「ベルナルダ・アルバの家」 公演情報 「ベルナルダ・アルバの家」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-20件 / 25件中
  • 満足度★★★★

    上手でした
    役者さんがとても素晴らしかったです。
    上目線ないい方に聞こえるかもしれませんが、
    ホントに良かったです。

  • 満足度★★★★★

    大満足です。
    芝居は好みというのがあるが、わたしはこのような端正な美しい世界がとても好き。動きや人の影まで計算され、何処を切り取っても絵として完成されている。そして女の烈しい情念が淡々と進行していく過程は、観るものを引きつけて放さない。女優たちによる閉鎖された世界での女たちの話は、身につまされた。どうやって作っていくのだろう、演出と役者が一体となっていた感じです。見事の一言!

  • 満足度★★★★★

    これぞ重厚
    会場に入って、パンフレットを見た第一印象は、格調高く高尚な感じがして、これは主人公の言い様じゃありませんが下賤の身の私にはかなり場違いな場所に来たな、楽しめるのかなと不安になりましたが、不安は稀有に終わりました。重厚深遠な脚本と、超絶演技に圧倒されました。観て来た皆さんが一様に言われている通り、自分も観て良かったと思う作品でした。

    ネタバレBOX

    皆さん書かれている通り、主役の新井純さんと女中頭役の坪井美香さんが特に素晴らしかったです。新井純さん演じるベルナルダには凄まじい迫力で圧倒されました。
  • 満足度★★★★★

    我が身の幸運を噛みしめる
    80年前でなくても、現在でも舞台上と似たような世界に生きている女たちがたくさんいる。嫌な親がいる実家を出て働くことも、結婚相手を自由に選ぶこともできず、ただ生きるために結婚するしかない女たちがたくさんいるのである。今、この時代、この場所に生まれた私はなんて幸運なんだろうと、舞台を見ながら思った。主役と女中頭の女優ふたりの演技が秀逸。この二人なくしてはこの素晴らしい舞台は生まれなかったであろう。

  • 満足度★★★★★

    鬩ぎあい
    女優陣がそれぞれの役で、競いあいではなくせめぎ合いが素晴らしかったです。
    生演奏も、出しゃばらないけども、存在感があり、ステージの盛上げに一役かってました。
    前半の黒を貴重にした衣装とラストの白い衣装の対比も好感がもてました。
    内容は、戯曲が書かれた時代背景や国が違うのですんなり入ってこない部分もあったのですが、とてもいい芝居を観せてもらいました。

  • 満足度★★★★★

    丁寧に作られた芝居
    このお芝居を観たいと思ったきっかけはフライヤーの写真がとてもお洒落な感じだったからですが、ロルカの作品と知り、フライヤーのイメージとは違うかもしれないとか観劇前は思ったりもしました。

    観劇後の感想は非常に満ち足りた気持ちで、宣伝美術から、音楽、照明、美術、俳優の演技すべてに主宰であり演出家の長谷トオルさんの神経が細部にまで行き届いていて、「お見事」と言うしかありません。

    久々素晴らしい公演に巡り合え、幸せです。次の公演もぜひ拝見したいと思っています。

    ネタバレBOX

    開演前、小鳥のさえずりが聞こえてきて、効果音かと思ったら、上手側のせり出した空間に鳥籠が吊られ、本物の小鳥がいるのだった。

    開演し、家の出入り口に照明で外光がサーッと差し込んだ時、その美しさに息をのみ、期待感が膨らんだ。

    俳優の演技は全員素晴らしく、文字通り役を生きている。伊達に稽古に時間をかけてはいないと思った。

    台詞が難解でなく、一つ一つしっかりと伝わってくる。翻訳ものの場合、作品と観る側の自分との間に少しでも距離感があると、たちまち置いて行かれてしまうのだが、そんなことがまったくなかった。

    特に威厳ある女家長を演じる新井純の存在感はものすごく、この難役は俳優が負けてしまうと台無しだと思うが、新井は堂々とした演技でしっかりと舞台全体の統率もとっていた。

