき別のところにいなかった?」ってなるんですよ。
せめて何か羽織らせるとかして差別化していただかないと。
(おそらく意図せずに微妙にできているところもあっただけに、ことさら)
そういう部分も全体の分かりにくさに拍車をかけていたかもしれません。
若さ…若さか…
さぁ次回は川口君の作品らしいですね。
まだ観た事なかったので期待大です!!
満足度★★
やりきれない気持ち
冒頭のB級ホラーなテンションには驚かされたんですが、
本筋の病院の話になってからは比較的おとなしめの(それでもギャグは随所に散りばめられてた!)空気で進んでいって、最終的にはだんだん間延びしていったかなぁー?な印象。
ネタバレBOX
テーマらしきものがあまりにもセリフとして語られすぎていて、受け手としては逆に見失わされてしまった気がします。
なんていうか、見方が難しいつくりでした。
満足度★★
「12年前の作品」っていう点で
それが古いと感じるか古くないと感じるかの話が多いようですが、
そこで言えばボク的には前者かなと。
作品のフォーマットの話になっちゃうのかな。
なにより背景になった時代が違うだろうしで…
ネタバレBOX
なんだろうな。
観て少し時間が経ってるせいもあってうまく言えないけど。
結局最後までどの登場人物にも感情移入できなかったんですよね。
デジタルでもアナログでもない、その双方を揺れ動いてる感触についていけなくって。
言ってる事は理解できるけど納得までには至らない、そんな感じ。
ボク自身がどこか突き放してるのもあるかもしれないです。
満足度★★
正義はどこにある
若手中の若手ですね。
先日観た、とある芝居に出演していて気になってた役者もいたし、
作・演出がちょっとした知り合いなので(本当にちょっとしたもんですが)どうなるだろうかと楽しみにしていました。
思わずハッとさせられるような、弾けるような躍動を見せてくれる場面もあったのですが、
しかしまだ劇団としての方向性ははっきりとは伝わらず、未熟さの殻を破りきれていないように感じました。
ネタバレBOX
このあたりの世代はやっぱり社会風刺をしたがるものなんですね。
事前情報からも扱っている題材は明らか。
シナリオの導入部もまさにド真ん中でテーマをつく形で始まります。
でもね、
その題材がどれだけ大きく重たいものなのかを作り手は理解してやっているのか、よく伝わらなかったんです。
確かに問題は提起していたかもしれない。
では、提起したなりの、彼らなりの回答は?
完全にネタバレな話をしちゃいますが、この物語のラストは、あらゆる問題の発端となった人物が「ごめん!」と謝ることで締めくくられます。
…それでいいんでしょうか。
マズい料理を作ってしまった。誰もがマズいと腹を立てている。
「ごめんなさい!次はおいしいの作ります!」
そんなアバウトな平謝りで何か解決するのでしょうか。
違う気がします。
「謝れ!」なんて事は誰でも言えるじゃないですか。
表現者ならばもっと違う形で、万人が納得しなくてもいい、何らかの可能性を示さなければならないと思います。
無理に難しい問題を描こうとするよりも、この劇団には元気で魅力的な役者がたくさんいるのだから、カラッとした楽しーい事をやってもいいのかなと思います。
まだまだ期待してますよー。
満足度★★
トリミングが多すぎでは…
切口さんの趣味がすごく良く分かった、というのは数々の小ネタの部分で。
ボクの趣味にことごとくリンクしているためかほとんどの元ネタが分かってしまい、もはやストーリーどころではありませんでした。
ネタバレBOX
すでにあるものから切り取ってきた要素が大半を占めている以上、どこからどこまでが切口さんのオリジナリティーなのか判別しきれず残念。
そして舞台の低さも残念。アミカスなのだからわざわざあの位置まで持って来なくても良かったのでは?
