ハムレットマシーン 公演情報 ハムレットマシーン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-18件 / 18件中
  • 満足度★★★★★

    ホントに凄い!
    それだけで良いと思う

  • 満足度★★★★

    東独の演劇人として伝説的に轟くハイナー・ミュラーの代名詞的作品を、初めて目にする。絶えずよぎる「旧作品を今やることの限界」への懸念と、演劇史に刻まれた作品に触れることの期待を、ともに燻らせつつ座席に着いた。
    OM-2は二度目になるが、いずれ抽象的な舞台になる事は覚悟の上で、「お茶を濁す」のでなく前傾で表現に向かう作品になっているかどうか・・境界を超えられるのかどうかを見ようとする自分がいた。

    某評論家と同姓同名の中心的俳優が登場。と、いきなり金属バットでテレビや冷蔵庫を叩き始める。ステージでギターを壊すジミヘンやら鍵盤にナイフを突き立てるキースエマーソンが頭をよぎる。・・60~70年代の前衛表現は破壊にあり、(冷戦を淵源とする)構造は自分らを囲う目に見えない堅固な壁であって、「壊す」表現は「壁」の発見・再認識を促す運動的意義があった訳だった。
    一般論を続ければ・・いま物を叩き壊す行為が、プロテストの行為として飲み込みづらいのは、今の時代は様々なものが本質のところで壊され、または壊れている。破壊の向こうに、何か(希望)があるとは考えにくい時代なのである。とすると破壊は「贅沢な遊戯」の類か、出口を失った自暴自棄のイメージしか浮上しない。

    ただし、この公演のパフォーマンスは「一般論」からの把捉を許さない毅然とした何かがあった、ような気がする。そう思いたい? いや実際、目を離させず飽きさせず、興味の持続を可能にしたのは、役者の仕事に拠るところが大きい。そして演出・・円形に囲んだ客席のその後ろを自転車が走る。冒頭、中央に巨大な壁があって電話で会話する男女の片方は見えない。やがて巨大壁は吊り上げられ天井に張り付く。当日パンフにもあるタイトル付の数場面が、それぞれ異なる趣向で展開する。この構成からして詩の構成に似て断片的だが、それぞれ視覚・聴覚、また触覚を刺激する印象的な情景が作られ、場面に潜む美学的なメッセージを読み解こう(感じ取ろう)と味わうことになる。

    『ハムレットマシーン』は今年の「現代劇作家シリーズ」(d倉庫)に取り上げられ(OM-2公演もその関連企画)、ハムレットマシーン特集年である。テキストは翻訳本で15頁程度。詩的で難解な、隠喩に満ちて皮肉の利いた、シェイクスピアのテキストや社会状況をいじり倒したような文章だ。どの役がどの台詞を言うように指定したいわゆる戯曲でもなく、H・ミュラーがこれを演劇として世に出して評価されたならば、(テキストとしては現代批評性において評価はされようが)上演の形態に特徴があったのではないか・・とは想像である。
    ストーリーは編まれておらず、ベースとなる「ハムレット」以上のどんなストーリーを貴方は欲するのか?と反問されそうな勢いで従来の戯曲様式を平然と踏み倒し、ただただ言葉が連ねられる。これを読み解いてからでなければ判らない舞台、とは演出の敗北だろうが、高度に「現在的」な原文を、上演することとは上演する「現在」へ翻案するという事であり、演出家にとっての難物であると同時に挑戦しがいのある山であるのかも知れない。
    「観る」自分は、何か言語で表せる「意味」に読み替えようとするが、文脈のみえない示唆的な場面を「意味」に読み換えることは(原作を結局読まなかったし)できなかった。感覚的な刺激の中からサブリミナル効果のような「意味」的なものを感覚的に感じ取っていて、眠っているのかも知れない。

