満足度★★★★★
演劇というよりアート
阪神大震災をテーマに被災した人々を描く芝居。
登場人物はどこか変、というより皆がどこか病的なものを抱えている。これがもしも阪神大震災によって彼らの心を変にしてしまったのだとしたら・・・と考えると妙にリアルだ。
とはいっても、芝居自体は妙に爽やかで重くない。
登場人物の心の闇を音楽、照明、映像が際立たせる。音楽、照明、映像がめちゃくちゃ綺麗。それぞれの場面を観客である僕の目に記憶に塗りこんでいく。それはまさに一発KOを誘うアッパーカットというより、徐々に心に染み渡っていくボディーブローだ。
役者、照明、音響、映像によって僕の心はいつの間にか芝居の世界に飲み込まれ、目には涙が。終わったあとには「すごい」の一言。しびれが止まらない!
ここまで心に残った芝居は久しぶりでした。演劇を見たというより、ひとつの芸術、アートを見た感じ。終わったあとはのどが渇いた!