墨を塗りつつ 公演情報 墨を塗りつつ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-20件 / 22件中
  • 満足度★★★★

    重厚な舞台
    終戦直後を描いた物語と取るか、殺人事件の真相解明の物語と取るかで全然印象が変わってくるとは思いますが、オイラはどうしても後者の方を強く意識してしまった。
    最後のに、犯人を描く場面があったが、真犯人が口が聞けない女中の奈津と使用人?の修治と言われても、動機や劇中で修治がいなくなった描写などからすんなりとは信じれなかったので、犯人の描写はなくてもよかったのでは?

    とは言え重厚な舞台でした。よかったです。

    しかし、蒻崎さんのあの存在感はお見事以上だな。

  • 満足度★★★

    ありがとうございました。
    この時期、戦争に関連する舞台等を観ることが多いのですが、切り口がいままでにないものでした。舞台装置や小道具も興味深かったです。ただ私の席では見切ってしまって観えない部分があり残念でした。それと真犯人の動機が今ひとつ理解できませんでした…。

  • 満足度★★★

    昭和は遠くなりにけり
    最後のタネ明かし的なシーンは蛇足だと思いましたが、芝居としては面白かった。

    他の方が気にしている衣装その他の点、台詞で、すべてを表現するシェイクスピアの時代のことを思えば、役者が「今は、正月」と言えば、役者がどんな格好をしていても、舞台は「正月」となるのが芝居だと思っているので、さして気にならない。

    それよりも、時代考証が杜撰な点と、個々の台詞の辻褄が合わない点が気になった。

    余談ながら、グアムのジャングルに、マラリアはいない。

    また、「龍彦」が告白どおり、現地人の村を襲って、無抵抗の女子どもを殺して、家々に火を付けたのであれば、戦犯として、処刑されても仕方がない。

  • 満足度★★★★★

    次回も楽しみです♪
    細かい時代設定については、特に気にならず(というか知らないだけ)
    すばらしい作品でした!

    蒻崎さんの力強い演技がピカイチで、導入部分から、吉水雪乃ちゃんと二人で他の共演者を圧倒してた気がします。
    (蒻崎さんは、このような気質の役がはまり役ですね♪)
    もちろん、他のメンバーも一人一人が、それに応える演技で濃密な作品でした。

    残念だったのが、座敷の中がよく見えなかったこと。
    見えない(あえて見せない!?)部分は、想像をかき立てられましたが。
    どの場所に座っていても同じ思いをしたはずだと思いますが、
    それでも座敷が見える場所の方が良かったかも!

    「私の墨を塗りたい過去」のコメント欄で吉水雪乃ちゃんの
    ”言うとママに怒られる…”と書いてあり、そうなんだ!とクスッと笑ったが、
    親子だったのですね。そりゃ書けないな(笑)


    外伝があったらよかったなぁ~

  • 満足度★★★★

    細かい点が気になって
    小劇場で久々お芝居らしいお芝居を観た気分です。
    戦争が人々に微妙な影を落としている。挿入曲が昔の邦画の音楽のようで、描かれた時代の雰囲気に合っていた。
    本格的な座敷のセットも良かった。セットの家の構造上、自分の席の位置からは見切れて、座敷の中がよく見えなかったのが残念。
    縁の下に転がる手桶やざる、籠の文鳥など細かいところまで小道具にも気を配った芝居だけに、気になった点もいくつか。それはネタばれで。

