あるアルル 公演情報 あるアルル」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-18件 / 18件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    誰かを深く愛するということは、その人だけの"あるある"を一つ二つと見つけていく行為なのかもしれない。そしてそれは私やあなたが思うより遠く永く続いていく。生まれくる人を祝し、去りゆく人を弔う。この後の人生、幾度となくこの演劇を思い出すと思う。
    以下ネタバレBOXへ

    ネタバレBOX

    感想を書き進めるごとに胸が詰まる。落ち着くために入ったカフェで断続的に涙を流し続ける情緒が大変な人になってしまっている。もう会えない大好きな人を今はすごく近くに感じてここをはなれられない。大切な人みんなと分かち合いたい演劇ここにいる間ここにいなかったんじゃないかと思うくらい遠くに、そしてあの人の近くにいた気がする。風に舞う黄色いポストイットをいくつも追いかけていた。

    重い腰をあげてそのカフェを出る時になってお話してみたかった方々が同じお店にいたことに気づき、少しだけ話せた。

    全部全部忘れたくないな。昨日から心を占拠されてしまった。演劇は勿論それぞれの好みに尽きるのだけど、それでも観てほしい人の顔が次々浮かんだ。私はこれを人生の弔いと祝福の物語と受け取りました。

    普段こういう言い方はしないようにしてるんだけど、先日のはえぎわに心打たれた人には観てみてほしいと思ったりもしました。お話も演出も全然似てないしどちらも独自の個性を追求した演劇だけど、なんというか観終わった時の景色の見え方に通じるものがあって、この作品もあの時みたいに空席が次々埋まるようなことが起きていい作品だとも思った。演劇は情報が少ないし、タイパやコスパが決していいとは言えないし勇気がいると思うから少しでも情報の足しになるといいなと思い書いてみました。ちょっと普段言わないことを言ってでもおすすめしたいと思った作品でした。

    大切な誰かを失ったことのある人とこの作品について話したい。

    私はそう思った。
  • 実演鑑賞

    やみ・あがりシアターの新作。北とぴあ・ペガサスホール。125分。5月6日まで。
    公演期間中に上演台本の無料公開までしてしまう心意気。

    https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/05/post-4eff7e.html

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/05/01 (木) 14:00

    特殊能力を持つ男と歴史的遺物(?)をめぐる「奇譚」。
    しかしよくもまぁこんなブッ跳んだ話を思いつくもんだ。
    思うに笠浦さんはまず「あるある」から「アルル(地名)」を発想してその関連事項も加えて物語を練り上げたのではあるまいか?
    なので観劇中に気になった事項(地名とか画家とか)をネット検索するのもまた楽しからずや。

    ネタバレBOX

    終演後にネット検索した項目は
    ・アルル(地名)
    ・フィンセント・ファン・ゴッホ
    ・ゴッホの切り落とした耳の行方
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    はっちゃけたEテレ(Eテレ自体はっちゃけた番組多かったりだけど)みたいな感じ。
    ただ、Eテレの番組は短いものが多いけど、これは長編でして。
    自分は、前のめりになるよりも、冗長さを感じたほうが強かったかも。
    観終わった後に、『ハウルの動く城』の階段シーンを思い出したりしました。
    歌が多くて、巧みな歌唱ってわけじゃないんだけど、いい味わいになっていた。
    ラストシーンは好き。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    普段あまりエンタメ色の強い作品を観ないので、最初のシーンで面食らってしまい、途中まで「これはちょっと私には合わなかったかも」と思っていました。
    人物それぞれの繋がりや背景が見え始めたあたりから面白くなり、ラストはちょっと無理に綺麗に畳んだ感じはしましたが、脚本の力と役者さんたちの力量の成せる技でしょうか、とても良いラストでした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    最初は楽しい雰囲気の舞台を想像していたので、
    意外にも少し不気味な始まり方に驚きました。
    そのギャップが逆に印象的で、物語に引き込まれるきっかけになった気がします。

