たなかひが投票した舞台芸術アワード!

2008年度 1-10位と総評
イザナギとイザナミ 古事記一幕

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イザナギとイザナミ 古事記一幕

劇団千年王國

エンターテイメントとメッセージ性のバランスが絶妙。
「日本人はほかの誰とも違う」ということがうまく表現できていた。

ライカンスロープ

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ライカンスロープ

Afro13

エンターテイメントを隠し味にした「異文化対立物語」
わくわくと楽しませながら考えさせられる
「見せ方」がすごくうまかった。

水をめぐる

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水をめぐる

劇団こふく劇場

照明以外の「電器器具」を徹底的に排除して、
あくまでも自然にこだわった空間のつくりがよかった。
「人間は生まれたところの水と土でできている」という
物語の本質がきちんと出ていた。
南九州は「神話の国」なのかも知れない。

ワーニャ伯父さん

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ワーニャ伯父さん

地点

ムーブ・マイムがすごくきれい。
空間の使い方もすごくシンプルかつ仕掛け満載。
効率的に「物語」が体にしみこんでくるから
ある種の「同時代性」を強く感じた。

アントンクルーの三人姉妹

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アントンクルーの三人姉妹

劇団 アントンクルー

最近、福岡ではやけにチェーホフづいている。
「福岡味」でもロシアのもつ空気観がうまく出ていたし、
これもある種の同時代性を感じさせる物語のつくりでした、
「ART」の最後らへんをうまく使った興味の持たせ方もなかなか。

劇団きららの「星の王子さま」

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劇団きららの「星の王子さま」

劇団きらら

これは「ゲシュタルト」との併せ技で評価しなければ。
「ゲシュタルト」でみせた、
「孤独」と「孤立」の救いのない物語を
「古典」という形を使って
「見えない連合による救済」の物語に着地させた。
ここにこのカンパニーの進化を見た。 

『和装ニホヘト』12/3筑前りょう太アフタートーク

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『和装ニホヘト』12/3筑前りょう太アフタートーク

グレコローマンスタイル

自分らの「まったく知らない世界」を「凄み」付で
きちんと見せることと「エンターテイメント」が
うまく両立できていた。
せっかくアメリカンプロレスの本場を知っている人の
お弟子さんと「アフタートーク」という形で
「つながった」からこそ、もう少し「見せ方」というところに
工夫を凝らせばもっとよくなった。

王たる者

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王たる者

謎のモダン館

「水の簪(かんざし)」 で「徹底的な自己との対話」から
きちんと展開していって、
「生きる」ってどういうことなのか、
「死ぬ」ってどういうことなのか、
新しい世界観をこの演目できちんと提示できたことに
このカンパニーの進化を感じた。

アクワリウム

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アクワリウム

ゼロソー(Neutral Phase Company)

世の中の「矛盾」がこれでもか、と盛り込まれていた。
結局、「誠実」と「不誠実」との戦いなのだなぁ、と考えさせられた。

ツキコイシ

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ツキコイシ

F's Company

「仲間っていいなぁ」と感じさせて、すごく安心できる話のつくり。
もう少し空間のつくりを設定の空気に合わせた形に
すればもっとよかった。

総評

ランクには入らなかったけれど、いいな、と思ったもの。
M・M・S・T 「紙風船」
→福岡にない「異質な」演劇を見た。
 次の仕事はいつですかぁ。 
風三等星 「ピンスポ!」
→できはすごくよかったけれど、初見のカンパニーなのでランクに入れられず。
劇団 二番目の庭 「病気」
→「人を殺すこと」はこういうことだ、を露骨に表現できたことが画期的。
 内容、空間のつくりが過激すぎて見る人を選ぶ演目。 
演劇関係いすと校舎 「メガネの人、将棋の人。」
→「かつて見た光景」を丁寧に表現できていた。
 もう少し追っかけてみたい。
劇団衛星 「珠光の庵(200811福岡)」
→宇宙の密度がこれでもか、と出ている。
劇団爆走蝸牛 ~Bakusou Katatumuri~ 「おもてうら」
→「ホン」と「カンパニー」の両方に多彩な変化性を見た。

総評
「新しい九州・福岡演劇の12年」の最初の4年サイクル1年目。
それぞれのカンパニーが今まで作ったものを携えて「これから」に沿ったものを
試行錯誤して作り上げようとする七転八倒をいろいろな距離で見た年でした。
九州各県のカンパニーは「対福岡」というものをさらに意識し始めたし、
福岡のカンパニーは「対九州+対本州」というものを少しずつ意識している。
来年(来シーズン)からは九州各地の演劇祭やシリーズの試みが
きちんとした日程になって、それぞれの方向性の違いが出てきたら
もっと面白くなりそうなのですが。
自分の今年は来年からの流れについていくための自身を何とかする作業をしたため、
このシーズン、見る量をあえて減らした。
最後に別格として、
劇団太陽族 「往くも還るも」
ギンギラ太陽\'s 「天神開拓史」
をあげておきたい。


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