Live forever 公演情報 Live forever」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★

    あの頃
    といま。

  • 満足度★★★★

    荒船泰廣の映像力
    土着系幻想演劇を謳う小栗としては今回は異色の作品と言っても過言ではないと思う。
    今回は1995年、阪神淡路大震災を題材に脚色した物語だ。だから以前のように幻想度は強度ではないものの、演劇としてはやはり虚構の世界だ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/


    そして毎回のごとく、この物語に映像がなかったら成り立たないほどの映像力!荒船泰廣の巧みな技だ。ワタクシは以前からこの荒船の映像が好きで好きで堪らない。だから荒船が映像だけで物語を作りますぜ。なんて誘われたらタケコプターで吹っ飛んで行ってしまう。そのくらい好きだ。

    虫から成長するヘリコプタの羽。舞い上がる粉塵。青く明け始めた朝の空。誰かの返り血。蝶。カブト虫。大地震で壊れた街並み。焼け爛れた風景。カブト虫が大怪獣に変化していく映像は、残酷な幻想の世界だ。やがてこれらの下で息づいていた主人公・佳代のドキュメントとして家族や知人で構成されるストーリーへとワタクシ達は誘われる。

    物語は阪神タイガースの選手・満男が、知的障害者である自分の弟のためにとある施設を設立した。彼の愛人・ミミを管理人にしたその施設は「ハウス」と呼ばれ、近隣の芸大生や関西地区で活動するア-ティストが居住し芸術を作った。ある日、タイガースの選手の本妻が押しかけて、夫を取り戻すべく画策する。一方で本妻が夫の後輩と不倫をしてしまうと、これを許せない夫は「俺のものだ」とばかりに後輩と殴り合いの喧嘩をする。夫はどちらも欲しいのだ。そしてミミを慕うギタリストの久地楽。

    佳代のいとこのミミの妹・野花はアホと呼ばれながら育つも絵画に才能を発揮する。世の中のあらゆる悲しみや喜びや怒りや楽しみを彼らはどん底で味わいながら、泣き叫び、そして温かみを感じるのだ。それは真実の人間像なのかも知れない。だから、満男の本妻・ゆう子の感情が不憫で悲しいのだが、彼女は夫を捨てられず、ひたむきに愛するのだ。

    そして佳代の恋人は大震災で死に、これらの揉め事は絶えないけれど、彼らの生活の営みはここしかなかった。震災をきっかけに病んだ者。アルコール中毒になった者。避難所で生活しながら彼らが「ハウス」に戻るまでを描いた物語だ。

    描写は抽象的でピースをばら撒いたように舞台上の右と左で演技される。そして終盤にかけてがっちりとこれらが結ばれて収束するのだ。当日パンフで配布される「ほしのふるよるにあいましょう」という詩があるが、こちらの方が土着的幻想ではある。そして神のこういった仕打ちを受け入れながら、それでも生きるという業に忠実に生きるのだ。そして、「頑張ろう神戸」と締めくくる。

    野花を演じた桑島亜希がめちゃくちゃ可愛い。そして全身タイツを吐いたなんちゃってヌードで登場するあたり、目が離せない。知的障害者・ショウジ役の吉田能が生ピアノを担当し、野球のシーンで魅せる。阪神タイガースの選手・満男役の櫻井よりフォームがいい。笑) それぞれのキャラクター達の見せ場もあって楽しめた舞台だった。

    だけれど次回はやはり土着的幻想劇が観たい。なにしろ小栗の独特の世界感が大好きなのだから・・。
  • 満足度★★★★

    「生」と「鎮魂」
    場のコラージュなどいかにもqui-co.な手法で訴える「生」と「鎮魂」。
    吉田能のピアノと武井翔子の歌も良く、それらが三位一体となったクライマックスは圧巻!
    また、「いかにも荒船アニメ」な映像も好みではあるが、それが主張し過ぎる感があるやも?

  • 満足度★★★★★

    感動の大作
    スケールの大きい考えさせられる作品。
    役者がみなさん達者で安定感があり引き込まれる。
    映像、音楽、照明も効果的で素晴らしい。
    特に荒船氏の映像は味わい堂々や銀石でもお馴染みだが独特の世界観が印象的だ。
    女性の強さが強調され、生きる希望が沸いて感動した。

    もっと大きな劇場でより多くの人に観てもらうべき作品。

  • 満足度★★★★

    カタルシス味わえました
    シーンごとの話はもとかく、全体としてのつながりがいまひとつ理解できませんでした。しかしカタルシス味わえたので、やはりスゴイのでしょう。母性には敵いませんな。

  • 満足度★★★

    はい。
    プレビュー観劇。意味のあるパフォーマンスだと思う。が、シーンシーンでは対応するなにかがあるんだけど、それをつなぎ合わせたものであって、全体を通してのグッとくるなにかがいまひとつ感じられなかった。俳優個々は面白かった。