  • 満足度★★★★★

    シェイクスピアの作品に触れることがそれほど無く、
    どのように投影されオマージュされていたか感じることは出来なかったが
    演劇という表現の枠が崩れるほど、自分の範疇に納まらない破壊力満点の作品。
    物語、場面、人物、動き、道具、目に見え耳に聞こえる情報、
    それぞれのつながりがあるようでないようで。
    ただ目が離せない、その息遣いに耳を澄ませ、手足の運びにすいよせられる。
    何に惹かれるのか判らないが、ほかの観客たちが席を立ち始めると共に
    握った拳の力みが徐々にとかれていった。
    客席の顔ぶれは結構年齢層が高かったように見えたが、
    出来れば若いうちに中学高校の世代に観て欲しい作品。
    自分もその時代に見ておきたかった。

  • 満足度★★★

    見る人に委ねられている舞台でした、どう感じるか、それを問いかけられていました。
    個人的には大きい音が苦手なので途中から耳を閉じてしまいました。

  • 満足度★★★

    かなり驚かされた舞台だった。始まるような始まらないようなじらされる時間と、舞台としては想定外の演出。そして、破壊的な演技!?自分をあそこまでさらけ出すことが演劇なのかどうかは疑問だが、ぐちゃぐちゃになった舞台の上に美しさを感じてしまったのは私だけだろうか?そういえばこういう種の舞台、?0年前に何作か観たような気がする。

  • 鑑賞日2018/03/23 (金) 19:30

    割とご年配の方々の観劇が多い。私も立派に年配なのだけれど、皆々様の目にはどのように映ったのだろう。

    私には、ただただ不安を感じさせる舞台だった。万人には薦められる舞台ではありません。

    今回、d-倉庫を中心にハムレットマシーンのフェスティバルが開催されているけれども、何でこの芝居だけ会場が違うのかな、と思っていたら、確かにこの舞台はd-倉庫ではできないや。

    ひたすら増殖する自意識、「もう役は演じない」「私はマシーンになる」という宣言通り、果てには自我を超越していくハムレット。

    まあとんでもないものを観たな、というのが正直な感想。

  • 満足度★★★★

    このような破壊的で強烈なインパクトのある作品は初めてです。
    台詞が少なく、音響で声が聞き取れないところもありましたが、
    それがかえって役者のパフォーマンスや演出を観た人それぞれが
    自由に想像する楽しさが味わえる作品ではないか、と思いました。

    ネタバレBOX

    ここには、ハムレットを演じている役者が二人登場。
    冒頭に出てくる役者は、初めてハムレットの役をもらって
    嬉しくて役者仲間の彼女に報告し、どう演じようかと自分の演じたシーンを
    ビデオに撮ってチェックする意欲的な新人役者。
    もう一人は、過去の世代の複数の熟年役者を演じているのか、
    そのシーンでは外側を周る自転車は規則的な現実の世界を、
    内側を後ろ向きに歩き周っていた紳士、これは時を遡っていることの表現なのか、
    その内側で、役者である男の激しく苦悩する様子が演じられていた。
    凄まじい破壊であったり、ビニール袋の中でもがき苦しむシーン、
    このビニール袋は自分の脳内を表現しているのか、または、胎内なのか、、
    ハムレットは男であることから脳内との解釈が自然か、
    このシーンには、ハムレットを演じるに如何に解釈したら良いか、
    どうすれば評価されるか、等々をもがき苦しんでいる様子を表現しているように思えた。
    消火器による煙は、まだ靄に包まれ、苦悩から抜け出すことができない状態にあること、
    頭上からたくさんの役者自身の写真が降ってくるのは、世間からの人気、名声の表現なのか、
    ビニールを突き破り尚、苦痛の表情で歩き廻る役者の男から、「マシーンになろう」との
    つぶやき、
    これは自分がマシーンなることで役を演じること、ハムレットを如何に解釈したら良いか
    思考する行為などからの開放、苦悩からの逃避であったか。
    それまでの苦痛を伴う苦悩から開放されたことを、自転車に乗って社会の歯車のように
    周っていたもの、と想像する。

