『カガクするココロ』『北限の猿』 公演情報 『カガクするココロ』『北限の猿』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-20件 / 23件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    2009年11月18日~19日、アステールプラザにて観劇。

  • 満足度★★★★★

    重量感のある演劇
    うわさどおり。役者はこちらを向かない、ただ自然体で話す。
    まるで、研究室を覗き見しているかのような錯覚。
    音響もない、転換もない、一本の時間の一つの場面のなかで、
    これほど、何気なく落ち着いて重みのあるものを、
    見ることができるなんて。幸せな時間でした。

  • 満足度★★★★★

    「北限の猿」観ました
    心地よい80分間でした。ラストのドラミングを見て、涙が止まらなくなり困りました。

  • 満足度★★★

    「北限の猿」安心して観ることはできましたが・・・
    満席。客席の年齢層はやや高めだったような気がします。芝居は、「カガクするココロ」同様、大きな破綻もなく、安心して観ることができます。若手だけの座組みにもかかわらず、このクオリティは、やはり劇団の層の厚さを感じます。ただ、大きな破綻がない一方、戯曲のポテンシャルを引き出す、優れた演技をした俳優も特に見当たらなかったかな。その点では不満も残りました。

    ネタバレBOX

    大学生の吉川さん(先輩の子どもを宿してしまった人)役の役者さんは、がんばってはいたが、正直、あの役をやるには力不足だった気がします。最後の見せ場のシーンが効いていませんでした。
  • 『カガクするココロ』
    設定が2009年だったことや、けっこうメリハリ(ドンシャリ?)の効いた演出だったことに、驚く。

  • 満足度★★★★★

    「北限の猿」
    人は猿、猿は人。

  • 満足度★★★★

    カガクするココロ
    青年団の芝居は好きです。

  • 満足度★★★★

    青年団を見る楽しみ
    先週の「北限の猿」につづいて「カガクするココロ」も見てきた。
    どこからが始まりなのかも分からない、場面転換も暗転もないワンシーンなのだが、その物語の前後、その物語の外側を想像させて広がっていく。物語を説明しないセリフにもかかわらず世界が広がっていくことが気持ちよい。そのあたりが青年団を見る楽しみであったりする。

    役者もよい。木引優子、鄭亜美の存在感。一度見ると忘れられない。

  • 満足度★★★★

    【北限の猿】ヒトはすべてイヴから産まれる
    先日観た『カガクするココロ』との緩やかな関係があるような作品であるが、それからは完全に独立した作品であると考えたほうがよいようだ。

    と、いうより、個人的には『カガクするココロ』を観てから少し時間が経っているので、そこでの役名等はほとんど頭から消えているものの、『北限の猿』での登場人物との違和感(「なんか違う」のような違和感)が出てきたので、すぐに頭を切り替えることにした。
    つまり、『カガクするココロ』での各登場人物を記憶から引っ張ってきて、今、目の前で行われている『北限の猿』の役と結びつけて考えることは一切しないことにした。
    「えっと、あの人は前のときは、何していた人だっけ」と考えないということだ。

    もちろん、大学の研究室にある休憩室をスケッチしたような作品ということでは、『カガクするココロ』と同じ構造を持つ。

    そして同様に、青年団的な見事な会話劇が続く。それは観ていてとてもいい感じだ。

    ネタバレBOX

    『北限の猿』でも『カガクするココロ』と同様に、舞台には登場しないラモスと呼ばれる教授の「ネアンデルタール作戦」というとんでもない研究は続いているようだが、今回、そのマッドサイエンストぶりはほとんど感じることはない。

    むしろ「ヒト」と「サル(類人猿含む)」との差異や、進化についてが物語の背骨となる。
    それは、ボノボというキーワードですぐに思い出した、王立フランドル劇場(KVS)&トランスカンカナル『森の奥』ほどの重さはないが、後半から物語の全体をじっとりと覆う。

    2つの作品は、それぞれのタイトルが示すように、扱うテーマが違うのだ。だったら、10年後の同じ研究室の休憩室ということではなく、まったく同じ時間の同じ場所の別の出来事として描いたほうがすっきりしたように思える。
    まるでパラレルワールドのようにだ。