    女中頭ポンシア(坪井美香)との丁々発止の会話にも魅せられた。

    こいけけいこ、薬師寺尚子といった小劇場でもおなじみの若手女優2人が出演しているのも好ましい。

    末娘アデーラ(薬師寺)と4女マルティリオ(森勢ちひろ)が2人とも小柄な女優ながら、火花を散らせる場面に惹きつけられた。

    スペイン大使館が後援ということで、作者や作品、国情と時代背景などを解説したオールカラーの無料パンフレットが付いているのも親切である。

    以前、アンダルシア地方の写真展を観たことがあるが、舞台はその風景を思い起こさせるほど想像力をかきたてられるものだった。

    オリジナルに作曲された音楽も旋律が美しく、元からついていた歌曲のように思えるほどマッチしている。

    音楽は生演奏(神田晋一郎・則包桜)で、最近、生演奏の公演が流行のようだが、この公演はアクセサリー的な生演奏などではなく、奏者も演じ手の一員として溶け込んでいる。

    この閉鎖的な家の外界の状況を音楽がすべて表現しており、特に外を通る男たちの労働歌に女たちが聞き惚れる場面がよかった。

    8年間も服喪による禁欲生活が続くことで、女たちの性への欲望が鬱積し、爆発し、近所の未婚の妊婦に激しい憎悪と暴力が向けられ、そして思わぬ悲劇的終幕を迎える。

    衣裳が黒であることから、フライヤーは全員白い服で撮影している意味が生きてくる。

    劇中の台詞にもあるように、白いリネンやレースは「女たちの未来への希望」の象徴でもあり、鳥籠の小鳥たちは女たちの身の上を暗示してる。

    また、劇中の台詞にも「オリーブの畑」が登場するが、ロルカもまたオリーブ畑のそばで銃殺されたとパンフに書いてあり、感慨深かった。

    誠実な舞台は心の奥に強く訴えかけてくるものがあると痛感した。



  • 満足度★★★★

    悲劇を重さを胸に感じた
    新井純さんの迫真の演技に圧倒されました。熱演でした。坪井美香さんも役に合った良い演技をされていました。

    その他にも良い点がいろいろありました。


    ネタバレBOX

    家柄や血筋が重視され、厳しい躾と抑圧された生活を強いられる5人の娘たち。抑えられない感情は良からぬ方へ噴出していく。それらは解決されぬまま不運も重なり5女の自殺へと繋がっていく。役者の皆さんの好演と音楽、照明の良さでこの悲劇を重さを胸に感じることができました。

    舞台美術や音楽、その他についても特筆すべき点が多いです。

    紗幕を仕切りとしてつくられた部屋は美しく、かつ人の動きや存在が分かりストーリー展開上も効果的であると思いました。発案者の感性に感服します。
    家具や食器等も高級感も醸し出しており、裕福なアルバ家を良く表していました。

    ピアノと打楽器の演奏はストーリー展開に合った効果的な演奏がされていました。またきれいな音色には改めて生の演奏の良さを感じました。

    かごの鳥は本物でそのリアル感が悲劇の家族をより象徴しているようでした。

    8ページもののパンフレットにはストーリーの背景が詳しく説明されており、ストーリーの理解に大いに役に立ちました。出演者についても詳しく載っており、カラーで見やすくしかも無料配布であることはたいへんありがたいことです。



  • 満足度★★★★★

    カゴの中のトリ達
    舞台美術、衣装、音楽全てが素晴らしい舞台だった。
    休憩を入れて3時間弱の公演だったが、もうそんなにたったのかと思うぐらい没頭させられた。
    パンフレットによって当時の時代背景の説明や、マメ情報としてスペイン地方の風習が掲載されていて舞台がより楽しめた。
    今、再度パンフレットを眺めているが表紙がこの家族の間柄をよく現している。
    ベルナルダ役の新井さんと女中頭の坪井さんがたいへん印象的だった

    ネタバレBOX

    ベルナルダの母親である老婆が初めて登場してきたシーンで、なぜか
    柿喰う客の「愉快犯」で出てきた老婆と重なり少しだけ笑いそうななった
  • 満足度★★★★★