    ここに出てくる「マシーン」には2つの意味があるように思えた。

    ・役者自身がマシーンになること
    ・脚本自体がマシーンであること

     脚本が存在し続ける限り、戯曲ハムレットの役者を無限に製造し続ける。

    それが、後半に登場する女性、
    これは、戯曲ハムレットを生み出したシェークスピア自身ではなかったか、、
    (時を遡り、ついに到達)
    バケツに水とともに産み落とされた魚、(ハムレットを演じる役者達)
    天井に映し出された海、それを見て衝撃を受けている様子、
    そして、産み落とされた魚を貪り食べるという表現には、
    作者自身の意に合わない演出のもの、腐敗的で打算的なものであったり
    そのようなものを演じている役者、演出家等を全て消し去りたいという
    ことの表現であるのか、
    製造マシーン(脚本)が存在する限り、次々にハムレットを無限に製造されてしまう
    ことへの絶望感による最後の息絶えるようなシーンではないか、と


  • 満足度★★★

    ぶっ飛びました。あれだけ前衛的だと,もう何も言えません。ただ,暴力的であり,舞台を汚すのは自分の好みではなく,残念でした。それでもインパクトは大きい。圧倒された観劇時間です。

  • 満足度★★★★★

    前衛的な舞台は初めてでしたが、何もかもに圧倒されました。
    難解ではあるが、心に何かを植えつけるような感覚でした。
    夢の中の出来事のような…うまく説明できないけど、衝撃的な体験でした。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/03/23 (金) 19:30

    d-倉庫の現代劇作家シリーズ8「ハムレットマシーン」フェスティバルの通し券で鑑賞可能という恩恵に与っての予習的観劇(作品初見)。
    いわば沙翁のハムレットのいくつかの断片を使った「演劇的(?)コラージュ」あるいは「リミックス演劇」といったところか。

    原典の場面やキーワードが見え隠れするパフォーマンスがあれこれ変容しながら展開されるさまに以前観た黒田征太郎のライブペインティング(竜童組のコンサートで序盤から演奏に触発されたであろうものをステージ後方で描き始め、一旦仕上がったかに見えてもその上に新たなモチーフを描いて次々と描き重ねてゆく)を思い出した。その意味では「立体ライブペインティング」とも言えるか?

    そしてイントレ上の2階席は全体を見渡せて正解。掃除機の排気によって徐々に膨らみゆく巨大ビニール袋と膨らみきってからのその中でのパフォーマンスやキャットウォークから何百枚(推定)もポートレートが降る風景などが一望でき美しく見えた。
    他にも「そんな表現アリかよ!?」が満載で「面白い」、と言うよりは「楽しめた」。「のっとしんく・のありーど、ふぃーーーーる(考えたり読んだりするんじゃない、感じるんだ)」モードで観たのも幸いしたようだ。
    (「ジョニーが凱旋するとき」のチンドン屋風アレンジも面白かった)

    難解と言われる本作を楽しめたことで第一関門突破というところか?(笑)
    あれを「基本形」としてフェスティバル10団体の様々なアプローチを楽しむことにしよう♪

    なお、当団体も初見だが、アムリタ、sons wo:、ジエン社など「ストーリーを語ることではなく観客の内部にナニカを生じさせることに重きを置く演劇(私見)」をうんと尖らせたもののようにも感じ、BUoYを使った公演を観てみたいとも思った。

    【勝手にキャッチコピー】
    「エンゲキ、ヒエンゲキ、ソレワナンデスカ(ぷれい・おあのっとぷれい・ざっといずくえすちょん)」
    「オモシロイ、オモシロクナイ、ソレワナンデスカ(いんたれすてぃんぐ・おあのっといんたれすてぃんぐ・ざっといずくえすちょん)」

    ネタバレBOX

    冒頭の「何も起こらない部分」、実はジョン・ケージの「4分33秒」が流れて(?)いるのではないか?
    スモーク(蒸気?)の噴出までがそのくらいの長さだし、すぐに終演のアナウンスが流れるのも頷ける。
    しかしあのフェイクの終演アナウンスがあったので本当の終演時に「ホントか?」と疑ってしまったのはσ(^-^) だけではあるまい。(笑)
  • 満足度★★★★