    人類のすべての母は、アフリカにいたイヴと呼ばれる者であったという理論が披露される。

    あたり前だが、女性からヒトは生まれたのだ。最初のヒトも現在のヒトもそれは同じ。

    また、かつて森にいた類人猿が、ジャングルの端にある木の枝にぶら下がりながら、サバンナを眺めていて、思い切って踏み出した一歩が「ヒト」への道へ通じていたのだろうと、女性研究員が言う。

    そして、彼女は自分が行き詰まったときに、まるで最初のヒトとなるサルが行ったように、自宅の鴨居にぶらさがり、6畳の部屋をながめて気持ちを高めている。

    研究室では、同僚の研究員との不倫の結果、妊娠している女性がいる。当然、研究室の誰にも話すことはできず、ようやく、相手の男にのみに告げることができる。
    不倫相手は、妊娠した研究員を避けるようにしており、また、休憩室の人の出入りがあって、どうするのか、という結論までにはまったく話は進まない。
    さらにその彼は来年アフリカに行くということもわかってくる。

    妊娠した女性は、誰もいない休憩室で椅子の上に立ち、最初のヒトのように、休憩室を眺める。

    次に、彼女は、南の島で行われていた、口減らしのための妊婦の儀式、すなわち離れた岩場から岩場へ飛び移るということ(失敗した妊婦は谷底に落ち死ぬし、恐怖のために流産することもあるという儀式)を、椅子を2つ置いて試そうとする。
    しかし、飛ぶことすらできない。
    ここには、ストレートながら、彼女の気持ちの揺れが示されていた。

    彼女は、最初のヒトのように一歩を踏み出すのであろうか。

    彼女はヒトになるのか、ヒトの母になるのか、イヴになるのかという岐路に立っている。
    つまり、彼女は今、間違いなく、自分が進むであろうサバンナを、木の枝にぶら下がりながら眺めているのだ。

    さらに、劇中で語られる、サルには中絶はないと言う事実(つまりヒトにはある)が、彼女の行く末に暗く陰を落としたりする。

    そんな会話が、この会話劇の中で唯一の事件とも言える、彼女のことをちょっと際立てる。
    しかし、それが物語の中心ではないところがいい。

    彼女のただならぬ様子を察している、同じ研究室の女性の、救いの一言がいいし、ラストのゴリラのドラミングは印象的。
    『森の奥』のラストに似た印象のシーンだ(意味はかなり違うが)。
    妊娠した女性が、彼女の何かを察してくれた女性の気持ちにちょっと触れるいいシーンだったと思う。
    ・・・ただ、確かゴリラのドラミングは雄だけが行い、しかも相手を威嚇するときに発する行いだったような気がするのだが(違っていたらすみません)。であれば、類人猿を研究している人たちが知っていて行ったのだから、何かもっと意味があるのかなと深読みしてみようとしたが・・・単にうかつだったとしか思い当たらなかった(笑)。

    研究員たちが言う、人間と猿との違いとは、「許せるか許せないか」だと言う。
    そして北限にいる猿、というか人間が餌付けをしない猿の集団にはボスがいないらしい。
    ヒトは許すことができないし、「餌付け」されているから上下関係もあるし、ボスもいる。
    ボノボのようなコミュニケーションはとれるはずもなく、コトバそのものと、その裏を読んだりする。
    だから、ヒトとサルの平行線が研究室の中にどこまでも続く。


    先に書いた『森の奥』は、今回の『カガクするココロ』『北限の猿』の姉妹編となっているので、『森の奥』には、『北限の猿』に名前が出ていたアフリカに行っている研究者を登場させ、3本立てで上演する、なんていうのもよかったかもしれない。


    まったく関係ないけど、たまが『さよなら人類』って曲で、「今日人類が初めて木星に着いたよー、ピテカントロプスになる日も近づいたんだよ、サルになるよ、サルになるよ(さるにはなりたくないって歌詞もあったなあ)」と歌っていたのを思い出したりして。なんか近いなと思ったり。

