「ヴルルの島 」 公演情報 「ヴルルの島 」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
21-40件 / 48件中
  • 満足度★★★★★

    2回目の参加
    前回とは反対側の席から観る。
    ストーリーが判ったところで、今回は一人ひとりの台詞と声に集中して観たかった。
    わかっているのにやっぱり泣けちゃうんだよなぁ。
    それと今作品のビジュアルの美しさは必見。
    一人ひとりの衣装やかつらなどがぴったりハマって、作品の世界観を見事に表現している。
    創意工夫でしのいできた時代も素晴らしいが、このセンスと美しさも素晴らしい。


    ネタバレBOX

    おぼんろの魅力のひとつは、5人の役者さんがみな自立していることだと思う。
    脚本の末原さんが生み出したイメージに対して、他の4人は与えられたキャラを
    自分で構築していく、掘り下げていく、立ち上がらせ動かしていく。
    演出は、その5本の糸を縒り合わせてひとつの世界を創り出す作業だ。
    その結果がこの舞台であり、骨太なメッセージになる。

    トリツキ(わかばやしめぐみ)がシオコショウ(さひがしジュンペイ)に言う、
    「私はあなたがいないと生きていけないけど、あなたはそうじゃない、お勤めご苦労様」
    という台詞には、「死んだお前の兄貴に、トリツキは俺が守ると約束したんだ」という
    男に対する“寂しい抗議”のような女心がにじんでいる。
    シオコショウもまた、“大切なものを奪われる恐怖”を知ったと告白する場面で
    男の心情と弱さをストレートにさらけ出す。
    こういうところに微妙な大人の味わいがあってとても好きだ。

    ホシガリ(末原拓馬)とジャジャ(高橋倫平)の、次第に距離が縮まって行くあたりが良い。
    ジャジャが語る島の歴史に、「しんどいな」というホシガリのぶっきらぼうな共感が
    言葉少ないだけに深く伝わってくる。

    アゲタガリ(藤井としもり)の台詞の一定の音程、鼻歌さえも計算された音程で
    ロボットっぽく機械的でありながら台詞の絶妙な間が秀逸。
    終盤「タスケテアゲル」と船を下りるアゲタガリに、ホシガリが大切な笛を渡したとき
    「モラッテアゲル」と応じる台詞に万感の思いがこもると感じた人は多いと思う。
    ボロ泣きさせる素晴らしい間のひとつだった。
    アゲタガリ、どこかデヴィッド・ボウイを思わせるビジュアルが素敵。

    どんな芝居も好みは分かれるものだが、おぼんろは唯一無二のスタイルを確立した。
    次は“路上精神”と“劇団運営”の折り合いのつけ方だろう。
    そこをどんな風に見せてくれるのか、主催の才能とセンスを信じて期待している。
    この先メンバー5人が全身全霊で表現するものを見逃がしたくない。
  • 満足度★★★★★

    懐かしい絵本のような
    過去作の配信を観てチケットを取りました。

    茶色く荒廃した世界で生きているが、それぞれが事情をかかえ、飢えたような感情を持っている世界。奪う事が正しいと信じてきた者達と、奪われてしまった者がそれぞれ自分の存在を探すような物語。

    こう書くとハードに感じてしまいますが、実際に観に行ってみるとなぜか温かみがあります。心揺れるシーンも多く泣きそうでした。登場人物は生きていくことに一生懸命だからかと思います。
    懐かしい絵本のような、愛を感じるお話でした。迷っている方にはぜひに、と思います。

  • 満足度★★★★★

    観に行って!!
    「すごいから!!すごいから観に行って!!というか行こう!!?
    」と、観に行った翌日友人に鬱陶しいくらい訴えました。語彙力が乏し私ですが熱意が伝わったようで、友人は一緒に観に行ってくれて、観劇後ひたすら二人で感想を言い合いながら帰りました。
    【ヴルルの島】を見たら、きっとそのすごさを言いたくてしょうがなくなって、でも何がどうすごいかを言語化するのがどうにもうまくいかなくて、「とりあえず一緒にこい!!」って気がついたら誘ってしまう。それくらいエネルギーが渦巻いてる素敵なお芝居です。
    口コミってもっと具体的に描くべきだと、わかってはいますが正直「もうこんなの読んでないで、四の五の言わずに川崎に行け!!」が私が一番言いたいことです。きっと素敵な出会いになります。

