北と東の狭間 公演情報 北と東の狭間」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
21-35件 / 35件中
  • 満足度★★★★★

    ありそな風景
    何が素晴らしいかってキャストの演技力に尽きる。特に野村秀次役の谷仲恵輔が素晴らしいです。う~~ん。。と唸るほど気負いがない。更に本の内容も素直にドカン!と胸に入ってくる内容。ストレートプレイだからこその突き抜け感が堪らない。そうして前列に座ると女優のパンちらも堪らない。笑

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    中国人スナック「クラブ牡丹」ではチャイニーズママと二人のチャイニーズホステス、ボーイが働く。チャイニーズホステスは就労の為にビザが欲しい。社長・志垣の愛人のチカは社長の半ば命令によって遠藤との偽装結婚をさせられ、一緒に住むことになる。遠藤は社長への借財のかたに戸籍を売った形だ。ついでに生命保険をかけさせられた遠藤をジワジワと殺すために、食事に毒を入れろとチカに指示する社長。

    そんな中、遠藤のチカに対する誠実さにチカは少しずつほだされていくのだった。

    一方で「クラブ牡丹」を仕切ってるヤクザ・加藤はボーイの野村から借金という肩書でアクドク利子金をせしめとことんしゃぶり尽くす。そのアコギな醜態は留まることを知らず、ママの夫の借金もママに支払わせる。そんな夫に愛想を尽かしたママは夫の食事に毒を混ぜてジワジワと殺すことにする。

    登場人物は借金を抱える男、ホステスに溺れる男、金の為に働くホステス、そうしてこれらを餌に食らいつくスッポンの様な輩。闇に住むものはどこまでいっても闇からは逃れられない鬱積した世界だ。詐欺と暴力とが渦巻くなかでチカと遠藤の物悲しい愛が光る。

    終盤、チカと遠藤が絡むシーンがあるが、今までの遠藤が気弱で誠実なキャラクターだったのが、いきなり少し強引さが増したキャラに変貌していた。ライブ的カオスなシーンだ。この部分は二人のキャストに任せたらしいが、ワタクシにはすこーしだけ違和感があった。それにしても・・さ迷えるチャイニーズホステスらの感情が胸を打ち、言いしれぬ感情がわいた。同情とも違う。二胡という楽器の調べを聞いた時の様な感覚だ。更に導入音楽も素晴らしかった。
  • 満足度★★★★★

    ”間”
    「(PPTでも語られていたが )緻密に計算された”間”」が、このJACROWの売りであることを改めて感じさせる作品だった。
    (勝手なイメージだが)本編・外伝ともに”間”(という風船)を各々の役者が作り、弾けさせて、濃密な空気を漂わせているように感じられた。

    演劇鑑賞にハマるきっかけとなったのが、JACROW(明けない夜)であったことはホントに良かった♪

  • 満足度★★★★

    リアル!
    サンモールスタジオでお客さんが並んでいるのを見たのは初めて。ゲスト出演でいしだ壱成さんが出るからなのか、ストーリーが素晴らしいからなのか?後者でした。

    ネタバレBOX

    偽装結婚、毒を盛っての殺人、闇金問題、本当にあった具体的な犯罪を、実際にいそうな登場人物、見事な中国語で描かれていて、本当にリアルでした。

    それでいて、場面が変わる度にギャンブルにはまったり体調が悪くなったりしたことが一目で分かるようになっていて、とてもコミカルでした。

    こうした分かり易い部分と、心の機微の混じり具合が秀逸でした。

    バーテンが闇金業者を刺殺してからママが入ってくるまで、シーンが連続しているように見えました。そのため、なぜママが驚かないのか不思議に思いました。
  • 満足度★★★★

    20100509
    。・`ω´・)ノ おもしろかった。演劇初心者にもすすめられそうです。旗揚げと、第10回と今回(第13回)しか見たことないですが今まででは一番好きです。

  • 満足度★★

    外伝~
    なるほど本編を観ていないと無理だ。でもこういう見せかたも面白いですね。

    ネタバレBOX

    久木、タリウム飲ませられるのも仕方ないか!
    加藤、防弾サロンパスのおかげ(笑)
    刑事、チカ目当てか! など、それぞれの事情が見えて面白かった。
  • 満足度★★★★

    ラブストーリー
    時代設定もあるが、ちょっと懐かしさを感じるストーリー。
    最前列、かぶりついて観て正解。
    外伝があるとはいえ、90分は物足りないかな。
    仗桐安、たるんだ腹とエエ声なヤクザがいい感じ。
    清水那保、エキセントリックに走り過ぎず、女の可愛らしさを覗かせる。
    まだまだ底を見せない女優っぷり。