    ネタバレBOX

    お芝居の筋については、既に詳しく触れているかたもあり、重複するので控えます。全体に映画のような作りで、その分、暗転も小刻みなのが、舞台としてはどうなのかと思った。蒻崎さんの好演は評判通り、素晴らしかったです。蒻崎さんが演じる女性を見ていて、何年か前の殺人事件の容疑者の「実の子どもが私にはなつかないので腹が立つときもあった」という言葉をふと思い出した。
    いくら殺人現場に幼女がいたからといって、幼女には殺人の動機もなく、犯人が幼女だと周囲が容易に信じ込むのが、私にはよく理解できなかった。
    殺人の真の謎がわからぬまま終わるのも、推理小説の書き手の場合は反則で許されないのだけれど、戯曲の場合はかまわないのでしょうか。芝居としてはよくできているけれど、気になった。
    あとは、衣裳のこと。細部に凝っている芝居だとなおさら目に付いてしまう。玉音放送のときに、主人側の女性はモンペをはいていないのが時代的に不自然。また、8,9,10月と季節が変化し、この季節、薄物、一重、袷と、和服も変化するが、旧家の人が着たきり雀で夏でも袷を着ているのが気になった。終戦後とはいえ、田舎は都会に比べ、衣服を食糧に代える必要性が少なく、現在も旧家ほど古い高価な着物が残っているほど。質素な暮らしで和服がないという家なら、それなりに粗末な服を着ているのでは?モンペは数が揃わないという劇団の人の声を聞くこともあるが、知り合いに20分でモンペを縫える方法を知っている人がいるので、必要ならご紹介します(笑)。着替えや予算の都合もあるのかもしれないが、凝るなら徹底してほしい。
    もうひとつ気になったのは、人物の仕草。使用人は襟にツギなど当てて感じを出しているが、季節が変わっても、仕草がまったく変化しない。つまり、寒くても、暑くても、同じような表情で、薄着でスタスタ歩いていく。刑事が踏み込んだのも、元旦という設定なのに、ただ普通にコートを着て立っているだけで、季節感が役者の演技から漂ってこない。信州が舞台のようですが、季節の差ははっきりしている地域なのでは?
    それから、劇団も細部にこだわって作っている写実的な作品で衣裳や所作を重視するのは当たり前で、歌舞伎やシェイクスピアの時代の「正月と言ったら正月」という芝居とはまったく次元の違う話なので念のため。だったら、演劇に衣裳考証という職分はいらないことになります。
    昔の武家や格式ある戦前の旧家は、「畳の縁や敷居は主人の頭と同じ」というしきたりがあって、畳の縁や敷居を踏まず、縁に物を置いたり、座ったりしなかった。観察していたら、それができている役者もいたので感心したが、できていない人もいた。
    芝居はこういうところに綻びが出るもので、自分はすごく気になる。
  • 満足度★★★★

    素晴らしい!
    蒻崎さんの圧倒的な存在感、見事です。演じているというより地で勝負している感じがするほど。なんとも憎たらしい、可愛げのない、意地悪な繭美になりきっていた。この女優さんを観られたことは幸せだ。

  • 満足度★★★★

    墨の下に隠されたそれぞれの思い
    小さなハコながら、しっかり作りこまれたセットが一挙に作品へと
    誘ってくれます。しかし、かなり説得力を持って作られた立てこみだけに、
    逆に小道具の扱いや着物の着方など、細かいところで慣れてないところが
    浮き彫りになってしまったのは、ちょっと残念。

    演出も、障子の開閉での場面転換や、記憶を巡らすシーンでの音の使い方、
    照明の当て方など、とても丁寧に考えられていて効果的で良かったです。

    役者さんについては
    蒻崎今日子さんの圧倒的な存在感は凄まじく、及川健さんは戦争の悪夢と
    自責の念と闘いもがき苦しみ一つの決断を下すという複雑な役を好演。
    また、祥野獣一さんや小鷹未菜さんは、あの時代に生きる人々の存在感を
    さりげなくそして確実に感じさせ、作品のリアリティを支えていました。
    キーパーソンである吉水雪乃ちゃんが、重く苦しいドラマの中への
    清涼剤でもあり、同時にこの家に起きた悲劇への切なさも出していて
    名演でした。

    余談ですが、製糸工場を営む家の嫁の名が「繭美」、娘が「絹代」というのは
    ちょっとした遊び心で面白いですねw

    ネタバレBOX

    真犯人の真意がわからず、またその人物自体のことは劇中ではほとんど
    語られずにいるので、ラストのどんでん返しの面白さは感じつつも、作品の
    オチとしてはモヤモヤとしてしまう人も多いのでは?
  • 満足度★★★★

    よかった!
    ちゃんとしたお芝居を観ると幸せです。
    違った席でも観てみたかったです。

  • 満足度★★★

    ミステリー
    ミステリーとして観ていたけど、龍彦の戦犯としての扱いが興味深かった。殺人者と英雄の線引きってどう付けられたのか「東京裁判」を見てみよう。
    蒻崎さんの存在感が凄く、及川さんが上手い。
    ただ座る場所で印象が変わるかも。

  • 満足度★★★★

    名探偵希望
    明らかな横溝ミステリーへのオマージュ。
    ここまでやるなら、いっそ名探偵が出てきてもいいんじゃないかと(笑)
    細かな突っ込み所はあるのだろうが、
    日本家屋のセットが充分いい雰囲気を作っていた。
    それにしても蒻崎今日子のエロスは尋常じゃないね。

    ネタバレBOX

    真犯人が明かされるラストシーン、座席によっては見切れてないのかな?
    青酸カリの包み紙までは見えないと思うのだけど。
  • 満足度★★★★

    比類なき切り口の意欲作
    市井の人々(やや上流も含む)に戦争が残した疵というシリアスなテーマとリアルタイプの「犬神家の一族」的ミステリーを両立させた比類ない切り口で描いた意欲作。
    二方が縁側で続き間もある十畳の日本間をスーパーリアリズムで再現した装置も見モノ。