    「あるある仙人」の世界観はユニークで、
    最初は戸惑いつつも、次第にその不思議な空気感に引き込まれていきました。

    「アルル」がフランスの地名だという話も面白かったのですが、
    もう少しわかりやすいネタだとさらに楽しめたかもしれません。

    全体としてはテンポも良く、笑えるシーンもたくさんあって、
    最後にはとても良い気分で劇場を後にすることができました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    鑑賞日2025/05/06 (火) 12:30

    やみ・あがりシアターは4作目、全部違った趣きの作品で、共通するのは速射砲的な繋がりの展開、交差する物語達とでも言うところかな。

    面白かった。が、ただ、「あるある」を宣託し続けるあるある仙人が2時間、あるあるを告げ続け、それを取り巻く4つか5つのグループが交錯し続けると言う展開で、舞台に散らばるあるあるが書き込まれた付箋、黄色い付箋が、あるあるが溢れ、間延びしていた。

    面白かったとしたが、単調さをカバーし続けたのがこの16人の俳優達の素晴らしさ、魅力だった。初めて拝見した加瀬澤拓未さんが良き味を出しておられるなと、また楽しみな方が増えた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    (笑えた度)3(今感)5(完成度)5

    この時代にコメディーは文学、もとい芸術たりうるのか。

    芸術の死に仮託して、現代コメディーの苦悩と限界について考察した部分が大部分を占める
    自己省察系ファンタスティック・ラブロマンス。

    こういう無理矢理ジャンルを決めつけてくる系の批評を嘲笑うが如く、色々ゴリゴリと
    読みを外してくる演出は、見ていて爽快。オリジナリティーが高い。

    芸術を愛し、芸術と死別した男の悲しい愛の物語だが、華美な装飾がコッテリと覆い被さり、
    物語に到達するのはわりかし困難である。

    ネタバレBOX

    前説の段階で、かなり疑わしかった(いい意味で)。
    「上演中に携帯を鳴らしちゃった人、知らんぷりしがち。(意訳)』
    果たして、これを超えるあるあるが本編に出現するのか。
    案の定である。
    あるあるそのものよりも、エチュード(風)が面白い。あるあるが
    出なくて苦悩するリアルが面白い。現代の袋小路を見事に可視化している。

    ひまわりは言わずと知れたゴッホの代表作。それは芸術の象徴(アレゴリー)で、
    その死をきっかけにあるあるが袋小路に入っていく。
    コメディーはジャンルとして確立、商業ベースにさえ乗っていく代償として、
    ありふれて既視感のあるものが増えていく。そこであえて、
    人と違った面白さを追求した結果、・・・なものになっていく。
    モンティパイソンの時代よりずっと前からの永遠の課題なのかもしれない。
    まんなかをちょっと外す。そのちょっとが難しい。
    大幅に外すと、アートですね、と言われてしまう。でも、本当はそっちなんでしょ。
    アートと死別した男は、そのアートの面影を探して、アートの断片に出会っていく。
    仙人の独特の風貌、表情と佇まい、その余韻は深い。

    小難しい先人によると、芸術が終焉した後には、多元主義的なアートワールドが花開く。
    要は何でもありの時代が続いているのだから、俯瞰すればそれはいいことのばかりようで、
    いやいや当事者にとってみれば切実な問題である。そんなアーティストの叫びが聞こえてきて
    胸が痛い。

    さて、もちろん、いろいろ冒険しているのはコメディ部分だけだから、
    演劇の骨格は骨太でしっかりしている。暗転板付からのオープニングの銃声、
    アコースティックに奏でるテーマソングのリフレイン、決めるべきところは
    見事に決まっている。
    仙人をはじめ、スナックのおっさんも、脳外の先生もセフレの彼女も、いやいや全員
    キャラが立っていて面白い。うーん、一回りして、やはりキャラに戻るのね。

    最後、渾身のMナンバー、転調してからユニゾンにしか聞こえず。
    せっかく男女パート分けからの、なのでハモらないの何だかなあって個人的には思ったけど、
    エンドロール(後日譚小芝居)後のもう一声で多分ハモってたよね、これこれ。
    うーん、最後まで外してくる、よく出来たツンデレだ。満足。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/05/06 (火)