満足度★★
いろいろあって再投稿。
キャラメルの本だから(好き嫌いはあれど)「観られる」ストーリーなのはいわずもがな。
既成モノをやるという事はその上にその劇団・その演出家・そのキャストならではの何を付け加えられるかがポイントだと思います。
この公演では、そんなプラス部分が弱かったのが残念でした。
ネタバレBOX
キャストが本に追いつけていない部分に関してはまだ伸びしろを感じます。
(以前他の舞台で見た時よりもいい芝居している人はいたし)
スタッフもいい人材が揃っていたはずです。
満足度★★
もっとスマートに
できたんじゃないだろうか、という印象。
セットの立て込みはものすごい迫力だし(床には砂が敷き詰められていたり!)、興味を引く題材・設定が揃っていながら、説明しすぎ、過剰に見せすぎなポイントが多く、「そこまではしなくても(言わなくても)いいよ…」と感じてしまい、その度に感情移入のチャンスを逃してしまった。
味付けはしっかりしているのに具が大きすぎて火が通ってない料理、みたいなもったいなさ。(分かりづらいなっ)
過去の公演も同じようなテイストだっただけに、今回のロングランを経てどのように変わっていくのかが楽しみでもあり不安でもあります。
ネタバレBOX
役者の演技の方向性に関しても、見方によってはきちんとできているように見えるのだろうけれど、ボクの目にはなんだかちぐはぐに映ってしまいました。
「セリフ」を発する役者と「言葉」を発する役者のバランス、なのかな。
個人的MVPは川崎君っす。
満足度★★
苦言ばかりになるのは嫌だけど…
このカンパニーとはすごく長い付き合いなだけに、今作で浮かび上がった問題点と、そうなった原因までもが垣間見えてしまうのが辛いところで…
今まで弱点を補っていたものが無くなって、強みであったはずの部分は削がれていて、ダブル残念。
ネタバレBOX
相当なブラッシュアップが必要な脚本だな、という印象があった。
ただセリフを削るとかそういうレベルを超えたやり方があるはずだ。
書き上がった脚本を寝かせ、可能な限り客観的に再読し、全体の構成、物語の整合性、あとは時代劇なのだから時代考証に至るまで、自ら疑い、二度三度と書き直すぐらいのことを、役者に渡す前の段階でやっていってもいいと思う。
(で、実は福岡の小劇場系の脚本家は案外こういった作業をせず、書きっ放しが多いみたい…僕も例に漏れないけどorz)
今作は、言ってしまえば全ての登場人物たちの腹の探り合いと愚痴り合い。
各キャラクターの背景もさほど明確にされない時点から観客に向けて負の感情ばかりがぶちまけられる。
それじゃああまりにも感情移入の余地が無い。
ほぼそんな状態のままで物語はどんどん進行する。
まるで最初から全速力、どこで乗ったら良いのか分からないジェットコースターのようだ。
終盤に入ると数々の伏線もまとめて争乱の中で片付けてしまうっていう、ある意味でデウス・エクス・マキナな展開。
クライマックスでは過剰なほどに「締め台詞」が飛び交う。
普通の舞台なら最後の最後に一つ言い放てばいいレベルのものを、十も二十も重ねてくるから、その本来のありがたみがどんどん薄れていく。
書きたい気持ちは分かる。けど、そこでこそ客観性を挟んでのブラッシュアップが必要なんじゃないかな…
以前は、それでも中和剤たりえる存在があったから良かったんです。
このカンパニーの作風を違和感なく体現できる役者の存在が、僕の考えるところでは2人いた。
残念ながら1人は退団してしまい、もう1人はなぜか今回キャスティングされていなかった。そこが不思議でならない。
そんな中、客演・藤井ショウジ氏の好演はささやかながら良質な求心力になっていたと思う。役柄的な要素もあるのかもしれないけどね。
そこで☆1つ追加です。
追記:「エンターテイメント」にあたるシークエンスがたったあれだけじゃ、その要素が強いと語るべきではないと思う。もっとストイックに探求を。
満足度★★
スマッシュ&スマイル!
あまりにも手の内を知り過ぎているので、いつにも増して純粋な観劇評にはならないかも。
どっちかっていうとダメ出しに近く。
(またそういう身分でもないクセに)
ネタバレBOX
まず、はばからずに言わせてもらうと、安倍祐馬氏は僕が尊敬する脚本家の一人です。
氏の作品は今までにも沢山観てきたから、随所に「らしいな」って部分があって、それだけで楽しめました(過去作品のタイトルが出てきた時なんか、周りの観客を尻目に一人で笑わせてもらったりして)。
その構成力、文法が分かっているからこそ、脚本と演出・演者の仕事を切り分けて観る事ができたと思います。
本に書かれている事をきちんと描けているか。補完できているか。
…結論としては、もう一歩。
シチュエーションコメディって、ありえない事が起こり続けるからこそ、その舞台のディテールが細かくなければいけないと思うんです。
