公演情報
「寒花」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/16 (日) 18:00
座席1階1列
圧倒されました、面白かったです。
安重根については歴史の授業で学んだレベルの事しか知らなかったので(つまりほぼ何も知らない)
人となりや主義主張なんかを垣間見て、より立体的な人物像を感じ取れた気がします。
冒頭のタバコや白米の要求についてのくだりでもっと傲慢な感じなのかと思っていたら
ものすごく寡黙で穏やかだったので意外に感じました。
ケツバット、全力に見えたけど痛くないのかな(^^;)
満足度★★★★
ハツビロコウ atシアターシャイン。同じ小屋を使った前公演での窮屈な印象は微塵もなく、時計の秒針音もじっくり聞かせる鐘下ワールドと再び相見えた。どの役もその人物像の形象に逐一首肯させられたが中でも秀逸は安重根役。口数の少ないこの歴史上の人物を、登場の瞬間から存在せしめていた(伊藤を暗殺した国賊は彼の地での英雄である、との事実以外私は承知せず)。実質日本の支配下にあったらしい中国旅順の刑務所に安は収監されているが、唯一その「人物」に触れる通訳(日本人)もハマリ役。戯曲上彼は安の尊厳を認め代弁する役回りであるが、作者が確保したリアリティでは、彼は安を畏敬しながらも弁護しすぎず、刑務所側(これも立場様々ではある)と言論的に拮抗する事となっている。
落ち着き払った安の佇まいと、視野狭窄の日本人役人(即ち軍人)との対照、斜に構えた医師が通訳者の先輩で「異端を解する」目を持つ人物も、両者の中間にあって「言論」の単純化を免れさせている。そうした事がこの芝居をリアルな世界に仕上げる事に成功し、複雑だがどこかシンプルな印象を残す。逸品と言える。
ドラマそのものについては、また。
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/13 (木) 19:00
価格3,000円
監獄が舞台ということで、黒一色の会場舞台を活かしテーブルと椅子、それに房などを表現する小さな柵(?)だけというシンプルな美術が硬派で男くさい味わいと相乗効果をあげていたと思う。(奇しくも全く傾向の異なるGORE GORE GIRLS「ステイ・ヤングと言われても」も柵以外はほぼ同じというシンクロニシティもあり)
また、シンプルな美術ゆえ芝居への集中力も高まろうというもの。「ソリッドな芝居」を堪能。
満足度★★★★★
何かとても重いものを観たという感じがします。演出そして効果音 照明ともに素晴らしく何時までもこの芝居の余韻から抜け出せません。役者さん達の演技も言うに及ばずです。遠い劇場まで足を運びましたが満足感でいっぱいです。
満足度★★★★★
本がすばらしい。安重根からこういうストーリーを捻り出すインスピレーションに感心させられる。歴史や政治はほとんど無関係の、深みのある人間ドラマだが、ハツビロコウの舞台にのせられるとじっとり湿った重苦しさや殺伐さを感じ、引き込まれる。舞台演出も効果的。ほとんど舞台装置はなく、照明は最低限で暗く、風や柱時計の効果音で、観ているこちらまで外界と隔絶された監獄にいて目の前のドラマを目撃している気分になる。
初めて舞台を観る人にもお勧めできる。
満足度★★★★★
異国の暗室で一人の男の“死”を目前としながらも淡々と進行、しかしその会話の一言一言がとても重く、思わず身を乗り出し続けて観てしまいました。
満足度★★★★★
鑑賞日2018/09/14 (金) 19:00
座席1階
音響、特に時計の音が効果的に使われている。そして、照明も。
それに、役者さんの個性的なお芝居が、この舞台を魅了的なものにしている。
満足度★★★★
伊藤博文を暗殺した安の刑務所収監から死刑執行までが描かれています。
暗殺や挑戦併合などには触れられず、政治色が全くありません。
純粋に安の人となりが、描写されており、とても良かった。
外務官が語る朝鮮人像は一般的には多分正しく、安の異質さが際立ちます。
看守の思う囚人像からかけ離れている安ですが、医者が語る囚人像とはどうだったのか?