    ネタバレBOX

    終盤、駆け足な展開。
    突然の刃傷沙汰もコミカルな印象。意図的か?
    もっとじっくりやってほしい。
    切ない、哀しい、美しいラストの男女の情交は見もの。
  • 満足度★★★★

    ううう・・・
    本編見ました。よくできた芝居だと思います。でも,まだ何か隠されている感じがする。たぶんそれが外伝で表現されているのでしょうね。とても気になっています。来週あたり外伝を観に行っているんだろうなぁ^^;

  • 満足度★★★★

    息が詰まるほどのラヴストーリー
    シリアスな展開ながら笑い処もあり面白く観劇しました。不器用でどうしようもない人達ながら何処か憎みきれない感じを受ける。優しさを感じたり、元々優しい感情が戻りつつあってフッと見せる笑顔に救いを感じる。

  • 満足度★★★★

    【外伝】そして、もうひとつの愛
    やはり、とてもよくできていた。

    1人当たり、5分程度の出演なのに、登場したときから、登場人物たちの空気を醸し出していた。
    スイッチが入った状態にすでにあるという感じだ。

    ただ、こちらの期待値のレベルが高かったのか、全体的には、本編を掘り下げるような深さまでには達しなかったように思える。
    ただ一点、ある登場人物の感情の静かな露呈を除き。

    ネタバレBOX

    前作と同様に本編の登場人物たちが、1人5分程度の1人芝居を行う。本編で語られる物語の前後などを演じる。

    どうしても前作と比べてしまうのだが、今回の「外伝」は、「本編」との合わせ技で、確かに素晴らしいものだったと思うのだが、本編をさらに膨らませ、見ている者の感情をさらに高めるようなところまでには達していなかったように思える。

    本編にはそれほど謎が残っているわけでもないためか(あの後どうなったのだろう、という興味ぐらい)、それぞれの登場人物の、この一連の物語における、バックボーンのようなものを描いていた。

    例えば、本編でその様子が垣間見ることができた刑事の、必要以上にチカに興味を持っている本心や(カントリーマムを食べてからの指の舐め方は見事・笑)、バーテンダーの気持ち、レイのウソ(さらりと明かされる)などがさらによくわかるようになっていた。

    一方、今回の外伝で「うまい」と感じるところは、「笑い」が起こったことではないだろうか。ヤクザの加藤が実家住まいであることあたりは、本当に笑えた。

    そして、最大の収穫は、ラストだった。
    それは、浮気相手としかチカを見ていないと思っていた社長の本心というものが、無言の中で、とても見事に表現されていたと思う。
    無言でチカの骸を見つめ、触る社長(根津茂尚)の姿が心を打った。
    それは、あえてチカの幻影を見せなくてもよかったのではないかと思うほど。

    ただ、逆に少し残念に感じたのは、チカと遠藤の2人の末路が見せられてしまったことだ。本編では、確かに炎に包まれてしまうのだろうということを予感させてるのだが、具体的には、ひょっとしたら・・なんていうことも入る余地が少しだけ残っているような、うまい幕切れだっただけに、結果がわかってしまうのは少しもったいないと思ったのだ。

    もちろん、悲劇的な先行きしかない2人であり、また、今回のラストで、社長の意外ともいえるような、ある意味、彼なりの「愛」の姿が見られたということもあるのだが、このあたりは難しい選択だったかもしれない。

    外伝を見なければ、社長の心の底にある気持ちが、わからないままだったかもしれないのだ。
    だから、1本の物語で、チカが遠藤に見つけ、遠藤もチカに見つけた「愛」と、社長の「愛」の、その両方を同じレベルで取り込むことは、無理に近いことなので、これはこれでアリだし、うまいなと言わざるを得ない。

    今回はPPTがあり、それを聞いて驚いたのだが、昨日見てグッときたラストの2人の動きは、演出を綿密に付けたわけではないらしい。ということは、2人(清水那保と橋本恵一郎)が役にそれだけ入り込んでいたということだ。本当に素晴らしいと思う。

    本編でもフェイ・ウォンの「夢中人」が使われていたが、細かいことを言うと、使われていた曲は広東語なので、北京出身のチカが好んで聴くのならば、北京語版にすれば完璧だったと思う。
    PPTでも語っていたが、広東語と北京語は方言というより別の言語だという。そこまでわかっていたのなら北京語版だろうと思った。北京語版は、タイトルも歌詞も違って、別れの歌だったりするので、意味深だったするし。
  • 満足度★★★★★