    シンプルなコミュニケーションで、許しがある。サルとヒトはどっちが進化しているんだろうな、とまた考えたり。
  • 満足度★★★★

    「カガクするココロ」楽しく観ることができました
    2010年初の観劇。満席でした。若手劇団員のみの出演のみということでしたが、特に目立ったほころびもなく、安心して楽しく観ることができました。ただ個人的には、物語全体として心に刺さるような瞬間がなかったのも事実。エンターテイメントとして楽しみました。

    ネタバレBOX

    平田オリザ初期の代表作ということですが、他のこれまで自分が観た作品と比べると、ベタな笑いどころが若干、多かったような気がします。大学生の戸田君が清水さんにふられるシーンは切なかったなああ。
  • 満足度★★★

    類人猿を観察
    『北限の猿』鑑賞。『カガク~』の10年後の同研究室を舞台にしているが、配役やキャラクター設定に関連性はほとんど見られず、全く別物として楽しめる作品だった。

    ネタバレBOX

    とまれ、両作品で別の役を演じた河村竜也さんのキャラがどちらも「女たらし」といったようなアソビがあって、とても楽しかった。『カガク~』よりもさらに専門的な会話が研究者同士でなされるのだがが、それが、「類人猿(ボノボノ)を考察する類人猿(研究者)の生態を類人猿(観客)が観察している」という構図を強調するわけだ。「DNAレベルではヒトもチンパンジーもほとんど差がない」という台詞が妙に腑に落ちてしまい思わず失笑。
  • 『北限の猿』
    ボノボ繋がりで、伊坂幸太郎の 『重力ピエロ』を読み返したくなる。

    ネタバレBOX

    あと、古典になるほどの時間を経ていない再演作は、観ているときに舞台上の年代がいつなのか、ちょっと混乱してしまう。
  • 満足度★★★

    日常×非日常の混沌
    『カガクするココロ』鑑賞。どこでも交わされているような何気ない若者たちの会話劇であるのだが、彼らが所属するコミュニティーの特殊性が見え隠れするたびに、不思議な違和感に苛まれた。日常と非日常とが混沌とする世界。それがカガクの現場であり、カガクするココロなのか。

  • 満足度★★★★

    【カガクするココロ】人間の好奇心は無責任
    青年団、というか平田オリザ氏特有の台詞のリズムがとても気持ちいい。
    重なったり、遮られたり、そんな普通にありそうな会話の応酬なのだが、聞かせたい台詞はきちんと届く。
    そこがいいのだ。

    登場人物のキャラクターもはっきりしているので、とても見やすいということもある。

    さらに、ちょっとした笑いもあったりするし。

    ネタバレBOX

    遺伝子操作をナニして、いろんなことをアレするみたいな実験室の、ロッカーのある休憩室での一幕。
    台詞で登場人物のバックボーンや現状が浮かび上がる様が気持ちいい。
    薬剤メーカーの営業マンの存在がいいアクセントになっているし、いろいろ起こるちょっとした事件も楽しい。

    舞台となる実験室の主任教授は、自分の興味と欲望のままに「ネアンデルタール作戦」と称するとんでもない研究を進めようとしている。
    そのためには、各学部からも人を無理矢理集めてくる。

    この教授の存在と研究は、ある意味マッドサイエンストで「ドクター・モローの島」であるのだが、物語の中心に見えるようには置いてはなく、背骨にしっかりと位置づけられる。
    この研究が、後ろに見え隠れするので、学生たちの台詞や行動が意味を帯びてくるのだ。

    研究室にいる学生たちは、意外にお喜楽で、そんな教授に「困ったなぁ」とちょっと言ったりしているけれど、本気では困っていない。
    それよりも、バイトのことや自分や他人の恋愛や、揉め事のほうが気になっているのだ。動物が好きではない者さえいる。

    遺伝子を操作して・・なんて最先端のことを扱っていても、やはり「人」のことはわからない。人の気持ちはわからないし、自分のことさえもわからない。
    そんなアンバランスな生き物が人間なのに、そのアンバランスな人間は、新しい生き物を創造してしまうような技術を手にしようとしている。
    倫理とかなんとかよりも、自分の好奇心のほうが最優先されてしまう。
    それが「カガクするココロ」なのかもしれない。

    そして、そんな「力」を手にしようとしている者(学生たち)は、そんな力には学問としての興味はあるものの、(たぶん)自分や社会、世界との関係性について考えてもいないのだ。それはちょっと恐ろしくもある。