例を上げれば、作家の安倍祐馬(えっと、登場キャラクターの方です。ややこしいな…)が「サウスポー」って設定があって、その安倍だと勘違いされて右腕に手錠をかけられた不倫男・藤原が「サウスポーだから大丈夫でしょ」と言われ慌てるシーンがあるんですが。
冒頭に登場する小田泰嗣氏演じる実際の安倍は、TVのリモコンを操作するのも、置き電話の受話器を取るのも、自殺しようと薬瓶を手にするのも、それを流し込むウイスキー瓶を持つのも、全部右手だったんですね。
もっと言えば、仕事用デスクの配置も右利き用のレイアウトだったし、棚の中のゲーム機の配置も本体が右側、コントローラーが左側にありました。
(取り出す際には利き手で本体を持ち、その逆手でコントローラー、というのが自然だと思います)
別に、本編に深く絡む設定じゃないし、藤原を慌てさせるための一回きりのキーワードなので、そこまで辛辣なツッコミを入れるような事ではないんでしょうけど、そういう小さな要素が重なることで興冷めしてしまう観客もいるので、注意した方がいいのではと思いました。
演出面では、BGMの使い方にも違和感。
あまり効果の無い場面で、しかも頻繁に流れる上、選曲に統一感がない。
シチュエーションコメディならば、よほどの重要性(音楽に絡んだネタとか)が無い限り、役者の演技だけで流れを作って欲しいところです。
一方で、ホイットニー・ヒューストンの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」をラブシーンで流すのなんかはもう定番を通り越して古典的ですらあるんだけど、うまく使えていれば当然、面白いはず。が藤原と花田のキスシーンのみにしか流れず、その後のキスシーンである藤原と吉田、藤原と良子(藤原、キスしてばっかだな…)の時は無音。これはこれでおいしい流し所だったんじゃないかと。
役者では花田役の花田嬢が惜しい。以前に比べればだいぶ器用な女優さんになってるんだけど、この役はさらにそれ以上の、狂気レベルのものが垣間見えないと成立しないと思う。いきなり手錠とか引っ張り出してくるのだし。
(狂気と言えば、ローラのキャラは凄かったな…)
そして、星一つ引いた理由にもなるんですが、パンフレットの表紙の誤表記(【場所】ぽんポンプラザホール と書いて「ポン」に×印)は、上演会場に対して失礼なのでは?と思いました。
このサイトも含め、ネットに載せているチラシ画像はきちんと修正されているのに、なぜそれを使わなかったんでしょうか。
満足度★
どうしてくれよう
学生さんだから、練りこみ不足の脚本も容認してあげるべきなのか。
格安公演だから、得るものが無くても仕方ないと諦めるべきなのか。
ネタバレBOX
否!!
無視はできまてん!!
ひとまずは脚本の構成から思案の余地だらけ。
全体的にどうにもご都合主義というか。
おそらくラスト(あるキャラクターがブタ肉を食べるか食べないか選択を迫られる)のために組み立てていったのだろうけれども、その過程が驚くほど大雑把だもんでとても盛り上がらない。
何気なく出会った人物と、自己紹介しただけでお友達になれるっていうのはどうなのだろう。
人と人の出会いにはもっとドラマというか気持ちの流れが生まれるはずですが…
数々の突拍子もない言動に摩擦する事なくホイホイ話を進めていくもんだから、どの登場人物にも感情移入する隙が見えず。
(それぞれのキャラクターは実質「人間」ではないんだろうけど…それでもねぇ)
意外と事件性もなくて、ほとんど道すがらのやり取りだけでストーリーは展開。
大事なシーンに入ってからも次々と伏線なしの新しい事実が発覚。
前のシーンの会話・展開が後のシーンに活かされず、活かすつもりでやっているところもイマイチ弱い。
そういう印象を受けました。
また、役者の演技力にかなりのムラが…そこぐらいはまぁ、学生だからと納得してもいいんだけど。
もう少し「間」を詰めたり、ギャグがウケそうかスベりそうか判断したり、基本的な部分を演出家はどうにかできなかったものかと。
役者だけで か な り の やりたい放題でしたよ。
会話のテンポを上げるだけで上演時間を半分にはできたんじゃないかなぁ…
他にスタッフ的な面でもあれこれと言いたい事が山ほど。
総合的に観て、かなり評価し難い作品でした。
若さにもいろいろあるんですね。
満足度★
予想通り
少なくともボクは苦手な空気のお芝居でした。
ネタバレBOX
あらすじが、パンフレットの裏に始めから終わりまでびっしりと書き込まれていました。
ということはこれははなからストーリー展開で楽しませるようなものではないという事なんですね。
そのストーリーをどう表現するか、という点で見せる舞台なのだと。
実際、ぶっ飛んだセリフや動き、ダンス等のイメージの羅列で構成されたもので、予備知識ナシじゃちょっときつい。
で、パンフにそのあらすじを書いてくれているところまでは良しとして、それを読む猶予(=客入れ時間)がたったの15分ってのはあんまりな気がするんですけど。
まさか、観に来る前に原作を読んで来いとでも?