    よくわからないけどでも目が離せないそんな90分でした。今まであまりお目にかかったことのないタイプの演劇でした。迫力と意外性。満席の会場には年配の人も多くいて前衛演劇は若者たちが好むのかと思っていましたが意外でした。上野の桜も満開芝居も満開でした。

  • 満足度★★★★★

    「衝撃シーンの連続」に舞台の極限の姿を感じました。

    ネタバレBOX

    オープニングで場内を自転車が走り回り、大男が冷蔵庫をたたき壊し、女性が自分の体内から出た魚を食らう、と演劇の常識を覆すような素晴らしい舞台だったと思います。
  • 若者から老人まで休日ということもあって満席である。日本人は勉強家だなあと思っていると外人さんも結構いらっしゃるので現代人は勤勉だと言い直しておく。

    これは「ハムレットマシーン」を読んだ脚本家の頭に浮かんだイメージで「ハムレットマシーン」を再構築したものであろう。年をとって柔軟性を失った私の頭には、どの場面も思わせぶり、こけおどしとしか見えなかった。まあ私のこれからの人生とは無縁のものだ。

    基準を持っていないので評価は不可能。

  • 満足度★★★★

    「難解な公演」という一言。もう少し具体的に記すと、物語(展開)は在るのか無いのか理解するのが難しい。演出の奇抜さ、演技の迫力、舞台美術の大胆さを思わせる。特異な心象表現とある種の幻想表現による独特な美的感覚は自分を圧倒したが…。
    当日配布されたプリントにも「『ハムレット』を下敷きにし、従来の対話を主としたドラマ形式を解体し再構築した前衛劇で、内容も難解な」と書かれている。

    (上演時間1時間30分、上演前は2時間とアナウンスされたが)

    ネタバレBOX

    客席は1階と2階部があり、円形舞台の周りを囲うように椅子が置かれ、さらにその外周に鉄骨櫓を組んでいる。舞台真ん中を巨大パネルで仕切り2分割にしている。パネルには冒頭に映像描写が行われる。出入り口から奥の半円に男性、出入り口側の半円に女性がいる。さて半円のどちら側に座るか迷うところであるが、かろうじて両方が観られる半円と半円の境目の席に座り、Scene1と2を観ることができた。このパネルは立場・性別等の違い(差別)を表現していたのだろうか?なお、パネルは少し後に吊り上げられる。

    物語は先のプリントによれば、Scene1~5迄ありサブタイトルが付けられている。
    Scene1・2は「家族のアルバム」と「女のヨーロッパ」、scene3「スケルツォ」、Scene4「ブタペスト グリーンランドをめぐる闘い」、Scene5「激しく待ち焦がれながら/恐ろしい甲冑を身にまとって/数千年世紀」というサブタイトルらしきものがある。
    そして出演者役柄にマシーン1、2がいるらしい。それらの展開はそれぞれ独立した、いわばオムニバスのようであるが、ハムレットが機械になって、その視点から眺めたらどうだろう。原作「ハムレット」は王室という権力側に身を置き民衆とは立場が違う。そして同時に男性社会である。Scene1.2の男と女は、ハムレットだった男1とオフィーリア1が登場することになっているが、王室(権威)対民衆または男性対女性という性差別をも意図しているようだ。本公演をサブタイトに準えて観ると、原作「ハムレット」の世界観が違った観点で浮かんでくるような気も…。

    さて、シェイクスピア劇では物事を多角・多様に見ることが描かれている。例えば「オセロー」では自分を正直者に見せかけているが、実は悪党であることを明かす「私は私ではない」と言ったり、「ヴェニスの商人」では主人公が妻を迎えるために「箱選び」という試験を行い、質素な鉛の箱を選ぶ…物事は見方によって違って見える。外見に惑わされて大切な心を見失ってはいけないらしい。