    全体的な雰囲気がやみあがりシアターらしくて良かったと思います☆ 役者陣に個性的な方が多く、みなさんいい味出してました☆ 

    ネタバレBOX

    最後の方に、みんなで歌を歌うシーンがあるのですが、あれはいらなかったかな〜
    次回作も観に行きたくなりました☆
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    鑑賞日2025/05/06 (火) 12:30

    130分。休憩なし。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/05/02 (金) 19:00

    「あるある」なことをまとめてまるめてほうりなげてきゃっちしてまたほうりなげてうちかえしてふくらんでそれがてんまでとどくといいね。な。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/05/04 (日) 13:00

    座席1階5列

    価格3,500円

    とにかく緻密に計算されつくしていて、綻びが見当たらない。感想を書こうと分析をかければかけるほど、我々をあざ笑うかのようだ。なんだかすごいモノを観たと感じた。日本有数の英才が戯曲を書くとこうなるのか、というのが正直な心境だ。
    強い主題やメッセージ性があるわけではない。わけのなからなさもない。いうなれば単純だ。だからこそその深淵に驚いてしまう。こんなに美しい円環があんなにコンパクトにまとまるなんて、本当にすごいことだ。
    ところで、配役全てが重要な役割を担っており、主演と助演が曖昧。こんなに役者全員が輝いている舞台もなかなかない。これで再演をほとんどしないというのだから、よほど今後の作品に自信があるのだろう。作品が次々生まれるというのなら、再演をしている暇などないからだ。

    ネタバレBOX

    これは他の方の分析で判明したことだが、「あるある仙人」の住所は劇場の住所と同一であることは劇中ですぐわかる。が、舞台の場面の日時を追っていくと16年前→10年後→6年後と実はこの戯曲は今年を舞台にした話であることが分かり、なんと夜、昼、夕方、という場面はこの舞台の上演時間と日付に完全に一致することが判明した。
    すなわち観客もまたこの舞台(=「あるアルル」)に導かれている、というメッセージになっている。
    この戯曲は上演台本が無料で公開されたことで話題になったが(特に演劇関係者内で)、上記のことは上演台本を読み込むことで判明する事実である(例えば10年後であることは劇中で明示されていない)。
    作者もまた「あるアルル」に導かれてつくったに過ぎず、だから見せているんだよ、と言っているかのようだ。
    本当にすごいモノを観た。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    2回目。
    全体像と筋書きが判っているので、それ以外に気を配って観ることが出来た。個人的に世話になった人が最近亡くなったこともあり、大槻ケンヂ的感傷で今作を眺める。死んだ人間の存在の喪失感を埋めることなど果たして出来るのか?

    いずれ人は死ぬ。遅かれ早かれ消えて無くなる。足掻いても悔やんでも嘆いても人は死ぬ。筋肉少女帯の『リルカの葬列』に挿入された中原中也の詩、『春日狂想』。

    「愛するものが死んだ時には、
     自殺しなけあなりません。

     愛するものが死んだ時には、
     それより他に、方法がない。

     けれどもそれでも、業ごふ(?)が深くて、
     なほもながらふことともなつたら、

     奉仕の気持に、なることなんです。
     奉仕の気持に、なることなんです。」

    梶川七海さんは正しくヒロイン。
    脳外科医・渋木耀太(ようた)氏の水商売の女を徹底的に見下したスタンスが大受け。

    作家の細やかな優しさが会場中を覆っている。スタッフの高潔な人間性に感銘を受けた。優しい空間。

    多分、三ノ輪駅近くの薬局だったと思う。ずっと前、お母さんが「ひまわり、ひまわり」と幼い娘を呼んでいた。凄い名前だな、と当時思ったものだ。

    ネタバレBOX

    一番、美しいシーンはスナック「リュミエール」に戻って来た梶川七海さん。自分がママ(川田希さん)から愛されてきたのは亡くなった娘に似ていたのが理由だったことにショックを受けている。言い合いになり、涙を零す川田希さん。
    「ママ、泣かないで。」と涙ぐむ梶川七海さん。それを強く抱きしめる川田希さん。

