「ベルナルダ・アルバの家」 公演情報 ウンプテンプ・カンパニー「「ベルナルダ・アルバの家」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    観て良かった!!
    スペインの因習の一端を知ることができ、観て良かったと思いました。スペインの戯曲を理解する上でも分かり易い本作は必見のような気がします。

    ネタバレBOX

    スペインの古い因習にとらわれた家族に起きた、男を巡る姉妹間の嫉妬が招いた悲劇。

    ベルナルダは暴君でした。その暴君振りを演じた新井純さんの迫力は凄まじかったです。声、杖を振り上げる動作、それにメイク、全て良かったです。

    資産目当てで長女と婚約し、五女とはねんごろで、四女は彼に恋焦がれて悶々としている、そんなぺぺという色男がもう一方の主役なのに全く登場しない、女性だけのお芝居に仕立て上げた手法に感服しました。

    いい加減野郎がベルナルダに威嚇され、馬にまたがって一目散に逃げ去っていく滑稽な姿が目に浮かびます。

    ぺぺを撃ち殺したというベルナルダの顔に似合わぬきつい冗談が五女の自殺を招いてしまいました。しかし、あんなに喉が渇く五女は妊娠していたのかもしれません。近所の未婚の女性が赤ちゃんを産んで殺して捨ててリンチに遭ったように、彼女も同じような運命を辿ることを悟っていたのでしょう。

    こうした不義密通のことや異常な喪の長さ、血族の尊卑など、独特のキリスト教的世界観に基づく因習がスペインに存在することが理解できました。

    『血の婚礼』も、こうした観点から見直すと理解できるかもしれないと思いました。

    ベルナルダの迫力に押されてか、演出家も舞台挨拶でびびっていたようでした。演奏家を紹介するのに、あんなに声を張り上げることもなかろうにと思ってしまいました。

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    2011/09/04 09:05

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