トラベリング・オン・ザ・シャーレ 公演情報 トラベリング・オン・ザ・シャーレ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
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  • 満足度★★★★

    タイムトラベルとは
    過去に行き、あるウイルスのワクチン開発過程を調べる話となっており、タイムトラベルが関係してくる物語でした。

    ネタバレBOX

    物語が進んでくると、開発過程の話というより、過去での医者と患者の人間関係を築く物語にシフトしてたと感じました。
    大坪(甘粕阿紗子)が生きた証の物語でもあるとも言えるかな。

    まあ、人間関係の物語にシフトしてきたと感じても、それ程築く過程の話が描かれるわけではなく、また、大坪がウイルスに感染するのに自分自身で気付かず(これは気付いたが気付かれぬ振りの方がよかったかも)、後、ワクチン開発過程の話もワクチン開発者が実は大坪だったの一言(1場面)で済まされたりしてましたが、面白かったです。

    で、個人的にタイムトラベルものでどう扱うか楽しみなタイムパラドックスですが、過去に信じられていたウイルスの症状(感染したら助からないなど)と故事不干渉(過去であったことはあったこととして変えてはいけない、もしくは変えそうになってはいけないでいいのかな?)で、それを起こしてしまった場合は強制離脱で、関係した人々の記憶を消すとのことで、矛盾をなくす工夫をしてました。
    まあ、若干無理な部分はありましたが、手法はよかったと思います。

    バナナ学園の野田さんも、普通の男役(笑)を演じてました。珍しかったし新鮮でした(笑)。似合ってましたね。
    ただ個人的には、過去側の医師・藤沢(今城文恵)が、冷徹・落ち着いた医師役でありながら、ときたま見せる冷徹な素顔(どんな素顔だww)と役にマッチした声、非常によかったです。
  • 満足度★★★

    徹するということ
    この物語を見て、いったい北川はどんな事を観客に伝えたかったのだろうか?という疑問にぶち当たる。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    バック・トゥ・ザ・フューチャーのような物語。

    医師の大坪はマルボウイルスのワクチン開発をしたのは誰か、を知る為に時空交通局の津田に騙されて過去に行く事に・・。
    過去の世界では未来から過去に来た人が口出ししてはいけない。つまり、古事不干渉という言葉にがんじがらめにされて、大坪は自分の意見を述べる事も出来なかった。
    過去の病院ではマルボウイルスに感染している患者は粗末に扱われ、とりあえず投与される薬を頼りに生きていた。そんな患者たちを診て、大坪は「ワクチンを作って一人でも多くの人を助けたい。」と思うようになる。
    やがて、大坪はワクチン開発をしているうちに自らもマルボウイルスに感染している事が解る。

    これって、歴史的にも有名だけれど、破傷風ワクチンを開発して、自分も感染症にかかって死んでしまったフランス人医師ガストン・ラモンや他のワクチン開発でも似たような話って多いよね。

    結局薬局、未来からやって来た大坪はマルボワクチンの開発に成功したのは自分だった。と気付く訳だけれど、未来から来た人間が過去の世界で亡くなって未来に戻れない。って設定はどうなのだろうか?
    こうゆう物語って歴史を変えちゃいけない訳でしょ?それとも芝居だからいいのか?
    すると・・、未来の大坪は何処行った?の話になるわけよね。
    そんでもって未来での大坪の同僚は大坪という人物の記憶が消されたわけではなくて、ちゃんと覚えてる。
    同僚の記憶が消されちゃって、大坪自身は未来では存在しませんでした。ってことなら納得できたのだけれど・・。

    腐って人間じゃなくなったけれど命になって旅をする。ってセリフ自体もあまりにもエグイ。
    北川の脳裏には大学生の時に友人を亡くした記憶が離れないのだろうか?
    更に北川の最後のセリフも聞き取れない箇所があって、それもストレスを感じる。

    いあいあ、ワタクシ思うのだけれど・・脚本家と演出家に徹したら?と思ってしまう。あれもこれもやっちゃうと大成しないような気がするよね。老婆心ながら・・。

    竹井の若い頃の名前・神原が大坪と関わっていた事実を懐かしむ未来の同僚たちの感情が痛いほど切ない物語でした。

    それでも笑える箇所はあり、ニンゲンの滑稽さや狡さをストーリーに盛り込み、2000~1500円の公演料には拍手を送りたい。貧民も惜しみなく観られるというものだ。

    個人的には藤沢女医(今城文恵)のキャラが好き!(^0^)






