ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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カミナズム

カミナズム

彗星マジック

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2015/10/23 (金) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄い面白い作品だと思ったんだけど・・
なぜかここでの評価が低めなのが?と思ったりも。

個人的にはここのところ観に来れなかったけど最近確変したという噂が本当なんだなとメインこれ目当てで関西に来て結構満足。そうでなければこのいい時期に関西で2時間観客席に閉じ込められるのは観光客(←最近自分が演劇ファンというより旅行好きなんだと気づいた)にはちょっと・・(苦笑

わりとはっきり思ったんだけどこの作品は東京向けだと思った。
もう時機は来たんじゃないか・・あとは場所さえ整えば。

橙色の中古車

橙色の中古車

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/10/30 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

金曜当日券で
正直この日くらいしか行けそうな日が無かったんで帰り道のついでに寄ったら観れた(苦笑

こういう物語は意外と観客席の年代で意見が分かれるのかもなぁ・・
観客席の年代が意外と分かれてた気もしたので・・40代は少なかったのでは?

自分もアルゼンチンタンゴが大好きで(男がカッコいいところとか(笑
じいちゃん先生に「おい兄ちゃん、コレやる!」と言って貰ったコーシーで仕事終わりの眠気を覚ましながら「ゴチです」
「カッコよく歩く方法を教えてください!後姿が誰よりもカッコよく歩きたいんです!」
なんて言って教わったりしているんで意外とよくわかると思った(笑
やっぱ男に生まれたことの唯一に近い特権は肩の力を抜きながらカッコよく歩ける(可能性がある)ということだと思うし。肩をいからせて歩くのはただのバカだ。

競技ダンスとしてのタンゴとアルゼンチンのタンゴはかなり匂いが違うもので、この物語の主人公は競技ダンスというよりも、200年前に舟場のジゴロが娼婦たちを誘ったところの「アルゼンチンタンゴ」に憧れているというところがこの物語のキモだ。

周りを見てみれば分かるけど、日本人の若い男性でアルゼンチンタンゴの体の使い方でカッコよく歩いている人なんていない。
それはスーツを着て肩を切って歩くのとはまた別の感覚だと思う。

え、そんなことのために海を越えるの?と思いそうだが、それはただのきっかけで、そこから転がる石のように軽快に広いアルゼンチンを旅するところが良い。

ボカの路地裏を鋭角で踊るのはパンパの草原やマゼラン海峡を旅した獣たちの末裔なのだ。

何千キロも旅して主人公は日本の湿気を抜けてドライになれたんだろうか?

・・あ、そーいや劇中で2回テレビになりました(笑

リバース

リバース

演劇班赤眼鏡

シアターシャイン(東京都)

2015/10/16 (金) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

本当に久々に
赤眼鏡の本公演を観たけど、やっぱり素敵だった。

それは『素晴らしい』というよりは、優しさの物語だ。

物語というのはこのくらいシンプルなほうが良いのかもしれない。

役柄に役者の空気が合っているとなお良い。

不必要な悪役は少ない方が良いのかもしれない。

脇役は分かりやすいが人柄の滲み出るほうが良い。

ちょうどおっちょこちょいなのんびり屋の秘書や目立ちたがり屋だが有能ではないブン屋が脇を固めていた。

主人公は有能だが、心の打たれ弱い参謀。

女性たちは皆タフで折れない心を持っていた。女子高生でさえ(笑
それが男性陣と対比されてとても印象的だった。

男性たちは3人ともパーフェクトからはほど遠かったが、世間一般にいる男性をうまく当て嵌めた類型だった。
女性と比べると男性はわりと分かりやすい存在なのだ。人格的にも。

観客の男性はわりとその誰かに自分を写してみることができるんじゃないかと感じた。

物語は美しいというほど非現実的ではなかったが、リアルと言うほど夢が無いわけではない。

登場人物たちは刹那的というほど目の前しか見えてないわけでもないが、10年先が完全に見通せているわけでもない。だけど見ようとしている。
ようは限りなく普通に近いといって良い。
・・でも、少し違う。
それは人を見分ける力だと思う。例えば男性の秘書。彼は人より意見をまとめるのに少し時間がかかるのだが、決して悪い人間ではない。そうみんな何となく理解できる。そういうことがみんな、ほんの少しだけ、うまい。

ひょっとしたらこれはおとぎ話なのかもしれない。夢なのかもしれない。
こんなうまくいくことってあるのか。
・・でも悪くない夢なんじゃないかと思う。

物語の登場人物は限られている。舞台も。でもその向こうの、目に見えない所までその輪が広がっているんじゃないかと思えたりもする。

それが映画とは違う演劇の力なんじゃないのか。
役者とか制作とか音響とか、みんな含めて観客席を取り囲むことで浮かび上がるものなんじゃないのか?