    彼らは、おふざけで、遺伝子操作をして創りたい動物の絵を書いてみるのだが、それが(たぶん)好奇心の根源であり、カガクするココロでもある。
    好奇心は無責任。止めるものがいなければ、どこまでも突っ走っていく。

    そんな好奇心で進化した猿だったり、得体の知れない生き物だったり、最悪のウイルスなどが創られしまうかもしれないのだ。
    もちろん、それが有用となることもあるのだが。

    そうした無責任な「カガクするココロ」=「好奇心」の積み重ねで「今」があるのかもしれないのだけれども。



    話は違うが、観劇した日に、たまたまラジオを聞いていたら、地下鉄漫才で一世を風靡した春日三球が漫談をやっていて、「人参は上に出ているところが食べられない。逆にほうれん草は根のほうが食べられない。だったら、人参とほうれん草を掛け合わせると、ほうれん草の葉で人参の根の、葉も根も両方食べられる野菜ができるかもしれない。だけど、逆に人参の葉でほうれん草の根の、どちらも食べられないものができちゃったりして」なんて言っていた。これってシンクロニシティ?・笑。
  • 満足度★★★★

    「北限の猿」-役に違和感も
    「カガクするココロ」の次に「北限の猿」を観ました。
    「カガクするココロ」と同じ役名が出てくる。
    基本的には同じ人物だが、厳密な推移ではなく
    人格的な連続性がほとんどないという設定。
    2つの作品それぞれに作者が描きたかったことがあり、
    あえて同一俳優を当てなかったようだ。
    いちおうその意図は理解して観たが、1作だけ観る分
    にはまったく影響なくても、続けて観た場合、
    同じ俳優が出ていることもあって、少し違和感がありました。
    特に個性的な俳優の場合は、やはり気になるものです。

    ネタバレBOX

    配役で気になったのは、「カガクするココロ」で源、本作で
    木元敏子を演じる工藤倫子。長身で目立つ上、まったく違う印象
    の役作りではないため、続けて観ると同一人物に見えてしまう。
    違う人物にする必然性をあまり感じなかった。だからといって、
    「カガク」の木元とは関連性を感じない。
    「カガクするココロ」でセールスマン高木を好演した二反田幸平は
    印象が強烈なので、同じ役で出ても良かった気がする。
    小島を演じた河村竜也がこちらでは久保役。だが、こちらも女性を
    妊娠させてしまう役なので、これはこれで面白かったが。
    小林亮子が2作とも妹役だったり。
    「研究室の中に進化したサルがいる」という噂をもとに、それはだれか
    とホワイトボードにノミネートで書いていく場面が可笑しかった。
    研究員ではない高木(安倍健太郎)にどんどん正の字が増やされていき、
    部屋を出るときに高木が黙って消していくところなど。
    事務員の平山(山本裕子)が印象に残った。
    「ブリキの自発団」にいた若いころの片桐はいりがこういう役どころを演じて
    巧かったのを思わせる。何となくよくわからない女性(笑)。
    妊娠している吉川(中村真生)が椅子を飛び移ろうとするところはハラハラ
    したが、そこへ清水(佐山和泉)が入ってくる。
    このとき、2人がとる胸を叩く動きはゴリラが互いに「仲間だ」ということを
    示す行為と同じボディランゲージである。ゴリラは示威行動の場合も胸を叩く。その場合、先に胸を叩くほうが「先輩」(自分のほうが上)であることを主張するそうだ。
    そういう前提で観るとコミュニケーションとして興味深い場面である。
    「カガク」より研究員一人一人の人物描写は薄い気がした。
    終わり方も物足りない。
    訳知り顔でサルたちの行動を分析している人間たちが、実は自分たちのことはあまりわかっていない。科学が進歩したとしても、人間の営みはそう変わらず、愚かな過ちも犯しているというメッセージは2作ともに伝わってきたが。


