ポストグラフ【札幌】

彗星マジック（大阪府）

公演に携わっているメンバー：8人

団体紹介

2002年結成。舞台美術や小道具をなるべく廃し、シンプルで骨太な演出、演技、音と光で観客の中に空想のリアルを想起させる無国籍ファンタジーを基盤に演劇を創作。
2010年「月刊彗星マジック」と題し、広がり続ける森の真ん中に立つ灯台の守り人を中心に、終わらない戦争を生きる人々を描いた連作短篇「定点風景」を1年間に渡り毎月書き下ろし上演。翌年には集大成となる長篇版を上演し成功を収める。
2013年、アインシュタインの生涯を虚実ないまぜに描いた「アルバート、はなして」が演劇映像配信サービス「観劇三昧」の第一弾タイトルに選出。
2015年、本作品の初演「ポストグラフ」が同年登録された8660本の作品から選出される「CoRich舞台芸術アワード！2015」にて15位を獲得。
2016年、劇団員米山が出演し代表勝山が脚本演出を務めた「シロとクロ」が最強の一人芝居フェス「INDEPENDENT」の全国ツアーに参加。
2018年、勝山が脚本演出を務めた、衛星軌道で宇宙ゴミを拾い続けるアンドロイドと赤ん坊の成長を描いたノンバーバル作品「Psyche」が「台北フリンジフェスティバル2018」に参加し佳作を受賞するなど、着実に評価を高め続けている。
今回、これまで縁のあった地域に自信作の再演で劇団のフルサイズ本公演ツアーを実施。

応募公演への意気込み

幼少期から絵描きになることに憧れ、絵を描き続けてきました。
一人きりで創作し続ける日々の中、厳しい現実に滅多打ちにされノックダウン寸前だった時、偶然札幌という土地で演劇という表現手段に出会い、その生々しい鮮烈さ、レスポンスがその瞬間に客席から返ってくるという速度に驚き、演劇を始めました。そしてやがて絵描きの物語を創ろう、表現者としての自分を、絵描きとしての憧れや苦悩も全部描こう、と思い製作したのがこの「ポストグラフ」という作品です。
時代は19世紀、ナポレオン亡き後の激動のフランスで絵を描き続け、やがて自ら命を経ったゴッホを中心とした印象派の画家たちの人生を下敷きに、歴史のifを合わせ執筆しました。
劇中に絵画は一切出てきません。その描く姿勢、筆の運び、表情、人間で描かれている絵画を想起させる劇にしようと考えました。その生々しさこそが、一番愛おしく観客を魅了すると確信しているから。
この作品は僕にとっての「全て」だけではなくなり、出演するキャストとスタッフの「全て」になりました。
現在ツアー中の本作品の最終地、そして彗星マジックの始まりの地でもある札幌で、ご覧頂けると幸いです。

将来のビジョン

札幌で初めて演劇に触れ、大阪で演劇を始め、やがて様々なショーケース公演などで各地にて上演する機会を頂いて来ました。
様々な場所で頂く感想は同じ作品でも千差万別で有難く、しかし、その千差万別を越えた「面白い！」を産み出したいと強く想いました。同時にショーケース参加での短篇ではなく、フルサイズの作品を上演したいという思いも強くなる一方でした。やがて全国でできた仲間達が、イベント参加の短篇ではなく、単独本公演のツアーを行い、大阪でもその勝負をかけるに値するクオリティを目の当たりにし、そこに自分も行きたい、行かなければ、自分たちの全力の作品を観てもらわなければ、と今の自分たちにできる全力で作品を研ぎ澄まし、稽古を、準備を行ってきました。
このツアーの成否に関わらず、目標とするのは、これからも継続的に全国を飛び回れる劇団になる事。そのために、作劇に集中できる環境・軽やかに全国を飛び回る機動性を整え、各地の観客や演劇仲間達が「大阪に面白い劇団があるんだぜ」と知人友人に自慢できるような劇団になりたいと思っております。
観た人を魅了できる演劇を大阪から全国に。かつての僕が札幌の地で魅了されたように。