  • 満足度★★★★★

    大人だけの物語にするのはもったいない!
    子ども向けの劇団とうたっていないことを承知のうえで、
    9才と12才のひよっこ二人を連れて初参加しました

    はじめは会場の雰囲気にビビり座蒲団席の3列目で身を潜めながら私の腕を離せなかったちび子も、物語が進むにつれ、のめりこんでいくのがわかりました。
    ヴルルの島は、たくさんの視点が交差する物語でしたが、年齢なりに、うけとるもの、湧き出るものがあったようです(*´∇`)
    家に帰ってからも、3人でそれぞれの考える物語の続きを語る日々が続いています。
    連れていってよかった!!と思いました
    子どもにみせたくてチケットを買ったので連れていってもらったのは私の方かもしれません。

    他で子ども向けと括られている物語も、たくさん観ましたが、観客(子ども)の想像力や感受性を侮っている作品も多いです。
    直球でないとわからない。と思っているというか…
    シモネタ言えば男子はみんな笑うと思ってる感というか…
    そりゃ笑うけどさ、そんな浅い笑いで笑わせた。
    会場を盛り上がらせたと思うなよ…という感がずっとあって(なかにはもちろん深い作品にも出逢いましたが)

    ヴルルの島は大人だけの物語にするのはもったいない!
    子どもともシェアしあえる作品だ!!と感じました


    観劇は好みによるので、人にオススメするのは苦手なのですが、この作品はたくさんの方に観てほしい!と感じています
    近いうちにまた行きます!

  • 満足度★★★★★


    正直言って、<ルドルフの両翼>が、少し物足りなかったが、おぼんろの紡ぎ出す世界観が好きなので、見ることは決めていた。
    そして、やはり期待通り、大正解でした。

    川崎は、我が家より遠いので面倒。なので、川崎は、ほとんど行ったことがない。
    雨の心配不要の駅直結「ラゾーナ川崎プラザ」は、クリスマスのイルミネーションが、煌びやかに輝いているし、多目的ホールと言っても、どうなんだろう?と、おぼんろの世界観との相性を、心配したが、ゴミ美術と呼ぶには、もったいないほどの雰囲気たっぷり!おぼんろにしか、創りだせない物語の世界が、広がっていた。
    そして何よりも、キャストの秀逸な演技で、たっぷり、ヴルルの島に、旅してきました。

    切なくも、愛おしい、素敵な作品でした。

  • 満足度★★★★★

    過去DVD購入に悩まれる方へ
    ★拡散希望★

    おぼんろの過去作品、DVDも観たいけど、いろいろあり過ぎてどれがいいのか困っちゃう~!という方への耳寄りな情報です。

    まずは本公演「ブルルの島」に参加して、
    めぐみさんが可愛いな♪と思ったら「ビョードロ」
    りんちゃんの動き凄いな!!と思ったら「ゴベリンドンの沼」
    さっひーさん、マジ格好いい!!!!!!と思ったら「ルドベルの両翼」
    たくまととしもりさんの仲良しがもっと観たい☆と思ったら「パダラマ・ジュグラマ」
    をお勧めします。

    ネタバレBOX

    つまりは、そんなイイトコ取りが一気に出来てしまうのが、今作品「ブルルの島」です。

    しかも、ストーリーが凄くいい!!!!!
    本当に本当に『贈り物』になる物語だと思うので、大切な人へのプレゼントにピッタリ。
    台詞も動きも音響も照明もとてもとても綺麗です。

    大切な人とのご参加(ご来場)を強くお勧めします。
    あなた自身が「大切な人」なので、一人で来ても語り部が明るく声を掛けてくれますw

    本当に知らないままでは、人生もったいないぞ~~~
  • 満足度★★★★

    “おぼんろ”初体験
    ディズニーランドのアトラクションを思わせるような場内に、これから紡がれる物語への期待感を抱く。

    前説からシームレスに物語りは始まり、登場人物が前後左右(等々)いろいろなところから現れたり、手を伸ばせば届くほどの距離であったりと、まさしく“体感型3D演劇”です。

    「大人のための童話」を謳っているようですが、子供でも楽しめると思いますね。

    なるほど、人気のある劇団というのを実感しました。

    とても楽しかったです!