    デートにオススメ。
    こんなにドラマチックな会話劇を観たのは初めてです。映画的な派手さもあり、ライヴ感もたっぷりとあり。中国人ホステス役の女優さん達が皆小悪魔的で愛らしく、その媚薬のような空気に眩暈さえ感じます。女性陣のみならず男性陣も悪人ばかりですが、外伝まで観るとみんな愛おしく思えてくるから不思議。

    中村さんの脚本・演出は初めて観るのですが、ラブストーリーとはいえとても硬派でキナ臭さが漂っていました。ひどい恋愛ばかりなのに、見終わった後は濾過された愛の美しさにうっとり。そんな純愛物語。大人が楽しめる演劇として、デートにもオススメです。素敵なラブシーンのおかげで、二人の仲が深まること請け合いです☆

    ネタバレBOX

    外伝の加藤と野村には爆笑。加藤、お母さんに電話してて可愛いし。野村、中島みゆき歌い切ってるしw ネーミングも「バーカウンターとボトル棚の狭間」「空と君の狭間」(タイトル合ってますか?)とか、もう(笑) 長澤もひどい男ですよねぇ。あそこまで一貫性があると、逆に単純で可愛いです。実際にいたら間違いなく往復ビンタですがw
  • 偽装結婚を偽装。
    前々回「紅き野良犬」以来の観劇でしたが、JACROWは場所を描くのが上手いと思う。空間に説得力がある。良い意味で「それっぽさ」が成立している。舞台装置の力もあるけれど、それだけではなくて「その場に存在する人々」を描くのが上手いのだろうと。それぞれの人物の存在がハッキリしているので、役者陣も自分のこなすべき仕事が分かった上でこなしている。ただ、外部があまり描かれていないなという印象も。舞台外の見えない場所で起きた事、上演される物語の前後の時間に何があったのか。でも、それを外伝で補っているのは上手い手だなぁ。
    蒻崎さんは眼力の強い女優ですね。当日パンフレットの顔写真を見た時点で何か射抜かれた様な衝動が。清水さんは相変わらず難しくてめんどくさい役をこなしている。もはや小劇場で彼女に端役を与える演出家はいないものか。起用して片手落ちさせたら勿体無いのは確かだが。根津さんのこういう役は個人的には乞局以来かな。ホームのあひるなんちゃらとのギャップが最高。時間堂の菅野さんは女にのめり込む役を度々見ている印象(笑)。気の弱そうなイメージがあるんでしょうか?平出さんは多分初めて見ました。ひたすら「かわいいなー」と思ってました。

    ネタバレBOX

    冒頭からずっと期待を抱いていたのが、店の客を無対象芝居でやっていた点。これが後々に何か大きな意味に繋がって来るのかと思っていました。けれど、気付いたらそのまま終わってた。なんだろう。彼女達にとっての客はその程度の存在という意味だったのか。三上が忘れられてしまう事を指すにも、智華はホントは忘れてなかっただろうし。
    遠藤と智華の会話をあえて聞かせないパートについて。あの演出はやり方次第でもっと活きると思いました。智華がタリウムを混入するけれどやっぱり飲ませないというのは、観ている側もうっすら先読みと期待をする流れ。その気持ちを煽る為にあの表現にするのは効果的。どんな言葉を使っていたのか想像させる分、受け取り手次第で膨らむ余地がある。のですが、少なくとも初日の形式に関しては自分は上手く機能していないと感じたのが正直なところ。もしかしたら己の想像で膨らませる部分だと気付かず「もっと大きな声で喋ってよ」と感じた人もいるのでは。もっと印象的なパートになりそうなので惜しく思います。
    侑子が殺傷事件を起こす手前くらいから「?」がぽつぽつ。侑子が野村といつの間に組んだのか不明だったり。これは外伝で補完されてる気がしないでもないけど、本編を見ている最中に頭に「?」が浮かんじゃったら集中して見られないから勿体無い。智華の代わりに周玲を加藤のエサにするのは侑子と野村のメリットの合致だし分からないでもない。せめて暗闇で襲わせて相手が智華だと思い込ませるとかやり方はあっただろうにとか。あと周玲と加藤が刺された後の時間経過が感じられなくて、美蓮がカウンターに入った時に「え?そこにまだ倒れてるんじゃないの?」と思いました。
    餃子を美味そうに食べる遠藤はすごく良かったです。殺そうとしてる相手にあんな顔されたらキツイなぁ。
  • 満足度★★★★

    根津さんこんな芝居もするんですね
    外伝が必見なつくりなのは、いかがなものか。「おまけ」ではないよなぁ。

  • 満足度★★★★

    今回も期待を裏切らない
    時代設定もうまく、どのキャラクターも一癖二癖あり、それを演じる役者の空気感がいい。
    演出も無駄がなく、セットの設定もとてもいい。

    冒頭の歌から、タイトルを見せるあたりの展開と、タイトルが現れる瞬間は、特にシビれた!