  • 満足度

    初見です!
    う~~ん。今回はやや苦手な作品でした(私にはですよ)

    ネタバレBOX

    登場人物に魅力が乏しい。役者が上手く機能していない気がする。

    タイムトラベル、ウィルスとくるとテリー・ギリアム監督作「12モンキーズ」を思い出した。

  • 満足度★★

    せめてあとひと呼吸
     申し訳ないけれど、僕にとって、この舞台の観劇は苦痛そのものでした。物語に破綻もないし、箸にも棒にもかからないというのではないけれど、もう少し、工夫が欲しかった。

    ネタバレBOX

     これは、歌人の穂村弘があげている例だけど、たとえば、「門」が「ガシャンと閉まる」場合と、「ダシャンと閉まる」場合。リアルに響くのは後者である。「ガシャン」はあたりまえすぎて通り過ぎてしまう。直結している「門が閉まる」と「ガシャン」の間でひと呼吸して「ダシャン」。それが短歌である。

     短歌に限らず、なにかを表現するときには、このひと呼吸がキモだと思う。そこに工夫と個性がある。風景だったら気にならないけど、逃げ出すことのできない閉鎖空間で、「ガシャン」ばかりを延々見せられ続けるのは苦しい。設定された性格だけを全身で表現する演出と役者。物語を後ろに追いやって、全面にせり出してしまった「感動させよう」という思い。僕には、この舞台のやろうとしていることや、こめようとしているメッセージばかりが、うるさいほどに伝わったが、「どうやって」伝えようとするのかを工夫した形跡はみられなかった。

     舞台は、不治のウイルスに冒された人々の暮らす研究施設。絶望している患者たちと、患者をモノ扱いする看護士、研究材料扱いする医者とが、日々憎しみをむき出しにして、罵詈雑言をぶつけあう。僕は、舞台の多くを占める、「ビョーキ」「くさってる」という、バリエーションに乏しい不毛な言葉の暴力をぶつけ合うシーンに辟易した。役者たちは、ただむき出しの暴力性だけを、そのまま叫んでいるようにしかみえず、それを延々と見せられるこちらは、苦痛で、劇場を逃げ出したかった。

     たしかに、今、僕たちは、自分のなかの「思い」をそのまま、むき出しのまま表に出してしまう傾向があるかもしれない(この文章にも、その傾向は出てしまっているかもしれない。ごめんなさい)。それでも「演劇」にする以上、もう少し工夫する必要があるのではないかと思う。「思い」は、「演劇」を媒介に、その先に昇華するはずのものではないか。

     技術的にも、モンタージュの多用で主要人物たちの心の変化が唐突にみえてしまったり、先が読めてしまっている展開をじっくりと追いかける冗長さにあふれていたり、未熟な点があるけれど、それよりもなによりも。まずは、「演劇」にする必要がある「思い」かどうか。せめてあとひと呼吸、欲しかった。
  • 満足度★★★★★

    完成度の高い脚本と、センスある演出!
     懲りに凝った台本であるにも関わらず、中心を流れるものは奇をてらったものではなく、あくまで王道。脚本の完成度の高さをまず高く評価したい。SFというと、荒唐無稽な展開になりやすいのだが、それを脚本の力でそちらに走らず、本筋である女医大坪の研究者としてのハートとヒューマニズムをしっかりと描いた。
     はらはらどきどきと面白いだけでなく、医療の現場の問題とその中で働く過酷さをしっかりと描き、しかし、その中で医師達が懸命に患者のために闘っている姿をしっかりと描いた。(もちろんそうでない医師もいるが。) 

    ネタバレBOX

     主役の女医大坪を演じた甘粕阿紗子は最初(役者として)ひ弱な印象をいだいたが、ストーリーが進行するにつれて、劇中の大坪を演ずるに相応しい強さと一途さを持っている女優だと思えてきたた。これからが楽しみだ。もうひとりの女医藤沢を演じた今城文恵は絶望的な医療に現場で、ニヒルにならざるをえない毎日を、それでもしっかりと闘って生きている女医を見事に演じていた。こちらも魅力的な女優だ。
  • 満足度★★★★

    当たりでした。
    チケットプレゼントに当選したので、妹もつれて観に行きました。

    二人ともめちゃくちゃ感動して ほくほくしながら帰ってきました。
    「学生芸術」祭に期待するすべての要素が詰まった作品だったと思います。

    ネタバレBOX

    SFですよ

    タイムトラベリングですよ


    なんかそれだけで、あんまりワクワクしない感じがするじゃないですか。
    (←失礼)