    最後に、シェイクスピア劇の底流にある重要なのは”心”、心の目で物事の真価を見定める必要がある。本公演でマシーンになったハムレットは、心の目がどんどん閉じられ、目先の利益といった外見だけに惑わされる人が増えてきた昨今、本当に大切なことを心の目(心眼)で見て問い直すことを伝えたいように思う。
    そう考えた時、生身の人間から機械(マシーン)になって物事の見方、正しいと思う観点を変えてみることも重要なのでは…そんなことを示唆しているところがこの脚本の真骨頂かもしれない。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    「戸惑う」という感覚を大いに刺激されました。
    舞台をグルッと1周取り囲む客席。
    その一つに着席して観劇しているうち、自分が歪んだ時間を刻む時計盤上で、目盛のひとつに配されている様な感覚に。

    具体的な確信に手が届かないもどかしさはありましたが、精神世界として捉えるにはあまりにも激しく且つ生々しい光景。
    彼はかつて「ハムレット」だった男なのか、それとも「ハムレット」に憑りつかれた男なのか、とにかく神経をフル稼働しているうち、重圧・逃避・倒錯・・・混沌さがみるみる加速。
    「目の前はこんな状況、それなのに空気が無臭で普通に美味しいのが不思議」何故かそんな事を思ったり・・・

    「ハムレット」といえば藤原竜也がまず頭に浮ぶ私にとって本作を観終わった後、「なれの果て」という言葉がポッカリ浮かんでいました。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/03/22 (木) 19:30

    座席1階1列

    価格0円

    ハムレットはベースにはなっているものの、ストーリーを取っ払った戯曲が「ハムレットマシーン」であろうから、殆ど目の前で行っている動きや言動は何を示しているのか理解できません。
    「復讐」やそこに至るまでの心の葛藤が描かれると思ったら大間違いでした。
    もっと心の底にあるものなんだろうな・・(漠然)

    私が観たままで語ると「破壊と再生」。
    ラストの女性の行動は溺死したオフィーリアも想像できたが多分違うのだろう。

    客席を円形に陣取った舞台であったが、その中で演じる男性は不規則な動き。
    そしてその周りを規則的に行動するひと。
    そして不規則な動きをしていた男も規則的な動きに転じる。
    観たままですが、そこに再生を感じました。

    前衛演劇は解釈の仕方が様々あると思います。
    あえて絞り出してここに書いていますが、客は思うままそれでいいと私は思っています。

    チケプレありがとうございました。

  • 満足度★★★★

     無規定の直接性を訴える作品。(追記2018.3.24 01:30 花4つ☆)