  • 満足度★★★★★

    演劇というよりアート
    阪神大震災をテーマに被災した人々を描く芝居。
    登場人物はどこか変、というより皆がどこか病的なものを抱えている。これがもしも阪神大震災によって彼らの心を変にしてしまったのだとしたら・・・と考えると妙にリアルだ。
    とはいっても、芝居自体は妙に爽やかで重くない。
    登場人物の心の闇を音楽、照明、映像が際立たせる。音楽、照明、映像がめちゃくちゃ綺麗。それぞれの場面を観客である僕の目に記憶に塗りこんでいく。それはまさに一発KOを誘うアッパーカットというより、徐々に心に染み渡っていくボディーブローだ。
    役者、照明、音響、映像によって僕の心はいつの間にか芝居の世界に飲み込まれ、目には涙が。終わったあとには「すごい」の一言。しびれが止まらない!
    ここまで心に残った芝居は久しぶりでした。演劇を見たというより、ひとつの芸術、アートを見た感じ。終わったあとはのどが渇いた!

  • 満足度★★★★

    心が揺さぶられると感情が増幅する
    主人公佳代の震災体験を、震災の日を前後しながら少しずつ明らかされていきます。

    ネタバレBOX

    被災直後に目の前で彼を失った佳代の動揺と錯乱が形を変えて表現されて、私の心が揺さぶられながら、やるせない悲しさが増幅されていきました。
  • 満足度★★★

    心が震えるような作品
    強烈に五感と体験と記憶を刺激し、心が震えるような作品だ。
    よくぞこのテーマに真正面から向かい合った、と思う。

    ネタバレBOX

    タイトルがド・ストレートだし、フライヤー等の前情報もあったので、観客は心して舞台に向かうことができたと思う。
    そして、散文詩のような大作。
    だから、観客は、心の中に用意しておいた、震災への想いを舞台の上に見出すことができ、共振することができたのではないか。
    そういう細かい配慮がうまいと想う。

    しかも、観客の予想(心の中に用意してきたこと)をいい意味できちんと裏切り(超え)つつ、面白さもある。
    見事な戯曲と演出、そして、役者たちだと思う。

    役者のうまさは格別だった。
    特に阪神タイガースの選手(笑)役の櫻井智也さんの佇まいにはシビれた。それぞれのキャラがくっきりと浮かぶ。

    そして、「音楽劇」と言っていいほど、音楽が物語を語ってくれる。オアシスで始まり、ソウル・フラワー・ユニオンはベタ鉄板すぎるのだが、「歌」がいいので、気持ちが持って行かれる。その選曲と生演奏、唄が、とてもいい。
    本当にうまいと思う。
    歌というのは、時代そのものだから。

    ただ、丁寧に見せること、もくしは劇的に見せることを意識しすぎたのか、例えば、冒頭から続く、1.17を象徴するような映像は、素晴らしいと思うし(シーンによって瓦礫の様子が変化したり、虫とかの様子)、轟音とともに効果的であったことは確かだと思う。だけど、このシーンの多くが映像があまりにも雄弁すぎないだろうか、と思ってしまった。
    続くオープニング映像の、PVっぽい感じを見て、さらにそれを感じてしまったのだ。

    ストーリーが進むごとに展開される物語の中では、映像はそれほど気にならない。だから余計に1.17のシーンが気になってしまうのだ。
    例えば、1回だったらどうだったのだろうか。あるいは、まったくそういう直截的な映像を使わなかったらどうなのか。いろいろ考えてみると、直截的な映像を使うことで失ってしまったものがあるのではないかと思ってしまうのだ。
    確かにわかりやすいし、五感に訴えることができる、だけどそれだけでいいのだろうか? ということだ。
    ヘリコプターが禍々しくなったりするところなどは、特に不要と思ってしまう。例えば「虫」だけで十分ではなかったのではないか。

    そういう意味において、構成はそれほどうまいとは言えなかったのではないだろうか。時間軸のずらし方とか。どうもそれで少々長く感じてしまった。

    それと、野花の設定、ハンディがある少女というと、必ずと言っていいほど、天真爛漫で幼児のような動作と行動という判で押したようなキャラになってくる。
    それは戯曲上必要だったとしても、それしかなかったのだろうか、と思ってしまう。絵を描くことに長けている、という設定もそうなるとイマイチだし。

    ハンディキャップのある2人がつながるシーンは美しいと思うのだが、それはツクリモノに感じてしまうのは私の感性が黒いからなのだろうか。

    あとは、「女性」が軸であることが徐々に明らかになってくる。これは「生」と「性」であり、未来への希望でもあるのだが、やっばり「女性」なんだな、というところが気にかかる。意外と普通というか。「女性」と「男性」で、それは同列でもいいのではないかと思うのだ。
    特に登場人物の男性たちは、やけにしょーもない感じで、もちろんチャーミングではあるのだが、女性の腰の据わり方と比べてしまうと、進歩のなさがちょっとなぁ(笑)と思ってしまうのだ。