    これはもう『外伝』も観るしかない、とその瞬間に思ってしまった

    ネタバレBOX

    前作『明けない夜』では、重苦しい物語をラストにさらにやるせなくしていたが、今回もまさにそのとおりの物語が展開していた。

    「北と東の狭間」とは、「北京」と「東京」という2つの都市(国)の狭間に生きる女性たちと、それを取り巻く男たちの物語であった。

    語られる物語は、少々紋切り型であり、日本で働く中国の女性たちのビザの問題から、偽装結婚、薬物、さらにそれを餌に彼女たちから金を毟り取る闇金業者や、逆に彼女たちに取り込まれてしまう男たちが中国人クラブ「牡丹」にうごめく。どちらも隙あらば相手ののど元に噛み付こうかというような状態で、持ちつ持たれつの関係でもある。
    金と女の世界。

    前回は昭和の世界だからこその物語であったが、今回も平成7年という、バブル崩壊真っ盛りの頃で、大手金融機関の破綻や就職氷河期だったりという時代背景が、物語に活きてくる(大会社らしき会社の倒産による借金で首が回らなくなった男やそれを食い物にする闇金、羽振りのいいポケベルショップの社長など)。この時代設定が必然性を帯びてきているのが、うまいと思う。

    また、そういうすでにある程度こなれてきている時代設定でもあるから、物語が組み立てやすいということもあるのだろう。

    国や生活や夫婦、それぞれの狭間にあるタイトロープの上をなんとか歩いている状態の登場人物ばかりである。彼らは、「道」なんてものはすでに踏み外しているのだ。そして、不安定なロープの上にいる。

    今回もとにかく登場人物のキャラクターがいい。やや、定型的なキャラクターかもしれないが、とにかくわかりやすい。
    そして、彼らの醸し出す空気は、イヤになるほどのねっとり感を漂わせる。

    中国人女性役の3名(蒻崎今日子・清水那保・柳井洋子)がとにかくいい。たどたどしい日本語に早口の中国語でまくしたて、日本人の男性を虜にしてしまう不気味さもある。
    あひるなんちゃらからの客演である根津茂尚さんは、例えば、あひるの『ジェネラルテープレコーダー』では、めんどくさい人を通り越して、不気味な人にまでなっていたが、まさに今回の社長役は、冷静なのだが、何を考えているのかが外に見えず、ときどき牙を剥くといった役がぴたりときていた。
    やはり客演の仗桐安さんは、台詞を発する前からはまり役だった(笑)。あの格好で新宿駅まで歩いて帰ったら絶対に絡まれそうなほど。

    ラスト前の惨劇は、彼らにとって普通のことであろうことが伺えるような展開であり、ブラックな展開もありつつ、ラストは想像内であっても、一番優しいものを選んだようだ。これは唯一の救いだ。

    ラストの中国人女性のチカ(清水那保)と、借金を抱えて偽装結婚することになった遠藤(橋本恵一郎)との気持ちの高まり合いと、互いに禁を犯すことのためらいが、実にうまく表現されており、役者の身のこなしにすべてを語らせている演出と演技のうまさに唸った。
    観ていてかなりグッときた。

    そして、すべてが灰になることを予感させる炎。

    こうなると、『外伝』も観ずにはいられない。すぐに予約を入れた。
    さらに何が明かされるのかが、楽しみである。

    前回のときにも書いたのだが、やはり、本編+外伝で、休憩入れて2部構成にはならないものだろうかと思ったり。
    もっとも、今回、平日の夜間は20時開始なのはありがたいから2部構成は難しいかもしれない。

    ちなみに観た回の友情出演は、いしだ壱成さんで、ワンポイントの出演があった。
  • 満足度★★★★★

    JACROWが贈る美しい純愛ドラマ!
    いつもながら舞台装置の隅々にまでリアリティを感じる。JACROWの芝居はリアリティが売りだ。そして店の奥が窓のように切り取られており、そこから店の外が見える。ここら辺の演出が憎い。

    偽装結婚をテーマにしているが、見終わった後の感じは純愛ドラマ。そしてラストシーンがとても美しかった。これは外伝も見ずにはいられない。

  • 満足度★★★★

    ちょっとリアル
    要所要所リアルな演技&演出ですっかり見入ってしまいました。
    危ないストーリーなのに、笑わせてもくれる。いいバランスでした。
    スペシャルゲスト出演で、今日はいしだ壱成が出演されました。
    前作でも外伝があり楽しませてくれましたが、今回も外伝があるので早速明日観てきます。

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