  • 満足度★★★★★

    男も泣く芝居なのだと再認識
    男性と女性の同僚を連れて2回目を観る。初日のどことなくフワッとした感じがなくなって締まった感じ。男性同僚はいたく感動し、涙がでたという。女性同僚も仕事のストレスが払拭されたとのこと。連れて行った甲斐があったというものだ。見ない人は損をする。なんとなくそんな気がしてきた。

    ネタバレBOX

    アゲタガリのロボットの体に巻き付けたイルミが点灯せず、見たかったシーンが残念な結果に。なんとか早く治してほしい。
  • 満足度★★★★★

    ロボットのメイク
    ロボットのメイクがカッチョ良かった。しかも、重要な役柄。
    私はこの劇団の「いつもの」「定型」を「マニエリスム」と呼びたい。

    ネタバレBOX

    ぽんこつロボットが皆を助けた後、健気に生きてるっぽくて感動。
  • 満足度★★★

    これでは泣けない
    過去公演を3本以上観ていて、今回進化しているものを期待して足を運んだ向きには残念な作り。
    この手の演出は食傷気味でぐったりしてしまう。
    こんなのを新作って呼んじゃいかんよ~!高い金を取ってるんだから。
    新規も大事だけど、ずっと支え続けたファンを飽きさせぬ演出で満足させてなんぼ。
    やはり「ビョードロ」がピークだったのか-
    その後いいものを観ていない。
    以前はポケットティッシュ2個必要だったけど、本作でも全く泣けなかった。

  • 満足度★★★

    新鮮味が。
    もう三年前以上になるんですね、ぼくが初めておぼんろを体験したのは、芸術劇場の展示会でのイベントで、そのときはすごく面白くて可能性を感じて。
    その直後の公演は二回リピートして拝見したのです。そして今回が三度目のおぼんろ体験だったのですが。なんというか、あんまり進歩を感じなくて。正直がっかりしたのであります。世界に入り込めないというか。
    いまのままでも熱烈なファンはいらっしゃるようだから、なんというか、いまのままでもいいのかもしれないですけどね。万人に受け入れられるってことはないでしょうから。ぼくみたいへそ曲がりもいますから。
    舞台が広すぎる。欲張りすぎなのかもよ。

    ネタバレBOX

    前説(?)なんかも、新鮮味がなくて。「、、、をイメージしてください」と言われても。そんなことわざわざ説明しなくたって、自然にイメージできる世界を舞台で展開してくれればいいだけなのでは。
    そこが船の上なのか、倉庫のなかなのか、丘の上なのか、寝床みたいなとこなのか、わかるけれども、どうしてわかるのかっていうとセリフで説明してくれるからであって、感じることはできなかったかも。
    演技が予定調和な感じで、新鮮味はなかったです。大事なことが抜け落ちてる感じがする。
    ぼくの提案は、演出を誰か違うひとに頼む、みたいなことをするとどうかなあと。
    そうすればまた違う世界が広がるかも。
    ものすごく辛口になってしまってゴメンナサイ。
  • 満足度★★★★★

    舞台美術が……
    兎に角素晴らしかった。ルドベルから三作目なのだけど、今回も「ゴミ」と呼ばれるモノが「ゴミ」ではなく、「アート」でした。あの世界は本当にクセになります。
    物語りはアゲタガリに感情移入をし過ぎて、号泣し泣き疲れました……本当にオススメの劇団です。

  • 満足度★★★★★

    美しい物語でした
    ずっと観たくてやっと観れた初めてのおぼんろ。
    中に入ってアトラクションのようなセットにびっくり。役者がその辺ふらふらしてお客さんに挨拶したりしててびっくり。
    内容は誰もが共感できるテーマで、最後のホシガリとアゲタガリのシーン、そして一番最後のアゲタガリの演技に、言葉通り号泣してしまいました。
    ゴミの島で紡がれる美しい物語に、何故か自分が許されたようでした。
    今後注目したい劇団です。