    ネタバレBOX


     従ってストーリーを追おうとするのは、余り面白い観方とは言えないように思う。客電が落ちた後、数分間何も起こらない。なが~~~~い間である。次にアナウンス。演目の終了を告げている。立ち上がって出口に向かう人々も居る。
     が、無論演出だと見抜いているから桜以外は皆座っている。板を円形に囲む形で観客席が床に設けられると同時に2m強ほどの高さに櫓が組まれて床の観客席の外側をひと回り大きい形の円で囲んでいる。
     中心の板部分が役者達が演じるスペースだが、この中ほどには、巨大なパネルが置かれ、観客の視線を遮っているのだが、このパネルには、ローレンス・オリビエ主演のハムレットの映像が映し出される。(追記後送)
     この映像を背景に、巨大パネルの各々の面の前に登場した男性俳優と女性俳優が、携帯で連絡を取り合う。男は自分がハムレットであることを自覚、そうすると女優はオフェーリアということになるのだが、彼女は超小型撮影機で自らの足、足指、首筋などを撮影、オリビエの映像と交叉するように己の身体映像をスクリーンに映し出す。終には口腔内に撮影機を入れ、食道を映写し続ける。この間、男性俳優はハムレットであることを演じ続けている。その周りを自転車に乗った者が走り続けているのは無論のことだ。
     場転で、巨大パネルが天井に吊り上げられると、巨漢が登場、身体的パフォーマンスを展開するのだが、科白は殆ど聞き取れない。運び込まれた机や冷蔵庫、TVなどを思いっきりバットで叩いてゆく。机は結局完全に壊れてしまった。この間、板上の一角で巨大なポリエチレンか何かの透明な袋に空気が送られている。巨漢は一連の乱暴な動作が一段落すると、この袋の中に入ってファスナーを閉じる。そして暫く動き回った後、何とも驚くべき行為に及んだのだ。消火器をこの袋を閉じた密閉空間の中で噴射したのである。泡がこの袋の内側に飛び散り、透明だった部分に白い膜ができる。これは圧巻であった。
     この場面が終わると、白い衣装を纏った女が現れ、バケツを跨いだ状態になると、出産を思わせる仕草をする。するとバケツの中に多量の水が流れ落ちる。女はその水から魚を掴み上げ食べる。それが済むと今度はバケツの水を頭からかぶり倒れる。休みなく周囲を回り続けた自転車が相変わらず回っている。
     これが、今作の大体の流れである。観ている最中は余り考え込まない方が良い作品であると考える。そう考えたのは、極めて人工的なオープニングで、余りちまちましたことを観るより、本質を掴みだすべき作品だと考えたからである。直接の原テキストは「ハムレットマシーン」という作品で自分は読んでいないが、その基になったシェイクスピアの「ハムレット」は読んでいるからシェイクスピアのハムレットを念頭に置きながら拝見していた。そして、今作もまたシェイクスピアの「ハムレット」の本質を掴みだした作品であると評価する。
     死と生、復讐(という名の暴力・殺人)、これらを回してゆく運命(東洋的には輪廻)が、この作品の描きたかったことだと考えたからである。
     同時に女が、生命の故郷である海を生んだのなら、その後、其処で生まれ進化した命も、生まれた以上他の命を喰らう。生き物は喰らい、繁殖し、死んでゆく訳だが、女が海を枯らしてしまったとすると。そして女が人類を象徴していると考えるならば、ヒトが人類という形で纏まる時、その愚かな思考は、初めての連帯で地球上の生命の故郷である海を死の枯れ地に変えるという喩にも取れる。
     相変わらず輪廻を表す自転車は回り続けている。


  • 満足度★★★★★

    五感を逆なでする異体験だった。なんだかすごい。

この公演に関するtwitter

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  1. 【固定更新】 やっっっと後衛18万・前衛17万突破したので固ツイ更新!(ノ)'ω`(ヾ)ムニムニ 相変わらずのアリス推しです⸜( ´ ꒳ ` )⸝ よければ仲良くしてくださーい! (あとギルメン絶賛募集中です!入ってくれる方お待ち… https://t.co/MoDD7T4MuW

    約6年前

  2. 2x camera body cap Cover Protector for Olympus OM manual SLR mount OM-1 OM2 https://t.co/fa2l6AcA38`

    約6年前

  3. @Shiun_Sancho 仕方ないですね…うちの看板娘のを是非とも奪ってあげてください← それか前衛サクさんのでもd(ゝω・´○)オケ

    約6年前

  4. ワンが出たということは、そろそろ前衛を育成しなさいということでよき? https://t.co/8LN8Zgn6tr

    約6年前

  5. 【第237回コロシアム】 おつかれムケ🐍 チーヤさんの愛のデバフで真っ青になった前衛さんがいっぱいスクワットしてました(・∀・) フレンドさんとの対戦楽しいですね☺ https://t.co/blH3fkGSUj

    約6年前

  6. @mr___LGM やばばばば一緒やーーん♡笑 えでも前衛よりはあるやんけ!!!すごいよなぁ後衛!!はぁとは絶対できん笑 もうだいすきだよってーーー♡笑笑 ねぇそれね!!いるんやなぁ笑

    約6年前

  7. 前衛的、、 フォワード!

