応仁の変『中野侍~NAKANOZAMURAI~』
演劇サムライナンバーナイン
劇場MOMO(東京都)
2008/05/20 (火) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★
単なるネタ見せではなかった・・・
役者自らがエチュードで作り上げ、演出家がブチ壊すという形式を取った15本からなる笑劇スタイルな公演でした。
オープニングの作品を観て、「こんな作品が続くの・・・」と心配してしまったけど、作品が進むにつれ、単なるネタ見せではなく、エンタメ系の作品揃いでしたね。結構、楽しめられたし・・・
どこかで観たコトがある様な作品が多々あったけど、そういう作品にも一工夫加えて、この劇団独自の作品に仕上げていたな・・・
まぁ、力尽くで引っ張っていた作品もあったけど、それはご愛嬌というコトで・・・
246
ノアノオモチャバコ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2008/05/21 (水) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★
"Gokko"を観劇
「それぞれが独立した物語として成立している」と書かれているが、やはり両方観ないと全てが成立しない作品だよな・・・って感じてしまった。
"Gokko"に関しては、「起承転結」の内の「起」と「転」の部分を描かれていた様に思ってしまったし・・・
時間があったら、"Bukku"の方も観たかった。
でもオープニングとエンディングをライブホールに見立てた中で観客と一体化させた点は面白い試みでしたね。
ただ「この人、役者さんだ!」って判ってしまったので、荷物を持たすなど、もう少し観客の中に馴染む様な工夫が欲しかったかな・・・
剃刀(かみそり)
ウォーキング・スタッフ
新宿シアタートップス(東京都)
2008/05/17 (土) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★
緊張の連続・・・
大正時代の戯曲だけど、なかなか味のある作品でしたね。
一幕モノであったので、小さな緊張が段々と積み上げられ、ピークに達した時、その想いがカミソリよって、スーっと引き裂かれていく感覚にゾッとしてしまいました。
和田さんは、この様なシリアスな作品を描かせたら、ピカイチだな・・・と改めて感じましたね。
hg
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2008/05/09 (金) ~ 2008/05/18 (日)公演終了
満足度★★
危惧していた通りの感想に・・・
ホンの出来、役者さんの演技など、全てにおいて素晴らしい作品に仕上がっていたんですが・・・
「水俣病」を題材にした作品と知ったとき、観る側の年代によって、捉え方が全く異なるんだろうな・・・と危惧しながら観劇していたんですが、その通りになってしまった。
「水俣病」を知らない年代には衝撃的な作品かもしれないが、「水俣病」をドキュメンタリーでじゃなく、ニュースで知らされていた年代にとっては、観るに耐えない作品になってしまったのではないのかな・・・
あちきは後者の人間であり、観ていて「観ていたくない」「マネしてほしくない」という拒否反応が出てしまい、観終わった後、気分は最悪な状態であった。
ただ、ホンの中でも似たセリフが出て来たので、作者の詩森ろばさんは、この様な想いを一手に引き受けて上演したんだろうな・・・
「水俣病」を風化しないためにも、この様な作品は必要だと考えるし、上演を許可したモデルとなった施設の理事長さんに敬意を評します。
『堕天』『神殿』
AND ENDLESS
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2008/05/01 (木) ~ 2008/05/11 (日)公演終了
満足度★★★
「遅咲きの蒼」について・・・
新人お披露目的な公演となっていた感じもあったけど、しっかり仕上げてはいましたね。
スピンオフ的な作品で、主要メンバーが脇に廻って演じているから、どうしても新人らの演技が目立ってしまうのは仕方の無いコトだけど、もう少し頑張って欲しかったシーンは多々あったかな・・・
しかし感情が入るとセリフが聞き取り難くなるのは、この公演の特徴なの?って思ってしまった。
Bonehead -ボーンヘッド[失策]- 2008
演劇レーベルBo″-tanz
ART THEATER かもめ座(東京都)
2008/05/09 (金) ~ 2008/05/12 (月)公演終了
満足度★★★★
期待通り!!