    言葉通り
    演出の長谷トオルさんがTwitteでつぶやかれていた通り、女優たちの生き様が見事に舞台上に表出されていました。美術、衣装、音楽、小道具、演出、演技、一分の無駄もない洗練された作品。「若者たちに観て欲しいんだ!」と仰っていたのも納得です。我ら“自己流”で生きてきた演劇人たちは、こういう上質な演劇を観て勉強するべきだと痛感しました。当日アンケートにも書きましたが、終演後、1幕で舞台上に設置されていた鳥籠の中にいた文鳥(本物)を思い出し、“同じ閉じ込められた世界なら、文鳥たちの方が幸せかもな…”と思うくらい息苦しく重苦しい世界(戯曲)でしたが、それを芸術として昇華させられたのは、美意識の高い演出と、女優たちの技術と情熱によるものだと思いました。次回作品にも大いに期待しています!

  • 満足度★★★★

    蜥蜴の家
    ベルナルダにとって従順で慎ましい娘ってどう言う人を指すのでしょうか?近所の目、世間体などから何を守るのか。何を恐れるのか時代背景や「家」に纏わる因習に縛られる人達など興味深く観劇。舞台上の鳥かごが象徴的。籠の中が幸せなのか考えされる。また羊の群れの中には、作を飛び越え自由になっても狼に襲われてしまうみたいな感じでしょうか。新井さん、坪井さんら役者は上手く見応え充分。

    ネタバレBOX

    ラスト自殺で悲劇なんだけど悪しき因習に縛れるぶん鬱積する性、姉妹間の嫉妬など観てると滑稽で笑える。
  • 満足度★★★★★

    久しぶりの新劇
    台詞、言葉遣いが懐かしく感じられました。
    昔は演劇ってこうだったなと。
    とても静かで、とても激しくて、とても不安で、
    公演中ずっと心を揺さぶられっぱなしの舞台でした。
    役者も鍛えられていて、良い声、良い演技を見せてもらいました。
    前の方もおっしゃっていますが、パンフレットの情報でバックグラウンドが分かり、
    (どのような時代、どのような環境でこの作品が書かれたか)
    さらに入り込むことができたと思います。

    ネタバレBOX

    最初は静かに始まり、
    ラストの火がついたような盛り上がりが素晴らしかったです。
    終わり方も、余韻があって良かったです。
    アデーラとマルティリオのやりあいが見ごたえがありました。
    なによりベルナルダ役の新井さんの素晴らしさ。
    芝居であることを忘れ、そこで起こっている事の様に感じるほど入り込めました。
    一番かわいそうで同情してしまうのはアングスティアス。
    年をとって、体も弱くて、お金をもっているから求婚されて
    妹に婚約者を取られて…。ちょっと自分に重ねてしまい(笑)

  • 満足度★★★★★

    重い・・・しかし素晴らしい作品
    正直、まだ感想が頭の中で完全にまとまっていないほど、
    インパクトの強い作品。

    実は私は5年前、北千住1010で、同じ演目を見ている
    (こちらの劇団ではないが)。
    その時も、帰りの足が重たく感じるほどのショックを受けたが、
    違う劇団・演出・役者で観ると、
    「一度観た作品」という気がしないのが不思議なほど。

    しかし、休憩込みで3時間近い公演だが、
    前半も悪くは決してないものの
    後述するように娘たちの性格付けについて、
    もう一工夫あればより不気味かつ不安感が
    強くなったのではとも思ったが、
    後半は見事に破局へ突き進み、
    全体としても充実感を感じた・・・
    観終ってみれば素晴らしい作品!

