月の剥がれる 公演情報 アマヤドリ「月の剥がれる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    3回拝見。
    相変わらず広田さんの物語世界は難しく、いまだに30%も理解できている気はしませんが、それでもこの美しい物語を理解したいという気持ちと、清涼感・躍動感に溢れる乱舞を何度でも観たいという気持ちがおさまりません。壮大な人類愛に満ちたこの作品ですが、果たして答えはあるのでしょうか。物語の中で人間たちが選択した道は正しいのでしょうか。「世界は初めから完璧にできているから、僕らが残せるのは傷跡だけ」。きっとこの答えの出なさ、不完全さ、それが人間の、世界の、地球の、そして宇宙の「完全な姿」なのでしょう。精神的に美しい「演劇」でした。愛してます。

    ネタバレBOX

    まず舞台上のオブジェにびっくり。「月の剥がれる」様が木材で作られているのですが、そこに神が宿っているかのような生命感。

    そして役者さん達。皆さん透明感に溢れていて、きっとこの人達は人間を一旦捨て去って妖精になったに違いない、臓物なんてないのかもしれないと思わされます。物語の中で人間たちは「怒り」の感情を捨てることを決議しましたが、現実ではそのようなことが平和に繋がるとは思えないものの、舞台の上では皆それが実現できそうなほど「きれい」。

    散華は新興宗教のようで、そこにいることで自分の存在の意味を見出すような部分は、リアルなのに毒を感じない。この「美しさ」は危険だなぁと思いつつ、どす黒く描かないのが「アマヤドリ」なのでしょうね。

    そのアマヤドリを象徴する「乱舞」の美しさ・・・特に小沢道成くんの神々しいほどの身体使い、ハマカワさんの愛らしさに目を引かれて、乱舞の為にだけでも毎日通いたいくらいでした。

    ちなみに初日は休憩無しの2時間40分が、目の前の美しさに気を取られる&理解することに頭を巡らせていたせいであっと言う間(笑) 2回目(3/6)は削られている部分が多数あった上に休憩があって集中力が途切れてしまってちょっと残念だったのですが、その翌日はシーンが増えた(!)上に休憩が無くなって、物語世界により深みが出ていてとても観やすくなってました。
    広田さん曰く、赤羽兄妹のシーンは「朝小沢くんに電話してシーンが増えたことを伝えた」とのことですが、それで夜あのシーンを上演してしまうとは・・・役者さん達のキャパシティに脱帽です。

    ちなみに大好きな小沢道成くんですが、このままアマヤドリの劇団員になってほしいほど魅力が発揮されていて素敵でした*

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    2013/03/09 16:42

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