2002年に北海道警で起きた事件をベースに作られていた作品なので、リアルさが強調されていたし、スピンオフ作品だから、本編の様な複雑な人間関係が無かったからストーリーも判り易かったし、この劇団としては珍しく、泣かせ処が幾つも忍ばせていたので、素晴らしい作品に仕上がっていたと思う。
座長が自分のやりたい企画を実現するために、劇団員に有無を言わさずに総動員して公演を行う「座長祭」と銘を打っていた公演だったので、お遊び的な公演かな・・・って思っていたけど、本公演に引けを取らない公演でしたね。
でも、期待していたお遊び処が少なかったのはちと残念だったかな・・・(笑)
『堕天』『神殿』
AND ENDLESS
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2008/05/01 (木) ~ 2008/05/11 (日)公演終了
満足度★★
「神殿」について・・・
こちらに関しては、2001年公演に近い出来だったんだけど、感情が先走り過ぎて、観ていて、ドン引きしてしまったな・・・
もう少し感情を抑えて演技してくれないと、感情移入出来ないし、感情が先行してしまうコトによって、声がまったく聞こえなかった。
感情移入するコトは悪くないんだけど、観客に対して迷惑になる様な感情移入は控えて欲しいですね。
『堕天』『神殿』
AND ENDLESS
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2008/05/01 (木) ~ 2008/05/11 (日)公演終了
満足度★★
「堕天」について・・・
2001年公演、2003年公演と観劇いるのですが・・・
キャストがかなり変更されており、2003年公演よりは、クオリティが高かったけど、2001年公演には及ばなかった。
この作品、新撰組の衰退と合わせる様に、「動」から「静」に移り変わる作品のため、この緊張感を保つコトが必然となると思うのだが、ちと間延びしてしまった様に感じてしまうところが多々あり、面白味に欠けてしまったかな・・・
あと、セリフが聞き取れない処が多かったのも気になってしまった。
この点がクリアしないと、2001年に上演された時の作品を超えられないと思う。
鏡の中の異邦人~かがみのなかのえとらんぜ~
風凛華斬
シアター風姿花伝(東京都)
2008/05/02 (金) ~ 2008/05/04 (日)公演終了
満足度★★
不自然過ぎたな・・・
全てにおいて、不自然さが目立ってしまった作品でしたね。
もっとナチュラルさを取り入れないと、劇中のアクションシーンが活きてこないと思う。
また、物語に関しても矛盾するコトが多かった。
なんか、その矛盾を度外視して強引に物語を完結してしまった様に感じてしまったな・・・
エキストラ(再演)
劇団東京ヴォードヴィルショー
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2008/04/25 (金) ~ 2008/04/29 (火)公演終了
満足度★★★★★
新たな代表作に・・・
約5ヵ月間の全国公演を経ての東京公演だったので、クオリティが高いのは当たり前だけど、もっと良いモノを作り上げようとしている姿勢も垣間見えた公演でしたね。
2006年の初演は観ていないんですが、再演に当り、ブラッシュアップされていたから、個々のキャラに対してエピソードがあるけど、ゴチャ付かずにスッキリした形で作品が仕上がっていましたね。
この手の群集喜劇はお得意な劇団だけど、三谷さんが劇団員に対してアテ書きされているから、個々のキャラが一層光っていたから、最後まで飽きずに観れたな・・・
新たな劇団の代表作に成ったんじゃないのかな・・・
最北端の姉妹
バジリコFバジオ
OFF OFFシアター(東京都)
2008/04/18 (金) ~ 2008/04/22 (火)公演終了
満足度★★★
【長女のヒグマ】を観劇
【長女のヒグマ】の一ヵ月前を描いた【次女のフクロウ】を観てなくても、それなりに楽しめたんですが、やはり連作のせいか、細かい点で「何故?」って思ってしまう処があったから、両方観劇して初めて成立するお話だったかな・・・
人形とのアンサンブルは、この作品の根底を押し広げていましたね。
しかし、今藤さんの演技はやっぱ最高ですね。完璧に一人で持って行っていたし・・・
カウントダウン
ファルスシアター
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2008/04/17 (木) ~ 2008/04/20 (日)公演終了
満足度★★
ちと勿体無いな・・・
ちゃんとシチュエーション・コメディが成立する様なネタ振りをしているのに、それを雑に扱っていたから、単純なドタバタ・コメディ作品になってしまったのは、ちと勿体無いな・・・
この作品、時系列が重要になっているんだから、最後まで2部構成の作品で仕上げるのではなく、ラストを同じ空間で描いた方が、絶対に楽しめると思うんだけどな・・・
ハリジャン
innocentsphere
シアタートラム(東京都)
2008/04/19 (土) ~ 2008/04/27 (日)公演終了
満足度★★★★
今回も難しいテーマを選んだな・・・
余り手をつけたがらない世界に手をつけてしまった感じもする作品でしたね。
かなり奥深くまで踏み込んでいたと思うけど、もう一歩踏み込んで欲しかった処もあったな・・・
初日だったから、いろいろと模索しながら演じている感じが漂っていたが、クオリティは高かったと思うから、今後どの様に化けるかがちと楽しみ。
月の砂をかむ女
劇団桃唄309
ザ・ポケット(東京都)
2008/04/16 (水) ~ 2008/04/20 (日)公演終了
満足度★★★
化かされた感じもしたが・・・
常に焦点をボカしていた作品だったな・・・
一歩一歩、前に進んでいるんだけど、急に時系が過去に戻るので、ちと化かされた感じがして、それがイラ!って来てしまうコトも多々あったけど、それなりに楽しめた作品でもあったな・・・
私、わからぬ
空間ゼリー
赤坂RED/THEATER(東京都)
2008/04/09 (水) ~ 2008/04/13 (日)公演終了
満足度★★
観る側を考えて欲しい・・・
作品に関しては、春夏秋冬に合わせて、起承転結、そして始まり・・・をしっかりと描いていたし、ホンに足りない部分をしっかりと演出でカバーされていたけど・・・
座った席が端っこって言うコトもあるのだが、舞台セットによって、見切れてしまうコトが多々あったのは残念!