  • 満足度★★★★★

    ヴルルの島3回目
    初めておぼんろの舞台を見に行った時は驚きました。開演前の役者(おぼんろでは語り部と言ってますね)は、楽屋あたりで演技のために集中しているものと思っていたものですから。それがおぼんろでは語り部たちが観客の案内をしているのです。席に案内したりおしゃべりしたり。今回は語り部さんの一人の素敵なお話を聞くことができて良かったです。前説のアイテム(?)も無理がなく、そして本編は結末を知っているので途中から泣けてしまいました。

  • 満足度★★★★

    作品内容が固定化したかなぁと
    以前よりも洗練されてきた感があり
    固定ファンも付いて順調に目標に近づいてるんだなぁと感涙(^^;)

    話というか
    ”朧”のテイストはティム・バートンさんの映画に似てると言えば
    理解が し易いでしょうかと

    わかり易くエンターティナー感でてきたと思えた約2時間でした

    ネタバレBOX

    デート・ウィズ・ドリュー (2004)
    原題:MY DATE WITH DREW という映画がありまして
    強く願えば思いは叶うんだ=というコトが言いたいので
    人との縁を大切に前進してくださいっとエールを贈ります♪

    さて作品内容は
    繁栄した国が繁栄の影の副産物=ゴミを捨てるための島を侵略し
    原住民を滅ぼして20年・・・・
    その島にゴミを運んでる船を略奪しようとして失敗し
    殺されそうになって島に逃げた盗賊=ホシガリが
    唯一の島の原住民の生き残りと廃棄されたらしいロボ=怪物と出会い
    船の船長とその部下(?)である白い少女らと繰り広げる
    切なく悲しい物語です

    ネタばれ~

    盗人は国のためと島に侵攻し原住民を倒した隊の指揮者の息子で
    戦争後に自分のした命を奪う行為に苛まれ
    人に施しをし続ける狂人となり
    雨乞いに自分の息子=後の盗人を崖に落としたのです
    ロボは国の殺戮兵器であり
    これまた隊長に感化され物をあげることに喜びを感じる
    ようになったのでした
    そして島の霊(でいいのかな?)ヴルルは白い少女に乗り移り
    最後の生き残りに隊長の息子=盗人を
    死んでいった島人の魂の慰めに生贄に捧げようとしますが失敗し
    もうひとつの願いである
    静かに眠りたいと島を沈める事には成功し
    最後の島人に「外の世界を見ろ」といいつけ
    ヴルルの島にゴミを運んできた船に見送られつつ
    船を出す為に島に残ったロボと共に沈んでゆくのでした・・

    雰囲気が”シザーハンズ”に似てましたね
    まぁロボなんで島に残されても海底で活動し続けるかもしれませんが
    作中では沈みかけた島で佇むロボひとり・・で幕でした

    ロボット好きの自分的には
    ロボが無事に脱出できるように船にある牽引ロープでも
    身体に巻きつけて無事船に引き上げられて・・というオチとかの方がいいなぁ
    2Verエンディングとかいってやってみて
    千秋楽で人気のラストやったりとか面白いかも・・・・

    個人的な意見ですが
    今後の鑑賞される方は入り口すぐ近くの席が
    割とお勧めかなぁと述べます

    360度どこでも鑑賞可な席でとは言われてますが
    やはり1方向的には絞れるかなぁと・・
    タイトル書いた大きな白い幕は定番になってるようですが
    全周囲という触れ込みなら
    舞台中央で振り回せる旗(月面に置いてきたように横棒付きで)にした方が
    とか思ったデス

    ロボさんは認識番号での呼称あったけど
    某R・田中一郎くんみたいに
    ロボットじゃありませんアンドロイドですとか訂正させるギャグかましても~
    とか思った=当然 お前なんかロボだブリキ野郎だと返すんですね(^^)

    弁士さん出して
    客の間を探索で動いてと
    定番行動が出てきたですね(^ー^)
    これが見たくて・・・というファンは裏切れないし
    さりとて進歩が無いと言われれば
    まさにそのとおり・・・悩み処が・・・という感でましたな
    何かしら打開策は考えること薦めますねぇ

    で やはり主宰さんの男前もあるのでしょう(と持ち上げて)
    女性客が多いようですので
    話の中で弱かった心情描写に時間差いても~と感じました
    ハナッから盗人を生贄にして殺すつもりでいた島人・・
    共に数週間過ごしてるうちの心の通うシーンがあまし無かったですね
    BLっぽく何かシーン作ると
    女性客には受けるかも~と邪推します(^_^;)