  • 満足度★★★★★

    ずっと観ていたかった。
    なんだかやけに雰囲気がよくて、ずっと観ていたかったです。そしてずっとあの場所にいたかったです。

    ネタバレBOX

    それくらいに舞台がよくできていて、物語の進み方もちょうど好きな感じの速度で、まったとしてしまいました。

    ただ、あの奥の部屋、たぶん正面の人達からは観えないですよね?自分は観れる横の席にいたのでよかったですが、そうじゃない人達はやきもきしたんじゃないでしょうか。

    オグチさん役の人、上手いですねぇ、あの語りで完全にその時代に引きずりこまれました。他の役者さん達も皆さんほんとに実力があって、良くできた映画でも観ているような気持ちになりました。
  • 満足度★★★★★

    期待通りでした
    冒頭の音声で、劇場の雰囲気が収斂されたように感じました。
    効果的な音響が幕切れまで楽しめました。
    舞台装置だけでなく、トーンとして「地に足ついたリアリズム」と
    ストーリーが絡むお芝居は、期待通りの出来でした。
    屋外はいまだに暑いですが、敢えてその中を劇場まで行って
    観劇する価値がありました。

  • 満足度★★★

    まさにイメージ通りの作品
    子役の女の子の存在が作品を引き締めていたと思う。本当に素晴らしい演技でした♪

    ネタバレBOX

    これって”横溝正史”へのオマージュなのかな?BGMも横溝作品のオンパレードだし。そういう意識で観てしまったせいなのか、どうしても横溝作品と比較してしまって、ちょっと目新しさに欠けていた気がする。

    青酸カリって本当に”アーモンド”の匂いがするのかなぁ。たぶん一生嗅ぐことはないと思うけど‥
  • 満足度★★★★★

    お見事!
    良い芝居だった。久しぶりに芝居らしい芝居を観たという感じ。のっけから引き込まれて,2時間経ったとは感じず,最後まで集中が続きました。芝居を初めて観る方,こういう芝居は観なければいけませんね。観劇って良いもんだとホント思いますから。あと,絹代役の吉水雪乃さんが良かった。重要な役回りを演技もお上手で,とてもとても感心です。

  • 満足度★★★★★

    真相
    序盤から物語にどっぷり引き込まれ技量の高いキャスト陣らと脚本のサスペンスとミステリーのどんでん返しに魅了された舞台だった。素晴らしいと思う。鬼の心を受け継いだ真犯人の真意がうごめくハラハラドキドキの展開で一瞬たりとも目が離せない芝居だ。更に過去に遡って記憶を弄る演出に音響でもって区切る技はあたりいったいに幼女たちの荘厳合唱の歌声が噴水のようにはしゃいでいて、やはり素晴らしいのであった。照明も活きている。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    物語の序盤は説明通り。それにしても・・藤森雅彦の妻・繭美役で登場してきた蒻崎今日子の強かな悪女っぷりが素晴らしい。まだセリフは発してない段階でもその立ち姿に身体全体から底知れぬ妖気が立ちのぼっていた。

    今回は蒻崎は勿論のこと、滝こと小鷹未菜は女中という目立たないようにわきまえたワキに徹する演技が見事に光り、修治こと谷仲恵輔も相変わらずの存在感で寡黙ながら全てを見通しているような演技力で魅了し、藤森雅彦の弟・龍彦役こと及川健は気がフレタ展開から少しずつ記憶を取り戻し、結果、苦悩し決断するまでの表情は息を飲むほど素晴らしかった。

    そして龍彦の妻・真澄こと吉水恭子、小口刑事役の祥野獣一(これって本名なのか?)、最後のキーを握る奈津こと望月亜希子、そしてちょっとくだけた役の女中・八重こと大高奈津美、そして雅彦と繭美の娘・絹代役の吉水雪乃のすっかり子役としてお馴染だが、セリフの数も増えて堂々とした演技力だった。

    それぞれのキャラクターの立ち位置をきっちり守りきり、熟練されたキャストらが演じるのだから、文句の付けようはなく、終焉後、とにかく「流石はJACROW!」(違っ!)と、大満足してウキウキしながら帰宅したのだった。

    さて粗筋だが、繭美は「じじに薬を飲ませるように。」と絹代に言い付け、毒薬入りの薬を飲ませることで大旦那を殺害する。全ては家督相続の争いからだったがそんな繭美の秘密を知っていた奈津は言葉を発せないという障害からか、登場人物の誰もが彼女に関心を示すことはない。云わば家族の闇を背負った存在だ。

    だから、その後の殺人事件でも奈津を疑う人は誰一人も居なかったのだった。その後、繭美も青酸カリで服毒死し、これらの水を運んだのが絹代だったことから、刑事も家族らも真犯人は絹代と信じて疑わなかった。