    さて、演劇本論はネタバレなので後回しにして、
    先に、まず音楽のことを書いておきたい。
    ピアノと打楽器(ヴィブラフォン?…鉄琴の一種…が主体)の
    2人の奏者のライブ演奏。
    ピアニスト(神田)が作曲も担当したそうで、
    この音楽、基本的には「現代音楽」で、不協和音が主体・・・
    しかし、高音域で柔らかく奏されるため、
    これから起こる「事件」を予知させるとも言えるが、
    決して不快な響きはしない。
    ヴィブラフォンも、普通に叩くだけでなく、
    ヴァイオリンの弓で擦るなどの奏法も取入れられ、
    独特の雰囲気を醸し出すことに成功している。

    (最も私は、2列目の向かってもっとも左の席だったので、
    演奏者に近過ぎて、最初はそれが少々気になったのだが、
    次第に演奏者の息遣いが感じられることが面白く思われた。
    ただ、舞台も広いし、できればもう少し後ろの席の方が
    一般的には良いだろう。)

    それから、パンフレットについても付言しておきたい。
    カラー写真付き8ページで、有料パンフではないし、
    決してかさばるものではないが、
    当時のスペインの社会事情・背景なども分かりやすく解説され、
    過不足無い出来の良い作りである。

    ネタバレBOX

    さて、ここから、劇そのものについてだが・・・
    あまりにワンマンで、自分に逆らうことは一切許さない
    タイトルロールの女主人。
    口答えなどすると、ステッキで殴りつける(今なら虐待とかDVだろう)。
    夫が亡くなったばかりで家族一同喪に服している。

    この謹厳な母に育てられた5人の娘は、
    いわば母の顔色を伺って育ってきた娘達。
    しかし、それだからこそ、内面に鬱積しているものがあるし、
    それは穴が開けば噴出する。
    しかも、「無菌培養」されているだけに、一旦菌に侵されると弱い・・・。

    そして、役としては登場しないペペは、金目当てで長女と婚約するが、
    夜中に逢瀬を重ねるうちに、妹たちも彼に惹かれ始める。
    そして、末娘はついに、彼に身体を許すまでに至る・・・。

    まあ、要約してしまうとそれだけなのだが、
    いわばこれを舞台上にリアルに表現されていくわけである

    また、最後に起こる悲劇の伏線として、
    この村で未婚の母となって(当時は大変なタブー)、
    発覚を恐れた母は子を亡き者にしようとする・・・
    しかし他の村人の知るところとなり、
    破戒女として村人になぶり殺しとなる。
    (キリスト教の聖書本来の教えと違う気もするが、
    しかしこれが現実のキリスト教社会だろう。)
    これは実際に演じられるのではなく、
    伝聞として扱われるのだが、この話もきわめて効果的である。

    演技としては、何よりタイトルロールの新井純の存在感が大きい。
    役柄としてそれは当然でもあるのだが、
    この重い役を見事にこなしていたと思う。

    一方、欲を言えば、5人の娘たちについては、
    1 過酷な母親に育てられ、今も一緒に生活している
    ・・・しかし母のいないところでは別の側面を見せる部分
    2 5人それぞれの個性の違い・・・年齢のみならず性格も違う
    の2点についてもう少し明確に表現されれば、と思った。

    それから、女主人に対して女中頭は同年代とはいえ結構タメ口だったり、
    それに中年の女中まで、意外とぞんざいな口の利き方を
    怖い女主人にしてみたり。

    これが、この女主人の威厳を割いているような気もした。
    もちろん、女中頭は、この家のことも思って、
    あえて女主人に強く忠告をする場面もあるのだが・・・。
    しかし、それが受け入れられず、
    「後は野となれ・・・」的な態度に変わってしまうのだが、
    その部分のコントラストも弱くなってしまうように思えた。

    これはもしかしたら全く的外れかもしれないが、
    原語では日本語のような敬語はないし、
    二人称に親称、敬称の区別があっても、
    これも日本語と一致しているものではない。
    この辺の翻訳(日本語表現)の仕方で、もう一工夫できるのでは、
    という気もした。

    ただし、以上の指摘は、すでに演劇として高水準のものに到達している
    ゆえに、あえて、それ以上のものを望んだものであることは、
    あらためて付言しておきたい。
  • 満足度★★★★

    まさしくこれぞ「演劇」
    舞台装置の配置、垂らした紗幕で繊細な雰囲気。
    開演前の注意事項のお知らせの時から、静かで厳かな雰囲気作り。
    その中で籠の鳥が鳴く。世界観の徹底。演出の解釈とアイディア。見習いたい。
    シアターXという劇場の良さも、今回再認識しました。