ただ残念だったのは、序盤の音の下り、安を神格化してしまうのか?と、思想を押し付けられるのに嫌気がさし、集中の糸が切れてしまったのが残念!
満足度★★★★★
鑑賞日2018/09/13 (木) 19:00
座席1階1列
パンフレットには、今回この作品を公演するにあたり、安重根のことを念入に調べたことが書いてある。
確かに、ここで描かれる安重根は魅力的な人物であり、謎の多い人物でもある。
だが、おそらく鐘下辰男脚本は、安重根に強い興味を持って作られたのだろうが、それは日韓併合という政治問題や、朝鮮半島の歴史や、帝国主義という思想や、伊藤博文暗殺という事件に絡めた興味ではなく、おそらく純粋に安重根という人物に対する興味だったのだろうと思う。よって、松本光生が安重根について調べたのも、脚本を肉体化する過程として、彼を理解しようとする行為ではなかったのかな。
この作品の主人公は、1人は安重根であり、また1人は通訳の楠木であり、もう1人は模範囚の高木である。そこで、物語りのテーマを提示する意味合いで(安重根はその背景が判っているから、楠木と高木という人物を描く必要ようがあった。)他の外務官、監獄医、所長、看守長、若い看守達は、この3人の状況を作り出す舞台装置であり、狂言回しだ。
主人公3人が耳にする音、彼らはこの音を欲していた。
安重根は悔恨があった(彼は家族を捨て、家族に捨てられた)、楠木は母親に認められたかった、高木は自らの裏切りに恐れおののいていた、それらを包んでくれるのが、あの音だったのだと思う。
1人は死を肯定的に受け入れ、1人は自らを無と認め、1人は死を求める。
あの音を聞くために。
おそらく、次の主人公は、佐々木という若い看守なのだろう。
彼も、あの音をいずれ聞くように思う。いや、登場人物全員にその可能性があるかな。
1つ1つの状況に無駄がない。
ちなみに。
安重根がタバコを吸うときや酒を飲むときに、顔を横に向ける。
朝鮮での儒教教育を見事に表現した、細かい演出だと思う。
パンフレットに席が狭いことのお詫びが書いてあった。心遣いがうれしい。
満足度★★★★
湖に滴るように、声の浮かぶ静寂。
いや、だからこそ動的・音的な暴力が場に似つかわしくない衝撃となる。
日韓併合の20世紀、無名の植民人は、その粗筋となった元勲を「下す」青年の残像をけだし眺めるばかりだったのか。ここは牢獄。三角模様に、「内地の出先機関」と「国の意思」がいきおい歴史性を帯びながら、断片化して、しかし時系列に語られていく。
思ったのは、テーブルを囲って酒盛りする様子は村社会だ。なぜなら、温度は変わらずとも、それは小社会の湯気を表しており、そういう対比する理屈で外気における虚無を成り立たさせてしまうからである。つまり、倫理観とか、政治とか、極めて高潔な態度を、説明しきれない厳然たる自然が覆い隠す。未知の存在への畏怖。この役を負ったのは所長だろう。媚びる。だが、反発もする。そこには郷土の置かれた経緯といったものもかかわっている。
このような構図において、唯一の部外者は赴任してきた通訳だ。そして通訳が媒介となり、青年を過大評価するに至る。二重性を目の当たりにしてきた、または、する観客において、この2人の対話は透きとおっている。
満足度★★★★
1997年の鐘下辰男作、文学座初演の名作。
安重根の収監から処刑までの刑務所内の人間模様を描いている。暗殺から裁判までの状況は回想すらされない。
場所が旅順にある日本の刑務所というだけでしばらく頭が混乱してしまう(お恥ずかしい)。
彼が刑務所員と良好な関係にあったことは事実らしいが、収監直後の厳しい扱いがどういう理由でどのように軟化して行ったのかがもう一つ分からなかった。
満足度★★★★★
舞台中央に横長の机、机上には石油ランプ。左右及び奥に椅子が各々1脚ずつ据えられている。下手壁には、模造紙の上段中央に「安」と大書された文字、その左右と下には罫線が引かれ、「安」の字を囲むかのようだ。この模造紙の奥からやや右斜めと上手のシンメトリカルな位置に奈落がある。(華5つ☆追記後送)