    約6年前

  8. ワンアップってどうゆうタイミングで前衛援護していいんすかね……

    約6年前

  9. アトラス低コ低コで両前衛した方が強い気するしアトラス×2で完璧

    約6年前

  10. 前衛芸術(オブラートに包んだ表現)みたいなデッキも一区切りついたしゆっくりしましょ

    約6年前

  11. 26日に新設しました23時帯の新設ギルド 「ノアの吸命ボート」です。 普段、discordで戦略など話しながら特にイノチ調整もなく、楽しく殴っています。 今回は前衛3人、後衛6人の募集となっています やる気のある方は基準以下でも大… https://t.co/MP8LHr6uiD

    約6年前

  12. 募集かけるなら前衛15万くらい 後衛は10万以上くらいにしてほしいかなー ただしやる気があってこれからめっちゃ頑張るって人ならその限りではないけど

    約6年前

  13. もうちょっと! うちのチーム前衛やる人ばっかだから気づいたら後衛やるようになってたけど、今日はたまたまお任せ相手がみんな後衛だから久々にまともに前衛+テニスすらまともに久々にやったら、こんな前衛下手くそだっけ?と… https://t.co/ehpEDH0hrs

    約6年前

  14. @Junka_hkr7 そうなんですよ。 1apだから失敗怖くないですからね。 ゴーレムのやつだとメルティオール版ですね。 前衛と後衛のバランスが良い精霊パとかもやりやすいと思います😺 塔だと失敗が痛いので気楽なのは助かります。

    約6年前

  15. 前衛は楽しい! アタック止めは楽しい! スマッシュは楽しい! ボレーは楽しい! ストロークは、、、苦手!!

    約6年前

  16. 前衛のプレーで1番盛り上がるのはやはりランニングボレーだと思うんだよなあ。 スマッシュも爽快だけど、 やっぱボレーの方が見ててうおっ!ってなる。

    約6年前

  17. 前衛: 頼光・孔明・探偵全員落ちました

    約6年前

  18. さっきの聖戦、前衛スキル何も打ってなくて援護1億7000万って、、 前衛行けたら2億いってたんじゃないすかこれ、、

    約6年前

  19. @wcat_hounatoi 時代はボレーヤーで ござるか…( ⌯᷄︎ὢ⌯᷅︎ ) ← 前衛上手い人…神よね😇😇

    約6年前

  20. またまた募集だぞー!!! すまないが固定を見てくれー! 前衛後衛募集してまーす!!! https://t.co/HEKS7Dpzjz #シノアリスギルドメンバー募集

    約6年前

  21. 私もpart2の前衛懐古行きたかったな〜悔やまれる〜

    約6年前

  22. @jalousieaiguil つらひぃ、、、代わりくるまで頑張る、、、!! いやらるむ氏の回復ないと前衛は成り立たないからね、、

    約6年前

  23. @meronpan_77777 前衛さんだからまだそこまでなくても大丈夫さ👋 後衛としては致命的なんです、本…1ページちぎってください。 あれ、わんこーは、後衛だとバランサー?杖?

    約6年前

  24. ここら辺の曲が死ぬほど好きなのでまじで前衛懐古ありがたいわ… https://t.co/aR1Nfhro5M

    約6年前

  25. うん、4巻読み返したけどデディケートシフトは固定配置じゃなくて日向の初手誘導限定の初期配置で合ってた 1.真っ先に日向の行く方向を一方に誘導すると同時に  日向を避けた他のスパイカーも誘導 2.MB以外の前衛は日向以外マーク、  MBは常に日向にコミットの支持が研磨から出てる

    約6年前

  26. @silversoulst1 前衛ちゃんといるとやっぱ違うわw

    約6年前

  27. さんじ(ソフテニステータス) ポジション:後衛 特性:じゅんなん ストローク:A バック:C ロブ:B 粘り:B 安定感:B 調子の波:小 ヘタレ:SS 強さ:A 形勢が不利になると下手に手首が柔らかいため、前衛の横を抜きたがる 試合ではチキるプレーもあるが、結構やるぞ

