満足度★★★
「名(Na)」をテーマにした連作短編集のような作品で、全体の構成が面白く感じました。1シーン1シーン丁寧に作られており、そしてテイストの異なるシーンを描き分けていることには、演出としての力量や引き出しの多さを感じました。
そして、チェロとピアノの生演奏が単なるBGMになるのではなく、劇そのものとの駆け引きを感じるような、いい相互関係に見受けられ、好感を持ちました。
満足度★★★
タイトルの「Na」ってなんだろうなと思っていたので、いろんな「Na、ナ、な」で遊ぶことが楽しくて、言葉には視覚・聴覚・舌感覚などさまざまな要素が詰まっているんだなと再確認しました。
満足度★★★
「Na=名」をめぐる7本の短編からなる公演。
揃いの白いツナギ(無名性の象徴ですね)を着た4人の出演者が、劇中で名前(と人格が一致した)「人物」を演じることはほとんどありません。通し番号か、「王様」「先生」といった代替可能な役割で呼ばれることで起こる混乱や事件を扱った7つの小さな喜劇から、笑いはもちろん、ふんわりと人間関係の緊張や情が引き出され、最終的にはやはり「名」が保証する(人物としての)同一性に焦点があたる構成に唸らされました。
コントの集成といってもいい内容で、演技も戯画的なものですが、ダジャレのくだらなさ、身体をつかった表現での奮闘ぶりだけでなく、たとえば「王様ゲーム」で生み出された嫌な緊張感、失敗の末自分の「名前」を食べてしまうアオヤギさんの焦りなど、関係性によって生み出される感情にフォーカスしている点が、スマートでした。同じツナギを着た二人の演奏者の存在、使われ方も、単なるBGM係ではない意味と持っていたと思います。こうした感性は、たとえば今後、子供向けのコンテンツなどでもうまく生かせそうな可能性も感じました。
満足度★★★
巧みな身体表現がかもしだす「かわいげのある不条理さ」
「名前」をテーマにした7本の小編を、ピアノ(加藤亜祐美)とチェロ( 志賀千恵子)を伴い4人の演者(佐藤竜、はぎわら水雨子、山﨑千尋、一宮周平)が次々に演じ分けていく。2020年3月に上演予定だった作品の2年越しのリベンジ上演である。