満足度★★★★★
命の在り方
死生観を問われる内容で自分抜きに感想を書くことが難しい作品だと思うで、感じたことを短くまとめることはできませんが、面白かったです。
ダンスは好きです。躍動感があってよいと思います。
所々回収できていないように見えましたが、引っかかる、モヤモヤする「分からなさ」ではなかったので、観終えた後の気分はそんなに悪くないです。
満足度★★★★★
3回拝見。
相変わらず広田さんの物語世界は難しく、いまだに30%も理解できている気はしませんが、それでもこの美しい物語を理解したいという気持ちと、清涼感・躍動感に溢れる乱舞を何度でも観たいという気持ちがおさまりません。壮大な人類愛に満ちたこの作品ですが、果たして答えはあるのでしょうか。物語の中で人間たちが選択した道は正しいのでしょうか。「世界は初めから完璧にできているから、僕らが残せるのは傷跡だけ」。きっとこの答えの出なさ、不完全さ、それが人間の、世界の、地球の、そして宇宙の「完全な姿」なのでしょう。精神的に美しい「演劇」でした。愛してます。
満足度★★★★★
世界との対峙
物語世界の無限の広がりを感じる素晴らしい劇空間でした。一つの集団(思想)の始まり~終わり、過去現在未来、死生観みたいなものがない交ぜとなって、でも実感としてはもう終わっちゃうのってくらい見惚れてしまいます。あっと言う間だった。要所に盛り込まれた30名近い俳優の群舞は、何か自分が丸ごと吸い込まれていくような圧倒的な力がある。公演チラシの言葉を何度も読みながら、正しさって何だろうと考えました。
満足度★★★★★
王道広田作品
「力による力の抑止の行き着く先」や「命と引き換えの抗議の是非」をテーマにしており、どちらかと言えば淡々と進むのにグイグイ引き込む力がある。
そうして「命の躍動と祈り」を見せて締めくくるなんて堪りませんわ。
正直なところ、大半は「広田戯曲の王道」ではあるものの今までに観てきた作品群の中では平均的か?などと思いながら観ていたが、終盤の収束のさせ方と締めくくり方で評価急上昇。
いやぁ、ヤられたなぁ。
また、今回は観ていてNODA・MAPに通ずるモノを感じたが、現存している問題を多少カタチを変えて近未来のこととして描くシカケが共通するのか、と思ったりも。(詩的で耳から入るリズムが心地好い科白もそうかな)
強いて言えば泣かせ逃げなのがズルい(笑)が、本作に関してはあれしかなかろうしなぁ。
満足度★★★★★
全てが洗練されていた。
この劇団にしかできないスタイルで、完成度が高い作品を楽しませてもらった。まず会場に入るやシンプルながら存在感のある素敵な舞台美術が目に入る。舞台に引かれたラインにすらセンスを感じた。
この劇団はスタイリッシュな役者の動きと想像力を掻き立てる詩的なセリフが売りだが、テーマ性もあり、それらの調和が見事である。
当日パンフレットから受け付け会場整理に至るまで気が配られており総合的な劇団力にも高い評価をしたい。
満足度★★★★
理解するのは.....
実際に見えていない部分にもメッセージが含まれているのでしょうが、そこは三割程度しか理解できなかったように思います。見えてる部分では、争いの根源は「怒り」だけではないでしょうし、「死」をもって抗議することも良いとは思いませんが色々考えさせられるテーマを感じました。最後に全体のトーンの中で先生役がちょっと浮いていたように思いました。
満足度★★★★
ひょっとこに戻った感じ
アマヤドリ「月の剥がれる」を観る。
アマヤドリになってからは、小品で独自のスタイルを模索していた感じだったが、今回の座・高円寺の大舞台では、むしろひょっとこファイナルの「うれしい悲鳴」に似たテイストに戻った感じ。
音楽の世界観と、スイミーみたいな群舞。これ好きだなぁ。
精霊のように佇み風を纏って駆け回る田中美甫は、萩尾望都のキャラクターみたいで力強く美しい。
アマヤドリ風味が抑えられてしまったのかな。
いや、好きなテイストだからいいけど。
満足度★★★★
もうひとつ食い破るものがほしい
壮大なスケールを持った作品だった。アマヤドリの前身であるひょっとこ乱舞の最終公演だった『うれしい悲鳴』と同じく、近未来SFの様相。作品世界の設定をなんらかの形で観客に説明しなければならないSFは、その説明くささがネックになりやすいけど、今回は前作よりもスムーズな説得力を持っていたと思う。
最初のほうの日程では完成度が低かった、とも複数人から聴いたけれど、わたしが観たのは千秋楽で、役者たちの息も合っており、クオリティは非常に高かった。場転が(彼らの得意技である)群舞によってスムーズに切り替わっていくのも楽しい。これだけの人数が動くのはやはり迫力があって見応えがある。個々の役者についても、小菅紘史、村上誠基、川田智美、小沢道成などの客演陣が印象的な活躍をしていたように感じた。
ただ、もうひとつ、突き抜けるところにまでは至らなかった。無いものねだりかもしれないが、物語が全体につるんとしてしまった(枠にはまってしまった)印象は否めない。もちろん登場人物は物語の中を生きている、いわば「駒」だとも言えるけれど、わたしは演劇の登場人物(そしてそれを演じる俳優)には、やっぱりその「駒」であるところを超えて、物語を食い破ってしまうほどの強さを求めたいのだ(それは劇作や演出の意図を超えて暴走する、という意味ではない)。この作品には、そうした食い破りを可能にするような、裂け目やほころびのようなものが乏しかったように思う。