ただハコの中に部屋を再現すればいいって訳でも無いハズだと思うので、どの席から観ても見切れない様に前面はオープンスペースにして欲しかった。
やや無情…
双数姉妹
新宿シアタートップス(東京都)
2008/04/09 (水) ~ 2008/04/13 (日)公演終了
満足度★★★★
充実したな・・・
2003年の初演も観劇しているが、全てが新鮮に観えて、充実した観劇になりました。
初日にも関わらず、クオリティ高かったし、ラストの劇中劇も素晴らしかったけど、初演に感じた「バックボーンが余り感じられない」っていうコトが改善されていなかったのはちと残念でしたね。
かなり外側のバックボーンも描かれていたけど、あくまでの外側のバックボーンであって、演出家側のバックボーンが弱かったかな・・・
御前会議
青年団若手自主企画 柴・宮永企画
アトリエ春風舎(東京都)
2008/04/07 (月) ~ 2008/04/14 (月)公演終了
満足度★★
物足りなかったかも・・・
120ぐらいのテンポでリズムが刻まれる中で、繰り広げられる対話劇。
シーン途中でリズムに合わせて韻を踏んだり、拍手でリズムを刻んだり、そしてマイク使用でのラップと、「現代口語ミュージカル」を銘打っている作品だが、ちと韻を踏むセリフ廻しが少なくて物足りなさを感じてしまった。
ストーリー的には面白かったけど、せっかく韻を踏んでのセリフ廻しへの返しがまったく無かったのも残念。
唐突にリズムが刻まれるのもどうかな・・・って思ってしまった。リズムの始まりをストーリーの中に取り込む様なコトを考えて欲しかったな・・・
喜劇・黄昏商店街「盛春館」ラプソディー
P-Fantasy
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2008/04/02 (水) ~ 2008/04/06 (日)公演終了
満足度★★★
良い感じで仕上がってきたな・・・
再度観劇する機会があったのですが・・・
簡単なブラッシュアップと芸人さんらの程よいハチャメチャさが加わり、良い感じの「ハートフル・喜劇」作品に仕上がっていましたね。
芸人さんが良い演技をすると、役者さんの演技も相乗効果で良くなっていたし・・・
ちょっとしたハプニングも面白かったな・・・
後半もあるシーンを芸人さんの見せ場に置き換えたコトによって、より一層の楽しさが加わったし・・・
ただブラッシュアップしたことにより、ちとお気に入りだったセリフがカットされてしまったのは残念でした。
もう少しハチャメチャでもいいかな・・・って思ったんですが、お江戸の喜劇としては丁度いいのかもしれないな・・・
ピース!!!
劇団Peek-a-Boo
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2008/04/02 (水) ~ 2008/04/06 (日)公演終了
満足度★★★
丁寧に作り上げているけど・・・
張り出し舞台にした関係上、かなり客席を考慮して、丁寧に作品を作り上げていた作品でしたね。
ただ丁寧に作品を仕上げているからこそ、逆に目立ってしまうシーンもあったのはちと残念。
種族の特性を流すような説明だけのシーンとか、一人二役の配役を同時に登場させない様に盛り込んだシーンがあったのは、ちと残念。
流してもいいコトなんだけども、「その後どうなったの?」っていう疑問が残ってしまう様なシーンは無くした方がいいと思うんだけど・・・
狼少女ダルマ〜日出処の天女
X-QUEST
あうるすぽっと(東京都)
2008/04/02 (水) ~ 2008/04/06 (日)公演終了
満足度★★
なんか違和感が・・・
テーマを与えられての作品作りだったせいか、いつもと違う作品でしたね。
いつもと違う作品だけど、ベースはこの劇団の十八番「言葉遊び」をベースにしていたけど、なんか中途半端な感じがしてしまったな・・・
ストーリー的には「天皇制」や「皇室」などを盛り込んでいて中々興味深い作品になっていたけど、十八番の「言葉遊び」がシーン毎に完結してしまい、発展しながら繰り返される「言葉遊び」が無かったのは残念。
演出に関しても、シーン毎で完結し過ぎている感じもあって、終盤に向かって駆け抜けていく盛り上がりが欠けてしまった様に見えてしまった。
あと、ハコの仕組みのせいかもあるのかもしれないが、舞台上で繰り広げられている熱い演技が全てハコに吸収されてしまい、客席に伝わってこなかった。
特にオープニングの熱い演技が伝わってこなかったから、その後に続くシーンが思いっ切りトーンダウンしてしまったのは残念である。
また字幕が見切れてしまったのはとっても残念。もう少し客席を考えて、字幕を映し出す場所を考慮して欲しいな・・・
この作品、別のハコで観たいです。