寒花 公演情報 ハツビロコウ「寒花」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    異国の暗室で一人の男の“死”を目前としながらも淡々と進行、しかしその会話の一言一言がとても重く、思わず身を乗り出し続けて観てしまいました。

    ネタバレBOX

    日露戦争の僅か4年後の旅順という遠い異国の地が醸し出す極寒と不安感、そこでに勤務することの意味(明治維新が生んだヒエラルキーの産物)を知らされました。単に安重根について描くのみでなく、勤務者たちの無念・断念といった心情が全体を包み込んでいるおり、暗室の中ランタンと煙草の“生火”が見事な演出効果を生み出していましたね(受付のマスク準備も流石でした)。
    また、後半の韓国語のやりとりは安重根の人間性を感じ取ることが出来とても良かったです。特に明日刑が執行される旨を伝えたとき、押し殺したような声での「알겠습니다(了解しました)」は胸にささりました。また、典獄が最後に安重根に欲しいものを繰り返し尋ねる場面、本当に感動でした。
    そしてラストの「天より“寒花”下る」の一節は“寒花=雪”に例えられた安重根の人生そのものを感じることができました。
    安重根はテロリストとして処刑されながらも死後勲章が与えられ、没後60年には記念館が建てられ、200ウオン切手には氏の肖像画です。最期に家族とも会えなかった彼は現在殉国の義士としてたたえられています。本当に素晴らしい公演、ありがとうございました。

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    2018/09/15 15:36

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