あるアルル 公演情報 やみ・あがりシアター「あるアルル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/05/04 (日) 13:00

    座席1階5列

    価格3,500円

    とにかく緻密に計算されつくしていて、綻びが見当たらない。感想を書こうと分析をかければかけるほど、我々をあざ笑うかのようだ。なんだかすごいモノを観たと感じた。日本有数の英才が戯曲を書くとこうなるのか、というのが正直な心境だ。
    強い主題やメッセージ性があるわけではない。わけのなからなさもない。いうなれば単純だ。だからこそその深淵に驚いてしまう。こんなに美しい円環があんなにコンパクトにまとまるなんて、本当にすごいことだ。
    ところで、配役全てが重要な役割を担っており、主演と助演が曖昧。こんなに役者全員が輝いている舞台もなかなかない。これで再演をほとんどしないというのだから、よほど今後の作品に自信があるのだろう。作品が次々生まれるというのなら、再演をしている暇などないからだ。

    ネタバレBOX

    これは他の方の分析で判明したことだが、「あるある仙人」の住所は劇場の住所と同一であることは劇中ですぐわかる。が、舞台の場面の日時を追っていくと16年前→10年後→6年後と実はこの戯曲は今年を舞台にした話であることが分かり、なんと夜、昼、夕方、という場面はこの舞台の上演時間と日付に完全に一致することが判明した。
    すなわち観客もまたこの舞台(=「あるアルル」)に導かれている、というメッセージになっている。
    この戯曲は上演台本が無料で公開されたことで話題になったが(特に演劇関係者内で)、上記のことは上演台本を読み込むことで判明する事実である(例えば10年後であることは劇中で明示されていない)。
    作者もまた「あるアルル」に導かれてつくったに過ぎず、だから見せているんだよ、と言っているかのようだ。
    本当にすごいモノを観た。

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    2025/05/04 22:51

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