ひょっとして「みんな読んでて当たり前」だなんてことは思っちゃいませんよね。
そのへんのチグハグさっていうか、観客との距離の取り方がイマイチ分からないんです。
アフタートークでも演出意図についてそこそこ答えやすいパスをもらってるはずなのに、あまりにも歯切れが悪くて辟易。
とにかく興味の続かない舞台でした。
満足度★
どっちだろ
パッと見の印象だけだと馴染みやすいホームドラマ的なもののようなんだけど、設定やら話の流れやらの根本がよく見えなくて、実は一見さんお断りのファンサービス的な作品なのかもと感じました。
(実際これ、シリーズものらしいし)
ネタバレBOX
その瞬間から「面白い!」というよりは「面白いことをやっているんだろうなぁ」という一歩退いた視点にシフトしてしまいました。
こういう所帯じみた空気、苦手なのかなぁ、ボク。
満足度★
もっと立ててよぉ
登場人物のほとんどにリアリティを感じず、魅力に欠ける舞台だった。
人物の行動や言葉使い、また物語の展開が、作者自身の素養らしきものを飛び越えることなく一辺倒で。
本人を直接知ってるわけじゃないけど、マンガとかアニメとか二次元の影響のほうが強いんだろうなと思わせるような仕上がりになっていた。若い。
もっとナマの持つ力を知り、人間としての厚みを持つべきだ。
ネタバレBOX
幼なじみでもある野球部のバッテリーが「些細なこと」で仲違いし、一人は「記憶の壁裏」とやらに引き込まれ失踪してしまう。22年後、その行方を、こっちの世界に残った片割れの息子とその友人、そして当時の想い人を含めた3人で追いかけていくという内容。
まとめてみればなんのこっちゃないシンプルな話なのだけど、やたらと差し込まれる場転や、遠回しなだけで核心のぼやけた会話、効果として成立していたのかどうか怪しいテキストのみのオープニング映像&どこかで見たような振り付けばかりをサンプリングした奇妙なダンスetc…がどんどん物語を見失わせていく。
結末に関してはもう僕の理解の範疇を超えているので触れないでおこう…
ただあそこでジェンガを強調するからには相当ひねくれた狙いがあってのことでない限り、観客を見くびっていることになりかねないので要注意。
あとは仲違いの原因が本当に「些細なこと」すぎて、もう、残念。どんだけメンタル弱いんだよと。今どきのゆとり教育世代ならまだしも、22年前、昭和生まれの世代の話でしょ。もっとガッツあったと思うんだけどなぁ。
他に2つ3つくらいは如何ともしがたい理由が重なってなきゃ、自分の未来やなにもかもを捨ててまで「あっちの世界」に取り込まれるには至らないのではないだろうか。
絶望ってここまで希薄なものなんだろうか。自分の話を挟むのもどうかと思うがまだまだ酷い目にいくつも合ってきましたよこの三十男めは。このお話の彼のレベルで良いならば8歳の頃には「あっちの世界」に行ってたさ。
…話を戻そ。
作品の構成上、終盤には成長したバッテリーの片割れが登場するんだけど、
これを演じる団長氏がナルシシズム全開で鼻について仕方なかった。
22年前の同人物を演じていた岡本氏の役作りをガン無視して、クール一徹なデジタル人間に豹変。これにより失踪事件を当事者達がどう捉えていたのかについて意味合いが全く変わってしまう。
「あ、結局のところ凄いヤな奴だったんだ」と解釈した人も多いんじゃないか?
そう思われたらあの登場シーンでは作品的に困ると思うんだけどなぁ…
(ここで出た「ファンタジー」発言もそれまでの物語をぶち壊しにしていたと思うんだけどこれは脚本なのかアドリブなのか分からないので置いておく)
(同じく「成長後」を演じる想い人役の大森さんはそれなりに説得力のある作り方だった。そもそも22年前の同人物があまり明確に描かれてないせいもあるけど)
その後のキャッチボールシーンは「俺、野球できますよ」感アリアリの所作をアピールしまくり、イケてる風のセリフだけをやたら張り上げたり(言い終えたあとのしたり顔もやめた方がいい)で、良く言えば抑制が効いていた周りの役者たちとの温度差がどんどん開いていく。
これはある種のデウス・エクス・マキナを狙っていたのだろうか。
話はさらにカーテンコールにも及ぶのだけど、あの並びはどう考えてもおかしかった。
最前面に出るべきはずの鶴田氏(作・演出)が、後列に追いやられ喋り難そうにMCしていたのが印象的。
彼が本来いるべき場所に陣取っているのは、やはりというか、団長氏。
もうちょっと、彼のこと、立ててあげても良いんじゃなかろうか。
さ、言いたいこと言っちゃったぞ。
同様に言いたいこと言われる覚悟も完了だ。無論、芝居の話に限る。
個人的にはなんですが
もっと技術的な土台を準備した上で催しても良かったのかなと思いました。
参加者が各チームごとにイチからプログラムしたって話を聞いて…
ネタバレBOX
いや、でも、プログラム環境の認知と習得が目的ならそれはそれで間違いじゃないのかなぁ…
凄いと思えたのがパフォーマンスではなく機材のほうだったのは内緒。