『カガクするココロ』『北限の猿』 公演情報 青年団「『カガクするココロ』『北限の猿』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    【カガクするココロ】人間の好奇心は無責任
    青年団、というか平田オリザ氏特有の台詞のリズムがとても気持ちいい。
    重なったり、遮られたり、そんな普通にありそうな会話の応酬なのだが、聞かせたい台詞はきちんと届く。
    そこがいいのだ。

    登場人物のキャラクターもはっきりしているので、とても見やすいということもある。

    さらに、ちょっとした笑いもあったりするし。

    ネタバレBOX

    遺伝子操作をナニして、いろんなことをアレするみたいな実験室の、ロッカーのある休憩室での一幕。
    台詞で登場人物のバックボーンや現状が浮かび上がる様が気持ちいい。
    薬剤メーカーの営業マンの存在がいいアクセントになっているし、いろいろ起こるちょっとした事件も楽しい。

    舞台となる実験室の主任教授は、自分の興味と欲望のままに「ネアンデルタール作戦」と称するとんでもない研究を進めようとしている。
    そのためには、各学部からも人を無理矢理集めてくる。

    この教授の存在と研究は、ある意味マッドサイエンストで「ドクター・モローの島」であるのだが、物語の中心に見えるようには置いてはなく、背骨にしっかりと位置づけられる。
    この研究が、後ろに見え隠れするので、学生たちの台詞や行動が意味を帯びてくるのだ。

    研究室にいる学生たちは、意外にお喜楽で、そんな教授に「困ったなぁ」とちょっと言ったりしているけれど、本気では困っていない。
    それよりも、バイトのことや自分や他人の恋愛や、揉め事のほうが気になっているのだ。動物が好きではない者さえいる。

    遺伝子を操作して・・なんて最先端のことを扱っていても、やはり「人」のことはわからない。人の気持ちはわからないし、自分のことさえもわからない。
    そんなアンバランスな生き物が人間なのに、そのアンバランスな人間は、新しい生き物を創造してしまうような技術を手にしようとしている。
    倫理とかなんとかよりも、自分の好奇心のほうが最優先されてしまう。
    それが「カガクするココロ」なのかもしれない。

    そして、そんな「力」を手にしようとしている者(学生たち)は、そんな力には学問としての興味はあるものの、(たぶん)自分や社会、世界との関係性について考えてもいないのだ。それはちょっと恐ろしくもある。

    彼らは、おふざけで、遺伝子操作をして創りたい動物の絵を書いてみるのだが、それが(たぶん)好奇心の根源であり、カガクするココロでもある。
    好奇心は無責任。止めるものがいなければ、どこまでも突っ走っていく。

    そんな好奇心で進化した猿だったり、得体の知れない生き物だったり、最悪のウイルスなどが創られしまうかもしれないのだ。
    もちろん、それが有用となることもあるのだが。

    そうした無責任な「カガクするココロ」=「好奇心」の積み重ねで「今」があるのかもしれないのだけれども。



    話は違うが、観劇した日に、たまたまラジオを聞いていたら、地下鉄漫才で一世を風靡した春日三球が漫談をやっていて、「人参は上に出ているところが食べられない。逆にほうれん草は根のほうが食べられない。だったら、人参とほうれん草を掛け合わせると、ほうれん草の葉で人参の根の、葉も根も両方食べられる野菜ができるかもしれない。だけど、逆に人参の葉でほうれん草の根の、どちらも食べられないものができちゃったりして」なんて言っていた。これってシンクロニシティ?・笑。

    9

    2010/01/06 06:37

    0

    0

  • きゃるさん

    お褒めの言葉ありがとうござます(笑)。
    やっと続編(?)観てきましたよ。

    2010/01/14 08:01

    アキラさま

    >この舞台に単に教授を出すのではなく、研究室にいる教授しか出ない一人芝居というのも面白いかもしれませんね(笑)。

    さすがアキラさま。センスが素晴らしいですね。スピンオフでラモス教授主演なわけですね。確かに、かなり個性の強い教授のようですから、複数の中に出るよりも一人芝居で教授が言いたい放題しゃべるほうが面白いかもしれませんね。あー、観てみたいです(笑)。青年団の納涼企画公演みたいなものでやってくれないかなー。
    あと、「サンタクロース会議」のメンバーの中に特出して、話題をネアンデルタール人にすりかえようとするとか(笑)。