    船長さんと白い少女の関係も
    も少し詳しく述べてくれたら~とも感じましたわ
  • 満足度★★★★

    主観ですが
    気になったことから・・
    受付に長い列ができていたのでそのまま後ろに並んでいたら、皆すでに受付後で整理券を持っていたという・・・係りの人の案内が無いので分からなかった。
    ファンの方が多いようだが、開演前と終演後その方達とずっと話していて、割引券欲しかったのにもらえなかった。
    演技もストーリーも良くこれからが楽しみな劇団だけに残念。固定客だけではなく他の客にも目配りしてほしいと思う。

  • 満足度★★★★

    おぼんろ らしさ
    寓話は記憶に残りやすい。神話や諺が長年人の心に残るのは、教訓的な要素が人々の経験・体験を通じて共感できるからではないだろうか。しかしそれは後知恵で追加されてくるもの。寓話はその神秘性も含め、律しきれない”もの”を植えつけるから時代を超えて残るという。

    おぼんろは、大人のための寓話を物語り続けている。本公演には色々な寓話...教訓的要素がちりばめられているが、すべてを救い上げることは難しい。この公演も例外ではなく、観念的要素が...それでも観客に訴えてくる力は見事。

    さて観劇したのは公演2日目であるが、語り部・末原拓馬氏が場内を見渡し、参加者(観客)が少ないのに驚いていた。自分も意外な気がしたが...。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、昔々か若しくは遠い未来か、今現在か定かではない。もちろん場所も特定できない、一種の仮想世界である。その不可思議な情景をしっかり観せる。中央に花道、四方八方に小スペース。参加者の後方で演技をすることもあり、それによって物語は不可思議であり変幻自在に紡がれる。

    孤独な盗人は港に泊まっていた船に乗り込み、積み荷ごと船を奪おうとした。しかし、その船はゴミの島ヴルルへ向かう。島で盗人は、誰かに何かを贈りたいと願う怪物...壊れかけた軍用ロボットに出会う。そして、島にまつわる悲しく残酷な過去が...。盗人はこのロボットを”アゲタガリ”と呼び出した。
    この盗人が、この島に来るのは宿命であった。親との邂逅するような、しかしその真実は悲しい。

    おぼんろ の公演は、語り部の独特にして繊細な言葉(台詞)が瞬時のきらめきで表現される。その物語(セットも含め)は、観えるものだけではなく、底に幾つもの豊饒な層があり、その内にある力が参加者(観客)の心へ訴えてくる。夢・現実の区別なく儚い世界に漂う、その心地よさが魅力であろう。

    語り部は、毎公演とも熱演である。場内をところ狭しと駆け回り、時に参加者の後ろへ回り情景を紡ぐ。この走る動作は、当然息が上がるが、その結果”語る”が自然と離れ、(声なき)身体表現へ移行していく。そのダイナミックさが、今度は物語に意志を持たせて自走するようだ。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    観てきました!
    今回は川崎の綺麗な劇場

    私は前回の会場では空調が暑くて
    ひとがぎょうぎゅうでグロッキーになったのですが
    今回は椅子に座れて体調的には有難かったです。

    膝がいたいひとは椅子の方が助かります。


    ロボロボとちょっと重なる部分もかんじましたが、世界観が好きなので満足できました。重なるは悪い意味でなくそのシーンが好きなのです

  • 満足度★★★★★

    ロボットに笑いロボットに泣く
    大変完成度の高い作品。ビジュアルと音楽の美しさ、陰影のあるキャラ、
    ドラマチックなストーリー展開と、全てがそろった素晴らしいエンターテイメント。
    ポンコツロボット「アゲタガリ」のキャラはとしもりさんの新たな当たり役だと思う。
    無表情と少ない台詞でボロ泣きさせる、“ズルい”キャラだ。
    別サイドからもう一度観たいと思わせる空間の使い方も秀逸。

    ネタバレBOX

    中央には小高いスペース、そこから四方に伸びる通路、
    通路の先にもまた高さのあるアクティングスペースが設けられている。
    いつもより少し広めのスペースで客席もゆったりしている。
    役者が駆け抜ける風を感じながらの観劇が心地よい。

