ハムレットマシーン 公演情報 OM-2「ハムレットマシーン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    このような破壊的で強烈なインパクトのある作品は初めてです。
    台詞が少なく、音響で声が聞き取れないところもありましたが、
    それがかえって役者のパフォーマンスや演出を観た人それぞれが
    自由に想像する楽しさが味わえる作品ではないか、と思いました。

    ネタバレBOX

    ここには、ハムレットを演じている役者が二人登場。
    冒頭に出てくる役者は、初めてハムレットの役をもらって
    嬉しくて役者仲間の彼女に報告し、どう演じようかと自分の演じたシーンを
    ビデオに撮ってチェックする意欲的な新人役者。
    もう一人は、過去の世代の複数の熟年役者を演じているのか、
    そのシーンでは外側を周る自転車は規則的な現実の世界を、
    内側を後ろ向きに歩き周っていた紳士、これは時を遡っていることの表現なのか、
    その内側で、役者である男の激しく苦悩する様子が演じられていた。
    凄まじい破壊であったり、ビニール袋の中でもがき苦しむシーン、
    このビニール袋は自分の脳内を表現しているのか、または、胎内なのか、、
    ハムレットは男であることから脳内との解釈が自然か、
    このシーンには、ハムレットを演じるに如何に解釈したら良いか、
    どうすれば評価されるか、等々をもがき苦しんでいる様子を表現しているように思えた。
    消火器による煙は、まだ靄に包まれ、苦悩から抜け出すことができない状態にあること、
    頭上からたくさんの役者自身の写真が降ってくるのは、世間からの人気、名声の表現なのか、
    ビニールを突き破り尚、苦痛の表情で歩き廻る役者の男から、「マシーンになろう」との
    つぶやき、
    これは自分がマシーンなることで役を演じること、ハムレットを如何に解釈したら良いか
    思考する行為などからの開放、苦悩からの逃避であったか。
    それまでの苦痛を伴う苦悩から開放されたことを、自転車に乗って社会の歯車のように
    周っていたもの、と想像する。

    ここに出てくる「マシーン」には2つの意味があるように思えた。

    ・役者自身がマシーンになること
    ・脚本自体がマシーンであること

     脚本が存在し続ける限り、戯曲ハムレットの役者を無限に製造し続ける。

    それが、後半に登場する女性、
    これは、戯曲ハムレットを生み出したシェークスピア自身ではなかったか、、
    (時を遡り、ついに到達)
    バケツに水とともに産み落とされた魚、(ハムレットを演じる役者達)
    天井に映し出された海、それを見て衝撃を受けている様子、
    そして、産み落とされた魚を貪り食べるという表現には、
    作者自身の意に合わない演出のもの、腐敗的で打算的なものであったり
    そのようなものを演じている役者、演出家等を全て消し去りたいという
    ことの表現であるのか、
    製造マシーン(脚本)が存在する限り、次々にハムレットを無限に製造されてしまう
    ことへの絶望感による最後の息絶えるようなシーンではないか、と


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    2018/03/28 21:12

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