この劇団の作品を何作か観てきたけど、みんな素晴らしく優しくて良い舞台だった。

美しさだけなら演劇は映画に劣るかもしれない。

でも昔の舞台で受付に座っていたちびっ子が少し大きくなって同じ劇団の解散公演の舞台に出ていたりとか、そういう感慨ってなかなかないと思うんだけどな・・(苦笑

エゲツナイト♡

エゲツナイト♡

GORE GORE GIRLS

王子小劇場(東京都)

2015/10/13 (火) ~ 2015/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

段ボールに羽がはえて見える人必見
一瞬、あ、これ観たかな・・と思ったけど多分観てない。
自分が観始めたのはゴアゴアがこの初演の次に王子に来てからだ・・と思う。
でも、初めて見た気がしない。
別に貶してるんじゃなくほめ言葉で(笑

この舞台が何を言いたいのか、多分小劇場好きなら小学生でも分かる。
笑って笑って、そのうちなんか心が泣けてくる(苦笑
カステラが甘い並に端から端まで笑える話なのにね~(分かりにくい喩えでスミマソン
ホント、えげつない(苦笑

小劇場で10年も20年も舞台を作り続ける人って何を作ろうとしている人たちなのかね?
蜷川幸雄みたく一大芸術でも、あるいは仏像でも彫ろうっていう気構えなのかね?

・・意外とそんな人は少数派で、世間一般の人からすると「このダンボールに羽が生えて見えます!」なんて言うとおいおい正気かよ、そんな紙製品ごとき俺のレキサスで轢いちゃうぞ、みたく光り輝くガソリンを消費する内燃マシンに比べれば重きを置かれないのが普通、な物体に価値を見出しちゃう不幸な人たちの集団だと思う。もちろん観客も(苦笑

ようは横から見てると、「その頬ずりしながら作り上げてるモノ、段ボールですよ、見えてないかもしれないけれど」「何をおっしゃる、この羽、見えませんか?」「・・は?」な夢見がち。

でも、こんなに不毛なものなのにいざ観てみれば、別にツイッターに書くまでもなく世間が一目置く芸術作品を我先にチケットを争って手に入れて観に行くより・・なんて幸せな人生・時間!・・なんだね(嗚呼(笑

そんな「どうかしちゃった奴ら≒作り手」の、救いようのないしょっぱい話がこれでもか!と・・・でも観てて思うんだけど、これって真実だ(今作のBL的要素を除く←一応期待を煽っておく(笑

自分自身で考えた時、自分がなんで小劇場の舞台を観に行くのか・・・ってそれって、「俺、蜷川の若いときの舞台観たんだ」みたいな自慢をするためじゃない。そんなんじゃ続かない。余程人に自慢したがりのヒマ人でもない限り。

たぶん「才能のカケラも無いのになんで俺は続けるんだ!」って自問しながら舞台に立つ人間が心の底から叫ぶ(howl)、自分で自分のことを笑いながら、そんなイカれたロマンチシズムの観測者であることにカタルシスを覚えるようになってしまったからなんだろうな(苦笑

でも、才能っていったい何なんだ・・自分にはわからない。
諦める早さのことを言うのか?
でもただ一つ言えることは、少なくとも舞台の上にある限り、慧眼がきらめく一瞬よりかは、くすんだ名も無い人生の方が自分の目には遥かにロマンチックに見える(ことが多い)ということだ。
あるいはそこにそのように配置する勇気のことをこそ才能というのかもしれない。美しさを美しさのまま提示する芸術家が二流であるように♨

屍のパレード

屍のパレード

虚飾集団廻天百眼

ザムザ阿佐谷(東京都)

2015/10/07 (水) ~ 2015/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

一番後ろで観劇するつもりだったけど・・
席待ちのなかで「汚れてもいい人~」と言われて見渡したら自分が一番汚れてもよさそうな格好だったし誰も手を挙げなかったんで、気づいたら最前列に座っていた(苦笑