    ネタバレBOX

    新劇調の台詞は、雰囲気で喋れない分ごまかしが聞かず、
    俳優の実力が如実に現れる中で、さすがの演技力だと思った。
    ただ上手いだけに、逆に噛んでしまうところが気になった。
    観に行った回だけなのかもしれないが、すごく噛んでいた。
    これは酷な話だけど、ベルナルダ役の新井さんは飛びぬけて演技が上手く
    世界観そのものを作っている柱のような存在だけに
    他の人が噛んでも「まあ、仕方ないのかなぁ…」と思えるのだけど
    ベルナルダが肝心なところで噛んでしまった時、かなり現実に戻ってしまった。
    丁寧に世界を積み重ねているだけに悔やまれる。

    ラストへの持って生き方、抑えるシーンと盛り上げるシーンのコントラスト。
    季節や天候、昼夜などの環境と状況を重ねた真理と心理の吐露。
    脚本と演出の技術。勉強になりました。素晴らしかったです。
    久しぶりに「これぞ演劇!」という舞台を見させていただきました。

  • 満足度★★★★★

    観て良かった!!
    スペインの因習の一端を知ることができ、観て良かったと思いました。スペインの戯曲を理解する上でも分かり易い本作は必見のような気がします。

    ネタバレBOX

    スペインの古い因習にとらわれた家族に起きた、男を巡る姉妹間の嫉妬が招いた悲劇。

    ベルナルダは暴君でした。その暴君振りを演じた新井純さんの迫力は凄まじかったです。声、杖を振り上げる動作、それにメイク、全て良かったです。

    資産目当てで長女と婚約し、五女とはねんごろで、四女は彼に恋焦がれて悶々としている、そんなぺぺという色男がもう一方の主役なのに全く登場しない、女性だけのお芝居に仕立て上げた手法に感服しました。

    いい加減野郎がベルナルダに威嚇され、馬にまたがって一目散に逃げ去っていく滑稽な姿が目に浮かびます。

    ぺぺを撃ち殺したというベルナルダの顔に似合わぬきつい冗談が五女の自殺を招いてしまいました。しかし、あんなに喉が渇く五女は妊娠していたのかもしれません。近所の未婚の女性が赤ちゃんを産んで殺して捨ててリンチに遭ったように、彼女も同じような運命を辿ることを悟っていたのでしょう。

    こうした不義密通のことや異常な喪の長さ、血族の尊卑など、独特のキリスト教的世界観に基づく因習がスペインに存在することが理解できました。

    『血の婚礼』も、こうした観点から見直すと理解できるかもしれないと思いました。

    ベルナルダの迫力に押されてか、演出家も舞台挨拶でびびっていたようでした。演奏家を紹介するのに、あんなに声を張り上げることもなかろうにと思ってしまいました。
  • 満足度★★★★★

    苦しくなるほど濃い芝居でした。
    何て言ったらいいのか?この芝居を表す言葉が見つかりません。濃度が濃く窒息してしまいうなくらい、苦しくなってきます。小鳥のさえずりが心地よく響きます。わたしには今回のお芝居がベストワンになるでしょう。いつも芝居は長いけれど独特な綺麗な世界です。原作を読んでみたくなりました。そして考えて見ます。

  • 満足度★★★★

    不思議な感じ
    いろんな女の人が
    それぞれもがき苦しむ姿を
    感じさせてくれました。
    ピアノと打楽器による演奏がとても効果的で、
    気が付くと涙しているような、
    感情を上回るものがこみ上げてくる舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    虚飾を廃した、芝居らしい芝居でした。
    精密な芝居とでも言うのでしょうか。女優陣のしっかりとした演技はガルシア・ロルカの世界を分かりやすく伝えていました。演出の長谷トオル氏の言葉通り、虚飾を廃した演出は女優一人一人の演技を際立たせています。抑圧から解放しようとする娘の情念と、しきたりを守ろうとする母親、ベルナルダとの最後の一場面は、実に切なく胸を締め付ける思いがしました。演出の裏表のないの美意識が、作品全体を昇華させていきます。美術のセットの拘りと照明効果、そして生音楽の緻密さは、演劇を総合芸術と改めて認識させられました。若い女優たちが、ベテランの女優たちと拮抗した演技は立派です。