    2010/01/09 13:09

    きゃるさん

    >他劇団が教授を出してきたりしたら可笑しい

    確かに面白いですね。この舞台に単に教授を出すのではなく、研究室にいる教授しか出ない一人芝居というのも面白いかもしれませんね(笑)。

    2010/01/08 22:19

    アキラさま

    >太っていたら「(昔の)つるべ」とか言われていたでしょうし、サングラスかけていたら「陽水」と言われていたかも(笑)。

    なるほど。これ読んで大笑いしてしまいました。昨年の「青木さん家の奥さん」で青年団版
    が青木さん家の奥さん(偽者)を出したように、他劇団が教授を出してきたりしたら可笑しい
    ですね。偽者でもいいから。いっそのこと南河内さんでやってもいい(笑)。

    2010/01/08 13:09

    >みささん

    こちらこそよろしく。
    そして、お褒めの言葉ありがとうございます。

    ちなみに七草粥食べましたよ(笑)。

    高校演劇関東大会は見たいですが、さすがに茨城までは行けません。
    是非、レビューを楽しみにしています。どこの学校がどう良かったなどを。

    掲示板探して後ほど書き込みます。そんなこともなさっているのですね。これはありがたいです。

    >きゃるさん
    私ももじゃもじゃ頭をすぐに想像しました。それで痩せ形なのだろうと。太っていたら「(昔の)つるべ」とか言われていたでしょうし、サングラスかけていたら「陽水」と言われていたかも(笑)。

    2010/01/08 07:27

    >アキラさま

    ネタばれにもありましたがお芝居を観ていてこの教授にも興味が沸いてきますよね。
    かなり、面白そう。「ラモス」と呼んでいるので、サッカーのラモス瑠偉みたいなモジャモジャ頭の人なのかなーとか風貌を想像してしまいました(笑)。

    2010/01/07 12:28

    こんにちは。今年も宜しくお願いします。って、もう七草かいっ!笑
    相変わらず、素晴らしい感想文。読んでてワクワクしました。毎回のことながらホント素敵!
    ところで・・高校演劇関東大会をUPしましたがどうされます?観ますか?茨城ですから、ちょっと・・ですが、ワタクシは頑張って泊まりがけで観にいきます。
    もし、あきらさんが観られないのでしたら、また頑張ってレビューを一つずつ丹念にUPしますよ。

    ところでワタクシの掲示板の10位に入らなかった公演を教えてください。楽しみにしていますね♪

    2010/01/07 10:32

    きゃるさん

    あけましておめでとうございます。

    コメントありがとうございます。

    三球さんの漫談は、夫婦漫才のときのような勢いがありませんでした。
    残念ですが、しょうがないですね。

    2010/01/07 03:33

    アキラさま

    あけましておめでとうございます。
    昨年は大変ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。
    本年もどうぞよろしくお願いいたします。
    アキラさんはアイコン・キャラクターに王冠がついてるせいか、
    どれも王様が「おススメ・レビュー」と言ってる様で、いつも
    楽しみに拝読しております。
    春日三球ネタ、ありがとうございます(彼らの漫才好きでした)。
    面白かったです。奥様が亡くなられて漫談家になられたのですね。
    一時は若い女弟子と新コンビを組んでましたが、やはり完成された
    夫婦漫才のようなわけにいかなかったんでしょうね。
    「地下鉄」とやはり共通点ありますね。この野菜の話。
    しかし、人参の葉とほうれん草の根っこねぇ。
    いまはバイオ野菜、盛んですが面白いですね。
    お正月、「以前TVで見た茎の少ない新型ブロッコリー買いたいな」
    なんて思って料理してました(笑)。

    2010/01/06 11:44

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