やっぱ血塗れになって観客みんなで手を挙げて喜んでるのは良いな。

対ゲキだヨ !全員集合

対ゲキだヨ !全員集合

MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)

せんだい演劇工房10-BOX(宮城県)

2015/10/02 (金) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

結局新潟行ってから・・
翌日仙台行ってみてきました。下北やめて(苦笑

ちなみにその新潟行ったときえんとつシアターのビルに用事があったんだけど、新潟と比べても仙台の会場の異様なアクセスの悪さ・・最寄りのJRの駅まで歩いて30分かかった(苦笑

12月の東西線が開通するまでここに来ることは無さそうな・・

でも、会場の雰囲気は良かった。子どもとかわりといっぱいいて。

自分が観たのはラストがコトリ会議だったんだけど、笑ったりして舞台が終わった時に隣に座っていたちびっ子(男子)とニヤリと目があった。・・・コイツ、分かってんのか?みたいな(笑

短距離とか含めこのまま来年アゴラ持ってくるのかなぁ・・?

トワイライト

トワイライト

維新派

曽爾村健民運動場(奈良県)

2015/09/19 (土) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

隼別皇子
曽爾と聞いてほかの人が何を思い浮かべるかな・・と思ったりもするんだけど、自分はわりとこの古事記のアイドル隼別皇子が殺された山中というところなのかなぁ・・伊勢に逃れようとして。

自分は何をトチ狂ったのか「どっかの山から駆け下りて維新派の会場までケモノ道っぽい道も含めて走り抜けて観れば最高なんじゃないか?」と思い、曽爾高原よりもうチョイ上の山に入山料500円也を払って登って、維新派の会場に目星をつけ(会場はちょっと下の入山料がぎりぎりかかんないとこからのほうが見やすいかも)そこから一気に・・駆け下りたいとこだけど、ちびっ子とかいてゆっくり歩き、意外と時間に余裕があったので温泉とビールを経て、そこから走って会場まで・・と思ったら最後が割りと期待していたケモノ道っぽくって焦った(苦笑 どっち行ったら良いか分からない二又道とかあって間違えると間にあわなそうみたいなとこも含め。でもテンションをあげるために倒木とかを飛びぬけて走っていった(また怪我したらかあちゃんゴメンと思いつつ(苦笑

時間がないかと思ったけど天気が良かったせいか意外と余裕だったんでもっと手前の落合あたりから山に入っても良かった。

維新派も見なれてきたせいか、どういう風に観れば物語が楽しめるかわかってきたので、予習がガッツリはまった(個人的に)時には凄く良い。東京ではやっぱりこの旅行感は難しい。池袋?30分で直通で着くよ。雨降ったら家の目の前からバスで恵比寿乗り換えでいこかみたいなのはちょっと維新派ぽくないかもなぁ

ちなみに舞台の途中、亀山峠を飛ぶカッコいいハヤブサ(だと思うんだけど)の姿を見てたことを思い出して、(曽爾は観光地だけど)古事記の世界に一瞬触れた気がしたのを思い出した。できょうこれから九州に舟で黒潮を遡ってみようかと。きのうみたいに天気よくないみたいだけど(苦笑

ちなみに会場は寒いけど、見る前に温泉はいればそんな寒くないですたぶん。

その頬、熱線に焼かれ

その頬、熱線に焼かれ

On7

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/09/10 (木) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

感動した
素晴らしい・・でも、そこでこの作品のすべてを評価してしまって良いのか。

前回のサリ氏という女性演出家から、男性の作家、演出家に変わった。

話のところどころに引っかかるところがあった、けど、全体の勢いを削ぐところはなかった。

女性の役者ゆえなのか、目線の隅々まで演技の意図、想いが漲っている。

だからこそ、なのか、頭の中で台詞を台本に並び替えていくと、この見事に完成された演出的配置の中に男性的な想像力の匂いを感じ取ってしまう。

それを、作り事の世界をひと時現出させる演劇的な要素として納得するのか、それとも女性的なリアリティの欠如と見るのか、迷うところ・・

でもこの目線から漲る女性的な熱量(嫉妬・渇望・喪失感を含む)と、台詞から匂い立つ男性的なロマンティシズム。このコラージュ、ある意味原爆乙女のケロイドと女性の美しい肌のコラージュと重ね合わせられなくもない。でもならばこそ、物語の中にこの目線と夢想とを幾何学的に美しく配置して、原爆乙女の魂の美しさを星座のように照らしても良かった気がする。