    前回、何で今作がイマイチに感じたかの理由が分かった。あるある仙人のお告げを出せるのが一日一回だからだ。その為、話の展開に時間が掛かる。もっとテンポよく進む筈の話が無理に時間を引き延ばすこととなる。(笑いも勘違いのズレばかりで弱い)。

    斎藤ヒロシは予知能力者だった。一日一回、正午の時だけ、この世の全てを見通せる。彼女だった山本わかばを捨て、すぐ乗り換え結婚した相手は美大卒の渡辺ひまわり。だが、ひまわりは6年前に自殺してしまう。彼女は闇バイトでアーティストの遺体を扱った裏仕事をしていたが、取り返しのつかない失敗を犯してしまい自殺。南フランスのアルルに組織の本部があり、彼女の遺体遺品は全てそこに送られた。その詳細を何も知らされていない斎藤ヒロシは自室で廃人となった。理由も分からず自殺した妻の『あるある』を日夜探し続ける狂人。どれだけ彼女のことを考え続ければ解放されるのか?救われるのか?許されるのか?

    amazarashi『小市民イーア』

    絶望込めるシリンダー 汗して暮らす小市民だ
    たった一つでいいんだ 冴えたやり方をしてイーア
    守る為に切り捨てたんだ その結果に胸は痛むか?
    次はきっと僕等の番だ 絞首台で笑って待つか?

    暗い時代には明るい歌が流行するんだって
    それは遠い星での話 音楽がそれじゃ耐え難い
    恋焦がれて夢を見たんだ 救ってくれたのはロックスター
    胡散臭い成功者が作る日陰は焼け野原

    ※この曲のリフは勿論、ブルーハーツ『未来は僕等の手の中』、更にその元ネタのリフはシャム69の『Rip Off』。ちなみに『チェインギャング』の元ネタはクラッシュの『いかさまカード師』。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    今回も、やみ・あがりシアターらしい世界観が存分に詰まった舞台でした。
    不思議な空気感で始まり、最初は戸惑うものの、物語が進むにつれて少しずつ全体像が見えてきます。そして終盤を迎える頃には、優しさと儚さが丁寧に織り込まれていて、観劇後はどこか温かくなる気持ちでした。
    魅力的な役者さんたちが多く、舞台上の空気感がとても心地よかったです。また楽曲も印象的で気になって調べてみたら、あの「濫吹」の音楽も手掛けた方とのこと、納得の素晴らしさでした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    情報量が多くて、楽しみつつも、観終わった直後はこちらもちょっと混乱。笠浦さん曰く「死の匂いのするメルヘン」を目指したのだそうで、なるほどなあと。何人か気になる役者さんを見つけたので、今後の出演予定を調べてしまった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    鑑賞日2025/04/30 (水)

    価格3,500円

    正直物足りない感はある
    界隈では名の通った出演陣、劇団
    おもしろいとは思うけど、なんとなくリピしてみたいなとも思う
    それはおもしろいからなのか情報量が多いから補完したいと思っているかは自分でもよくわからないけれど
    あるあるがささらなかったのか、勢いがささらなかったのか、ん〜、謎
    ただ、なんとなく谷口さんという方はあの中にあって異質で、ある意味新鮮で良かったなぁ

    ネタバレBOX

    お医者さんと女さんの関係性はおもしろい
    結婚こそしないけれど、違った未来があるのかもね
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/05/01 (木) 19:00

    お気に入り劇団の新作は奇妙で独特の味。125分。
     「あるある」を語れ、というシーンから始まり、数々の「あるある」を扱いつつ、不思議な展開の物語。いろいろな登場人物が抱える問題を明らかにするが、軸になるのは6年前に妻を亡くした「あるある仙人」。いつも通りの「アタマおかしい」(誉めています)笠浦だが、役者陣も役割を熱演して、独特の感触を残す。劇団員の加藤はアンカー、常連のさんなぎが飛び道具的ポジションだが、ベテランの川田希が渋い。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    冒頭、高校の教室の教壇、ニカブを被った女(梶川七海さん)が生徒達に拳銃を突きつけている。「『学校あるある』を言え!」と。パニックで怯えながら一人ひとり『あるある』を言っていく。だがすぐに射殺される。一体何を言えば助かるのか?分からないまま殺されていく生徒達。