    そんな失礼なことを考えつつ冒頭は冷静に観ていたのに 中盤以降どんどん前のめりになっていき 
    まんまと作者の罠にはまってしまい
    え? それで、 こうなっちゃう!? と喰いついてしまい

    最後のシーンで ぐっときてしまいました。


    きちんと伏線を貼り、それを回収して、ネタばれに持っていくまでの過程が丁寧に描かれている所が好きでした。

    主人公が過去に留まらざるを得ない状況を作りだしたこと
    安野(カウンセラー・警察)の役どころ
    竹井老人の記憶がなくなっている点などなど

    丁寧に作りこまれていると思いました。

    語りのシーンは好みが分かれるかもしれませんが、
    医師としての経験が浅い大坪や神原が 生きる意味や、命の尊さについて想いを巡らせるシーンは 
    ベタかもしれないけど、好きです。
    重すぎず 軽すぎず。

    登場人物もそれぞれ個性があり、魅力的でした。キャラクターが役者さんに合ってるな~ と思いました。そこらへんにも、作者の作品への愛情を感じます。 



  • 満足度★★★

    確かによい
    飽きずに見続けさせる何かがあるが役者が弱い。

  • 満足度★★★

    丁寧な演出
    見せ方がとてもうまく、最後まで安心して話についていくことができました。
    物語を丁寧に立ち上げているとは思ったのですが、物語の枠組みにきっちりと作品が収まってしまったように感じました。
    前作のほどの吸引力が感じられず、残念でした。

  • 満足度★★★

    面白くなりそう
    だった。

    話は、比較的よくできているし、演出の手際もいいと思う。
    ただし、スピーディさがあればもっとよかったと思うし、メッセージ部分のクローズアップが足りないように感じた。

    ネタバレBOX

    最初のほうで、「ウイルスによる病気のワクチンを、誰がつくったのかを知りたい女医が、時間を遡り過去行く話だ」ということがわかってから、まさか、それってこんな安直な話ではないだろうなぁ、と思った通りのストーリーだったのがちょっと残念。
    つまり、そのワクチンを作ったのは、過去に行った自分(女医)だったというストーリーだ。

    ストーリーそのものよりもそれを繋ぐエピソードや演出に面白みがあるのかと思ったのだが、もうひとつ残念な感じだった。
    (たぶん)笑わせようとしているところではあまり笑えず、感動させようとするところは、長いと感じてしまった。
    例えば、主人公の女医が死んで、そこで看護士の独白があるのだが、いろいろ盛り込みたいのはわかるけど、その台詞が長すぎて途中で飽きてしまった。

    さらに、その看護士の現在である老人を、妹が迎えに来るというシーンがラストにあるのだが、これってこの場所なの? と。
    家族の再会、再生なのかもしれないが、彼があまり話の中心に位置づけられていないからそう思ってしまったのだ。

    この話のキーとなる、ウイルス性の病気(あきらかにハンセン病を下敷きにしているような印象)に罹患した者は、人間性を否定され、医学が追いつかないことで、迫害を受けたり、誤った治療をされてしまう。
    過去に行った女医は、過去と未来を知っているからこそ、過去の病気への対処方法や患者の扱いに、苦悩や憤りを感じる。
    その死に至る病に、人はどう対応するのか、という個々のケースを見せているのだろう。

    中でも重要なのが、病気になり、看護士となる男だろう。彼は、病気になり、家族から離され、去勢という治療をされてしまいながらも、ワクチン作りに手を貸し、生き延びる。さらにラストのシーンに繋げるためにも重要な役どころなのだ。つまり、彼のエピソードや彼そのものを、もっと印象的に見せるべきだったのではないだろうか。

    確かに、蒲鉾会社の社長と秘書のエピソードや、怪しい宗教を信じる患者と教祖の話も人間臭さがあるのだが。看護士になる彼のほうに観客の意識が集まるようにすべきではなかったのだろうか。

    老人も、もちろん現在の看護士なのだから同様に重要だ。過去の彼(病人で看護士)と現在の彼(老人)とのギャップをきちんと描き、それが徐々に同一人物であるということが明らかになりながら、そのギャップを埋めつつ、交差していくように描けば、あの再会のラストの場所、その位置づけも明確になったと思う。
    この場合、主人公の女医は、ある意味狂言回しなのだから。

    一番気になったのは、ハンセン病に対する反省もある2009年(この舞台では過去の時間)に、どんな病気であれ、病気にかかってしまった患者の名前を変える、なんて扱いが起きるとは思えないのだが。
  • 満足度★★★★