ル・クレジオが来日の際言っていたんだけど、文学というのはかつて存在した美しい魂を言葉の伽藍のなかに再配置すること云々・・そういう意味ではこのコラージュに一ひねりの遊びがあるとなおよかった気も・・

果てまでの旅

果てまでの旅

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/09/05 (土) ~ 2015/09/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

初演も観たけど
何度見ても面白い。

一見洟垂れた厨房のようだけど、
気配を消した(気になった)戦国武将のように幅30cmの隙間にそっと身を隠すように座るところとか、流行んないかな~♨

あんなに愛しあったのに~津南町大倉雪覆工篇

あんなに愛しあったのに~津南町大倉雪覆工篇

指輪ホテル(YUBIWA Hotel)

大倉スノーシェッド(新潟県)

2015/09/05 (土) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★

行ったけど・・
当日券が手に入らなくって見れなかった(苦笑

でも、狭い町なんで見てきた人から感想を聞くことができた。

まず、金曜日の試演会を見てきた人から。
「6時に始まって8時くらいに終わった。長かった。子どもたちからも長い長いという声が上がっていたなぁ・・」

ただしスノードームを歩いていくのでそれぞれの見る時間は違うと思う、というただしがついて。

そりゃそうだよなぁ・・会場から歩いて15分のバス停の終バスが7時40分(ただし走るのは信濃川の東岸で、西岸へのアクセスは悪い)。終電も過ぎていて辺りは真っ暗。こんな時間に歩いていたら車に乗ったお年寄りがびっくりする時間。

そういうことも考えると、上演時間70分くらいが適当のような気がするが・・・

幸い、チケットは手に入らなかったものの受付の外から上演の様子を少し見ることができた。

出だしは10分ほど。

出演者が信濃川のそばで生まれたことを少し話していた。

それで10分ほど。まだ物語は始まっていない。

そこから歩き出す。100mほど行ったんだろうか。王様が出てきたところから物語が始まったようだ。

そこから先はちょっと聞こえなくなっていた。・・ざっと20分くらい?

トンネルの長さが1kmほどだから、これを7~80分にまとめると10分100mちょい。前々日2倍の尺だったものを歩きながらまとめるのはちょいきつくないかな・・?

翌日、別の観てきた人の感想が聞けた。

「・・登場人物が多すぎて良くわからなかった」

そりゃそうかもなぁ。

普段、演劇的読解力に長けた首都圏にいると感覚がマヒしてしまいがちだけど、演劇にそれほど触れたことない人たちが、パイロット版で二倍の尺だったものを濃縮して、それをさらに歩きながら鑑賞するのはちょっとキツイかもしれない。

自分が実際に鑑賞したら、それとはまったく別の感想を持ったかもしれないけれど(苦笑

でも、正直これほど率直な感想が聞けると思わなかったんで。

実際のところ、こういうの「見てきた」に書くのどうかなぁ・・という気もしたんだけれども、10~20分とはいえ見聞きしたのは確かだし、自分もセロ二アス・モンクの演奏を換気扇ごしに聞いたケルアックの感想の方がしっかりしたシートで聞いたであろう批評家の意見よりずっと印象に残っているっていうのと、自分自身しっかり演劇を見て感想を書くのも、他の人の感想を読むのにも若干飽きてきた(ツイッターの方が気楽だし)というのと、帰りの電車の中で頭の中でちょっと整理してみたら割と推理小説っぽくてちょっと時間つぶしに読むには良いんじゃないかという気もして書いてみました。

せっかく津南まで行って宿泊したんだしね。

ちなみに☆2つは20分ほど見聞きしたんで☆2つで特に深い意味はありません(苦笑

【追加公演決定!】本当はバンドやりたかった

【追加公演決定!】本当はバンドやりたかった

劇団献身

RAFT(東京都)

2015/08/07 (金) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

25億円強盗
フジ(ロック)に行く途中でグンマで川遊びでもしながら思いついたにしては長すぎる。

でもサカナクション見るよりこっちのコントの方が好きかも(苦笑

全然関係ないかもしれないけど、今は無きオレンジコートでライブが終わった後で横になってみた月のこととかを下らないかもしんない歌を聞いて思い出したりとか。

にしても広井氏演じるルパンが凄すぎる(笑

普通25億円あったら高崎のライブハウスでコントやるために甲子園のタイムの練習をするんだろうか?

