バックギャモン・プレイヤード 公演情報 バックギャモン・プレイヤード」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
21-31件 / 31件中
  • 満足度★★★★★

    考える演劇
    社会の理不尽や思惑,抵抗むなしく巻き込まれる人々の生活を通じていろいろなことを考えさせられてしまう。これは奥が深いでしょう。後半の展開には胸を打つものもあります。役者さんたちの熱演にも満足。しかし,小玉久仁子さんはどの舞台でもいい味出しているなぁ。初カムヰヤッセンだったけど,この劇団気に入ってしまいました。

  • 満足度★★★

    考えることがたくさん
    あまりにたくさんのことが詰め込まれていて、正直、消化不良。

    役者さんの熱演は素晴らしいと思うのですが、その演技に熱がこもればこもるほど、私の熱は引いて行きました。すみません。

    その理由は、次々に起きる出来事やそれに対する舞台上の人々の対応に、微妙に違和感を覚えたからだと思います。
    そのため登場人物の誰にも共感できないまま、重苦しいものを飲みこんだような感じでラストまで来ました。

    自分勝手な人、責任を取らない人、愚かな人、賢い人、知ったかぶりだけの人、いろいろたくさん見せられました。
    確かに今の社会での「あまり知りたくないこと、でも知った以上は考えないといけないこと」の課題はたくさんありました。
    ありすぎたのが、残念でした。

    ネタバレBOX

    あの火事が原発事故を思い起こさせてしまったため、ラストのあれは、ハッピーエンドなのかどうかが疑問に残りました。
    時がたてば解決するというものでもないでしょうから。

    全てを運で決めていた村の中で、理不尽な被害にあった女の子が、
    「何故、いまなんだろう。何故、私なんだろう。何故、ここで、って思うことない?」(うろ覚えです)
    と言った台詞は、原発の被害にあった人、自分ではどうにもできない不運に突然襲われた人たちの心のようで、胸に迫りました。
    だからこそ、安直なハッピーエンドは無いと思います。

    現実に即して言えば、火事を起こした花火職人(東電か?)をもっと追及すべきだし。煽るだけあおってケツまくった隣の村の村長(アメリカか?←TPPぽかったから)にも、もっと制裁を加えたいと思いました。これは全く個人的な気持ちです(笑)
  • 満足度★★★


    カムヰヤッセンさんの舞台は初観劇でしたが、ああいう作風は大好きです。次回作も楽しみです。ただ・・・

    ネタバレBOX

    物語の説明が足りないと感じました。
    子供たちの年齢と言動・行動がチグハグな気がしましたし、娘がレイプされた父親が「孫ができるのは嬉しい」みたいなセリフも(のちに否定していますが)変なカンジでしたし、医者が村のお金を遣い込んだ話はうやむやなままで終わってしまったのも『それでイイの!?』と思いました。
    ラストの村長と物知りのシーンで、役者が2人ともセットに体を向けていたのは、思い切った演出だと思いますが、大事なシーンなのに役者の顔が見えにくくて少し残念でした。

    ただ、パン屋の息子に「運で決まったことの責任は誰がとるの?」ときかれ、「みんなで少しずつとるんだよ」と答えた村長が、運で物知りを村に迎えた結末が村の崩壊となったとき、責任のぶつけどころのなさに苦しむ姿が、不条理すぎてゾクゾクしました。そこがバツグンによかったです。
  • 満足度

    初投稿させてもらいます
    何か色々と詰め込み過ぎて何がしたいのかよく分かりませんでした。ラスト、クライマックスの役者達の熱演の意味がよく分からない残念なお芝居でした。終わりよければ全てよし!

    ネタバレBOX

    見せ場をたくさん創ろうとして結果的に何が見せたいのか分からなくなってしまったのではないでしょうか。


    ちなみに演出の北川さんは舞台の役者に向けてあの位置からモノローグを説明していますが、あ、お客にじゃないんだ。残念。残念。残念。
  • 満足度★★★★

    饒舌な良心で出来ている
    多くを知ることで人は幸せになれるのか。
    私たちはもう知らなかった時代に戻れないし、価値観の転換も出来なくなってしまった。何か大きな力によって全てを失わない限り・・・。
    終盤、孤独な彼の叫びが私たち自身の痛恨の記憶を激しく揺さぶる。
    まっとうな主張は饒舌だが、今はこの直球勝負を評価したい。
    役者陣の熱演も○。
    熊さんみたいな北川氏の良心が感じられる。

    ネタバレBOX

    先の読める展開に若干集中力が途切れそうになったところで
    五所川原(小玉久仁子)さん登場。
    ずん胴だったウエストがキュッとくびれた感じ。
    客席の神経を一気に持ってった。いいキャラだ。
    ひとり波に乗れないまま破滅の道を辿る花火職人が、行動をおこすに至るプロセスにもう少し説得力が欲しかった気がする。
  • 満足度★★★★★

    ジーン
    とっても丁寧に話が始まっていく。
    折り込まれていた人物相関図を見ていたからもあるだろうが、
    話しの設定・人物の設定がすぐわかり、内容に入れる