  • 満足度★★★★

    カガクするココロ-会話の妙
    明けましておめでとうございます。
    新年初の観劇となりました。
    3ヶ日、住宅地の小さな商店街を歩いておりますと途中までは人っ子一人歩いていません。
    住民さえも歩いていないし、こまばアゴラに来る人以外、ここは通らないだろうと思って劇場の前に来ると、案の定、そこだけ人がいる。
    自分はどんだけオタクなんだって気分になりました(笑)。
    今回の2つのお芝居は10年のタイムラグを設定し、それでも変わらない人間の営みを描いたとか。
    正月2日は歌舞伎座より空いている国立劇場へ行って獅子舞のあとに歌舞伎を観るのが長い間の習慣でした。それがいまは「青年団」でスタートです。
    10年もたつと生活習慣は変わるもんだなーというのが実感です(笑)。
    平田オリザさんは、いまや「現代口語演劇」の神様みたいになっていますが、それは平成でのこと。江戸時代は歌舞伎の世話物が「現代口語演劇」だったし、近代になり、築地小劇場が開場したときは、きっと大衆は歌舞伎以外の「現代口語演劇」に驚愕したんでしょうね。
    なんてことをぼんやり考えながら開演を待っていました。
    青年団の開演前から俳優が会話してたりするこのスタイルにもう慣れきっている自分に苦笑したりして。
    いまや「青年団」の芝居は古典芸能と化してる感じさえ抱きます。

    ネタバレBOX

    いろんな人の出入りと会話が絶妙なのが平田さんのお芝居の面白さだと
    思います。シリアスなシチュエーション・コメディーみたいな感じ。その塩梅がとても好きです。人物の特徴がわざとらしくなく描かれてるのがいい。
    小島(河村竜也)が妹の同級生を妊娠させたことがわかった直後の周囲の気まずい雰囲気に笑いを入れるとか巧いなーと思いました。
    自分は単純なので、馬鹿話的エピソードばかり可笑しくて笑ってしまいました。やたらテンションの高い高木(二反田幸平)が美川憲一の柳ヶ瀬ブルースを歌ってもみんなが反応しないところや、長良川の鵜を巨大化し、カツオやマグロを獲らせるという仮想話も結構笑えた。ロックンローラー(安倍健太郎)が曲に合わせて長髪を振るところとか。獅子舞や「鏡獅子」みたいで(お正月らしくてよかった?笑)。
    研究者といえば、安岡(兵藤公美)そっくりな研究者の女性を知っており、こんな感じで、でもちゃんと恋人がいるところも似ていました。その人が出版社でゲラ・チェック中のところを訪ねた際、「一番まずいごはんご馳走します」と言って、出版社の食堂に連れて行かれ、編集者たちと小麦粉で固めたようなテリーヌの話をしていたことがあったので、ここまで符合すると気味が悪くなってきました(笑)。
    「青年団」は起承転結があまりはっきりしていないのも特徴で、とんでもない事件が起きて一堂てんやわんやの末、無事一件落着なんてことにはならず、ほわーっと突然終わる。それで納得できる人がファンになってるんだと思うけど、今回は個人的な好みとしては2作品とも最後のほわーっと感がいまいち物足りなかった。物語には合ってるのでよいと思いますが。
  • 満足度★★★

    「北限の猿」
    ある生物学の研究所を舞台にした一幕もの。

    でも、研究室そのものではなくてロビーのような部屋が舞台で、様々な人が出入りするこの空間は暇人の集まりの様相。
    実際の研究者の姿というのを良く知らないので、これだけ見ると学問を志す人たちって暇人なのだなあ、と思えてしまう。
    いや、実際は寝る間も惜しんで研究や学問に取り組んでるんでしょうけど。

    そう考えると何だかリアルな会話劇の上でリアルじゃない世界が展開されてるような気がしました。

    ネタバレBOX

    青年団は客入れのときから舞台上に役者さんがいて、既に舞台の時間は始まっているのだけど、開演するまでの間はただ役者がいるだけだったり、どうでもよい事を発したりしてるだけで、時間もスローに過ぎていきます。
    それはそれでリアルなんだと思います。

    でも、開演したとたんにそれまでの時間の進み方とガラリと変わって、次々と人が出てきてはテンポ良く会話が進み、お話が進んでいく。
    その差の不自然さが前から違和感があったのだけど、今回は特にそれを強く感じてしまいました。