そもそも高崎って何があるんだろうか?

今年もちょっと降りてみようかと一瞬思って車窓を眺めてて結局気づいたら降り損ねたよ。
ネットで調べたらイオンがあるらしい。
でもイオンの話はいっこもなかった。

でもなんで中野区のムツゴロウさんちにルパンできて高崎なんだろう?

そんなことを劇場のすぐ近所のスーパーで買った長野県の道の駅から運んできたゆうプチトマトを帰りのバスの中で齧りながら考えた。

率いて

率いて

ナカゴー

ムーブ町屋(4階)ハイビジョンルーム(東京都)

2015/07/25 (土) ~ 2015/08/08 (土)公演終了

満足度★★★★★

なかなか
このクオリティーの少年はいないと思う。

ネタバレBOX

噺のあらすじだけ整理すると・・ん、悲劇?となりそうなんだけど、絶対そうはならない安定感。・・でも、よく考えると悲劇?いや、そんな馬鹿な。

町屋という下町なロケーションも話のくだらないディテールに微妙に影を落としている気がしないでもない。

いったい、荒川の南(とも限らないか)の住人達は北側の土地についてどう思ってるんだろうか?

最後に出てくる悪霊が生前経営していたという荒川近くの喫茶店に思いをはせてみた。

自分の真っ先に思い浮かんだのは千住にあるコーヒーラーメンの店だ(この場合喫茶店と言って良いのかラーメン屋といっていいのか迷うところだが(間違いなく後者

自分は全く食べたことが無いが知り合いで真夏も黒服ばかり着る男が(当然イケメンではない)その墨汁のような黒い汁が大好きだという話を聞いたことがあった。

そこから見て、悪霊の流れ着いた川向こうの川口の地・・(逆に上流になるからやっぱり千住ではないか、とも限らない

先住・・千住民から見て川口(ゴリラ)と言えばテキサスに等しいが、以前暇を持て余してあのあたりを真夏の土日に自転車で走り回ったことがある自分は分かるんだが、川沿いの川口は荒涼とした工場地帯だ。

千住がスラムだとすれば川口はハーレムだ。

・・まぁどっちもどっちってことだ。

そんな悲惨な土地からやってきた悪霊ご一行なんだが全然哀れさが足りない。

死んで悪霊に取りつかれた少年も。

噺の内容を詳しく説明しようとしてもわけわかんなくなるだけなので詳細は省くが、要は可哀そうでない幽霊がいっぱい出てくる話だ。

蒸し暑い夏の夜には最高じゃないだろうか。

ちなみに隣の赤札堂で買い食いしたメンチカツパンが旨かった♨
パフォーマ70 HONMOKU

パフォーマ70 HONMOKU

Offsite Dance Project

HONMOKU AREA-2(旧マイカル本牧の映画館跡)(神奈川県)

2015/07/31 (金) ~ 2015/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

本牧
は良い町(笑

Aプロ観てきました。

旧マイカルの古いアメリカ映画にでも出てきそうなカラフルな劇場で、ほんの少し前衛なダンス?

あとでまたちょっと・・これからこんどは葉山に・・本牧は横浜より中華街からバスに乗った方が早いなぁ・・やっぱ。

彼らの敵

彼らの敵

ミナモザ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/07/25 (土) ~ 2015/08/04 (火)公演終了

満足度★★★★

前も見たけど
今回の方が動きがずっとスムーズになったような・・

事件のことに集中するだけじゃなく、
作者のたぶん好きな題材(泥臭くてガムシャラな男、狡い大人の男、誠実だが非力な男など)が十全に出たショーケース的な作品としての魅力がよく出ていると思う。

役者が目まぐるしく何役もやっているのも、
何気なく世界基準に合っている。

週間文春とんでもねぇ、だけじゃなく、マスコミなんてみんな元からこんなもんだ。
面白ければ良いんだよ。
そんな弱肉強食の、剣をペンに持ち替えただけのバトルフィールドでペンに負けてカメラを手に取ってアルゼンチンのサッカーよろしく「犬のように」走り回る男。