    何場面か、人物同士の議論や自己主張(ちょっと硬いいい方ですが、言い争いとかではなく結構意味をもったセリフってことがいいたい)があり、重い・深い。

    最後、ジーンとなって、終演後しばらく放心状態になりました。

    社会経験を何年かやった人なら、相当考えるところがあるような話しだったように思います。

    ネタバレBOX

    最後にまた、最初と同じような場面があるが、
    そのシーンでジーンときてしまった。

    人が協力しあい、なにかが始まる。家族・社会・恋愛・・・。
    なにかがわからないが、生きていく・生きていることの有難さが
    心の中から湧いてきたような気分でした。

  • 満足度★★★★★

    心からのダブルコール。
    初・カムヰヤッセンです。郷愁感漂う民話のような始まりに、心臓は次第に温かくなり。そこから徐々に、未来への恐怖に冷たい感触が頭をもたげ。いつしかその冷たさが温かさを上回り、じりじりと焼けるような痛みに覆われ、慟哭の中に差すやわらかな希望にまた温かさが蘇る。当パンは読んでいませんでしたが、浮かび上がる物語からは明らかに今の日本を髣髴とさせられ、愛すべき古き良き日本が崩れ去る様に恐怖を覚えました。これは日本人のための寓話。テキストに沢山の言葉が散りばめられた、愛しい日本の物語。役者さんが全員素晴らしかったです。舞台の上で、物語の中で正に「生きて」いました。細やかな息づかい、素朴な笑顔。それぞれの心の変遷に、誰一人として目が離せませんでした。静かに崩れるバランス感やその再生、どれもが涙を禁じえません。客席の灯りがついても鳴り止まない拍手に二度泣きしました。素敵な時間でした、本当に観て良かったです。

    ネタバレBOX

    「物知りさん」はアメリカだと思いました。便利だからと刹那の快楽を享受した末は原発事故に繋がると容易に想像できたので、常に恐怖を抱えながら観ました。ステレオタイプの登場人物ばかりであるせいか、先の台詞や行動が結構読めてしまうのですが、その分かりやすさを感じるごとに「分かってるなら行動に移せ」と戒められているような気がして、自分の無関心・無責任さに罪の意識を感じながら観ずにいられない。分かりやすいのに、深いところを抉ってくる。心が痛かったです。

    安藤理樹さんの演技を楽しみにしていたのですが、役者力がこれでもかというほど感じられて大満足です。泣かされました。
  • 満足度★★

    難しいなぁ
    単純に面白かった~とか感動した~とか
    そういう風には思えませんでした。
    自身の理解力や感性を棚に上げて言わせてもらえば、
    わたしの心に響いてくるものはあまりなかったように思います。
    ただ、観劇した後にこれだけいろいろな事を考えられるのは
    ある意味作者の術中に嵌っているのかも知れません。

    ネタバレBOX

    ある共同体。
    自分たちで助け合い、風見鶏による占いのようなもので物事を決してゆく世界。
    そこに「物知り」と呼ばれる人物がやってくることにより“経済”が生まれ、
    人を使って仕事をしたり、金融業を始めたりすることにより
    貧富の差や知識の格差が生まれてくる。
    そんな変化に馴染めない男が引き起こした事件によって、
    “経済”は崩壊し、共同体も崩れ去る。
    そして、なにも無くなった場所に次世代の子供たちがやってきて
    また昔のような共同体を作り始める。

    ストーリーを現在の社会と置き換えると、
    風見鶏は選挙、物知りは政治家、事件は震災(原発事故)
    子供たちはこれからの未来への希望といったところでしょうか。

    登場人物は類型的な動きをし、それを俯瞰のように描いています。
    心情的に寄り添える人物が全くいなかったので
    観ている側も俯瞰のまま終わってしまった感じでした。

    役者さんたちは、実力のある方たちだと思うのですが
    いまひとつ魅力を出し切れていないように思いました。

    何となく不完全燃焼な印象の舞台で、すごく残念な気がしました。

    タイトルのバックギャモンとは、
    駒の数と登場人物の数をかけてのことでしょうか。
    それとも、もっと深い意味があったのでしょうか。

  • 満足度★★★★

    寓意の先に浮かび上がる感覚
    シンプルにおかれた設定の中に、世界を俯瞰する寓意が宿る・・・。

    切れを持った役者達がくみ上げていく物語には
    世界を纏う間口があって・・・。

    そのたどり着く先までを描ききっているからこそやってくる
    ラストのシーンからの
    俯瞰に深く心を奪われました。

    ネタバレBOX

    物語自体はそれほど複雑なものではありません。

    人物相関図が配られていましたが、
    そのヘタウマなイラストがきちんと機能するようなフィールド。
    でも、そこに描かれる小さな村の物語が
    国の発展や、その中での人々のありようを
    見事に具象していきます。

    風見鶏をまわしての物事の決め方から
    とある国の物事を決める感覚がやってくる。
    総意でないものが
    そうなるしかなかったと決まっていく感触・・・。
    ものしりを受け入れること、
    金融がうまれ、
    効率や生産性が重視され
    となり村との関係が築かれ社会は豊かになる一方で、
    職業に貴賎の感覚が生まれ
    社会に歪みが生まれていく必然。