    美しい世界にゴミは相応しくないと、人々はゴミ捨て場を探し
    見つけた場所がヴルルの島だった。
    原住民を殺戮して島を征服、そこにあらゆるゴミを船で運んで棄てるようになった。
    その船に、追われる盗人ホシガリ(末原拓馬)が逃げ込む。
    船はそのままヴルルの島へ到着、ホシガリはそこで奇妙な仲間たちと出会うことになる。
    しかし彼らもまた哀しい歴史を背負い、復讐の炎は消えていなかった。
    彼らの本心は、そしてホシガリの意外な出自が明らかになる…。

    現実の世界を映すような“美しい世界とゴミの島”という設定がまず説得力ありまくり。
    見たくない物は見えなくすればいい、欲しい物は奪ってやる、という現代人のエゴと
    力で制圧され、幸せを奪われる弱者の心が見事なコントラストを見せる。
    ホシガリの、奪っても奪っても「これは俺の欲しい物じゃない」という虚しさがあり、
    生き残った原住民ジャジャの、復讐に燃えながらも
    島の外の世界を見たいという素朴な欲求があって
    みな矛盾と葛藤の中で生きていることをうかがわせる。

    島の怪物“壊れかけの軍用ロボット”のキャラが素晴らしい。
    藤井としもりさん演じるこのロボットは、「コレアゲル」とゴミのようなものをあげたがる。
    スターウォーズに出てくるロボットみたいだが、寡黙で大事なことしか言わない。
    素のとしもりさんを想像させて、どこか愛らしく、不器用な鼻歌は絶品。
    彼の最期が、ターミネーターのシュワちゃんばりに自己犠牲を厭わず、
    淡々と島に残る選択をするところにボロ泣きさせられた。
    機械であるはずのアゲタガリが、完全にヒトと化している。
    あれでラスト、もう一度あの鼻歌が流れたりしたら
    泣いちゃって立ち上がれなかったと思う。
    無表情なロボットのブレないキャラが、実はこの物語の中心だった気がする。

    さひがしジュンペイさん演じる、元はヴルルの島を攻略した軍人で、
    今はゴミを運ぶ船の船長が渋くて疲労感あり、でとても良かった。
    初めて大切なものを失う恐怖に駆られるところ、ダークな顔でありながら
    実はピュアな心を隠しているというキャラがぴったりでとても良かった。
    メンバー5人が並んだ写真のビジュアルが素敵で、
    この人の今後の役どころに期待が高まる。

    わかばやしめぐみさんは、精霊(?)に憑りつかれる女と、憑りつく側の精霊の二役、
    メリハリある台詞で演じ分けが見事。
    全身真っ白な衣装も美しく、この点は予算が増えて楽しくなったなあ。
    「トナカイ」と「仲居」には爆笑したが、こういうところにもめぐみさんのすごさが現れる。

    高橋倫平さん演じる原住民のジャジャ、今回もまた普通の話し方が出来ない役で(笑)
    大変だったとは思うけれど、衣装も可愛くて大好き。
    相変わらず身体能力の高さをちらりと見せて、謎めいた存在の効果絶大。
    復讐を貫くことが出来ない代わりに、仲間を得て新しい世界へ踏み出す、
    でもその前にストレートに号泣するジャジャには感情移入せずにいられない。

    末原拓馬さん演じる盗人「ホシガリ」は、稼業のわりに育ちの良さが出ていて
    素の拓馬さんを彷彿とさせるキャラが面白い。
    今回の作品には、身勝手な現代人の価値観に対する痛烈な批判と同時に
    奪う側と奪われる側、双方の矛盾と葛藤が描かれている。
    ファンタジーに人間の本質を潜ませる、この素晴らしいスタイルを、
    これからもあっと驚く設定で見せて欲しいし、魅せてくれるものと期待している。

    4人が島を脱出して無事帰れるといいなあ。
    そして「アゲタガリ」がいつかどこかに流れ着いて、ガチャリと動き出さないかなあ、
    とずっと思っている。




  • 満足度★★

    ちょっと納得いかなかった、2時間
    前回公演から1カ月、多目的ホールでこんな芝居が打てるかどうかがと心配しましたが、アトラクション風な参加型演劇とドラマチックなファンタジーなドラマも両立が納得いかなかったね。もうすこし公演と公演の間をあけて(1年ぐらい)次回に期待。

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