食うには困らないが、今よりずっと死に近かった国での夢のように美しかった風景が忘れられない。

それもまた男性的というべきなのか(苦笑

第23回王子落語会

第23回王子落語会

花まる学習会王子小劇場

王子小劇場(東京都)

2015/07/21 (火) ~ 2015/07/21 (火)公演終了

満足度★★★★★

久々に
神田京子氏を見たけど、ずいぶん立派になったなぁ・・これが真打の力かぁ。

古事記 ふることふみ

古事記 ふることふみ

MONT★SUCHT

パラボリカ・ビス(東京都)

2015/06/19 (金) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

古事記
・・というと、前半部分とか、今でいうところの集団的自衛権で朝鮮半島で日本軍が人口比でいうところの今の自衛隊と同じか数倍の人間が戦死したとかそれ以降実は唐軍に侵略されたんじゃね?(無防備だったからね)とか、そういったあたりに衆目が集まるところだけど、今回の史劇はそういったところも前半部の授業で踏まえつつ、古墳でおなじみ(自分も周りをまわったことある!)の仁徳天皇とそれを取り巻く少年少女たちに焦点を集めているところが良い。

服も、日本的というよりむしろオリエント風なところに、この時代の日本の貴族階級とでもいえる人々のルーツが大陸にあるというところを暗示してて良い。

卓越した技量を持ちながら、自分の異母兄弟のほとんどが悲惨な死を遂げる仁徳天皇の数奇な運命にも強く惹かれる。

古代というと現在日本の統一感を増すための単なる道具になりつつある昨今、こういった千数百年前の天皇に反逆して殺されてしまったパンクな少年少女たちをフューチャーした史劇が上演されたところにもちょっと感動した。

朗読とディスカッション・フィリップ・レーレ戯曲『もの(Das Ding)』綿の一生の物語

朗読とディスカッション・フィリップ・レーレ戯曲『もの(Das Ding)』綿の一生の物語

東京ドイツ文化センター(ゲーテ・インスティトゥート)

東京ドイツ文化センター図書館 (2階)(東京都)

2015/05/17 (日) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄く刺激的
台本だけみると凄く固い物語のようなんだが、リーディングと現地での映像を観ると作品のスピード感とユーモアが伝わってくる。

3時間弱と想像以上に長かったけど、勉強になる瞬間の連続だった。

なかなか本公演を打てない人も、こういった形を取れば気軽に雰囲気を伝えることができるという意味でも勉強になったんでは?

でもそれは脚本や演出が非常にオリジナリティに溢れている場合の話だけど・・

百々幌エレクトリックタワー

百々幌エレクトリックタワー

演劇企画ユニット「11」

王子小劇場(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

2時間半ちかくあったけど・・
飽きずに楽しく見られた。

最初の方の軍事国家の話がちょっと分かりずらかったのが残念。

でも、やりたいことをやりたいようにやっているせいか、若い劇団なのに割とカラーが出ていた。
それがとてもいいと思う。

居坐りのひ

居坐りのひ

N₂

RAFT(東京都)

2015/05/11 (月) ~ 2015/05/12 (火)公演終了

満足度★★★★

試演だったせいか・・
ちょっと分かりずらい所もあったけれど、俳優(というかダンサーに近いのか?)の掛け合いの個性というのは分かったように思う。

関西とか四国とかって、シンプルだけど個性のある動きをする人が多いからなぁ・・

1人芝居『てのひらの夜/とみこのむすこ』

1人芝居『てのひらの夜/とみこのむすこ』

浅見臣樹1人企画

風みどり(新中野)(東京都)

2015/05/16 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

時間が空いたんで
日曜日に観ようかとも思ってたんだけど、急遽立ち見も覚悟して当日で行ったら普通に座れた(苦笑

以前から名前は聞いてたんだけど、風みどり@新中野という場所に初めて行った。
行ってみてびっくり。自分がわりと昔から良く歩くところだった。
中野ブロードウェーに寄った後西新宿のカレー屋に行く前によく新中野まで行って、このあたりもぶらぶらしたりするんでこの小屋の前も何回か通った通ったことがあるはずなんだが、全然記憶がなかった(歩くルートを見て人間のレベルが分かるなぁ