    役者たちは、切れを持った緻密な演技で
    シーンごとのなりゆきにとどまらない
    個々の心情や感覚のありようを浮かび上がらせていきます。
    それは社会の変化の骨組みにとどまらず
    ともに歩み、とまどい、あるいは抗う人々の感覚や思惑すらも
    観る側にしなやかに伝えていく。

    たとえばグローバリゼーションに巻き込まれていく姿、
    貧富や優劣が生まれていく構造、
    さらに社会の揺らぎや破綻の構図、
    偶然から生まれたものとその先にさだまったもの、
    立ち位置での思惑と崩れていくことの必然、
    そして散らばっていく感覚までも・・・。

    それは
    たとえば戦後のこの国の歴史や
    先進国と途上国の関係などが内包するものへの
    したたかで間口の広い具象にも思えて。
    しかも、舞台自体に顛末を物語るしなやかな力が宿っていて
    しっかりと惹きこまれ見入る。

    そして、その終焉までを見届けたからこそ、
    再びそこに集うことや生きようとすること、
    さらには風見鶏が回る感覚、
    知ることや定まることまでが
    人が生きることそのもののありようとして感じられて。

    タイトルのごとく
    バックギャモンのロジックとサイコロの目の定まりのなかで
    それでもフィールドを歩みつづける人の営みの感覚に
    愕然とし、
    でも閉塞や絶望とは少し異なる
    醒めていても温度を失うことのない肌触りに
    深くとらわれたことでした。

    初日ですこし硬さもある舞台でしたが、
    回をかさねるごとに
    シーンのニュアンスがさらにひろがっていく予感もあって。

    受け取った肌触りがずっと残る帰り道でした。




  • 満足度

    お初です
    初めて拝見いたしました。期待を上回るものがなく、無難に創るなぁという印象。

    キャストは頑張っているのですがその頑張っているのが伝わってしまうのが残念なのと、やはり演出がいただけないかなと。広い空間に負けているように思われました。

    ま、はっきり言ってつまらなかったです。

    ネタバレBOX

    もっと濃密な空間を感じられたらば良かったかな。無駄に助長的だし、メインキャストがもう少し踏ん張ってくれたならもったかもしれませんね。


    演出の方は東大出身とか・・・もう少し客観的にお芝居が創れるようになるといいのかも。ちょっと、このタイプは主観的に創ると自己満足にしか見えないかなぁと


    そう言えば、主役安藤さんは以前同じ吉祥寺で観た銀石の時と同様安定した演技でした。ただキャラクターはいい意味でも悪い意味でも同じ感じ。求められている事象が一緒だからなのかな?
  • 満足度

    脚本が・・・
    とりあえず役者さんたちのお芝居は素晴らしかったです。
    前から注目していたかたのほかにも、豊かな身体性を持った役者さんが多く、見ごたえがありました。
    全員に見せ場的なものはあるので、出演者のファンならば観て損はないと思います。

    音響も、うるさくなく、それでいてダイナミックな迫力のある、適切なものだったと思います。

       ・・・それくらいですかね、よかったところは^^;

    ネタバレBOX

    とにかくお話がつまらなかったです。
    若い人が、こんな古臭いスタイル/古臭いものの見方で脚本書いちゃダメなんじゃないですか?

    キャラクターの作りこみが甘すぎるというか、ここまでステレオタイプな登場人物ばかりなお芝居も久しぶりに見たような気がします。
    台詞も「次にこの人はこんな感じのことを言うんだろうなあ」という予想の範囲を全く出ることのない、凡庸なものだったのにはがっかりです。

    キャラクターの心情の流れについても、不自然な個所が目立ちました。
    一番駄目に思ったところは、自分の息子がレイプをして妊娠させたというときに、母親が(そして医療に携わっているものが)何も行動を起こさなかった、というところです。あそこはキャラクター的にもストーリー的にも、父親より先に何らかのアクションを起こさなければならなかったのではと思うのです。

    社会を単純に二項対立化してしまうようなストーリーの流れも、観ていて乗れませんでした。
    挨拶文で、震災とその後の日本についての芝居だととれるような表現がありましたが、だとするならなおさら、こんな貧弱な想像力で、勝手に他者を代弁するような作品をつくってはいけなかったのではないかと思います。

    また震災のことを考えたというのであるなら、中盤での火災発生後の演出はナシなのではないでしょうか。あんな簡単にガレキを片付けてしまったことに無神経さを感じずにはいられません。
    あそこはあのガレキを片さずに、その後の芝居もガレキが散乱したままで行われるべきだったのではないでしょうか。

    チラシの文章が面白かったので期待してたんですけどね・・・。
    限りなく☆1に近いですが、役者さんがよかったので☆2

    追記:↑と書きましたがやっぱり☆1で
    「物知り」が来る前の「村」のありようと、ストーリー上での「村」の意味・位置づけを考えると、<女性>の扱いが酷すぎるんじゃないのかなあと。
    役者さんの熱演も、今から思うと空回りしてた人も多かったかなあ、と。

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