1
イザナギとイザナミ 古事記一幕
劇団千年王國
エンターテイメントとメッセージ性のバランスが絶妙。
「日本人はほかの誰とも違う」ということがうまく表現できていた。
2
ライカンスロープ
Afro13
エンターテイメントを隠し味にした「異文化対立物語」
わくわくと楽しませながら考えさせられる
「見せ方」がすごくうまかった。
3
水をめぐる
劇団こふく劇場
照明以外の「電器器具」を徹底的に排除して、
あくまでも自然にこだわった空間のつくりがよかった。
「人間は生まれたところの水と土でできている」という
物語の本質がきちんと出ていた。
南九州は「神話の国」なのかも知れない。
4
ワーニャ伯父さん
地点
ムーブ・マイムがすごくきれい。
空間の使い方もすごくシンプルかつ仕掛け満載。
効率的に「物語」が体にしみこんでくるから
ある種の「同時代性」を強く感じた。
5
アントンクルーの三人姉妹
劇団 アントンクルー
最近、福岡ではやけにチェーホフづいている。
「福岡味」でもロシアのもつ空気観がうまく出ていたし、
これもある種の同時代性を感じさせる物語のつくりでした、
「ART」の最後らへんをうまく使った興味の持たせ方もなかなか。
6
劇団きららの「星の王子さま」
劇団きらら
これは「ゲシュタルト」との併せ技で評価しなければ。
「ゲシュタルト」でみせた、
「孤独」と「孤立」の救いのない物語を
「古典」という形を使って
「見えない連合による救済」の物語に着地させた。
ここにこのカンパニーの進化を見た。
7
『和装ニホヘト』12/3筑前りょう太アフタートーク
グレコローマンスタイル
自分らの「まったく知らない世界」を「凄み」付で
きちんと見せることと「エンターテイメント」が
うまく両立できていた。
せっかくアメリカンプロレスの本場を知っている人の
お弟子さんと「アフタートーク」という形で
「つながった」からこそ、もう少し「見せ方」というところに
工夫を凝らせばもっとよくなった。
8
王たる者
謎のモダン館
「水の簪(かんざし)」 で「徹底的な自己との対話」から
きちんと展開していって、
「生きる」ってどういうことなのか、
「死ぬ」ってどういうことなのか、
新しい世界観をこの演目できちんと提示できたことに
このカンパニーの進化を感じた。
9
アクワリウム
ゼロソー(Neutral Phase Company)
世の中の「矛盾」がこれでもか、と盛り込まれていた。
結局、「誠実」と「不誠実」との戦いなのだなぁ、と考えさせられた。
10
ツキコイシ
F's Company
「仲間っていいなぁ」と感じさせて、すごく安心できる話のつくり。
もう少し空間のつくりを設定の空気に合わせた形に
すればもっとよかった。