    何だか舞台上の世界が作られた世界にしか見えませんでした。
    しかも研究所が舞台なのにどの人も研究者に見えない。
    セリフを喋っているだけとは見えないけど、専門家のようにも見えませんでした。

    最後の、間引きする習慣があるという猿のマネをしてイスの間を飛ぼうとするのまでいくと不自然すぎて、演出なのか戯曲なのかわからないけど違和感を抱えたままの鑑賞となったのでした。

    「カガクするココロ」はこれの姉妹編らしいので、それも見てどう感じるかかな?
  • 満足度★★★★

    『北限の猿』を観た!
    『カガクするココロ』と同様、某国立大学の生物学研究室での研究者たちの会話劇で出演者はほぼ同じ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    前回同様、猿を人間に進化させるプロジェクトを研究している教授の下で研究している彼らの会話劇。

    今回の職場は木本夫婦が務めていたり、既婚者の久保が同僚の女子大学生の吉川を妊娠させちゃったりと、『カガクするココロ』と似たり寄ったりの内容。久保の女を口説く手段は自ら研究している大きなカボチャを作って「かぼちゃの馬車に乗ってみたい?」だ。笑
    まあ、女子はそんな口説き文句に弱いのか、夢見る乙女は落ちる訳だ。まるで東知事みたい。笑)  しかし、現実的に馬車にのってもけっしてお姫様にはなれないことを知ってる女子は「現実に乗ったことないから。」と答える。

    そんななか、職場の誰が猿みたいか、を投票で黒板に書いちゃったり、ここの研究所の中に猿を進化させた人が実際に存在してるらしい、なんつった話にもなり、研究者たちの暇そうな日常をも浮かび上がらせることによって、私たち観客をゆるりと穏やかにさせる。

    ボノボの交尾のシーンや快楽のためだけに雌同志がこすり合わせる行為をホカホカという説明など、ボノボの生態などが話題にあがるが、これが案外きわどい。笑

    5月に出産予定の吉川は久保がアフリカに行くことを間接的に知らされてショックを受けるも、それでも久保を追おうとする姿が痛ましい。だから、吉川が最後に見せる椅子のシーンは胸を打つ。
    人生の中で、解っているけれどどうしようもない。ってことはある。


  • 満足度★★★

    続きまして『カガクするココロ』
    『カガクするココロ』観ました。

    本来は観る順番、1.『カガク』 2.『北限』 なんですね。

    『北限の猿』とは違い、専門的な語りがなかった分、意外とあっさりした
    印象でした。どちらも人間の本質的な部分が浮き彫りになってきますが
    『北限の猿』が生得主義から描いていたとしたら、本作品は経験主義?
    .『カガク』の方が、より人に優しい印象を持ちました。

    2作品あわせてみると、あたまこんがらがってきますが、それはそれで
    おもしろかったり。

  • 満足度★★★★

    『カガクするココロ』を観た!
    某国立大学の生物学研究室での研究者たちの会話劇。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    猿を人間に進化させるプロジェクトを研究している教授の下で研究している彼らの話の内容ときたら、職場の同僚の恋愛噂話や失恋して自殺しちゃった有田の噂話、はたまた現在進行形中の小島と安岡の恋のゆくえなど、どこの職場でも似たりよったりの噂に恋話の花を咲かせる。どこでも同じなんだな~。
    小島は安岡という恋人が居るにも関わらず妹の友人を妊娠させちゃったり、はたまた、女ばかり集まると好みの男の理想像なんかを絵に描いちゃったりする。お金を持っててシブクテ優しくて高級車を乗り回す猿。笑

    そのうち、研究室では遺伝子操作をして何を作りたいか?なんて話で盛り上がり、カバ猪、しまうまラクダ、象豚、猿男なんて会話自体が逆に幼児へと後退しちゃってる内容に成り下がっていく。

    まあ、こうしてゆるゆるに絵を描きながらその絵を木に張ろうといって皆で出かけて行くんだよね。幼稚園児の遠足みたいに。なんだか楽しくて癒された!

    ここよりマシな職場があるはず!なんて考えてるそこの貴方!
    結局薬局、どこでも一緒!(^0^)

このページのQRコードです。

拡大