    やっぱすごいや!!
    第三回はお手伝いで観させていただき号泣。

    第四回を楽しみにしていました。
    自分も参加させていただいた、
    シアターグリーン学生芸術祭に
    カムヰさんもこの作品で参加。
    ワクワクで会場に向かい、
    終演後は喜びでいっぱい。

    安直な表現で申し訳ないのですが、
    ホント良かったです。

    感謝。

    続きはネタバレBOXで。

    ネタバレBOX

    物語・セリフ・言葉・・・・・・
    まあそれを脚本というんですよね。
    その中に伏線といいますか、
    「仕掛け」が散りばめられていました。
    それがパズルのピースのようになっていて、
    物語が進むにつれハマっていきます。
    そのハマっていく感じがなんとも気持ち良かったです。

    たとえば「神原=竹井」ということは、
    竹井が写真を見て懐かしむ時点でわかるのですが、
    それがバレバレとか、
    簡単にわかってつまらないわけでなく、
    「神原=竹井」に気付いたことがまた気持ちよい。

    そう感じさせる北川さんはうまいというか、
    良い意味でずるいと思います。

    あと当パン良いんですよホント。
  • 性善説にのっとって
    ※お手伝いで観させていただいたので★つけてません

    たくさんの登場人物が出てくるが
    それぞれのキャラや役割や物語との距離感がはっきり分かれていて
    無駄がなくすっきり観やすかった。

    文系ファンタジーとして、
    個人的には後3ひねりくらい欲しかったけど
    ゆったり観られるので、この方がいいのかな。

    ネタバレBOX

    横から津田さんが出てくることが
    本当に心臓に悪い

    突発系アクシデントに弱いので
    その度にドキドキして…物語と関係のない所で疲れました
  • 繊細で強い
    PPTで柴幸男氏が触れていたように
    お芝居としてはそれなりに難しさをもった前提・・・。

    でも、物語から実直に湧き上がってくるものが
    その難しさを凌駕して。

    さらには役者にも、舞台を支え切るに余るほどの
    しなやかさがあって。

    繊細で透明感があって、
    でもしっかりとしたモチーフをもった
    北川演劇に浸潤されました。

    お芝居に深く入り込むためには
    早めの入場がお勧め。


    ネタバレBOX

    開場と同時に舞台ではお芝居が始まっています。
    前方にいても、その内容はところどころしか聞こえないのですが
    舞台の時間はしっかりと動いています。

    そしてあわててやってきた最後の面接者の部分で
    客電が消えて本編が始まる。
    その時点で滑走を終えて
    物語が飛び立つ感じ。

    すっと主人公のキャラクターや
    物語の設定が入ってくる・・・。
    脚本が本当にしたたかで・・・。
    タイムトラベルという題材はPPTで柴氏がおっしゃっていたように
    矛盾が生じやすい、舞台としてはハードルの高い題材なのでしょうけれど
    それを感じさせない流れにすっと乗せられて・・。

    心やさしい物語では決してないのですが
    人が生きるぬくもりが伝わってくる。

    かつて強い偏見を持たれていた伝染病を借景にして、
    当パンの言葉のとおり
    人が切り捨てたものや選んだもの、
    さらにはその選択の中で
    生きていく姿が透明感をもって描かれていきます。

    その姿に不要な甘さがないから、
    でも、ビターであっても
    人が持つ想いをゆがみなく表しているから
    主人公が「古事不干渉」から解き放たれて、
    自らが選択した世界で生きていくことや
    主人公によって変わっていく周囲にあざとさがない。
    舞台に溢れだしてくる「人が生きること」そのものや
    切なさの先にあるものが
    単なる諦観ではなく、
    生きる意志との綾織であることの瑞々しさに
    じわっと心が熱くなりました。

    役者のお芝居にも
    舞台を深くしても重くしないような
    スムーズさと切れがあって、
    北川ワールドをがっつりふくらませて。

    よしんば、時間旅行というロジックが
    構造的に矛盾を含有していたとしても
    そのようなものは
    舞台の秀逸な質感に埋もれてしまうのです。









  • 満足度★★★★

    脚本の力。
    開演前から始まってる芝居。俳優としての北川さんのもつ空気がすごく胡散臭くて思わず近寄って行ってしまいました。
    タイムトラベルものでしたけど、設定や作品の中でのルールがきれいにまとまっていて、それが見えた瞬間に物語に引き込まれました。オチがすとーんと入ってきます。
    切なくて温かくて、泣きながらなんとなく幸せな気持ちになれました。

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