    一方で龍彦は戦犯の疑いがかけられていて追われていた。同時に、龍彦は戦中に己がしたことへの罪の意識に苛まれもがき苦しんでいた。戦犯者として戦争責任は免れないことを知り、真犯人は絹代と信じて疑わなかった龍彦は絹代の身代わりとなって自主し、龍彦の親友であり現在、刑事の小口はこれらを知りながら、身代わりとなった龍彦を真犯人として受理してしまう。

    しかし、終盤、物語は反転し、絹代に毒入りの水を待たせ、裏で糸をひいていたのは奈津だったことが明らかにされるも、家族や刑事らは気付かないという深層心理を追求したミステリーだった。いつの世も目立たない、存在の薄い人物の犯罪は気付かないものだ。

    これらの物語をまるで絹代が犯人のごとく描写しながら進むものだから、観客はすっかり騙されるも、終盤の大きな反転とうねりは「お見事!」と思わず、叫びたいほどだった。素晴らしい舞台を観て至福の時を過ごしました。

    ああ、これだから舞台って素敵!
  • 満足度★★★★

    その時代の空気を描写する力
    ミステリーのテイストがあって
    ぐいぐいと惹かれていきます。
    それは、時代のテイストへ観客を導く誘導灯にも思えて。

    やがて包み込まれる
    まさに墨を塗りこめていくような、
    滅失感のようなものにこそ
    がっつりと浸潤されました。

    ネタバレBOX

    場内に入ると、
    精緻に作られた日本家屋の雰囲気に圧倒されます。

    終戦の玉音放送を聴く
    その家の人々の描写から物語が始まります。
    教科書などだと、多分1~2行で描かれる
    「終戦」の空気の緻密さにいきなり引き込まれる。

    その緻密さが失われることなく
    終戦直後からのその家の時間が流れていきます。
    病に伏せっていた当主が亡くなり、
    後を継いだ兄と、奇跡的に復員した弟、
    さらには二人の妻と使用人たちが
    戦後のどこか呆然とした、
    でも、ドラスティックに変わるわけではない
    あるがままの時間を紡ぎあげていく。

    特に兄の妻の死のあたりから
    その中に縫い込まれた絶妙な不可解さが
    あからさまに膨らんでいくのですが、
    場の空気がしなやかに作られているから
    それが場から浮くことがない。
    障子などを使った見せ方が
    観る側を一層前のめりにさせます。
    よしんば、それが外連であったとしても
    観る側は強くその世界に取り込まれて
    もう一歩奥へと視座を運ばれる。

    その家の造作や、
    家人や使用人たち、さらには訪れる者の
    それぞれの所作の自然さが舞台の空気を支え切って。
    ミステリーのなぞ解きは、
    人の死の真実を語る中にとどまらず、
    戦時から終戦を超えての
    その家の空気を解きほどいていきます。

    戦時の価値観が崩れていく中で、
    閉じ込めていたものの箍がはずれたような
    まさに墨で塗りこめていくような想いが
    ぞくっとくるような感触で観る側にやってきて
    息を呑む・・・。

    役者たちが
    舞台上でキャラクターたちの想いをしっかりと持って演じているのが、
    きめというか舞台の解像度を作り上げます。
    観る側にその感覚が腑に落ち、
    教科書に数行で語られる事実とは異なった
    戦時や終戦の質感に心を掴まれて・・・。

    ミステリーの顛末に取り込まれながら
    その世界で供された終戦時の滅失感にこそ
    瞠目したことでした。








  • 満足度★★★★

    やっぱりそうきましたか・・
    面白いセットでしたね。能楽堂のように二方向から見られる舞台。私からは見えない部分もあって、その時は、セリフや物音に聞き耳をたて、想像しながら観てました。後から思えば、反対側はどんな感じか、早めに客席に入って、見ておけば良かったなと。
    先に教えてくれても良かったのに〜。

    ネタバレBOX

    特に、二人目が殺されてからは、一段と興奮しちゃいました。少しもヒントを逃すまいと、全神経集中して観てるし、ちょっと疲れたかも。
    金田一の曲が流れたときは、あぁ〜やっぱりそうきたか・・と思いつつも、嬉しかったです。

    そうそう、繭美という女は、なんて怖い女なんだ。見てて、震えがきました。
  • 疑問はありましたが
    面白かったです。
    絹子ちゃんが良いです☆
    刑事役の方の芝居が好きでした。

  • 満足度★★★

    いまひとつ
    終戦直後の横溝風ミステリーですが、ちょっと無理めの展開で、いまひとつ盛り上がらない。もっと独自性が欲しいところ。子役の女の子はすごくよかったです。

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