    新井純さんと中川安奈さんの中庭での親子の会話は、さすがにお二人は良い芝居をしていました。
    文鳥が啼き声がタイミング良く入ってきて、思わず聞き入ってしまいました。

    重厚な作品だと思っていましたが、この芝居はモダンでシュールな世界が全編を覆い尽くしていたと思います。

    演出の長谷氏がツイッターで呟いていた言葉に、この芝居を観てなるほどと改めて考えさせられます。



    この演劇に見事にやられました。

  • 満足度★★★★★

    これからも応援したい気持ちです。
    前回に増してパーワーUPした感がありました。

    久々に観る本格的な芝居でした。観ていて長さを感じさせない演技が実に見事でした。

    新井純さんのベルナルダ役は、怖さと孤独感が出ていて、引き込まれます。ポンシア役の坪井美香さんとのやりとりの丁々発止はベテランの味ですね。

    生演奏は効果音として上手く芝居に組み込まれていて、芝居をくっきりと浮かび上がらせて、実に贅沢な演奏ですね。

    演技と音楽の緊張間が絶妙で良かった。

    細かく計算されて作ったのでしょう。
    本物の鳥の鳴き声も芝居に上手く嵌っていてびっくりしました。本当に良い芝居でした。

    これからも是非頑張って貰いたい。

  • 満足度★★★★★

    今回もウンプテンプの芝居は良いい。
    前回の血の婚礼も観ましたが、今回のベルナルダアルバの家は女優さんのアンサンブルが実に生き生きとして作られていて世界にのめり込んでしまいました。思わず目が潤む場面が突然来て、怖く哀しく切ない芝居でした。
    どこを切り取っても綺麗にまとまっていたと思います。
    パワフルで可愛いアデーラ役の薬師寺尚子さんが、印象に残りました。若い方達もしっかりした芝居は好感が持てます。
    ベテランの方達も実に巧みな芝居は全体の話を式締めていたと思います。

    血の婚礼も良かったけれど、また違った味わいのロルカを観てせ貰いました。

    まるで動く絵画のようでした。

  • 満足度★★★★

    重厚な芝居
    その土地の因習・血筋に囚われて破滅していく家族を女優10人とミュージシャン2人によって描いた、まさに「演劇」といった正当派な作品で、多少の古臭さはありましたが、2時間半以上ある上演時間を長く感じさせない熱のある演技が魅力的でした。

    父が亡くなり、厳格な母親の下で喪に服す5人姉妹の前に現れる1人の男の存在によって姉妹の間に嫉妬が渦巻き、悲惨な結末を向かえるという暗い物語ですが、同時に女達の強い生命力が感じられました。

    新井純さんと坪井美香さんの演技が凄味がありながらも客観的な余裕も感じさせて素晴らしかったです。2人が会話するシーンは内容的には楽しくはないのですが、演技のバトルが楽しかったです。
    ウンプテンプカンパニーの若い役者達も海外戯曲独特の言い回しを違和感なくこなしていましたが、ベテラン勢と比べると大仰さに説得力が伴っていなくて只のオーバーな演技になってしまってる場面が所々ありました。

    演出は派手なことをしないオーソドックスなもので、本物の飲み物や水瓶を使っていてリアリティがありました。
    気の触れた祖母の表現がアングラ的スタイルで、第1幕でポーズを決めるところや、第3幕でのモノローグ的な歌が作品全体のトーンから浮いているように感じられて残念でした。

    天井から紗幕が吊り下げられ、ステージの上には大テーブルと椅子のみの舞台美術に対して劇場の元々の木製の壁の存在感が強すぎてビジュアル的な統一感が失われていたので、壁は黒い布で隠した方が良いと思いました。
    ビブラフォンを中心にしたパーカッションとピアノの生演奏が主張し過ぎず、だからといって登場人物の感情にべったりな分かりやすい音楽でもない、絶妙なバランスを保っていて効果的でした。
    女達の置かれた状況を象徴するような鳥かごの中の小鳥達も、良いタイミングでさえずりを聞かせる名脇役でした。

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