もっと向こうかと思って思わず通り過ぎそうになるところで店内に席が並んであるのを発見して、受付の人に聞いてやっとわかった。

中に入ると思った以上にオンボロ。気に入った!(苦笑

最近立派な劇場に行く頻度が増えてて演劇に対する愛が冷めかけていたところだった。
立派な劇場でサイリウムを首から下げた中年に囲まれて涙を流しながらスタンディングオベーションしてるくらいなら土管のある原っぱで踊ってた方がマシだ。

トイレの前の手洗いがモゲてて大丈夫かと思う。
開演したっぽいのに役者(=主役)がなかなか出てこなくて不安に拍車をかける。
誰か手洗いくらい直してやれよ。
配管工のバイトの経験が無くてもネットで取説くらいあると思うんだが。手洗いの。

ネタバレBOX

始まる舞台は2作品。

最初のは左手が恋人の男の話。

最初さびしい異常者の話かと思ってたけど、観てるうちに主人公が役者という設定が生きてくる。

この左手は本当の恋人?(の形見?)あるいは役者が演じる空想の恋人?

割と男の握力でもって迫力ある動きのシーンがあるのでその迷いに拍車がかかる。
(・・・毎日こんな荒々しく想像と割り切って左手と演じあえるなら、役も軽くかっさらえるのでは?(主人公は銀河鉄道の舞台のオーディションに落ちてきたばかりなのだった)と考えるのはご愛嬌

最初は気持ち悪い狂気じみた男の話かと思ってると、どんどん女性の脳内の空気感に似た中でかわいい妄想に浸る役者志望の男の話に見えてくるから不思議だ。

これも俳優の力なんだろうか?

舞台を観ながら、台詞を頭の中で文章に落としてみたけれど、これやって気持ち悪くなくできる役者なんてそうはいないんじゃないかなぁ・・(笑

迫真の演技ではあるんだが、気持ち悪くないというのか。

一人芝居っていうのはこういうのが観れるから良いなぁ。

複数の役者でやるとそれに合わせなければならない。
「この人面白い役者だなぁ」と思う役者がその面白いままで舞台に立っているのを観ることはごく稀だ。

みんな役者人生が長いように思うかもしれないけれど、本当に面白い役者なら、自分が面白いままで舞台に立てる機会が一生のうちでほとんどないことを本能的に理解しているのではないか。

当日パンフなのか述懐なのかよくわからない一枚の紙に
「稽古中にそんなんで良いのかと怒られた」
ていうのがあったけど、自分はそれが「普通に演じて自分の持ち味が出ていない。うまくやろうとすんな」的なコメントなのかと勝手に解釈して嬉しくなった。
良い人間いんのね。全部自分の妄想だけど(苦笑




2作品目は母親の話。

「29になって自分を産んだ母親より自分は年上になったけど、自分は母親より人間的に上になったという自信はとてもない」
的な台詞が良いなと思った。

あと、主人公(男)が流産するところも。
周りの女性たちは妄想よと笑うけど、本人にとっては結構深刻な問題なんだろうなぁ。男だからそうと見えないだけで。

でも、自分のお袋も自分を産む前に仕事が忙しくて何回も流産したと言っていたのを聞いて分かるけれど、女性にとって「流産するかもしれない・した」という不安・悲しさは相当に大きなものだと思う。
そういう不安・悲しさを、妄想とはいえ感じ取ることができるなんて、自分はそれって素敵なことだと思う。

・・・いや、勿論妄想なんだけど。本当ではないんだけど。
でも、真剣にそういう悲しみに純粋に向き合えるなんて、悪くない魅力だと思う。

成田や高崎のクラブで働き、伊香保温泉で住み込みで働いたという母親の歴史が昭和を感じさせる。
以前夜の足利市を歩いていた時に聞いたカラオケハウスから漏れた歌謡曲と、橋向こうの焼き鳥屋の、外の客にできた焼き鳥を乗っけて渡す台、あれなんていうのかな?に乗った猫が店内を眺めているところを思い出した(笑

うん・・悪くない旅路だ。
  ・・夜の。

終演後、外に出て駅に向かって歩き出すと向こうから小屋の裏から出た役者が走ってきてひといひとりにお礼を言っていた。

うん、演劇って素敵だ。
金のないところがとりわけ。


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