別のところで、ロラン・バルトの写真論から、《ストゥディウム》と《プンクトゥム》という概念を援用したけども(http://d.hatena.ne.jp/bricolaq/#coffee)、それでいうとこの作品はほとんど《ストゥディウム》に支配されていたように思える。頭では理解できる。でもやっぱりそれでは、演劇的な感動や怖さは生まれてこないのではないか。どうしてもこの人たちのつくるものを見たい、と思わせてくれるような何かが欲しい。
満足度★★★★
身体のありか/メッセージ性のある死
死をもって(戦争等によってもたらされる)死に抗議する思想集団、“散華”を舞台に展開する物語。少々理屈っぽく、中2っぽい、散華のアイデアはしかし、マッチョな精神論、安易な共同体信仰が幅をきかせる昨今の日本の状況をよく映しているのかもしれません。自らの曖昧な(傷ついた)感情を、対象化し吟味することもなく、単純なつまらぬ美学に同化してしまう。その身体的現実感のなさ、薄ら寒い世界認識は、とても現代的なものにも思えました。
アマヤドリの代名詞でもある群舞、洗練された舞台美術、音楽……と、空間設計も充実しており、戯曲のビジョンを体現する、非常に完成度の高い舞台を観ることができました。惜しむらくは、もう少しの”破綻”がないことでしょうか。細かに張り巡らされた設計、統制された空間を打ち破り、こぼれ落ちてしまうような演技、身体が、むしろ舞台空間の内に留まらない想像力の扉を開くこともあるように思うのです。でも、これも、もちろん、この舞台の高い完成度を前にしたからこそ、考えることなのですが。
満足度★★★★
生きろ
観終わって、一番頭に浮かんだのは、
「生きろ」っていう、『もののけ姫』のキャッチコピー。
ストーリーに派手さ、ドラマチックさ、あるいは盛り上がり
みたいなものは薄いが、その分、
劇場を出て、色々とああでもない、こうでもないと考えてしまう。
それは、とてもとても良い作品だった証んんだと思うのである。
満足度★★★★
抽象的なセットとダンス
ダンスやステージセット、オシャレな衣装等によって思い切って抽象化した部分があったからこそ、現在、過去、未来、学校、家庭、戦争、平和、宗教、憲法など、さまざまなものに汎用がきく作品になっていたとも思います。
こういう性質の作品の時にはアフタートークやQ&Aセッションが理解の助けになりますね。
満足度★★★★
なんだろう
面白かったし、面白くなかったし、かなりグワッと掴まれたし、全然ピンとこなかった。
好きか嫌いかで言ったら、断然好き、だと思う。
普遍的で新鮮な「絶望」、と「いのり」が舞台に満ちる美しいラストシーンに、強く胸が締め付けられた。
2時間15分の長さは全く感じず、この語り口でならあと1時間くらい余裕だったし、その分ちゃんと「決定的な大事件」の辺りとか、各キャラクターのターニングポイント的なものとか、諸々いろいろ書きこんで来てほしかったなあ、と。
今回の脚本、ひょっとこ乱舞大爆破公演の『うれしい悲鳴』でもそうだったけど、ひとつの作品にとんでもない「圧」を持った流れがいろんなベクトルで存在しちゃってて、作家がそれを作品内で処理し切れてない、って感じ。
つまりイコールそれは「失敗作」ってことになっちゃうんだろうけど、でもそういうギリギリなラインでの「賭け」「勝負」があるようなところにこそ、圧倒的な「なにか」が生まれうる、そんな可能性があるんじゃないかとも思う。
そんなある意味でとっちらかった(?)脚本を一つの作品として舞台上で成立させた、演出、役者陣はさすがだなあ。
この劇団、次回公演はまたどう来るか、楽しみ。
・・・そういえば。
毎度使用する音楽にセンスが光るひょっとこ乱舞→アマヤドリ、この作品でもエンディングで流れていたプログレッシブロック調の音楽がとても印象に残った。
オリジナルなのか、既存の曲なのか、既存の曲なら誰のなんという曲なのか、誰かご存知でしたら教えていただけると嬉しいです。
満足度★★★★
はじめての
初めて広田氏の作品を観劇しました。
正直なところあまり理解できなかったのですが、
なぜだかとても惹きつけられました。
今後も継続して観劇して、もっと広田氏の世界に触れてみたいと思いました。
満足度★★★★
初アマヤドリ
ひょっとこ乱舞時代から非常にみたくて、気になっていた劇団。
念願の座・高円寺でした。。
生きていることの祝祭のようだった最後の群舞がとっても印象的。
内容については、多人数で、ストーリーを追うことにあっぷあっぷになるんじゃないかと不安だったのだが、大きな枠構造がしっかりあったので、そこまで苦ではなかった。
演劇ならではのエネルギーを味わえたエンタメで、非常に楽しめました!
ダルカラの谷さんとのポストパフォーマンストークも面白く、2時間強を感じさせないお芝居でした。
満足度★★★★
何度も味わいたい
キャストさんの人数が多くその分見たいけど見きれない部分もあったのでまた観たいと思わされる作品でした。
期待して行ったのですが、それをはるかに超えるスケールの物語でうれしい誤算でした。テーマについて自分の意見はこうだなぁと参加しながら観ていました。
終演後のポストトークまで堪能しました。せっかく解釈のヒントをいただいたので、感じるだけでなく考えてみたいと思います。
人物関係図が関連フライヤーの置き場にあることを知らずに観てしまったのですが家に帰って復習したいと思います。
満足度★★★★
好きなんです
装置の美しさ、力強いけれど繊細な群舞の素晴らしい表現力。前回王子で観せて頂いて、どんな変化を遂げるのか楽しみで、今回の公演が待ち遠しくって、その期待を裏切らないオープニング!ありがとうアマヤドリ!!