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ハムレットマシーン
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クチコミとコメント
公演情報
OM-2「
ハムレットマシーン
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10433)
満足度
★★★★
無規定の直接性を訴える作品。(追記2018.3.24 01:30 花4つ☆)
ネタバレBOX
従ってストーリーを追おうとするのは、余り面白い観方とは言えないように思う。客電が落ちた後、数分間何も起こらない。なが~~~~い間である。次にアナウンス。演目の終了を告げている。立ち上がって出口に向かう人々も居る。
が、無論演出だと見抜いているから桜以外は皆座っている。板を円形に囲む形で観客席が床に設けられると同時に2m強ほどの高さに櫓が組まれて床の観客席の外側をひと回り大きい形の円で囲んでいる。
中心の板部分が役者達が演じるスペースだが、この中ほどには、巨大なパネルが置かれ、観客の視線を遮っているのだが、このパネルには、ローレンス・オリビエ主演のハムレットの映像が映し出される。(追記後送)
この映像を背景に、巨大パネルの各々の面の前に登場した男性俳優と女性俳優が、携帯で連絡を取り合う。男は自分がハムレットであることを自覚、そうすると女優はオフェーリアということになるのだが、彼女は超小型撮影機で自らの足、足指、首筋などを撮影、オリビエの映像と交叉するように己の身体映像をスクリーンに映し出す。終には口腔内に撮影機を入れ、食道を映写し続ける。この間、男性俳優はハムレットであることを演じ続けている。その周りを自転車に乗った者が走り続けているのは無論のことだ。
場転で、巨大パネルが天井に吊り上げられると、巨漢が登場、身体的パフォーマンスを展開するのだが、科白は殆ど聞き取れない。運び込まれた机や冷蔵庫、TVなどを思いっきりバットで叩いてゆく。机は結局完全に壊れてしまった。この間、板上の一角で巨大なポリエチレンか何かの透明な袋に空気が送られている。巨漢は一連の乱暴な動作が一段落すると、この袋の中に入ってファスナーを閉じる。そして暫く動き回った後、何とも驚くべき行為に及んだのだ。消火器をこの袋を閉じた密閉空間の中で噴射したのである。泡がこの袋の内側に飛び散り、透明だった部分に白い膜ができる。これは圧巻であった。
この場面が終わると、白い衣装を纏った女が現れ、バケツを跨いだ状態になると、出産を思わせる仕草をする。するとバケツの中に多量の水が流れ落ちる。女はその水から魚を掴み上げ食べる。それが済むと今度はバケツの水を頭からかぶり倒れる。休みなく周囲を回り続けた自転車が相変わらず回っている。
これが、今作の大体の流れである。観ている最中は余り考え込まない方が良い作品であると考える。そう考えたのは、極めて人工的なオープニングで、余りちまちましたことを観るより、本質を掴みだすべき作品だと考えたからである。直接の原テキストは「ハムレットマシーン」という作品で自分は読んでいないが、その基になったシェイクスピアの「ハムレット」は読んでいるからシェイクスピアのハムレットを念頭に置きながら拝見していた。そして、今作もまたシェイクスピアの「ハムレット」の本質を掴みだした作品であると評価する。
死と生、復讐(という名の暴力・殺人)、これらを回してゆく運命(東洋的には輪廻)が、この作品の描きたかったことだと考えたからである。
同時に女が、生命の故郷である海を生んだのなら、その後、其処で生まれ進化した命も、生まれた以上他の命を喰らう。生き物は喰らい、繁殖し、死んでゆく訳だが、女が海を枯らしてしまったとすると。そして女が人類を象徴していると考えるならば、ヒトが人類という形で纏まる時、その愚かな思考は、初めての連帯で地球上の生命の故郷である海を死の枯れ地に変えるという喩にも取れる。
相変わらず輪廻を表す自転車は回り続けている。
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2018/03/23 01:56
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