    しかし、見終わった後の気持ちはとてもいい。
  • 満足度★★★★★

    ダブルコールでした。
    阪神大震災でのお話がそのまま今の私達にリンクして・・・という狙いは容易に想像がついたものの、ここまで心を震わせてもらえるとは思っていませんでした。黒沢世莉さんらしい毒のない素直な表現と、攻撃的な映像と美しいピアノの生演奏とが相まって、ノスタルジックな中にもリアルな現実を突きつけてくれて。その上で、放射能塗れのこの日本でもう生きていきたくないと思っていた私に、生きる希望を提示してくれました。こんな風に人の心を動かす演劇を創ってくれる人達がいるなら、まだ生きてみよう、と。きっと日本も、そして世界をも彼らは変えてくれるだろうと、そんな風に感じさせてくれるお芝居でした。あのスタジオでダブルコールはなかなかないのではないでしょうか。私も流れる涙を拭うことなく、拍手をし続けました。

    ネタバレBOX

    基礎のしっかり出来た役者さんばかりで素晴らしかったです。

    特に、吉田能さん。姿を見せるだけで美しい音楽が鳴り響く予感がし、空気が透明感を帯びる。他にこんな役者さんは見たことはありません。稀有な存在だなぁと思います。

    あと、何気に衣装替えが多くて楽しめました。90年代の服探すの大変だったかな、と(笑)小道具や靴に至るまで、細かく考証されてて素敵でした。
  • 満足度★★★★

    ピンポイントでなんですが。
    櫻井さんがやっぱり最高でした。

    けれど、他の役者さんたちもとてもよくて、才能の競演が繰り広げられていました。

    ネタバレBOX

    「俺はがんばれなんて言わないよ、だって頑張ってる奴にがんばれなんて言えないじゃん」的な言葉にぐっときました。

    それにしてもあの最後の歌、「やしゃこーいや」みたいなやつ、いい歌ですね。あれ、だれのなんて曲ですかね。知ってる人がいたら教えてほしいものです。頭から離れません。
  • 満足度★★★★

    地震をテーマに
    震災前と震災後の神戸の町並みを描いた作品。描き方は断片的だけれど全体の構成は見事にまとまり絶妙だった。所々、クスッと笑える箇所もありテンポも絶妙。

  • 満足度★★★★★

    再生
    後半は観客席からすすり泣きもきこええてきました。

    このお芝居はこれからの私たちが再生できると思える応援歌とうけとめました。

    後味はよかったですね。歌、ピアノ、映像もよかったです。

  • 満足度★★★★

    無題173
    ここは初めて、18:45会場着、受付していただき中へ、広いです、入って左に客席(椅子席3列段差あり)、前列ほぼ真ん中に座ります、むき出しの柱、薄いグリーンの柱(こちらはセット)、下手にアップライトピアノ、両サイドに照明、正面、上、大きなボード。開演時間を少し過ぎ前説、かかっていたのはD.ボウイの曲ですね、開演、明るいままパジャマ姿の女性登場、21:08終演、休憩を挟んでアフタートーク(詩森さん:「日本の問題」観に行きますよ)。震災を扱ったお芝居は2作目…ミナモザ「ホットパーティクル」、ん〜、瀬戸山さんのアフタートークも聞きたい。帰りに台本を購入。

    ネタバレBOX

    菅野さん5作目、百花さん、サキさん2作目...。座席を見渡すと、熊川さん。

    正面に掲げられたボードに映像が映り、ヘリコプターの爆音が鳴り響きます。映像の中で街は焼け落ち、巨大な甲虫がのし歩き、ドクロがない目をむき出し、満月を黒い雲が横切ります。

    ピアノ、ギターの演奏と歌、使っていたアコースティックギター「Martin&Co.」ヘッド部分が少し汚れている...ピックガードはなく、ボディにはカウボーイたちのイラスト。

    短いシーンでつなげられ、それぞれタイトルが付けられています。「がんばろう神戸」「光の発情」「星の夢」など。

    ひとつひとつのシーン、感情の動き、揺らぎなど、あまり私自身の心のありようと重なるものは見つけられませんでした。なぜ、こういった人物設定になっているのか、なぜ、こういった行動なのかも。85年は5月上旬まで大阪にいたし、オウムの白装束3人組とは総武線で乗りあわせ、阪神も東北も仕事で深い関係があった。なので、決してTVの中で起きたことではない。

    とはいえ、LIVEとしてのお芝居は楽しませていただきました。女=お母様、という繋がりはアフタートークをお聞きして、なるほどと思いました。

    再生に力を...主よ人の望みの喜びよ(バッハ)、ですね。

    震災関係ですと(映画ですが)「その街のこども 劇場版」がよかった。

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