    あるある仙人の部屋、梶川七海さんはあるある仙人(大宮二郎氏)に「どんな『あるある』を言ってもすぐに殺してしまえばそれなりに面白く感じるから」とそれを説明している。あるある仙人はジャンプして「バッカモーン!」と決めポーズで叱りながら正しい『あるある』を授けていく。大宮二郎氏はムロツヨシの斎藤工風味。

    居酒屋で高校の同窓会、幹事(佐藤昼寝氏)、脳外科医になった渋木耀太氏。お開きになりかけた時、左耳が血塗れの川鍋知記氏が駆け込んで来る。『あるある』の天才だった同級生を探していると。彼には予知能力があり、この世の全てが見渡せるらしい。佐藤昼寝氏は身重の妻(加藤睦望さん)がその男の元カノだった為、連絡を取ってやる。それを聞いている居酒屋の店員(大見祥太郎氏)。

    MVPは加瀬澤拓未氏。彼を見てほっとした客が多かったと思う。

    ネタバレBOX

    あるある仙人の部屋、さんなぎさんや小林桃香さん等が信徒として仙人を崇拝している。(女性の殆どの登場人物が今後この役を兼ねていく)。顔に『あるある』の書かれた黄色いシール付き付箋を向日葵の花弁のように円形放射線に貼っている信徒達。あるある仙人はアルルの『あるある』を求めるが信徒達はアルム『あるある』を言ってしまう。アニメ『アルプスの少女ハイジ』のアルムとは高原の放牧地を意味する言葉。アルルとは何の関係もない。「ぴゃあ〜!」「どろん!」「授かった」。

    加藤睦望さんの運転であるある仙人の家に向かう佐藤昼寝氏と川鍋知記氏。だが彼は居留守を決め込む。

    売れないお笑い芸人シンパシーズ、シュールなネタで客を選ぶ。面白いんだが一般受けはしない。欲のない大見祥太郎氏と福原瑞穂さん。何とかこいつらを売ってやりたい熱血マネージャー、宮崎柊太氏。ザ・パンチのノーパンチ松尾っぽい。

    渋木耀太氏のセフレ看護婦、小林桃香さんが異常に巨乳。そればかり気になった。a.k.a.観劇お姉さん。

    ゴッホの耳の取引に関わる闇バイト軍団。リーダーの藤田頼奈さん、ツナギ姿のチンピラは谷口継夏氏。

    ゴッホの耳を盗んだフリーター、さんなぎさんは美大生の妹(チカナガチサトさん)の為に金が必要。必死にバイトをするがすぐ辞めてしまう。

    スナック「リュミエール」ではママ(川田希さん)とバイトのホステス(梶川七海さん)、ママに気のある常連客(加瀬澤拓未氏)の姿が。「しゃしゃんないで。」

    前半、気の違った展開に興奮していたが後半が退屈。何かこの話に落とし込むにはパーツが足りない。長過ぎる気もする。要らないキャラ、要らないエピソードが多過ぎ。

    ゴッホは南フランスのアルルに画家が共同生活出来る理想郷を築こうとした。だがすぐに破綻して盟友ゴーギャンは去って行く。混乱し狼狽錯乱したゴッホは自分の左耳を剃刀で削ぎ落とし馴染みの娼館の掃除婦に手渡した。精神病院に収容され、その後2年も経たず拳銃自殺。唐十郎の『黄金バット~幻想教師出現~』では「ゴッホは耳を切ったのではなく、ゴーギャンからの『サヨナラ』を切ったのだ。」とされる。

    質量保存の法則、エネルギー保存の法則から、人間が死んでもこの世界の総量は決して変わりはしないことが真理。この世に存在するエネルギーの総量は決して変わらない。増えもしなければ減りもしない。死んだ人間の肉体は化学変化を起こすがそれは原子の組み合わせが変わるだけ。別の形態に変換されエネルギーとしてこの世に存在し続ける。意識や感情や思考も一種のエネルギーだとしたらそれもこの世に形を変えて存在し続ける。そういう意味からは生命は永遠なのだ。

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