    約6年前

  28. 前衛的なカボチャ https://t.co/yNnOuL30Qt

    約6年前

  29. モリノオオガミさん対戦ありがとうございました<(_ _)> 新しい前衛さんを迎えての初コロだったけど、無事快勝出来て良かった( ´ω` ) https://t.co/ha0X8kiND7

    約6年前

  30. @sika_bamba あ〜〜!意図せず前衛が団子三兄弟カラーに……!🍡🍡🍡 ツェッド君の必殺技のモーション見ながら「団子でも風起こせるの〜!」とはしゃいでしまいました!かわいい!!

    約6年前

  31. ダークゼロ戦【星のカービィ 参上!ドロッチェ団】 作曲者:石川淳/安藤浩和 当作品のラスボス、ダークゼロ戦の曲。前衛に控えるダークドロッチェが強いのと本人が弱いせいでネタになってしまっています。曲はいい曲ですよ。 https://t.co/MhX1MWVWBh

    約6年前

  32. マグがめちゃくちゃ多いから装備考え直さないと行けないな……本も底まで持ってないから一旦前衛育てるのも手だよなぁ

    約6年前

  33. スタンプ押しすぎて特殊に特攻して前衛沈んだwww

    約6年前

  34. 光パがソフィア、フェリ、イオちゃん、レ・フィーエ、サンダルフォンくんで前衛3人の組み合わせすごい好きなんだけどソーンさんきたら、ソーンさん、ジャンヌ、アーミラくらいにした方がいいんかな……レ・フィーエとジュリエットさんいまだに悩むけど。

    約6年前

  35. パンケーキにカレーはちょっと前衛的すぎるかな...

    約6年前

  36. @Hu_ri07 前衛のチェックが厳しすぎた……

    約6年前

  37. フレン抜いてリタ入れるのも有りだけど前衛居なくなると操作下手なユーリがボコボコにされるから…ヽ(;▽;)ノ

    約6年前

  38. @trnprn 賢者はまだほら、前衛とサブはまだ固くないからさ。ユニあたりがガチ魔法戦士タイプで誰か強めなサブも来たらもう24時間正座。

    約6年前

  39. ①巌窟王 前衛トップもしくは後衛トップに必ずいる ツンだけど頼れる斬り込み隊長。 https://t.co/RWt8SH4ADk

    約6年前

  40. ギルド「死の吹奏楽団」 【募集】 後衛(本屋) 前衛(150k↑) ・22:00〜 ・A〜Sランク *以下前提のリアル優先 →コロ参加が基本、出来る方 →コロ欠席時、事前報告必須 →チャットでのコミュニケーション可能な方… https://t.co/aVaeFeKl5J

    約6年前

  41. 前衛1と後衛7!

    約6年前

  42. MAOの扱いが難しいんだよなぁ。 shon x 2 Rav x 2 の 超前衛思考になろうかな。

    約6年前

  43. 前衛貢献度70万いきたいなー やっぱり吸命戦輪ほしい https://t.co/hXGs40PI6T

    約6年前

  44. 前衛出られる強いプリチーが欲しい!! https://t.co/IbeHxfq0ik

    約6年前

  45. @kento07101020 このダメが出たのも…… ほかの前衛さんが積んでくださったコンボと、後衛さんの頼もしい応援あったからこその結果です(ง •̀ω•́)ง✧ こんなにもダメ出るんだ……と少し驚いてます(A;´・ω・)フキフキ;;;;;;

    約6年前

  46. @jupitermaiker Wiiスポーツのテニスで両コートの前衛を自分が操作してそこで永遠にパス続けるやつ。(訳分からん)

    約6年前

  47. @dal45vi 全くだわもう!😡(😔) 怒りの「い」もないよ、びんびんまた安定の前衛やってくれよ( ´﹀` )

    約6年前

  48. 全員前衛

    約6年前

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